kids さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
“美しい”を描くラブコメディ
(とても気に入りました! そのせいもあってかなり長文です)
少女漫画が原作のこの作品は、ファンタジーの世界でのお姫様と王様の恋愛模様を中心として描いた作品です。内容は比較的王道をいっているなという印象でした。
登場人物について
この作品の最大の魅力は主人公のニケ・ルメルシエです。天真爛漫なおてんば娘ではあるのですが、ここぞというところでの真っ直ぐで諦めない姿勢や、リビを思う心、そしてアメフラシの歌で存分に披露される美しい歌声など魅力満載のキャラクターでした。感情的な面が目立つ分感情移入しやすいキャラでもあったと思います。そしてリビと一緒にいるときのツンデレ(?)なイチャつきぶりはこの作品の見所の一つです。
一方で相手役のリヴィウス・オルヴィヌス・イフリキアことリビ王は、最初は狂気に満ち且つ感性を失った存在として登場しました。ニケとは対照的なキャラクターでしたが、ニケと出会ったことを契機に変わり始めます。つらい過去を思い出さないように、そして欠けた心を埋めようと世界征服まで行ったのに、それでも満たされず仕事に打ち込む姿はとても淋しさを感じさせるものでした。それなのに気がつけばニケのことを想うと世界の美しさが感じられるようになり、粛清をあまり行わない許せる王になるまで成長しました。11歳の子供であるという意外な設定には驚かされましたが、優秀でニケのことを大切にしている姿は視聴者の心をつかむのには十分だったと思います。
ストーリーについて
ある日、辺境の貧しい国である雨の公国の第四皇女ニケが、世界征服を成し遂げた大国の晴れの大国の王様であるリビに嫁ぐことになります。この二人の周りで起こる出来事を乗り越えながら二人は愛を深めていくというのが基本のストーリーです。なお、ニケは雨を降らしたり風を操ることができ、こういった能力も度々登場しながらストーリーが展開していきます。
基本的には上に書いたとおりですが、もう少しいうと、8話までは二人の中が深まっていくさまを描きながら様々な美しいものを美しく描いていました。花や星空といったものから登場人物の想いに至るまで、いろんなものを美しく描こうとしているのが伝わってきたのが印象的です。特に見どころはニケがアメフラシの歌を歌うシーンです。ニケの美しい歌声は心の奥深くまで入り込んでくる上に、演出もとても綺麗でした。
9話以降はニケとリビの強い絆を描いています。こちらは恋愛要素がとても強く出てきていて、非常に感情移入できました。
歌について
この作品の見所はやはりニケの歌声です。ニケを演じる前田玲奈さんは歌唱力抜群で、アメフラシの歌もEDもとてもいい曲に仕上がっています。OPも軽快でいい曲なのでぜひ聴いてみてください。
この作品を通していろんなものの美しさを改めて実感させられました。くどいですが、美しいものや幻想的なものが好きな方は絶対に気に入ると思います。ぜひご覧ください。