雷撃隊 さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
明るく楽しい怪談もの
今までこんなに明るく楽しい気分になる幽霊の話は初だったのでなかなか楽しめた。学校の怪談の幽霊が萌えキャラに、という非常に解かり易い内容。紺色セーラー服がカッコイイぞ。本人はダサいと思ってるけど。人間&幽霊のバカップルのラブコメだー。1話を見た時点で最終回のオチは予想通りだったし途中経過もこれまた予想通り。パターンが手に取るように解るけど様式美の世界なので全く問題なし。むしろ予想が当ったことが嬉しく感じる。このテのパターンの作品はワンパターンだ、つまんねー、となる場合と安心感があっておもしれーとなる場合がある。本作はもちろん後者だ。突っ込みどころは主役の夕子さんが幽霊である必然性があんまり感じられない点だろうか・・・。例えば宇宙人や超能力者あたりでも似たようなストーリー展開になるだろうし。
夕子さんが貞一くんを好きになる理由は久しぶりに会えた姿が見えて触れ合える人、というのは説得力がある。中盤で過去の因縁が明かされる話は二人で困難に立ち向かう王道でほどよい危機感と安心感があっていい。ラストもやはりこうなったか、という感じ。キスが未練になってこの世に残留なんて幸せじゃないですかー。13話の貞一くんの「幽霊って怖いけど魅力的なんでしょう。噂話を通じて出会いがあるんですから、夕子さんのおかげで僕らこうして集まってます」はいいセリフだ。
映像は色使いが凄くいい。夕方の赤とオレンジの表現が昭和の時代劇みたいだ。本郷功次郎の牡丹燈蠟とか怪談映画をよく研究している。流石あの新房監督の弟子大沼監督。シャフトほど角が立ってはいないけどシャープな透明感が特徴的。1話の小此木さんには夕子さんが見えないという表現はうまい。霧江さんと夕子さんが妙なライバルになってゆくのも明るく笑える。
主題歌もOP,ED共にぴったり。鈴木このみさん、衝撃的で頭にこびり付いて離れないですよ。
1クールでお手軽ながらもきちんと複線を回収してるので尻切れ感もなし。よくまとまってるので質のいい佳作でしょう。
ちなみに僕が持ってるBD,海外版だけどオリジナルの日本語音声に加え英語吹き替え音声が収録されてて笑える。しかもコメンタリーもしっかり収録されていて豪華。いい買い物でした(笑)