『彼女と彼女の猫』は、猫の1人称で話が進み、猫という1つの視点で展開された作品でした。
だから『ほしのこえ』では、男の子と女の子という2つの1人称、2つの視点で展開される映像を作ることが、僕の中の目標でした。
視点が1人ぶん増え、モノクロだったものがカラーになり、5分だったものが22分になり……という具合に、『彼女と彼女の猫』よりも少し大きなスケールにしたいと思って作りました。
『ほしのこえ』の制作はちょうどインターネットが広く普及し始めた頃でしたので、ネットを通じてたくさんの方に知っていただくことができましたし、初めて劇場公開という形で大勢の方に見ていただけて、純粋に楽しかったですし達成感もありました。
22分って、テレビアニメ1回分と大体同じスケールですから、短い中にもギュッと物語を詰め込むことができて、「こういうものが作りたい」と思ったものに近い作品ができたという手応えはあったんです。
ただ、『ほしのこえ』も『彼女と彼女の猫』と同じように、会社員時代に身につけた技術を駆使して1人で作った作品でしたから、自分としては、アニメーション映画を作ったというより、ゲームムービーのちょっと長いものを作った、という感覚だったんですね。
なので、「ちゃんとしたアニメーションを作りたいな」と思ったんです。
1人じゃなくて、アニメーターの人と一緒に作りたいなという気持ちになって、そこで制作体制の課題がでてきたんですね。
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