ふりーだむ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
集大成。といったところでしょうか。
原作:未読
宇宙世紀100年を前に一年戦争などの全ての戦乱の元となる「ラプラスの箱」。
地球連邦政府を転覆させるほどの「力」をもつ箱をめぐり、シャアの叛乱(第二次ネオ・ジオン戦争)の3年後、U.C0096、工業コロニー「インダストリアル7」から、バナージ・リンクス、オードリー・バーンを中心に新たな戦乱が始まる。
全7話でしたが、TVシリーズのような濃い内容で、ファーストガンダムからの流れを汲む内容や人物が登場し、ジオン残党の首魁「シャアの再来」フル・フロンタルの声優に池田さんを使うといった、オールドファンにはたまらない内容。
ミネバ(オードリー)やブライトやカイ、ベルトーチカやハサン先生(Z・アーガマの従軍医)、準ヒロインのマリーダ・クルスはZZのエルピー・プルの12体目のクローンという設定、ネェル・アーガマやジェガン、Z・リ・ガズィの後継発展機の可変MS「リゼル」などの登場など細かい設定に見所たくさんでした。
カーディアス・ビストの妹のマーサがアナハイム創業者一族のカーバイン家に嫁いだというのも「カーバイン」という名が出ただけでワクワクものでした。
内容的には「ラプラスの箱」をめぐりバナージの成長とユニコーンガンダム(サイコフレーム)の未知なる性能を描いていますが、その中に3組の父と子供の絆が強く描かれていたと思います。バナージとカーディアス、リディとローナン、そして実の親子ではないもののマリーダとジンネマン。
偶然ながら生き別れた子・バナージと再会しユニコーンを託すカーディアス、戦争と政治、そして正義の元に思い悩むリディとローナン、虐待を受けるマリーダを引き取り連邦の虐殺によって失った子供の名を付け常に温かい心で見守るジンネマン。そしてその愛情に報いろうと戦い続けるマリーダ。それぞれの描き方がとても良く物語に引き込まれる要素となりました。
そして声優さんがらみの話では、ビスト財団の創始者・サイアム・ビストに故・永井一郎さん、既に亡くなられた鈴置さんに代わりブライト役となった成田さんも良い演技でした。クライマックスでは古谷徹さん(アムロ)、潘恵子さん(ララァ)もそれぞれの役で登場したのも良かった。(アムロは声だけでしたが)
公式設定ではアクシズで生死不明扱いのシャアが、個人的にはどこかで生きていると思っていましたが、この作品により、シャア、アムロはやはりアクシズで戦死したということに正式になったようですね。一年戦争から続いたシャアの孤独な戦いは最後思念となり、フロンタルに宿り、バナージとサイコフレームにより浄化(成仏)されることで終わりを告げたようです。そういう意味でも、ラストのシャアがフロンタルに声をかけるシーンが印象的でした。
近年のアニメ技術やシナリオなどを十分に駆使し、ひとつの宇宙世紀の因縁を描いた作品として昇華した良い作品だと思います。
個人的感想を言えば、バナージが主役でしたが、真の主役はシャア・アズナブルであり、その最期を描いた作品、といったところでしょうか。
ラストだけを抜き出し、まとめるならば、そう思います。
わがままを言うならば、、、その後のカミーユとファ、ジュドーとその仲間やコウ、ニナ、シローとアイナの姿などもちょっとでいいから描いて欲しかったですね。
この作品だけでも十分に楽しめると思いますが、やはりファーストから逆襲のシャアを観てきた旧来からのガンダムファンに楽しんでもらえる作品だと思います。
「潮時か、、、」「大佐が、大佐だった時の思いは、十分に伝わったでしょうから」「もう、いいのかい?」「後は彼等に任せよう」