kwm さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルのイメージに反して良作だった
才色兼備な隠れオタの女の子と彼女の兄によるコメディーです。
一般的な『妹萌え作品』と違って、妹の兄に対する態度は思春期の少女が父親を邪険に扱うかのようで『キモッ』『死ねっ』『触るなっ』などと暴言を吐きまくります。
序盤は兄妹がリビングですれ違ってもお互いを無視するような冷めた関係ですが、妹が落とした一枚のエロゲーディスクをきっかけに彼女のオタク趣味を兄が認知する事となり、以降はそのオタク趣味を中心に話が展開されます。
酷い扱いを受ける兄は妹のオタク趣味が第三者にバレてしまっても最後まで彼女の味方をするような妹思いな所が特徴ですが、甘やかしすぎてシスコンのような面も持ち合わせています。
ただ終始兄妹でべたべたするような良くある妹萌え作品のような展開にはならないので、良いお兄さんと妹の物語的な感じで話は進んでいきます。
私がこの作品で良いなと思ったのは、この兄妹愛の部分です。
作品全体を通して数は多くないのですが、捲し立てて必死に妹を庇おうとするシーンなんかは泣きそうになりました。
第三話なんか最終回とも言える高いクオリティです。
妹系の作品は殆どが近親相姦上等で兄とべたべたするので、そうならないこの作品は非常に新鮮な気持ちで見る事ができました。
安易に萌エロに頼るような事はせず、男性向けサービスシーンが控えられていたのも良かったです。
ちょっとわからなかったのが、妹の『男性向けエロゲー』趣味の設定についてでした。
結局この作品の作者はオタク文化万歳が言いたいだけなのかそうでないのかがわからず、検索してまで『男性向け18禁ゲームをプレイする女性』について調べてみましたが、最後までわからずじまいでした。
ブラコンなら妹側にたってゲームをプレイすると思いますがこの妹はそうではないですし、ましてやゲームの主人公の男性側にたって妹に対して性的興奮をしているとも考えられず。
結局面倒くさくなって『お兄ちゃんの妹想いな兄妹愛かっこ良かったなー』『安易に兄妹でべたべたするありふれた作品じゃなくて良かったなー』という所に落ち着きました。
タイトルやサムネでかなり損をしている作品だと思いますし、高めの評価にも納得できました。
対象年齢は広めで、人にも勧めやすいです。
唯一の難点はオタク文化をごり押しして正当化しているとも受け取れるので、それらに対する考え方によっては一歩引いてしまい楽しめないであろうという点です。