「シドニアの騎士(TVアニメ動画)」

総合得点
82.0
感想・評価
1618
棚に入れた
8027
ランキング
383
★★★★☆ 3.9 (1618)
物語
4.1
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.9

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景禎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

重力警報発令

アフタヌーン連載中の漫画のアニメ化作品です。宇宙SFロボットバトルもの。ではありますが、かなり独自色の強い作品です。ちなみにギャグ要素はほぼ皆無。

千年以上も未来のお話です。地球と太陽系は、対話不可能なナゾの宇宙生物ガウナ(漢字で奇居子と書くらしい)によって破壊され、人類は多くの播種船(数十万人を乗せることができる巨大なノアの箱舟のようなもの)を建造して、新たな移住先を求めて宇宙空間を漂っています。主要なエネルギー源はヘイグス粒子という宇宙に無尽蔵に存在するとされる仮想の素粒子。そのヘイグス粒子は、生活のためのエネルギーから、対ガウナ戦闘用の兵器にまで使われています。そんな播種船のひとつである「シドニア」が、100年ぶりにガウナと遭遇する、という設定です。

その他にも、男性と女性以外の性があったり、人が光合成が出来るようになっていたり、さらには、その光合成をする行為がエロだったり、という特異な設定もあります。重力祭りや重力酒とか、なんでも名前の頭に重力を付けるのが、長い間惑星の重力から離れた生活をしていることによる「重力への憧れ」の表れだ、という設定もいい感じ。

このように、現代(現実世界)とは大きく異なった超未来の設定にもかかわらず、文化的バックグラウンドはモロに「昭和」です。それも昭和初期。シドニアの中のヤミ市のような雑然とした町並みとか、ほとんどのものに漢字で名前を付ける習慣とか、昭和初期の第二次世界大戦(大東亜戦争)の頃の日本の特徴が色濃く投影されています。・・・艦長のマスクが能面風だったりするのも、なにげに日本的ですね。

Angelaさんの歌うOP主題歌もたいへん特徴的。ずばり昭和の軍歌です。「同期の桜」(きさまとオレと~は~)とか「露営の歌」(勝って来るぞと勇ましく~)のような曲調で、オールドファンにはこたえられない。(そんな世代の人がアニメなんか見ぃひんか・・・)逆に、それよりもう少し若い反戦世代には拒否反応があるかもしれない。ちなみに、この曲はスペース軍歌と呼ばれているそうな。

さらに、全編CGというわけではないですが、3DのCGがかなり多用されており、キャラの動きとか、手書きアニメと違っていて、かなりクセがあります。キャラデザインも相まって、原作未読の初見者は、そういうところに面食らってしまいます。私もその一人で、ロボットものが苦手というのもあって、テレビ放映時は1~2話で断念。あとになって録画で全話完走しました。

このように、かなり独自色の強い(というかクセの強い)作品ではありますが、耐性のある方は是非見ることをお勧めします。ストーリー的にもおもしろく、前半は多少退屈感がありますが、後半は引き込まれてしまいます。宇宙ものSFとしての完成度の高さ、戦闘シーンのスピード感や迫力、メカや武器のかっこよさ、さらには、この作品独自の世界観からくるエロさ。いろんな面で一見の価値ありの作品です。

投稿 : 2014/08/10
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