しかchan さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
all hail lelouch!!
主人公であるルルーシュ・ランペルージの復讐劇を描いた作品である。
【良い】
・超展開
超展開で視聴者を驚かせることに注力しており、結果的に視聴者を楽しませることに成功している。
【悪い】
・本筋とあまり関係のない話
今作の1話が同時に『コードギアス』という作品の26話(実際には28話)でもあったことは誰でも分かると思う。
1年52話を一つの単位とすれば、28話というのは第3クールに突入しており、本来ならば、最終回への地ならしをする時期である。
そのため、全ての労力は本筋 {netabare} (例えば、ブリタニア打倒、ギアスとCの世界の謎の解明、ルルーシュの受ける報い等) {/netabare}を大団円に持ち込むために注ぎ込まれるべきである。
{netabare} しかし、本筋とはあまり関係のない話(12話の学園ラブコメ、C.C.の記憶喪失、ディートハルトによる扇への脅迫等)に労力を割いたことにより、広く浅い内容になっている。{/netabare}
・物語の結末
{netabare} 物語の結末はルルーシュが「悪逆皇帝」となって世界を征服し、人々の憎悪が限界まで高まった時にゼロ(スザク)に自らが殺されることで世界に平和をもたらすというものだった。
しかし、人々の願いや意志の力に明日を託すのであれば、ルルーシュの計算が人々の自発的な行動によって狂い、思惑通りにはいかずに利用されてきた者達がルルーシュを討ち滅ぼすという結末の方がリアリティがあるし、有意義である。
ルルーシュが「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ」という自身の哲学を貫徹できる結末なので、素晴らしいという見方もあるだろう。
しかし、「世界一邪悪な存在になり、全ての憎悪を一身に集めて死んで平和な世界のための礎となった」というルルーシュが自己陶酔に浸っているような最期で視聴者の感傷を誘ったのは問題であり、戦争を軽く扱っている気がしてならない。{/netabare}
【総評】
『コードギアス』という作品は人を引き付ける魅力があった。
だからこそ、もっと上手く作れなかったのかと悲しくなる。
これだけ勿体無いと思う作品はないだろう。