退会済のユーザー さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
潜在犯という設定が面白い
人間の心理が科学的に解明され、国民全員にそれを適用できるシステムがある社会。人間の心理を読みとり、潜在的な犯罪者を裁く組織が舞台。
潜在犯を裁くため、犯罪を未然に防ぐことができる。夢のようなシステムだが、実はほころびがある。それが物語中盤からでてくる。
サイコパスという心理数値によって判断している社会が設定として面白い。
このサイコパスシステムは人間の脳の集合体でできている。コンピュータプログラムによる公平なシステムではなく、人間の多種多様な脳を並列化することで作り上げた公平さと平和だ。
非倫理的だが、これが1番公平で平和なシステムを構築していることが皮肉なところだ。
主人公は物語のラストでシステムに服従はしないが、このシステムの破壊もしない。
さらに良いシステムを人間は創り出すと答える。
最大多数の最大幸福に1番近いシステムだ。また、システム欠陥をその人間の脳を取り込むことで限りなく近づけて行く。ここがぞっとするところであり、面白いところだ。
漫画版ナウシカの最後と似ている。ナウシカではまやかしの光ではなく、血を吐きながら生きるのが、生命だと拒絶し、システムを破壊してしまう。サイコパスなら、アカネがシュビラシステムを拒絶し、破壊するエンドだ。
また、このシュビラシステムはガンダムSEED デスティニーのデスティニープランとも似ている。遺伝子と心理状態の差があるが、ともに未来を人間ではなくシステムに委ねるという考え方が似ている。
果たしてどちらが人間にとって幸せなのだろうか。どちらがより人間らしいのだろうか。