タマランチ会長 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
かなりレベル高いよこれ
卒業を控え、先輩から後輩に何か送ろうという話から始まり、卒業旅行を経て後輩に歌を送るまでの話でした。
ラストがよかった。あずにゃんに送る歌の歌詞ができていく過程がしっかり描かれていたからこそ、このラストがあります。この曲を作っているときであろう先輩たちの練習風景といっしょに流れる歌は、彼女たちの想いを視聴者に伝えてくれる。演奏が終わってのあずにゃんの表情をワザと目から上を切って分かりにくくしているところもニクイ。出すぎず、控えめながらしっかりとした演出。実際にこういうことをしたら、大体こんな感じになるのでしょう。リアリティーもあり、共感できる。だから静かな感動がある。
演奏が終わっての帰り道の先輩4人の会話。卒業だというセンチメンタルな感じは薄く、来年の後輩の卒業旅行にどこへ行こうかという会話で締めくくられている。主人公の唯らしい発想。天然で前向き。ほっこりさせられた。
この映画の画面は、アニメなのに手振れカメラで撮ったかのような演出があったりする。かなり画面に凝っていると見た。私は荻上直子の映画「めがね」が大好きなんですが、雰囲気が似ている。多分けいおん!知らない人が映画館でいきなり見ても、この空気感は楽しめるはず。大ヒットしたのもうなづける。かなりレベルの高い出来栄え。いや、恐れ入った。