くらうち さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 2.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
過去は過ちでもいい
予定よりも数ヶ月遅れてしまいましたが、ようやく物語シリーズセカンドシーズンが全部そろいましたね。
シリアスなアスミンが新鮮だった…
{netabare}
●物事の多面性
どんな悪も誰かを救っているし、どんな正義も誰かを傷つけている。
「他人の不幸は蜜の味」などというのは、不謹慎であるように見える。しかし、それによって沼地も悪魔様を頼ってきた人も救われていた。
戦場ヶ原や阿良々木にとっては悪でしかなかった貝木も、神原の前では親から受けた恩を返そうとする義理堅い男になる。
こういった、物事の多面性というものはよく言われることですが、同時にじゃあ何が正しいの?といった疑問も湧いてきます。
阿良々木曰く、誰も困っていないように見えても自分が困っている、それは十分行動する理由になる。要するに、何が正しいかなんて事はなく、自分の中に求めるしかないということなんでしょうか。
しかし、神原の「無愛想だが優しくしてくる親戚のおじさん」という貝木評には笑いましたw
●願うこと自体に価値がある
最後に阿良々木がいうこのセリフ、とてもいいと思いました。
何を願うかということは、その人を最もよく表すことの一つであると思います。
それを知っているからこそ、自分を見失わずに生きていくことができる。
これは、願いが実現することよりも大切なことかもしれません。
母親は、それを教えるために悪魔の左腕を残したのだと神原は気付きます。それを使って願いをかなえることは大きな代償を伴うわけですから、願いを叶えることよりも願いを持つことが重要なんだというメッセージととることもできますね。納得。
●逃げたっていい、また戻ってくれば
神原も沼地も、怪我によってバスケを断念せざるをえなくなってしまいました。
さらに、沼地は自殺にまで追い込まれ、神原は悪魔という怪異に手を出してしまう。
それでも、二人で真剣勝負のバスケをすることによって、沼地は成仏でき、神原は現役に復帰できた。
EDで、中学時代に「宿敵」としてしか相見えることのなかった二人が、仲良さそうに遊んだり、バスケを楽しんでる描写がありました。
ずいぶん時間がかかってしまいましたが、本当は分かり合える二人だったのですね。
最後に、、傷物語はよ!
{/netabare}