takarock さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「花物語」のレビューに託けて
私立直江津高校の2年から3年になった神原駿河が主人公のお話です。
セカンドシーズンは各ヒロインたちの物語であったわけですが、
唯一神原駿河の物語はありませんでした。
セカンドシーズン放送終了が2013年12月。そして本作は2014年8月16日に全5話が一挙放送。
すでに阿良々木暦や戦場ヶ原ひたぎは卒業しており、時系列的には最新ということになります。
まず、私はこのシリーズのレビューをここで一切投稿していないので、
簡単に私の立ち位置を説明しますと、
私は「1期こそが至高、セカンドシーズンはつまらないわけじゃないがおもしろくもなかった」
こんな感じです。(偽物語?エロ物語だっけ?まぁそれについては別の機会で)
何故そう思ったのか?
今回は「花物語」のレビューに託けてそれをちょっと語ります。
「花物語」それ自体のレビューは別にしなくてもいいでしょう。
「お肉♪お肉♪そしてお肉を焼いていた人がやっぱり好き♪」←これで終了ですw
あとは肉が焦げるのを恋焦がれるに掛けてるなんて演出はなかなかニクいですね。
肉だけに(ぁ)
このシリーズの魅力を一言で表現すると「軽妙洒脱な会話劇と独特な演出」だと思います。
しかし、一言で軽妙洒脱な会話劇なんて言っても
それが魅力的なこともあればそうでないこともあるわけで
一概には言い表せない部分も多分に含んでいるわけです。
ちょっとだけ本作を語ると
3話における神原駿河の中学時代のバスケのライバル沼地蠟花(ぬまちろうか)の
語りの部分は非常に退屈でした。
「他人の不幸は蜜の味」・・・私は人の不幸を願う人間にはなりたくありませんが、
そんな個人的な感情はさておき特に本作の沼地蠟花のように
不遇の立場に置かれた人にとっては1つの真理なのかもしれません。
言ってしまえばそんなことを延々と言葉巧みに語る演出過多な紙芝居なのですが、
逆に、ここにこのシリーズの魅力の本質を垣間見た気がしました。
このシリーズのキャラたちはそのほとんどが非常に達観しており、大人びています。
そしてまるで説法のような語り口調で会話劇を展開していくわけですが、
大人の私からしたら「そんな分かりきったことをドヤ顔で言われても退屈だから早く次に行け」
というこういったシーンも、例えば思春期の頃の私が観たら
物事の本質を射抜いたやり取りで、胸に突き刺さる描写として受け止めていたのかもしれません。
1期(TV放送分12話)に比べて
尺が増えた2クールのセカンドシーズンは自ずとこういうシーンが増えてくるわけです。
噛み砕いて言えばドラマCDでやればよくね?という会話劇です。
ここを退屈と捉えるか胸に突き刺さる描写と捉えるかで
物語全体の印象も大きく異なってきます。
前者の場合だと話のテンポを阻害する要因ということになってしまいます。
そうなれば高評価になんかなるわけがないです。
これは1期もセカンドシーズンも、そして本作もそうなのですが、
話それ自体は綺麗に締めくくっていて出来はかなりいいと思います。
余韻を残しつつなんか良い話を観たと
視聴後にそんなことを思わせる作りになっていると思います。
本作は一挙5話放送なので、短期間に視聴してしまうということもあり、
かったるい会話のやり取りという粗もそこまで目立たないのかもしれませんが、
これを毎週放送の2クール(さらに総集編を何度も挟んで)なんてセカンドシーズンが
私の中で高評価に繋がらなかったのは道理だなとそんなことを思いながら観ていました。
このシリーズ(特にセカンドシーズン)はある程度自己の考え方なりが固まっている人の場合だと
会話劇の部分が退屈に感じてしまうという人は多いのかなと思ったりしました。
軽妙洒脱な会話劇もちょっと冗長になると(あるいは慣れてしまうと)
かったるいという弱点になってしまうということなのかもしれませんね。
ただ、これにも例外があります。それが「貝木泥舟」です。
彼は嘘をつくことに特化したキャラであり、
会話のやり取りこそが見せ場であり彼の戦闘なのです。
その一言一言に「これは嘘?それとも本当?」と釘付けになってしまうんですよねw
セカンドシーズンの話の中でも「恋物語」は格段におもしろかったです。
このレビューでなんだかんだ言ってきましたけど
私は「ファイナルシーズン」も観ると思いますけどね(てへっ♪)
おっとその前に傷物語かw