しかchan さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
真実を知りたければ、まず嘘を知れ
21世紀初頭の日本の田舎町を舞台に主人公である高校生の阿良々木暦が「怪異」と関わった少女達と出会い、その「怪異」にまつわる事件を解決していく物語を描いた作品である。
【良い】
・ハーレム構造
本作に限ったことではないが、よくあるハーレムアニメのように女性キャラクターが一気に揃ったり、既出の女性キャラクターをろくに描かないで次々と新しい女性キャラクターを出すことはせず、一人ひとりの話を丁寧に描いていたのは高評価である。
・欠点を上手く利用
阿良々木の行動やなでこメドゥーサの後味の悪さ、千石撫子のあざとさ等の視聴者が作品の悪い点として捉えかねない部分があるが、話を重ねて後、それらを浮上させて本題に絡ませる手法は素晴らしい。
・キャラクターの描き方
表面上は刹那的な会話を繰り返し、薄っぺらいとも思われる本作のキャラクター達だが、見続けていくにつれて深さ(他面)を見せる。
時間をかけて様々なキャラクター達の個性が描かれていき、今まで絡まなかったキャラクター同士が絡むというだけでどのような化学反応が起きるのだろうと考えることができる。
{netabare} 特に、本作での阿良々木の描き方は面白い。
『猫物語(白)』では「ヒーローは遅れてやってくる」というヒーロー像で安心感を与えてくれる阿良々木だが、『恋物語』では自分勝手な正義が恋人である戦場ヶ原ひたぎを悩ませて貝木泥舟の懸念材料となる。
「遅れてやってきたヒーロー」は貝木の目線で観る視聴者にとっては無知な未熟者にさえ映る。
この『物語シリーズセカンドシーズン』では最初と最後で阿良々木の描き方をガラリと変えている。
これは次作以降も非常に楽しみになってくる。{/netabare}
【悪い】
・総集編
1クールも終えていないのに総集編を挟むのはどうかと思う。
【総評】
過去作の積み重ねがあったからこそ、今作を楽しめたと感じた。