アルカット さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
キミの為に、今すべてを捧げよう。叶うのなら。
【※初めに。】
この作品に対する評価は、一つのアニメ媒体としての評価であり、主に地震に関する一切の歴史上の出来事とは切り離して評価させて頂きます。アニメ冒頭でも何度もフィクションだと言及されていましたので。
(また、大きな震災を扱った作品でしたが、防災の為のハウトゥーみたいな事はほとんど無く、単に登場人物と一緒にストーリーを追いかける感じで、そちら方面を期待していた人は落胆したかも知れません。)
どんな作品なのかザックリ説明すると、東京で起きた大地震(東京大地震)をきっかけに、主人公(小野沢未来・中学一年生)を中心とした家族や周りの人物がどう変化していくのかを描いた作品です。
まぁ、アニメなんですけど、個人を追ったドキュメンタリーみたいな印象も見受けられました。
この作品の一番の見所は、回を追う毎に強まっていく姉弟愛ですね。1話の頃にはどこにでも有りそうな家族風景が描かれていましたが、最後まで観ると、思わずウルッときちゃいました。
また、作中の姉弟2人の言動は自己中心的なものが多いですが、それぞれ年齢に見合ったもので、素直さも混じっており、そこまでウザったく感じませんでした。
逆に、無い方が良かったんじゃないかと思うのは、番組終了後の衝撃のニュースと題した、滝川クリステル氏による報道(?)です。結構個人的にアレは、余韻ブレイカ―でした・・・。
また、当時から「脚本・演出がしつこい」という意見が多かったですが、私は、近年稀に見るフラグや伏線の張りめぐらせ方・回収の仕方だと感じて、逆に心地良かったです。各話冒頭に起こった何気ない事象が、最後に気付いたら回収されている、この繰り返しでした。
ですので、伏線・フラグを確認して観ていた方と、流して観ていた方とでは、作品に対する印象が90度ぐらい変わるかと思われます。
尚、本作品の設定資料を読むと、このM8.0の大地震は海溝型であり、
("2日"経過後の時点で)
・死亡者数18万人
・行方不明者数15万人
・負傷者数20万人以上
と書かれてありました。作品内では少なくとも1週間近く描かれてますので、更に被害は大きくなったと思われます。
その甚大過ぎる被害の割には、物語のメッセージ性が「防災」ではなく、「家族の絆」であった事に関しては、やはりフィクションだと分かっていても、製作側に何かしらの"ためらい"が有ったのかも知れませんね。
・・・・主題歌OPの最後のフレーズ「繋いだ手を、離さないで」が耳から離れません。今後もずっと頭から離れないのかなぁ。
もし、まだこの作品を観られてない方がいらっしゃいましたら、ハンカチを片手に用意されておくと役に立つかも知れません(苦笑)。
◆作品内で出てきた医学・医療用語◆
・「クラッシュ症候群」→何名かの方が書かれています通り、ガレキの下敷きになった事によって、圧迫されていた筋組織が数日後に解放される事によって起こる弱体化症状。尿など腎臓関連に主に異常が出る事が多いらしい。
・CPA→アニメ内で病院に運ばれていたとある患者のタグに書かれていた医学用語。その意味は、"心肺停止"。多分一時停止しないと読めません。
また、患者一人一人に付けられていたタグの色には"処置の優先度"が関わってきます。(緑・黄・赤・黒、と有りますが、意味は各自で調べて下されば幸いです。※トリアージ・タッグ参照)ちなみに、作品内で出てきた色は"黒色"でした。