アルカット さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
冲方×サイバーパンクSF。
蒼窮のファフナーや、ヒロイック・エイジ等で有名な冲方丁の原作&脚本で、圧縮・燃焼・排気という全三部作ですが、ここでまとめて書きます。
大変重たいテーマに重たいストーリーとなっていて、完全版ではR18指定もされている程、性的な描写やグロい描写が有ります。
◆メインキャスト◆
配役は、主人公が林原めぐみ氏、ウフコックが八嶋智人氏、ボイルドが磯部勉氏と、まるで吹き替えかのような超豪華仕様。
更に主人公に至っては、とある事情でマイクを3本使っての骨伝導収録と気合が入っております。
◆あらすじ◆
少女娼婦であったルーン・バロットは、人生に嫌気が差していた。そんなある時にシェルという男に嵌められ、殺されそうになっていたところを、委任捜査官のイースターと、人語を話すネズミ型万能兵器・ウフコックの手により救われる。
ところがそれは、マルドゥック・スクランブルO9法の下、禁断の科学技術で蘇生された肉体だった。未知の身体能力を手にしたバロットは、パートナーとなった金色ねずみのウフコックと共に、何を見て、何を嗅ぎとり、何を感じて生きていくのか・・・?彼女の命運をかけた戦いが始まる。
第一部(圧縮)感想
最初観た時は、世界観が「ブレードランナー」に似てるなぁといった感じくらいで、良く内容がつかめませんでした。
また、娼婦を主人公にしたアニメは観た事が無かったので、その面では斬新だったと言えます。そういった事から、話がリアルだったので暗いお話だなという印象を受けました。
{netabare}娼婦バロットに対する裁判は印象的。声が基本的に出ないバロットに用意したYES/NOスイッチの音声が、やらしい声をしていて少し笑ってしまいましたw{/netabare}
また敵キャラが強烈過ぎて、何回観ても鳥肌モノです。キャラが強烈な上に、中の人が若本さんだったり、かないみかさんだったりするもんだからインパクト大。初めて観る人はビックリしちゃうかも知れません(笑)
第二部(燃焼)感想
公開が1年越しに1作といったペースだったので、前作を思い出しやすいように、良いところで繋げて終わらせるのも本作の特徴でした。
{netabare}まさかの、指フェチキャラ再登場w他のキャラが銃殺や刺殺、絞殺だっただけに、電気ショックだったというのはフラグだったんですね。とんだサプライズでした。{/netabare}
後半からは、物語の核心・シェルの記憶に迫る為に、カジノに潜入して荒稼ぎに挑むバロットとイースター。機械操作や不思議な力が有るバロットと、演算・記憶がズバ抜けたウフコックのコンビは、思わず「卑怯だろw」と言っちゃう程に圧倒的で美しい強さでした。
第三部(排気)感想
前回のカジノの続き・最終ゲームはブラックジャック。
ディーラーにカードを操作されたら、勝ち目が無さそうに見えるこのゲームも、絶好調の二人にとっては関係ないのかも知れない。
ただ、{netabare} ルールを知ってる人なら気付くと思うが、トランプ絵の作画がミスしている。(点数が21となったところが、バーストになっていたり。)
その焦りからか、途中で黒い手袋を外した後に手袋が何故か付けられていたりもして、作画スタッフの苦労も垣間見えました。{/netabare}
最後は、やはりライバル・ボイルドとの決戦。相変わらず異常な防御能力で、最後の最後までどうなるか分からない緊張感はハラハラしましたw
<総評>
1章目を見ただけでは、主人公のバロットが少し怖く思えてしまいました。しかし、ねずみであるウフコックとのやり取りや、カジノでのバロットの成長を通して、急に愛らしくなりました。
主人公とウフコック達の今後が気になりましたが、きっと良い相棒としてうまくやって行ってるんだろうなと思います。お幸せに。
オススメ対象は、どうでしょうね。サイコパスが好きな人は向いてるんじゃないかな?男性向けだと思います。