北山アキ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
意図しているであろうテーマの切り口としては甘くてヌルい
原作未読
8話まで観た
カネキがあんていくに肩入れするのは
・主食が人肉になって食料を調達する必要がある
・人間に追われる側になり隠れる場所を必要としている
・一緒にいるうちに情が移った
ということなのかな?
カネキは手に入れた力で人間側につくという選択肢もありそうなのに、そうしないのはなぜか?
喰種の方が悪い奴の描写が多く、人間側で悪い奴はほぼいない印象なのに。
見知らぬ人間より、知ってる喰種のほうを大切に思うのは当然としても、
「喰種だって人間なんだ!」みたいなのは拡大解釈感もある。
あんていくはクインケは作れないの?
そうすれば人肉食べなくても戦えるんじゃないの?
同族殺しなんかあまり気にしない種族なんでしょ?
豚とヒトは捕食-被食関係として「共存」してる。
ヒトと喰種もそうしかならない。
でも、ヒトは他の生き物のエサになるのを受忍しない高慢な動物だから、
食物連鎖での劣位性を認めず、喰種をクレンジングしようとしている。
そんな窮鼠みたいな判断力を欠いた動物(ヒト)から
こそ泥みたいに食料を掠めて満足して「共存(共栄)」とか言ってるあんていくの喰種ってバカなの?
それとも神なの?
実際のところは、答えは分かっているのにそれを受け入れないで、
己の慾望をいろいろ言い訳して正当化しようとしている人たちの話と言える。
喰種に神の見えざる手、言い換えれば生態系のバランサー的な象徴機能や寓話性が与えられていない上に
自然界のシリアスな捕食-被食関係として「共存」を
おセンチな「共存共栄」に無理矢理すり替えようとするから、
この作品は「生命」とか普遍的なテーマには迫る力はない。
だから、ただ変態キャラものや活劇として楽しめばよい。
最後まで観て
シリアスなテーマの掘り下げはなく、
見世物小屋的なキャラと内容に終始したのは期待と違っていたが、
最終話のタメてからのバトルはなかなかよかった。