青陽 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
観てる間はあなたも巴里へ
フランスのアニメーション映画。
刑事である夫をギャングに殺された女警視、その娘ゾエは事件のショックから失語症になっていた。そんな二人が暮らす家の飼い猫ディノ。夜な夜な出掛けるディノにはもう一人の飼い主がいた。その男はパリを賑わせている宝石泥棒で…。
日本のアニメ作品とは良くも悪くも違いが大きい。
ジャンルとしてはミステリーやサスペンスに分類されるであろう作品だけど、明快なストーリーで子ども向けになっている。フランスではまだ アニメ=子どもの見るものという位置づけなのだろうか。
しかし単純なストーリーの中にフランスらしいユーモアが含まれており笑いを誘う。
作風はフランスらしく、お洒落なポストカードがそのままアニメーションになったようだった。
ディノと泥棒がすらりするりと華麗にパリの夜を翔ける姿が印象的。骨格やら物理法則を無視したアニメーションならではの動きは観ていて楽しいから好きです。
またゾエの面倒を見てくれる家政婦(香水が臭い)
キツい香水をつけているという設定が至る所で活かされていてよかった。
例)実は彼女はギャング側の人間でスパイのような悪役だったのだが、彼女の香水の香りをディノと泥棒が辿って敵の居場所を見つける。
↑このときの漂う香水の匂いが家政婦の形になってディノの元に流れていったのは
センスがあるなーと感じた演出だった。
他にも停電したときの暗闇の描き方!真っ暗な中に白線で人の姿が描かれているというお洒落なものだった。
ギャング達を逮捕できてハッピーエンドなのはよかったが、いくら娘を助けてもらったからといって母親が宝石泥棒と恋に落ち、3人と1匹で暮らす終わり方はいいんだろうか。さんざん悪さしてた泥棒なのにお咎めなしっぽいし。もし子どもに聞かれたときにフランスの親御さん達は何と答えるのか?きっとおフランスらしいウィットに富んだユーモアで質問を煙に巻くのだろうなー