kwm さんの感想・評価

4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

素晴しいハードSFアニメ

原作未読。
『わずかに生き残った人類による存亡をかけたサバイバル』『投入感が半端じゃないド迫力の戦闘シーン』宇宙版進撃の巨人ともいえるような作品。
戦闘シーンにおける『オペレーター』『指揮官』『最高司令官』そして『権力を持った謎の評議会の存在』というエヴァ的な面もあり、色々な作品の良いとこ取りをしたような感じになっています。
舞台となるのは人類が光合成を行う事ができるようになり、選んだ相手の性別によって自身の性別を変える事ができる第三の性が存在するような1000年後の未来です。
移住先の惑星を探す過程で遭遇する謎の生命体との戦闘シーンはCGが多用されていて超美麗で、特に音響効果は素晴しいの一言。
映画の『スターウォーズ』や『トランスフォーマー』等、動いている物からよりスピード感を感じられるようなサウンド周りの細かい演出が成されていて、この部分は一話始まって30秒もしない内に『やだなにこれすごい…』と感じました。

物語は序盤からほんの少し謎を持った状態でスタートするので、世界観を含めわからない事だらけで一話目は投入感があまりありません。
人物がCGで描かれていることもあって一歩引いた目で見てしまうし、慣れてないというのも大きく影響していると思います。
特に人物の表情の描写は表現が難しいのか、どこかアンドロイドのように見えてしまい見始めた当初はかなり違和感を感じて気になりました。
しかし二話目からはド迫力の戦闘シーンが始まるので、あとはそれがぐいぐいと引っ張ってくれます。
気がついたら12話終わってます。いやわりとマジで。

特にこの戦闘描写が素晴しく、ここまで引き込まれた作品は久しぶりでした。
戦闘パートになった途端に時間が三倍速くらいに感じられるほどです。
それだけ戦闘シーンに引き込まれるので、交戦終了後の船内での休息パートは物凄くのんびりと休んでいる感じがしてメリハリがあり、凄く良かったです。
こうした緊迫していないシーンになるとやはり人物の表情の乏しさが少し気になるのですが、戦闘と休息のパートを繰り返していく度にどうでもよくなるくらい他の部分が素晴しいです。
ちなみに全体的にのんびりと休んでいるようなシーンは少なめです。
船内での非戦闘シーンは謎の解明に使われる事も多く、気がつくとすぐにまた戦場に駆り出されるのでほっとしたのも束の間気がつけばまた戦場。
その戦場では味方がゴミのように死んで行き、『え、その人もやっちゃうの？』というくらい容赦なく死んでいきます。
この謎の生命体を前にした命の軽さは臨場感をより高めてくれます。


ストーリーは硬派で萌え要素も殆どありませんが、SFやロボットが好きな方に『二話まで見て面白くなかったら切って良いから見て！』と勧めたくなる作品でした。
製作決定済みの二期が待ち遠しいです。