※以下、ネタバレを含む質問と回答です。
最近、マンガ版の『秒速5センチメートル』(著・清家雪子)の第2巻が発売になりましたが、もうお読みになられましたか。とっても素晴らしいマンガで、あれは清家さんがほとんどマンガ版オリジナルストーリーを考えてくださったんですけど、最後が花苗のエピソードで終わっているんですね。ちゃんと貴樹との思い出を乗り越えて、その先の恋愛、その先の人間関係に進もうとする姿が描かれているんです。僕も、花苗という女の子は、『秒速~』の登場人物の中で一番強さがある子だと思うんですよ。だからきっと、花苗は幸せに暮らしているんじゃないかなと僕は思いますね。
貴樹が大学生になってからの話は、『秒速~』の小説版のほうでいろいろ書きましたので、そちらを読んでいただければヒントがあると思います。
それと、貴樹は必ずしも高校時代も大学時代も社会人になってからも、常に明里のことだけを考えていたというわけではないんですね。
折に触れ、ちょっとしたキッカケで明里のことを思い出しちゃうときもあるけど、彼は彼で真剣に大学生活に向き合おうとしていたし、社会人生活に向き合おうとして、水野さんとか別の人と付き合ったりもしていたわけですよね。
ただ、やはり明里という初恋の経験がすごく大きかったし、そのときに言われた言葉や思い出が、ある意味、呪いのようにいつまでも彼の中に残り続けてしまっている。そういう気持ちで生きていたんじゃないかと思います。
幸せの定義って、人によって違いますよね。結婚して愛する人とずっと一緒にいることが幸せだという人もいるし、そういう家庭的な幸せよりも仕事の成功を幸せと考えている人もいる。だから、貴樹がどんな人生を送ったかということは僕にはわからないんですけど、でもきっと彼なりの幸せに向かって生きていくんじゃないかなと僕は思っています。
MmmMさんにとっては『秒速~』が一番お好きなんですね。もちろん、あにこれ読者の中には「一番好きなのは『彼女と彼女の猫』です」という方も「『ほしのこえ』です」「『雲のむこう、約束の場所』です」という方もいらっしゃると思います。
どのお言葉も、素直にうれしいです。ありがとうございます。
ただ、制作している人間としては、やはり一番最新の作品を好きだと言ってもらえるのが一番うれしいですね。自分自身、常にアップデートしているつもりなので。
ですから、5月7日以降は『星を追う子ども』が一番好きですって言ってもらえたらいいなと思っていますし、その次の作品はもっと好きだと言ってもらえるように、もっと頑張ってよりよい作品を作ろう……そんなふうに考えています。
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