じたん さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
考えながら観れるアニメ!
おそらく今まで観てきたアニメの中で自分の中ではベストだと思います。
笑えるアニメや泣けるアニメなど他にも良い作品はたくさんありますが、自分はこういうアニメが一番好きなんだなあと観ている途中で改めて思いました。
以下サイコパスの世界とそれに対する感想を長々書いています…
内容は近未来SF警察です。テクノロジーが高度に進んだ未来では人々は自らの管理をシビュラシステムというものに完全にゆだねます。そこでは人々は自ら意思決定や決断をすることはなく、自分の幸福さえもシビュラに頼ります。そのかわり今までと比べて格段に安全で安心な世界を享受出来ています。もちろんこれはカッコ付きの安全、安心な未来ではありますが…
犯罪捜査も同様です。すべては犯罪係数というシビュラが叩き出した数値が規定値を超えているか否かという点のみにおいて判断されます。罪を犯したかどうかは関係ありません。規定値を超えていれば引き金を引き、逆に超えていなければ引き金は絶対に引けない。そこには何の意思も存在せず、その引き金には全く重さが有りません。なので最初は主人公たち公安のメンバーが何の躊躇もなく引き金を引く姿に全く共感出来ません(笑)
というかこの違和感は最後まで残ります。なぜならここにこそこの作品が伝えたい(と勝手に僕が思っているw)「人が意思決定を放棄するとは」や「科学で人の魂を暴いた結果とは」といった問題提起があるからです。
この世界を一番端的に表していると思ったのが、アニメの中で引用されるベンサムの「最大多数の最大幸福」という功利主義の考え方です。
ある行為が個々人にとって有用かではなく常に社会全体にとって有用かが重視される世界です。そしてそれを判断しているのが人類の英知の結集であるシビュラシステムです。このシビュラシステムを軸に物語は進んでいきます。
とても考えさせられる本当にいい作品だと思います。たしかに現代においてもスイッチ一つで機械は動き、思考せずとも生きていくのに不自由ない場面が多々あると思います。決断や意思決定の重さから解放されるほうが幸せなこともたくさんあるのかもしれません。ただそんな先にはどんな世界があるのかという一つの仮定をこの作品は示してくれていると思います。
注意としては前半はあまりに冷静で冷酷で功利的なシビュラシステムを強調するあまり過激なシーンが多いです(銃で撃たれると人間が爆発してしまうことも…)。シビュラの世界の闇の部分をリアルに表現するためだと思うので、前半さえ耐えられれば後半はそういうシーンは少なくなるので大丈夫だと思います。
キャラクターもみんなとてもいいです。自分は小さくて地味めで後ろ刈り上げてる常守さんが好きですw。もちろんハードボイルドな狡噛もかっこいいです。
さらにOP、EDもそれぞれとてもいいです。自分は後半のOPが好きでした。
さらにさらに、核心を突くセリフがとても多いのでその辺も見逃せません。
2期、劇場版も控えているのでとても楽しみです!