「ハル(アニメ映画)」

総合得点
64.1
感想・評価
242
棚に入れた
1329
ランキング
4005
★★★★☆ 3.7 (242)
物語
3.6
作画
4.1
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.6

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ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「貴方と」「貴女と」

近未来の京都
飛行機の事故で最愛の人を失ったくるみを慰めるため、ロボット療法を用いることに。ロボットは彼の姿に変化し、彼女のもとを訪ねる。かつて2人が語りルーピックキューブに記した夢…2人は少しずつ距離を縮めながら2人のやり残したことを共に叶えていく…。



声質もいいけど、それより細谷さんも日笠さんも演技力高くて好きだなー
EDの「終わらない詩」がストーリーとシンクロしてて泣ける。最後にこれ流されたら涙流れるよ…
ハルとくるみ両方の気持ちを歌った詩

♪このまま貴女の居ない世界でも
始めから知らずに眠るなら
貴女の思い出を目を閉じればすぐに感じる今がいい
このまま私の居ない世界でも 貴方が幸せでいれるよう
貴方が私を必要とするなら 私は笑顔で見守っているからね


キービジュアルアートディレクターが清川あさみさん。写真に刺繍をして煌びやかなアートに変えることで知られる人気アーティストです。
そしてキャラクター原案が「アオハライド」の咲坂先生
うん、主人公は男の子だけどスタッフ的には女性の方が楽しめるかも。




ロボハルとくるみが心を通わせていく様や、2人を取り巻く人々の優しさに
ほっこりと暖かな気持ちになる。
しかし、最後には驚きの真実が待っていた。
{netabare}
実はロボットはハルでなく、くるみの方だった。
不法労働、劣悪な環境で働かされ、子供の時から辛い日々を送ってきたハル。
そんな彼にとって安らぎであり光となったくるみ。
喧嘩別れした後に彼女を事故で失って、ハルはそんな現実を受け止められなかった。
だから自分がロボットであると思い込み、心を閉ざすことで自分を守っていたのだ。
心を守るためロボットのように振る舞うハルと、彼を救うため人間のように振る舞うロボットのくるみ。初見ではまったく気づかなかった…!
本作はラブストーリーなので、ロボットがどうやって記憶を引継いでいるか?とかSF的な説明はなされなかった。そこは重要ではない、ということだね。
だって、ハルも物語を追ってきた私たちも彼女が人間であると、くるみであると感じていたから。けっしてただの紛い物ではない。彼女の、ハルを助けたいと想う気持ちはたしかに本物だった。
だからハルは真実を知った後、絶望することなく前を向いて歩き出せたのだと思う。


結末を知ってからもう一度見返してみると
博士が彼に話しかけるとき、ハル本人に(人間に)話しかけるように会話している。
初見では 人間と錯覚するほどロボが精巧な出来になっているから、そういう対応をしてしまったんだろうと思うところだが
結末を知ってから見直すと うっかりハルとして接してしまったのだとわかる。

それにハルの幼なじみのリュウも
くるみがロボットだと知ってたから売ろうとしたんだろう。あの子供時代を過ごしてきてさすがに人身売買はしねえよな。

キャラクターの言動の裏にある心情もはっきり理解できるし、二度目も、いや二回目の視聴のほうが楽しめたかもしれない。
{/netabare}


余談
予告CMというのは、その作品の最も良い部分を抽出して人々が映画を観に行きたくなるように編集されたモノ。そういう観点からするとこの作品の予告CMは最高だった、最高すぎた。本編を超えるレベル。初回視聴時は 面白かったけど予告の出来に本編が負けている印象だった。しかし
2度目視聴時はストーリーや人物の気持ちも より深く理解できて1度目に観た時より感動した。
最終的には
1、2回目の視聴>予告映像
もし
一度だけ見て「思ったより…なんか、うん。」って印象で止まってしまってる人がいたらぜひ二度目の視聴をオススメしたい。






メモ

ルーピックキューブに書かれた2人の願い

ハルの願い
くるみと暮らす!

くるみの願い
ハルと料理をする
キリンを飼う
ハルが暴力をふるいませんように
浴衣でお祭りに行く
ハルが生きることを思い出しますように(書き足されたロボくるみの願い。泣ける…)

投稿 : 2015/05/31
閲覧 : 265
サンキュー:

6

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