退会済のユーザー さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
使い古されたプロットを
全6話の純愛もの。
少女は心臓に病をかかえていて、ほとんど誰にも心を開かなくなってた。そんな所に少年が入院してくる。17歳の少女と同じく17歳の少年が入院している中で出会い、恋をしてゆく物語。
唐突な展開だったり、作画の古臭さや、脇役の素行などなどは目をつぶって頂く可能性有り。ですが6話の中でよくある使い古されたプロットを良く纏めていたと思います。
初見は正直、唐突の展開にこれはハズレアニメかなとも思いましたが、徐々に慣れてくると良い作品に見えてくる。良かった点はまず設定からしてお涙頂戴なのですが、割と自然で結構リアルな心理描写になっていた。お互いのすれ違いだったり、ヒロインの苦しんでいる様や、少年の短い時間に賭ける想い。そして主治医やナースなどは一癖ある連中で、二人を見守りつつ時には同苦している所なんかはいい感じ。また、あまり萌えに媚びてないのも高評価。このような作品に下手に色々混ぜてくると陳腐な作品に感じてしまう。
悲しい物語ではあるものの、登場人物の前を向いている姿勢に心打たれ、勇気を付けられる。少女が宮沢賢治や芥川龍之介が好きで、作中に本の中の場面を写してたりするのも+αで、17歳同士の若い恋を色濃くさせていた。
病院を二人で抜け出して彼女の行きたい場所に行ったり、もう会えない状態になってしまった少女の部屋を窓から侵入する所なんかは、青臭くもあるが二人の真剣な想いが響いてくる。担当医も彼女を失っていて半ば自暴自棄。彼女が亡くなる少し前に半月絵柄のジッポライターを貰っていて、まだ過去を割り切れずにいる。元暴走族のナースは、少年に助言をしながらも注意したり自分を反面教師にして注意してくる。
そんな人達と共に近づいてくる死期の日。二人は、そして他の皆はそれぞれの想いと共に、何かしらの決心をしてゆく。ラストは涙と言うより、有限な時を大切にしようと背中を叩かれた印象でした。半分の月ともう半分の月が最後には見える物語になっておりまする。