しかchan さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
廊下で転ぶと鼻血が出て、人生で転ぶと涙が出るんだ
恋愛や家族関係等、それぞれに悩むところのある高校生達の学生生活を描いたラブコメ作品である。
【良い】
・キャラクターの描き方
物語の中心となるキャラクターの描き方(北村祐作を除く)が非常に丁寧で深みがある。
特に、ヒロインである逢坂大河の描き方は素晴らしい。
{netabare}大河の家族関係は壊れており、誰からの愛情を受けることが無いまま育つ。
表面上では一人で強がっていても心のどこかでは寂しさを隠し切れていない。
また、愛情への飢えがあるため、サンタへの強い拘りがあり、サンタを自分を見てくれる唯一の人として認識している。
サンタに例えて「どこかで自分を見てくれる誰か」を探しているが、不器用な大河は空回りしてしまう。
しかし、そのような大河も時が経つにつれ、精神的に成長し、落ち着いた大人びた雰囲気が出てくる。
このような心情の動かし方からは女性作家さんの特有のセンスが感じられる。{/netabare}
・声優
声質がキャラクターのイメージに合っている声優が多い。
・音楽
特に、「silky heart 」は素晴らしい。
この曲は待望の新OP曲として披露された。
曲調や歌詞が作品と最高にマッチしており、また、クライマックスへ向けての期待感が膨らむ映像になっている。
【悪い】
・北村の描き方
{netabare} 他の4人はしっかりとした役割があったので、「大河の好きな人」以上の役割を北村が担うことができなかったのは非常に残念である。
高須竜児との友情的なやり取りを櫛枝実乃梨に奪われてしまったせいか、中盤辺りから存在感が薄くなっている。{/netabare}
【総評】
ここまで純粋にラブコメに徹して完成度が高い作品には出会ったことがないので、感無量である。