ようす さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
余韻を残す完成度の高さ。いろんな人生が、ここには詰まっている。
これはすごい作品だという噂は聞いていたので、とても楽しみにしていました。
観終わって…。
素晴らしい作品でした。これはすごい。おもしろかった!
全45話です。
● ストーリー
周囲に合わせ、良い子でい続けてきた女子高生・中嶋陽子(なかじま ようこ)。
彼女はある日、景麒(けいき)と名乗る男によって、友人と共に異世界へ流れ着いてしまう。
たどり着いた異世界は、12の国々からなる世界であった。
見始めて数話は、何がどうなるのか全然つかめないストーリーに困惑していました(笑)
でもそれで観るのをやめなくて本当によかった。
この作品は、
【月の影 影の海】…1章~12章・終章・転章(1話~14話)
【風の海 迷宮の岸】…1章~5章・終章・転章(15話~21話)
【書簡】…22話
【風の万里 黎明の空】1章~8章・転章・9章~15章・終章(23話~39話)
【乗月】…40話
【東の海神 西の滄海】1~3章・終章・転章(41話~45話)
という編で構成されています。
(書簡と乗月は箸休めのような役割なので、本編は大きく4つです。)
それぞれのタイトルは、原作の小説のタイトルと同じです。
すべての物語は12の国のお話です。主となる人物もほぼ変わりませんが、
編ごとにスポットライトの当たる国は変わっています。
とりあえず、【月の影 影の海】を観てください。
そうすれば、この作品の深さ、おもしろさ、興奮がわかると思います。
おもしろすぎてあっという間に時間がたってしまうのは困ったところでしたが。笑
● 難解な言葉
この作品の難点を挙げるならば、”難解な言葉”です。
耳で聞きとり理解するにはかなり辛いところがあります。
中国に似た国々なので、名前もみんな似たり寄ったりで、誰が誰のことなのか、サブキャラになればなるほど、わかりませんでした^^;
各編の転章は、いわゆるまとめの章で、
その編全体を振り返りながらわかりやすく解説してくれます。
それが非常にありがたかったです。
もやもやっとしていたところがある程度すっきりして、次の編に進むことができました。
あとは、wikiとお友だちになって理解したり、あきらめたりしてました(笑)
誰の話なのかよくわかんなくても、雰囲気だけでも楽しめましたよ。
(きちんと理解した方がもっと楽しめたでしょうが…。)
● 【風の万里 黎明の空】
私が1番楽しめたのは、【風の万里 黎明の空】でした。
政治的な話で、役職とかさっぱり意味不明だったんですが、
よく練られた設定には感服しました。
また、観ているものの想像を上回る形で終末へ向かう物語。
これは今まで見てきた中で最高のシナリオのように感じました。
終章が終わった後、しばらく呆けてしまいましたよ(笑)
ただ「おもしろい。」では終わらない。余韻を残す完成度の高さでした。
● 生きるとは…人生とは…
このお話に出てくる人たちは皆、
生きること、幸せをつかむことに必死です。
その人たちから飛び出してくるのは、名言の数々。
「うーん。深い。」と思わずうなってしまうような、人生の欠片たち。
人生に対しても己に対しても、気持ちが引き締まります。
身に染みる言葉がたくさん詰まっていました。
名言名場面多すぎですよ。
● キャラクター
魅力的なキャラも多かったですね。
かわいいとか、かっこいいとか、そういうものとは離れています。
しかし、みんな魅力的。
それは、それぞれがまっすぐな信念を心に秘めているから。
主人公の陽子は、「できない。」ばかりを連呼する女子高生でした。
あまりの「できない。」発言に、私もイラッとしていました(笑)
しかし、彼女が異世界の国を旅する中でいろんなことを悟り、変わっていく姿は大きな見どころ。
人ってこんなふうに変われるのかしら。私もまだ変われるのかしら。
そんな勇気ももらいました。
ちなみに、私は供王・珠晶(しゅしょう)が1番お気に入りです。
あのはきはきとした物言い、厳しい言動の中に見える優しさ。惚れた。笑
あまり出番がなかったのが悲しい。
彼女の物語も観たかった。
● まとめ
この作品のおもしろさをネタバレなしで伝えることは非常に困難であります。
しかし、おもしろさは保証します。
小説が好きな人、壮大な世界が好きな人には特に!
映像化されていない原作もあるようなので、というか原作はまだ未完ということなので、
ぜひぜひ続編を!!希望します!!お願いします!!
アニメが観終わってしまってさみしいので、原作をこれから読みたいと思います^^