2025年度に放送されたアニメ映画一覧 25

あにこれの全ユーザーが2025年度に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月04日の時点で一番の2025年度に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

66.7 1 2025年度アニメランキング1位
機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(アニメ映画)

2025年1月17日
★★★★☆ 3.3 (55)
120人が棚に入れました
ТV放送に先駆け、上映用に再構築した劇場版作品
宇宙に浮かぶスペース・コロニーで平穏に暮らしていた女子高生アマテ・ユズリハは、戦争難民の少女ニャアンと出会ったことで、非合法なモビルスーツ決闘競技クランバトルに巻き込まれる。
エントリーネームマチュを名乗るアマテは、 GQuuuuuuX ジークアクス を駆り、苛烈なバトルの日々に身を投じていく。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

CV.黒沢ともよさん『ガンダム』に巻き込まれる

スタジオカラーの『シン~』シリーズ同様、
事前の情報規制、ネタバレ禁止ムードが醸されていた、
TVアニメ放送に先立った先行上映版。

実際観て、確かに、もったいぶるだけのネタはありました。
公式から本予告PVも出て、少しずつ語り出せる空気にはなりつつありますが、
隠したかったであろう、あのネタは、是非、映画館に足を運んで驚いて下さいということで。
ここでは、そこは極力回避して、今後のTVシリーズの展望、願望を語っていきたいです。


【物語 3.5点】
世界観・設定は、比較的、政情が安定した時代を選択。
武力も戦争リスクとして管理されたスペースコロニーが舞台。
戦闘は当局の監視の目をかいくぐった“クランバトル”なる、地下ギャンブルに隔離。

少女主人公他、子どもたちには、
普段のコロニーでの日常と、クランバトルの非日常を往復し、
自身の進路やアイデンティティについて思い悩む余地が今の所は与えられています。

これが例えば一年戦争のような全面戦争下だと、
子どもたちも自問自答する間もなく、切迫する戦局で、生き残るための対応に追われる内に、
色々、能力が目覚めたり、いつの間にかこんな所に来てしまったのかと呆然となるばかりですが。

本作の場合は、ここではない何処かへ行きたい、何者かになりたいという思春期ならではの悩みが、
地に足が付かないスペースコロニーという寄る辺のない環境でモヤモヤで倍加されて、
それを風呂に入って思い耽る時間くらいはある。

立ち止まって考える間というのは少女の青春ばかりでなく政治、イデオロギーの面でも同様。
人間が宇宙で暮らすという困難性は、地球VSコロニーの大戦の勝ち負けくらいで解決できる問題ではない。
その宇宙で目醒めてしまった新人類たちを既存の政体は受け入れないだろう。
では、何にどう挑んでいけば、覚醒した人々が見た理想は実現するのだろう。
そもそも、進化し過ぎた人々が到達した“キラキラ”した領域に、
鬱屈した主人公少女も惹かれているわけですが。
そのキラキラは果たして人が掴んで良い光なのか。

本作はこれら『ガンダム』シリーズが問いかけてきた諸課題を、
一定の秩序がある地球圏の、青春劇、政治劇の中で、じっくり哲学していくタイプの『ガンダム』なのだと私は感じました。

よって、例えば、本作が令和のファーストガンダムになり得るか?
と問われれば、答えはノー。
『シン・ガンダム』と言うよりは、『シン・ガンダムUC』でも見る心持ちで、
今後予定されているTVアニメ版も視聴してみようと考えています。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・スタジオカラー×サンライズ

レーダーを無効化され、有視界下での白兵戦を強いられたが故のモビルスーツ戦という原点を再定義するバトルアニメーション。
肉眼による索敵からの先手必勝こそ王道ですし、
それを補完し合う二機一組の“M.A.V戦術(マヴ)”こそ戦時下から培われてきたMS戦闘の普遍的な戦法であり、
クランバトルの基本ルールでもある。
この中で勘で間合いが読めちゃう異能とかチート。
こられの要素が、真っ暗な宇宙空間を背景に、よく再現された味わい深いMS戦闘でした。

キャラデザでは主人公少女マチュの虹のような瞳が印象的。
宇宙環境下で目醒めた人間がたどり着く“キラキラ”も思わせて示唆的です。
初回から一民間人では説明が付かない能力を発揮するマチュですが、
“キラキラ”を恐れない度胸も含めて、生い立ちの解答が気になります。


巨大なMSにリアルに大迷惑する住民という描写もカラーらしいと感じました。
あんなデカいビットが街なかを飛び回ったら難民の居住家屋などひとたまりもありません。

一方でやや興ざめだったのが、この時代でも衝撃で画面が割れちゃうスマホが現役だった点。
『ガンダム』をSFとしても楽しみたい私としては、
未来を感じるデバイスを想像して魅せて欲しいとも感じます。
もっとも、これが今後みんなでデバイスの枠を超えてテレパシーできる世の中が来るという伏線だとしたら脱帽しますがw


【キャラ 3.5点】
主人公少女アマテ・ユズリハことマチュはコロニーで塾通いもする一般家庭代表。
非合法な運び屋稼業に手を染めるニャアンは、戦争難民というコロニーの現実を体現する少女。
シュウジは“キラキラ”な?惑星少年w
メイン3人の凸凹で色々掘り起こせそうな期待はあります。

主人公機・GQuuuuuuX(ジークアクス)
ガンダムの系統ではある最新鋭MSと思われますがガンダムは名乗っていないのが何とも不気味。
カラーが絡むということで、早くも、ネット界隈では、どうせモビルスーツじゃなくて人造人間か何かだろうと考察されたりもしていますし、
“マヴ”のシュウジは愛機を人格を持った存在として語ってもいますが。
私はガンダムが自我を持っても精神の平衡が保てるように、
ずっとモビルスーツのアイコンであり続けてくれるザクでも眺めて安心しようと思いますw


【声優 4.0点】
主人公マチュ役の黒沢 ともよさん。
大事に巻き込まれ芸、厄介事に首ツッコミ芸をやらせたら天下一品の声優さん。
彼女が、平穏な生活を送っていた主人公が地球圏の運命に翻弄されていく、
巻き込まれアニメの金字塔『ガンダム』で主役を務める。

そう聞いたら、私は居ても立っても居られないですし。
今後、例え本作が『ガンダム』じゃないとか、『~Beginning』前半がピークだったとか叩かれようと、
ともよさん演じる、この少女の行く末は見届けたいと私は決意しています。
今回見た限りでは、ともよさんも、どちらかと言えば首ツッコミ芸の方が冴えている印象です。

運び屋ニャアン役には石川 由依さん。
シュウジ・イトウ役には土屋 神葉さん。
とメインキャストの掛け合いにはワクワクできそうです。


【音楽 4.0点】
何を言っても核心的なネタバレを踏みそうな本作ですが、
私は劇伴が一番ネタバレな気がします。
開始3秒で、カラーそっちで来ちゃいましたか。
パンドラの箱開けちゃいましたが、火だるまになっても頑張って下さいって感じで、
確信しちゃう主因は音楽だと思います。

その他BGMは、照井 順政氏が同じバンドでキーボード担当の蓮尾 理之氏と共作で提供。
本劇場版ではキラキラしたエレクトロ成分のアレンジも目立つSFサウンドとの印象でしたが、
『呪術廻戦』劇伴も手掛けて来た照井氏が、カラーにありがちなグロシーンでどう火を噴くのか、今から戦々恐々です。


主題歌は米津 玄師「Plazma」
大衆に売れることをポジティブに捉えている希少なアーティスト。
俺は大衆に媚びないとやさぐれて刺さらない音楽を出してこられるよりは、
大衆音楽はかくあるべきを実現している米津さんの姿勢は、私は好感しています。
本作でも{netabare} “もしもあの改札の前で 立ち止まらず歩いていれば君の顔も知らずのまま ”{/netabare} とド直球な歌い出しでタイアップにも貪欲。

が、大衆音楽上等な私から見ても。
またピックアップした話数の関係もあるだろうと考慮しても。
挿入歌で米津。EDでもう一発、米津。
というのはゴリ押し感を覚えてしまいます(苦笑)

さらに他のアーティストによる挿入歌も二曲あり。
『ジークアクス』。意外と歌う『ガンダム』になるのかもしれません。
MVと揶揄されない程度に盛り上げて欲しいとは思います。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 15
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

シンガンダムではなさそうですが、オタク2次創作になる気はする。

 冒頭の3分の1は嬉しいだまし討ちで、素晴らしい映像でした。この作品がファーストガンダムを前提とした内容であることがはっきりします。映画館なので時間はわかりませんが、多分20~30分かそこらの内容ですが、劇場に足を運んだ甲斐はありました。

 見どころは{netabare}シャアがコロニーに侵入するシーンで始まりV作戦の偵察でガンダムを発見し…で完全に1STのリメイク…かと思ったら、そう来ましたかと言う感じでしたし、クシャトリアVS強化ジェガンを彷彿とさせるバトルシーン{/netabare}は見事でした。

 ただ、です。正直言えばその手に汗握るような映像の冒頭に比べ、残りの時間は普通でした。少なくとも、元の作品の好きなところを拾って「僕の作ったすごいガンダム」的な「シン・ガンダム」ではないです。

 むしろニュータイプのサイコミュを言いように解釈してエヴァ的な描き方にしてしまっています。なんとなくSF的に見せていますが、ガンダム(サイコミュ)をいいようにブラックボックス化して、説明不足というか都合のいい設定をニュータイプでごまかそうとしている気がします。

 その意味ではUCでニュータイプをオカルト化してしまった轍を踏む懸念があります。
 というより、人と人のつながり「マブ」(マブダチのマブだと思います)という用語をキーワードにしているので、逆シャアを言い訳にして兵器としてのガンダムではなく、スーパーロボット的なガンダムにしてしまっている気がします。その点でUC的と言った方がいいかもしれません。

 ベルトーチカチルドレンではなくT字のサイコフレームにした苦し紛れの弊害ですね。冒頭のシーンの最後のところはやっぱり逆シャア的なオカルト感はありました。

 で、なんといっても不満は絵柄ですね。冒頭のすごい画像を見たあとだけに、あのキャラデザは腰が抜けるかと思いました。そのギャップよ。このガンダムは萌え絵というかアニメの記号的なのは全然マッチしません。劇画とまでいいませんが、ファーストガンダムレベル(エヴァでもいいけど)くらいのリアリティラインがキャラデザに必要でしょう。

 そこに加えてサブキャラがテンプレで何度見たんだよ…という感じもガッカリ感はありました。

 それと、ザクを民間用の兵器として払い下げているとか、まあ、パトレイバーみたいな雰囲気を出そうとしているのかもしれませんが、何か、モビルスーツに機械兵器としてのリアリティがないんですよね。

 補給、整備、修繕、運搬、保管…などを描いていないので、兵器として運用をしているように見えません。工房といういか格納庫的なものはなくはないんですけど、単なる謎基地でしかありません。ガンダムはもちろんですけど、ザクもそう感じてしまいました。その原因は見せ方とか世界観もあります。そういう場面をシーンとして入れるべきだと思います。

 原状ではテーマが見えてこないのが何とも…もちろん、この後に続くでしょうから見えなくても当然なんですけど、なんというか深味が出る予感がしないというか… {netabare}ソロモンの破壊作戦{/netabare}のときにザクのエネルギーについての話があったのでそこかなとも思いましたが、それはやらない感じです。

 やっぱりマブ…人のつながり云々という面白くもない今更感のあるのがテーマになるのか。うーん、やっぱりカラーは良くも悪くもオタク集団ですねえ。テーマよりも描きたいものが先行してしまう可能性があります。オタク2次創作ですね。同人誌で薄い本じゃなくて、オリジナルモビルスーツのデザイン本みたいな奴。あんな感じです。お前らこんなの見たかったんだろ?で終わるのかなあ…

 話が大きくなるなら悪い意味での世界系になる気がします。人類補完計画…ニュータイプ版の。つくづくサイコフレームは悪手だったなあと思います。クリエータの創造力不足を補う便利グッズになってしまっているかも。

 まあ、今日見た感じではそんなところです。重ねていいますけど、冒頭の映像はすごかったです。



 追記 いや、やっぱりシン・ガンダムかなあ…僕の考えたガンダムのIF世界を徹底的に作りこんでいる冒頭シーンから言って、その設定は今後につながるのか。うーん、問題はシャアですよね。

 一方で、サイド6の分断から今の世界に繋がるテーマは作れなくはないですからね。宇宙世紀ガンダム、ファースト、Zから逆シャアまで、Vガン以降と富野監督の思想が違いますからね。カラーの人たちが好きそうなのが逆シャアとVガンのあたりです。
 富野氏はガンダムという名称とニュータイプ思想を後に躍起になって否定しました。で、かなり直接的にアニメのみのオタク、教養を持たないガンダムファンを批判的に見てやきもきしていたようです。

 そこを今回のガンダムでどう扱うか。つまり、ファーストを肯定的に扱ってしまうとオタク妄想のシン・仮面ライダーやシン・ウルトラマン的なシンガンダムになります。Vあたりですと、やはり人類補完計画になってしまいます。

 現実に帰れというメッセージが入るならシンエヴァですね。ただし、シンエヴァが現実に帰れといっているようで、庵野氏は結局特撮とガンダムとヤマトですからね。その点でその現実に変えれというメッセージは間違っているのかとも思います。最近は単なる庵野氏とカラーのエヴァからの卒業式だけだった気もします。その点で富野氏のメッセージと気合が違います。

 本作にもどると、やっぱりさっぱりわかりませんね。いい方に裏切ってくれることを祈ります。それにしてもキャラデザだけはなんとかしてほしいなあ。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 9

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「う、嘘やろ!」、「こんな…、こんな事が許されてええんか!」(初視聴時の気持ち)。ビギニングを放送前に1時間スペシャルで放送希望。

 ネタバレできないとほぼ書けないので、擬音などでぼかして簡単に書きます(ご容赦ください)。冒頭の効果音でニヤ、本編数分で「ええっ〜!」、某杉田さんでニヤニヤ、まさかあの人がアレにってだけで「うぬ!」、そしてまさかの方向に行くので「おわぁ!!!(賛否両論ありそう)」ということでした、終わり。


 というのだけでは、流石に酷いので庵野さんの影に隠れがちだがガイナックス出身の大好きな監督鶴巻さん論を少々。庵野さんがエヴァで燃え尽き、いちお「カレカノ」やったけどその後は実写に行ってしまった後のガイナックスで気を吐いていたのは何と言っても鶴巻さんの「フリクリ」と「トップ2」だと言いたい。


 もちろん「グレンラガン」もありますが、今石さんはガイナックスにいたからこそあれだけの仕事をやれた気が個人的には…(その後のトリガーでの仕事を見ると)。


 この2つの特徴は、青春と上手くいく「セカイ系」というのが共通項な気がします。どちらも主役の前から大切な人はいなくなってしまうが、ちゃんと成長して「セカイ」から「世界」へと抜け出すことに成功する物語である。この辺が新海さんとは違う!(飛び火)。


 さらに、かなり病んでいた庵野さんが青春ロボものをやっても本人の当時の気持ちが、社会全体の雰囲気が乗っかって「エヴァ」はあんな良くも悪くも物凄い作品に、伝説になってしまった。


 しかしその点、鶴巻さんが青春を描くとビビットでサブカル的なセンスを有しながらも、芯に人は成長しうるという真っ当な価値観がドスンと下支えしているからエンタメとして重心が崩れない。だから両作ともに、ラストは主人公が上を見上げるカットに着地する。


 故に、本作も過去の富野さんのような重くて暗い戦争や人間の業でも、庵野さんがやるように参照的で謎めかしすぎもせず、青春の中で大切なモノを失うがちゃんと成長するエンタメに着地してくれそうな予感がします。ニュータイプによる革新という富野さんが思いつたけど投げちゃったテーマが中心にきそうだし、歴史改変の部分も面白いし、「なんちゅうもんを…以下略」。私の大好きな「山田玲司のヤングサンデー」でも特集やってくれないかなぁ〜。


 それにしても、ネタバレを踏まないで本作を見てキー坊みたいになった衝撃は流石にもう二度とないと思うので、こんな映画体験をさせてもらえただけでこの作品には感謝しかありません。正直ガノタでは全然ない私ですが、もうワクワクが止まらないよぉ〜。



(後記)


 山田玲司先生のシャア=庵野さん、シャリア・ブル=鶴巻さん、マチュたち=鶴巻さんの子供世代説は流石の興味深い説で、凡百の考察勢のワイワイ言ってるのとは違う視点でええのう。島本和彦先生の『宇宙世紀拷問』、玲司先生の『上書きテロ』はパワーワードやなぁ。


 鶴巻さんの今までの作品を考えると、シュウジが消えてマチュが成長し、マチュとニャーンは終盤前くらいに敵対します。しかし、最終的に和解して最後にマチュも消えて最後に残されたニャーンが全てを受け継いで空を見上げるエンド!と予想します。つーか同じような予想してる人がいて嬉しい。まぁ半分ネタな予想ですが。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 7

63.2 2 2025年度アニメランキング2位
メイクアガール(アニメ映画)

2025年1月31日
★★★☆☆ 2.9 (22)
47人が棚に入れました
現在より少し先の未来。天才的な頭脳を持つ科学少年・水溜明は、人々の生活をサポートするロボット・ソルトを開発、製品化することに成功するが、新たな発明がことごとく失敗し、行き詰まりを感じていた。そんなとき、友人から「カノジョを作ればパワーアップできる」という話を聞き、人造人間のカノジョ・0号を科学的に作り出す。0号は、プログラムされた感情と成長していく気持ちの狭間で揺れ動く。人と心を通わせることに不慣れな明との間に芽生えるのは恋なのか、それとも……?

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

令和のキテレツ大百科だな…。

 映画館で観て来ました。2025.02.26

 今は亡き偉大な科学者である母親の後を継いで研究に勤しんでいる主人公、立ち位置的には母親の遺したデータを解析して発明品を作っているので、キテレツ君っぽいです。

 キテレツ君は、最終回まで御先祖である奇天烈斎様が遺した古文書を読んで、再発明していることに疑問を感じていませんでしたが、本作品の主人公は一丁前にスランプに陥って悩みます。

 スランプ脱出のためには彼女を作ると良いと親友に言われ、自分のことを好きな人造彼女を作ってしまいます。

 うわ…。ヤバい臭いしかしねぇ…と、思いますが、この人造彼女の0号、キャラデザインも良く、結構可愛いので何となく応援したくなります。

 ただ、弟分だったキテレツ君のコロ助と違うのは、成長するにつれて彼女ヅラした雌ムーブをかましてくる点です。0号的には産まれた意味を果たそうとしているのですが…。

 そこから始まる悲喜劇が本作品の見所なのですが、オチはモヤッとしています。

 世界観からして勢いで誤魔化しているので、気になる人は気になって感情移入を拒まれそうです。

 他の登場人物たちも大した掘り下げは無く、主人公の幼馴染は、中々可愛い感じのツンデレですが、ここに至る背景が不明なので、単なる賑やかしですし、主人公の親友も良く分からない人物です。そもそも主人公も含めてコイツら人間なの?文明水準が不明なので、デザインヒューマンとか試験管ベイビーとか混じってそうです。

 母親の同僚の姉御っぽい研究者も、おじさん的保護者ポジの研究者も、主人公とどんな関係なのか一切劇中で描写されないので、何か不思議でフワフワした感じで物語が進んでしまいます。

 主人公の作った0号も、トンデモも無い存在の様な気がしますが、普通に高校に通っても、親友、幼馴染、先生、他の同級生他誰も気にもしません。

 私が参考にしているアニメ評論ブログを運営している笠希々さんは、本作品をSFサイコスリラーと評価していますが、そう言えなくも無いけど違う様な気もします。

 グロ描写があるとは言え、ザックリとした世界観は、藤子F不二雄先生のSF(すこし不思議)的ギャグ時空の様な気がします。コロ助も時々キレてキテレツを殺そうとしてましたしね!

 0号もコロ助も創造主に逆らったりしますが、母親の遺したメモリを解析して発明している本作品の主人公と、奇天烈斎様の古文書がネタ本のキテレツは、構造的に相似したキャラなのでは!?厳密には創造主では無いと言う…。

 どちらにしても、90分だから何とか映画として成立している様なアニメ映画でした。色々考察出来る深さがある様な、単なるスタジオの技術力をアピールするためのプロモーションの様な何とも言えない雰囲気なので、私的には、映画館で観る程では無いかなぁ位の評価てす。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 2
ネタバレ

あと さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

序盤のゆったりしたテンポからギアを上げ想像を飛び越えていく怪作

 見終わったあとは放心して立ち上がれなくなるほどの衝撃的なラスト。これはある意味ホラーなんじゃないか。
 作品としては3DCGのレベルじゃないくらいセルルックな作りになっていて見ていて違和感なんかはほとんどないしこれだけのクオリティであんな躍動的な動きまでを3Dでできるのか…。とこちらの意味でもかなり感嘆したところではありました。また、3Dで構図を自由にできることもあってか、映像的な演出を意識したところが多くて見ていても考察のしどころが多くなかなか咀嚼しがいのあるアニメでしたね、ただこうなるなら {netabare} ~あの序盤の青春キラキラパートが結構寂しくなってしまう、必要ではあったんだけどあのキラキラパートとは遠く離れた展開になってしまった。{/netabare}
 情報量も多くあまりセリフで説明されることもないのでちゃんと読み取って理解したうえで悩んでほしい、劇場で集中してみてほしい作品。最後のエンドはハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、果たして。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 2

62.7 3 2025年度アニメランキング3位
劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク(アニメ映画)

2025年1月17日
★★★☆☆ 2.9 (22)
43人が棚に入れました
「初音ミク」などのバーチャルシンガーが登場するアプリゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(略称・プロセカ)を原作とする劇場アニメーション。
聴いたことのない初音ミクの歌をCDショップで耳にした星乃一歌は、モニターに映しだされた見たことのない姿のミクを目にする。だが、思わず出てしまった声に驚いたミクはすぐに消えてしまう。後日、路上ライブを終えた一歌のスマホにそのミクが現れ、想いの持ち主たちに歌を届けたいが歌っても届かないことに悩んでいることを明かす。そんなミクの願いをかなえるべく、一歌は仲間たちと歌を届けることを決意する。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

初音ミクたちが歌と想いを届ける劇場版(ハードモード)

ボーカロイド音楽等を題材にしたゲームアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(未プレイ)の劇場アニメ化作品
(105分、ED後の週替りアフターライブ付)

【物語 4.0点】
概略はみんなで人々に歌を届ける。以上。

というより、それぞれ独自のセカイや、異なるバリエーションのミクを抱えたりしている、
ユニット、グループを横断してシナリオ展開する映画となると、
ほぼこれ一択なのではないでしょうか。

が、本作は、歌に想いを乗せて届けるとはどういうことか。
相当な深度と火力でぶつけて来ます。

私はボカロはほぼ守備範囲外で本作も公開当初は完全にファン向け映画だろうとノーマーク。
ですが、公開1ヶ月近く経過しても、週間興収でしぶとくランクインしている。
単なるファン向け以上の何かがあるのでは?と感じ劇場に足を運びましたが、
外野の私から見ても、心が揺さぶられる物がありました。

今回メインのミクとして設定された“閉ざされた窓のセカイのミク”の世界は、
{netabare} 多くの人間が挫折とストレスを抱え、
ミクの励ましの歌ですら、邪魔な雑音に聞こえてしまう深刻な状況。
この沈んだ想いがセカイを壊す演出がかなりハードでして。

人間、本当にメンタルが落ちると、善意を悪意と取り違えて、ますますドツボにはまってしまう。
私も身につまされるものがあって、そのカット以降涙腺がガバガバに。

そこからミクが音楽活動が盛んな現実世界のキャラたちの力も得て、
再起する展開はベタですが、強火で熱かったです。{/netabare}

キラキラ、ドキドキよりも、ドン底まで手を差し伸べてくれる音楽にこそ、
人は感動させられる。
上辺だけなぞった萌えアニメではない。
この映画には、カタルシスに不可欠な、
登場人物が谷底に沈む溜めが、ちゃんと脚本されています。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・P.A.WORKS

音楽アニメとしては近年でもTVアニメ版『パリピ孔明』などで実績があるスタジオ。
デジタル制作の中でも、飛び散る汗など、アナログ感を出す演出はお手の物。
個人的にグッと来たのが{netabare} 幼馴染バンド「Leo/need」{/netabare} が全力パフォーマンスの後、息切れるカット。

複数のセカイを行き来するシナリオは、説明が作画、背景美術頼みになることが多いのですが、
説明し過ぎず、抽象化し過ぎて意味不明にもならず、
想いがつながったあの現象の不思議さを維持しつつ、鑑賞者を上手く誘導できていたと思います。

“閉ざされた窓のセカイのミク”は助けを求めようと、
スマホ、テレビ、街角モニターと至る所から顔を出しますが、
私は最初『貞子3D』?ホラー?と訝しんで笑い堪えてましたw
実際、{netabare} ホラー映画見ていたらミクが出てきて悲鳴上げるギャグもありますしw{/netabare}

ただ、{netabare} 心が曇った人間にはバグに見えるミク、
荒んだ彼らの思念がセカイを飲み込む汚泥になる{/netabare} というのは
良い意味で真剣なホラーとも言えます。
ダークとキラキラの作風の使い分けにも意図を感じました。


アフターライブ。CGのボカロ、キャラたちのパフォーマンス映像。
CGライブが不気味になるのを防止するには、
振り付け等を絶妙に揃え過ぎないことが肝要ですが、
本作はそこも順調な進化で魅せてくれました。


【キャラ 4.0点】
新参者の私には把握し切れない数のキャラが繚乱。
なので外野の私に言えることは少ないですが。

一つ感じたのが、ボカロ、プロセカ界隈って、
美少女、イケメン、ボーカロイドたちが、比較的バランス良く融合しているんだなと。
平生、美少女ばかりの2.5次元世界に浸っている私には、そこが新鮮でした。

観客の男女バランスが丁度半々くらいのアニメ映画のスクリーンというのも、
中々ないので、何だか穏やかな気持になりましたw


キャラ大軍勢の中でも、各々にどんな役割を担わせるかは整理されていると感じました。
これならお祭りがグダグタになることもないでしょう。

私が印象に残ったのがストリート系ユニット「Vivid BAD SQUAD」メンバーたちが、
より良いパフォーマンスのため、端からは喧嘩に見えるくらいバチバチに議論を重ねるシーン。
これが{netabare} 何をやっても無駄だと諦める“閉ざされた窓のセカイ”の制作者{/netabare} と対照的で。
こうした点も、熱い想いを持ったキャラたちがセカイを動かす説得力をフォローしていたと感じました。


【声優 3.5点】
CV.藤田 咲さんのボイス素材を元にした合成音声から進化し続けるボーカロイド・ミク。

私は以前『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』で登場したミクの派生形態“発音ミク”の
藤田さんのアフレコをミク音声に加工したボイスを聞いて、
ボカロの技術もアニメだとまだまだなのかな?と思い、
今回の劇場鑑賞でもそこが不安点。

ですが、本作では、本家のミクの方もまた、声優の域からはまだ距離はあるものの、
抑揚も含めて、合成音声プログラムもだいぶ進歩しているんだなと感心しました。
もっともミクの他のボカロのボイスについては、やや怪しい部分もありましたが(苦笑)

何より{netabare} 「私はもう、諦めない」{/netabare} などのミクの“演技”に胸を撃ち抜かれた私がいましたし。


【音楽 4.0点】
当然、主題歌、挿入歌、アフターライブまでボカロ、プロセカ関連で固められた本作。

そんな中、メインフレーズとして多用されたのが「ハローセカイ」
“きっと届くはず きっと見えるはず”
との歌詞がシナリオの根幹に関わり、終盤のメドレーにもオマージュされる。
このシンプルな歌詞が、終盤まさかこれほどまでの涙腺攻撃力を伴うとは。


【付記】
ボカロ分からないくせに、無謀にも本作を応援上映で初鑑賞した私w
思えば応援上映なる企画にも初参加でした。

パフォーマンスに拍手したり、
ピンチに陥ったキャラに励ましの声援を送ったり、
こういう劇場鑑賞も一体感があっていいですね。
一体になったついでに上映終了後、特典色紙の交換取引が自然発生したりw

映画『ニュー・シネマ・パラダイス』にて。
昔の街の映画館は、地域住民たちが作品に対するリアクションを抑制せず、
賑やかに映画を共有する温かい空間だったというシーンを思い出しました。

映画は、マナーを守って、静粛に鑑賞する物。
基本的に私もそう思いますが、それ“だけ”では映画が、かつての娯楽の王座に返り咲くことはないとも感じます。

アニメ映画の応援上映企画の拡大を通じて、
もっと自由に鑑賞スタイルを選択できる映画文化が広まっても良いのではないか。

令和の『ニュー・シネマ・パラダイス』に想いを馳せた劇場鑑賞でもありました。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 13
ネタバレ

あと さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

希望を印象づける若者向けのファンムービーの良作!!

 プロセカ。サービス開始はもう五年前になるが、ボカロ曲を積極的に取り入れ、ゲーム性の簡単さや魅力的なキャラクター、美麗なイラストで今までの音楽ゲームを塗り替えるほどに大ヒットした所謂Z世代に人気のコンテンツ。P.A.WORKSが制作したアニメ化作品でありゲームとは異なるオリジナルストーリーが描かれる。
 本編は元々ゲームの登場キャラが主要キャラ20人各ユニット4人いる関係で尺管理が中々大変そうではあり、ダイジェストを多用してもなお中弛みするシーンが多く、キャラの日常シーンが多く同じことが繰り返され説明もふわふわしていることが多く、この当たりはキッズ向けアニメらしい部分を感じた。話のテンポが遅いため映画として楽しむというよりかはファンムービーのような印象は受ける。{netabare} ~どんでん返しとかも特にないし結局頑張るという話ではある。 {/netabare} まあ何れにしろメッセージ性はかなり強く希望を感じさせる上、こちらを作品世界の中に参加させ前向きな気持ちにさせる部分がありこの当たりはとても感動的だった。
またライブシーンもおまけとしては十分なくらいだったが、各回ユニットごとに1回という感じでこれをユニットごとのパートを回収するために何度も見るのか……?とはちょっと引いた部分ではある。キャラはゲームそのままだし動いている姿は可愛いけど中盤まではなかなか見どころはない感じなので……。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 2

まさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

バランスの取れた王道のファンムービー

プロセカやボカロ(初音ミク)のファン向けの良作です。ただ、ファンムービーゆえに最初から世界観やキャラについては知ってる前提で物語が進んでいきます。何も知らない人が見る場合は、ネットなどで最低限の知識を仕入れてからにしましょう。

元がソシャゲなので登場人物がかなり多いです。メインキャラの名前はともかく外見くらいは事前に軽く覚えておかないと混乱するかも。作画はメインキャラとモブの差が酷く、モブだから許して?感あります。

物語の根幹は普遍的なもので、何かを諦めかけて投げやり気味になってる人たちに歌でエールを送る感じです。それをプロセカの世界を舞台に「初音ミク」という存在を通して表現しています。また、随所にプロセカユーザーやボカロファンが喜ぶような小ネタがたくさん配置されてて、しっかりファンムービーに仕上がってます。

ミク含めてメインキャラたちがしっかり可愛く(カッコよく)描かれていて、物語も派手さは有りませんが無難で〆も悪くなかったので満足です。何よりも主人公のミクが健気で可愛過ぎた。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 1

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
ベルサイユのばら(アニメ映画)

2025年1月31日
★★★★☆ 3.7 (7)
20人が棚に入れました
18世紀革命前夜のフランスで懸命に生きる人々の愛と人生を鮮やかに描いた池田理代子の漫画『ベルサイユのばら』が、1972年の連載から50年を経て、完全新作で劇場アニメ化。
将軍家の跡取りで、息子として育てられた男装の麗人オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ。隣国オーストリアから嫁いできた気高く優美な王妃マリー・アントワネット。オスカルの従者で幼なじみの平民アンドレ・グランディエ。容姿端麗で知性的なスウェーデンの伯爵ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン。彼らは栄華を誇る18世紀後半のフランス・ベルサイユで出会い、時代に翻弄されながらも、それぞれの運命を美しく生きる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

【評価辛目】MAPPA×澤野弘之氏による『ベルばら』MV集?

原作未読。映像化、舞台化作品も未見。


【物語 2.5点】
音楽アニメ志向が強い劇場アニメ化作品として割り切って見る必要性。

宝塚歌劇団の人気演目でもある『ベルばら』
歌との親和性も見出したというスタッフたちが、
挿入歌カットをどこに配置するかありきで構成した印象。


私は心情が盛り上がったシーンでMV風になる作品も、
嫌いではありませんが。
本作の場合はなんと全15曲。流石に多すぎると感じます。

そのキャスト陣が歌唱する挿入歌群も、
ミュージカルでもなくキャラソンでもない中途半端な位置づけ。
歌詞自体はキャラの心情も反映はしますが、
歌で、二人が急接近するセリフがかき消されたりするのは如何な物かと思います。
これだったら消したセリフをミュージカル風に歌った方がマシだったのでは?とも感じます。

フランス革命前後、
登場人物たちの20年に及ぶ人生を描いたという連載漫画の内容を、
一本の映画に詰め込むことは困難。
ある程度ダイジェスト感が出るのは仕方がないと事前に覚悟して私も観ました。

が、もしも挿入歌をあと10曲カットすれば、
もう少し拾えたセリフがあったのではないかとの悔恨も残ります。

重要そうなセリフを歌で消しておきながら、
恋とはイカロスの如く突然舞い降りてくる云々の件などは、
回想含めて3回繰り返したりもする。

本作を広義の劇場版総集編と捉えれば、無難にまとめてくれれば物語3.0の基準点。
実際、オスカル&アンドレはなぜ、半世紀語り継がれる神カップルなのかを示したクライマックスなど、感動的なシーンもありましたが。
私はセリフの取捨バランス含めて脚本はこれで良かったのか疑問が残ります。

私はMAPPAも澤野氏も好きなので、
こういうアフィ◯スまとめサイトみたいな煽り気味なレビュータイトルで批判するのも心苦しいですが。
物語は基準点割れの2.5点とさせて頂きます。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・MAPPA

CGも絡めて背景美術と一体となった、
フランス革命での群衆蜂起、バトルシーンなどで持ち味を発揮。

現在も少数派ポジションである少女漫画原作アニメを観ていると、
絵が古い?と思うこともしばしば。
ですが、本作は、花びらフレームの中で繚乱する、長~いまつ毛のキラキラお目々の美男美女など、
少女漫画の伝統芸を多用しながら、技術力で、古さを感じさせない映像美を実現。

結局、革命も作画も兵力が物を言うのだろうなと再認識。


上記で私が邪険にしたアニメMV風のカットですが、
利点は、作中、数度に亘る濡れ場を抽象化することで、
映倫区分G(全年齢鑑賞OK)を勝ち取ったこと。

それでいて二人の想いが溶け合うイメージ映像は芸術点が高く、
例えば{netabare} オスカル&アンドレの一夜{/netabare} など、下手に裸を描かれるより余程エロティックだと感じます。


連載50周年の節目も終え、CM等での露出も多い『ベルばら』
キャラが「ガーン!」となった際の白目剥いた表情がネタとして多用されている感がありますがw
本作では片手で数える程しか、白目剥いてませんでした。
ま、そんなしょっちゅう、卒倒していたら身が保ちませんよねw


【キャラ 3.5点】
主人公の男装麗人で近衛連隊長のオスカル。
オーストリアから王妃として嫁いできたマリー・アントワネットを、
身命を賭して守ると誓った前半。

後半は、オスカルが“第三身分”の平民たちの心情を知り、ルソーの書物などで啓蒙。
捨てたはずの自身の乙女心に気づくなど、
アントワネットへの忠誠や、己の生き様に対する動揺で葛藤する様を描く。

オスカルの心情については描写量もまずまずで、伝わって来ました。
一方、アントワネットやアンドレについては要点は抑えたものの、
歌に尺を取られた感も強く、やや掘り下げ不足との渇望が残ります。

アンドレが{netabare} 心中したくなる程、{/netabare} オスカルを想った理由や、
アントワネットが{netabare} ルイ16世の国王即位が決まって抱き合って涙したのは、
どういう不安からなのか?{/netabare} 辺りは、
本作の描写だけ見ても確信しきれない部分があります。


私の推しキャラはスウェーデン貴族のフェルゼン。
罪な男は見ていて背徳感があって楽しいですが、
こちらも掘り下げ不足感が残りました。

宝塚歌劇団の「フェルゼン編」の映像でも視聴して補足しようか?
という欲求も湧いて来る今日この頃です。


【声優 4.0点】
挿入歌の歌唱もこなせるキャストを、概ね声優陣からオーディション選出。

主演オスカル役に沢城 みゆきさんが選出されたのが、
『ベルばら』未体験だった私が本作を鑑賞した最大の理由。
やはり中性的なボイスを操るみゆきちの妙演はグッと来ます。


制作エピソードで一番胸熱だったのが数少ない俳優タレントキャストとなった、
ナレーション役の黒木 瞳さん。
本企画の話を聞いて、ガヤの一言でも良いから出演させて欲しいと熱望して出演。
革命に向けて、民衆の怒りが着実に蓄積していく歴史的経緯を、
落ち着いたナレーションでナビゲートしてくれました。


他にもアントワネット役の平野 綾さんの高潔ボイスなど、
豪華声優陣の歌劇スキルが花開く中、
ルイ16世役で落合 福嗣さんがポッチャリ枠で潜り込んでいたのがホッコリしました。
ルイ16世が暗愚な亡国の王ではなく、不器用だけど勉強熱心で心優しい青少年として、
描写、演技されていた点は好感しました。


【音楽 4.0点】
劇伴は澤野弘之氏が盟友・KOHTA YAMAMOTO氏と、お馴染みの共同制作。
貴族社会の仮面舞踏会など、優雅なストリングスもアレンジするものの、
結局、フランス革命の18世紀末だろうが、宇宙世紀だろうが、
良くも悪くも澤野節に染まってしまう劇薬ぶりは相変わらず。

私は澤野サウンドをヘビロテしていても苦痛にならない人間ですが、
そんな私が聴いても、大挙して押し寄せる上述の挿入歌群も含めて、
ちょっとしつこいかもと感じるくらいなので(苦笑)
澤野氏に食傷気味の方、アレルギーのある方は、回れ右を推奨します。


ED主題歌は絢香「Versailles - ベルサイユ -」
激動のフランス革命と、“ばら”たちの人生、
そして澤野無双を乗り切った後の壮大なバラード。
ホッとしてしまうこの感情は、良いことなのか悪いことなのか(苦笑)

投稿 : 2025/03/01
♥ : 14

御宅忍者 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

完全にファン向け。初見勢には厳しいと思う。

まぁ物語に関しての割愛や改変はしゃーなしと割り切っていたけど、あまりにもダイジェスト編集すぎませんか、、、あと澤野弘之氏がミスキャストすぎる。個人的に全く合ってなかったし、彼の音楽入れとけば何とかなるみたいな感じがあって、逆に安っぽくなってた。ミュージカル的にするならもっと楽曲にバリエーションあった方がいいんじゃないのか、、そういった意味でも音楽面に関してはかなりがっかり、、MVみたいな感じでとんとん拍子で進んでいくので完全履修者向け。初見だと感情移入が全くできないと思う。TVシリーズでやった方が全然良かったのに…せめて前後編でも…

投稿 : 2025/03/01
♥ : 2

さき さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

素晴らしかった!令和のベルばら

池田理代子の原作漫画(コミック全9巻)に忠実に作られています。
2時間の尺に収めるため登場人物、エピソードを大幅に省き
オスカルとアンドレに焦点を当て、終盤は2人がすごく丁寧に描かれています。
池田氏本人が「自分の作品なのに泣いてしまった」と言うほどです。

豪華な声優陣と絵はMAPPAが総力を挙げて作ったのがよくわかる素晴らしさ。
澤野弘之の挿入歌でストーリーを補完する構成も良かった。

ベルばらへの先入観も予備知識もない若い層にこそぜひ見て欲しい作品です。
初見でも作品の世界観が堪能できると思います。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 0

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
野生の島のロズ(アニメ映画)

2025年2月7日
★★★★★ 4.2 (8)
19人が棚に入れました
無人島で起動した最新型アシスト・ロボットに愛情が芽生え、島の動物たちを巻き込んで起こす奇跡の物語。
未来的な都市生活に合わせてプログラミングされた最新型アシスト・ロボットのロズは、大自然に覆われた無人島で目覚めるが、野生の島ではまったく機能せず、動物たちの行動や言葉を学習しながら少しずつ順応していく。ある日、雁の卵を見つけ、孵化させたロズは、雛鳥に「キラリ」と名付けて動物たちと一緒に育てる。成長し巣立っていくキラリを見送り、厳しい冬を越えた頃、回収ロボットがロズを探しに島にやって来る。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

突然変異が世界を変える驚異を活写した快作

野生の島にて、目覚めた人間生活アシストロボットのROZZUM(ロッザム) 7134(ロズ)が、
自然界にアジャストできずに、もがきつつも奮闘し、
やがて自身にも周囲にも大きな変化をもたらしていく、
米国のSF児童小説『野生のロボット』(2016、未読)の劇場アニメ化作品(102分)

【物語 4.5点】
イレギュラーな存在が、科学、自然、双方に変化をもたらす、懐の深さが、
作品のスケール感につながっている。


野生で活動するロボットが{netabare} 雁(ガン)の雛鳥の子育て{/netabare} を通じて、
プログラムを超えた心を獲得していく。
ここまでなら近年量産されている、凡庸な多様性映画でもできる芸当。

が、本作が非凡なのは、変化を迫られるのが科学サイドのみに留まらず、
ロボの言動を受容した自然界もまた、
弱肉強食の掟を超えて変容していく点にあると感じます。
これが凡作なら、自然は大事だ、科学文明が変われと一方的に説教する、
自然共生ならぬ自然“強制”作に終わっていたと私は思います。

昨今、自分たちのイデオロギーは正しく、変化すべきはお前たちだけだと、
糾弾しあって、分断を深めている輩にはない、包容力が本作にはあります。

近頃は、私も、ポリコレアレルギーをこじらせて、
多様性を押し付けるななどと、方方で毒を吐いておりますが。
本作の、この文脈なら、イレギュラーも受容する寛容さこそが、
社会や世界の進化をもたらすのだというメッセージも素直に受け入れられます。


上記のような捻くれ者の感想はさておきw
本作は、人とAIの関係といったトレンディなテーマから、
親子愛などの普遍的なテーマまで、
幅広い層に思い出となる要素が敷き詰められた王道娯楽作。

洋画離れが叫ばれる今日この頃ですが、
久々に洋画で世界の人々を一つにでき得る作品が公開されたと嬉しい気持ちになります。


【作画 5.0点】
アニメーション制作・ドリームワークス・アニメーション

例えばディズニー映画『塔の上のラプンツェル』のランタンを上げるシーンなど、
後々まで語り継がれる作品には、アイコンとなり鑑賞者の心に刻まれる名場面があるものですが、
本作の場合は、サムネにも描かれている{netabare} 雛から育て上げたキラリが、ついに雁の渡りに参加して飛び立つのを両手を広げたロズが並走しながら見送るシーン{/netabare} が該当するのではないでしょうか。

あのワンカットだけで、描いた鳥・28,000羽超、羽の総数1億オーバーを費やしたという渾身の一撃。
私の胸にもしかと刻まれました。

圧倒的物量で押す力技だけでなく、ロズの瞳の“表情”など心情描写の小技も巧み。

ここまでならまだ4.5点なのですが、満点まで突き抜けたのは、
フォトリアル風と絵画調の使い分け。

リアルタッチで無機質なロボット・ロズの描写に対して、
島の動物たちや背景美術はマネ、モネなど印象派の画風も彷彿とさせる有機的なタッチ。
ロズが厳しい自然界で生きる内に、“生傷”も増え、年季が入り、
キャラデザの面でも有機的な野生の色に染まって行く。

科学と自然の融合と変化という作品テーマを、
作画、背景も体現しているのがお見事でした。

そのグラデーションを感知できたドルビーシネマ鑑賞。
追加料金に見合う価値は十二分にありました。


【キャラ 4.5点】
私が一番好きなキャラはキツネのチャッカリ。
弱肉強食の自然界をちゃっかり生き抜くキツネらしい、島でも嫌われ者の狡猾なキャラなのですが、
ロボットのロズとは、はぐれ物同士気も合うのか、
何かと気にかけてフォローしてくれる可愛い奴です。

思えば私が好きなディズニー映画の『ズートピア』でも、
キツネの詐欺師・ニック・ワイルドの相棒ぶりが作品を牽引していました。
キツネがキツネらしい海外アニメ映画に外れはないようです。

7匹の子供たちに{netabare} 死んだふり{/netabare} を仕込んで厳しい大自然を説諭する、
オポッサムの母親・ピンクシッポの子育て指南も毒が効いていてスパイシーでしたし。


使えないと思っていた奴が、いざという時役に立つというのも、
多様性を扱う映画ではお約束。
私も分かっていましたが、{netabare} 巨木を倒す無意味な行動ばかりしていると皆から笑われていたビーバーのパドラー{/netabare} が、
島の危機を救う鍵になるシーンはグッと来ました。

カッコいいと思ったのが、鷲のサンダーボルト先輩。
{netabare} キラリは小柄だが小回りは効く{/netabare} などと、
短所も長所と認めて、無償の激励をしてくる辺りに漢気を感じます。


【声優 4.0点】
日本語吹替版を劇場鑑賞。

メイン吹替キャストは俳優陣中心。

ロボット・ロズ役の綾瀬 はるかさんは、
過去に映画『僕の彼女はサイボーグ』にて人造人間役もこなしており、
心を獲得していくロボットの演技ならお手の物。

キツネのチャッカリ役の柄本 明さんは、
集団を斜に見るポジションから、徐々に溶け込んで来て、粋な言動をさせていく役をやらせたら、
卓越した演技力を発揮する役者さん。

雁のキラリ役の鈴木 福さんはドラマ『マルモのおきて』にて子役として一世を風靡した経験が、
子供からたくましい青少年へと成長していく過程を表現するのに重宝しますし。

この辺りの洋画アニメの的確なリサーチ力に基づいたキャスティング。
宣伝ありきで俳優・タレントのミスキャストをやらかしている、
一部の日本アニメ映画は見習って欲しいと返す返す思います。


そんな中、アニメ声優界からも、千葉 繁さんが雁の群れの長老・クビナガ役を好演。
若い奴を見守る落ち着いた語り口には円熟味を感じます。

種崎 敦美さんも、{netabare} ユニバーサル・ダイナミクス社の刺客ロボ・ヴォントラ役として登場。
無機質な声色で、心を得たロズをイレギュラーとして葬送いやwデータ抹消(デリート)を試みる無機質なボイスがハマってました。{/netabare}


【音楽 4.0点】
劇伴担当はクリス・バワーズ氏。
オーケストラ音源を前面に押し出し、高揚感のあるメインフレーズで大作感を醸し出す。
そのオケ音源を、BGMをコミカルシーンの効果音としても活用する米国アニメの伝統芸にも惜しげも無く使う。

劇伴はバックグラウンドに潜む方が好みの私にとっては、あまり好みの作風ではありませんが、
本作の物語、作画には、音楽に負けないだけのスケール感はありました。
実際、上記の鳥・28,000羽超の名シーンは、大迫力のオーケストラあっての場面だと思いますし。

あとは、ロズがお手伝いロボットのサービス提供をアピールする際に鳴り響く、
スタートアップBGMの押し売り感w
私は嫌いではありません。


主題歌にはグラミー賞・カントリー歌手・マレン・モリスを起用し必勝体制。
個人的にはED主題歌の「Even When I`m Not」よりも、
挿入歌「Kiss the Sky」が印象的。
空を飛ぶことがストーリーラインの軸となる本作にとって、
同曲は推進剤として機能していました。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 13

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

今年ベストアニメ映画は決定しました…。嗚咽レベルで泣きそうになったのはいつ以来か。

 いやぁ〜もう今年ベストが出ちゃいました。予告を見た時点でこれ実際に見たらやべぇなと思ってましたが、もう中盤で既に泣き、クライマックスはもう嗚咽レベルの号泣でした。


 とにかく王道なキャラクターストーリーを見事に抑え、それでいて巧みにテーマ性も盛り込んでいくというワタシ好みをほぼ完璧にやっている!それだけで最高の一言。「ヒックとドラゴン」を超える作品がついに出来ちゃいました。


 なにより中盤のモンタージュシーンの正解+「ヒックとドラゴン」と同じ飛行シーンに最高のカタルシスを持ってくるという合せ技にはこの時点でもう完全にやられました。


 前々から考えていた、モンタージュを上手くやるにはその前時点で感情のセットアップが出来てなきゃいかんし、工夫ある努力パートなくちゃ意味ないよという私の考えを完全に裏付けてくれる正解を見せられては泣くしかない!。しかも、意外なあの人が助けてくれる展開まで足してくるなんてこちらを殺すために作られた展開かよぉ〜!!と唸らざるをえない。


 アニメーションの高揚が、音楽と、ストリートと、感情と呼応する。そんな単純な事がここまでのレベルに至ればこれほどに魂を震わせるのかと再認識しました。


 そういった基本を丁寧に積み上げるという普通なことを普通にこなすという最大の難事をこなしてるからこそ桁違いの映像もテーマ性もビンビンくる。


 ここまで自然の世界、動物をCGでこなすことを達成したことはなかった。更に、単なる現実の模倣を超えた飛躍も見事に成功していることもなかった。山火事のシーンをここまで美しく描けたのは、「長靴をはいた猫」でも見られたスパイダーバース的な表現力を取り込んだ結果の達成だろう。


 そして、テーマ性も単なるポリコレのおざなり的ないい加減さがない。親離れ子離れ、共存、異端こそが集団を救いうるという「フリー・ガイ」に通ずる綺麗事を超えた説得力がある。何故なら乗りやすい上に最高にしっかりとした物語の生きた言葉になっているから。


 とにかく今年これを超える作品はもう出ないだろうと思います。少なくても大規模な正攻法の作品では。興奮冷めやらぬのであと何回も見ると思います。絶対見逃せない一本間違いなし。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 9

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師(アニメ映画)

2024年12月20日
★★★★★ 4.4 (5)
19人が棚に入れました
2013年に刊⾏された 「⼩説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師」を劇場アニメ化。決闘に向かい消息を絶ってしまった土井先生を捜す上級生と、忍術学園に危機が迫り奮闘する姿を描く。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ギャグこそ平和を継承する長寿アニメ13年ぶりの映画化作品

「朝日小学生新聞」に連載されていた原作マンガや、本劇場版の原作となった小説版(2013)は未読。
1993年~現在も続くNHK・TVアニメ版は5期(1997年)辺りまで視聴。


【物語 4.0点】
落第忍者がギャグでグダグダやって、ドクタケ一味がポンコツ過ぎて野望叶わず。
ダメだコリャwとズッコケて笑っていられる内は世界は平和。
長期アニメシリーズの長寿の秘訣を抽出、再提示した快作。


主人公トリオを始めとした忍者の玉子の落ちこぼれクラス・一年は組が、
先生を困らせつつ笑いを取る学園コメディが基本線の本シリーズ。

が、一方で舞台となった戦国・安土桃山時代の時代考証はかなり緻密。
TVアニメ版も特に初期の頃は、戦乱で荒廃した街、戦災孤児など、
なかなかエグい描写も混在したりして。
基本一話10分完結の学園ギャグショート作品なのですが、
時々ドクタケ忍者隊の陰謀といった学園外の乱世の現実を思い知らせる連続シナリオで引き締める。

このシリーズ構成が私の肌に合っていた当初の4年間は視聴継続。
残虐描写の自主規制が入り、一年い組、“ドクたま”とライバルとなるクラス、集団が登場して学園アニメ要素が強まった頃に、自然と視聴しなくなったと記憶しています。


本作では初期の頃の戦災描写が復活。
“最強の軍師”天鬼とやらを担いで、性懲りもなく出張って来たドクタケ一味の野望を通じて、
改めて兵庫県・尼崎市(旧・摂津国)が舞台だという忍術学園周辺の概況を俯瞰してみると、
『忍たま』の世界って、諸勢力が入り乱れる危険な紛争地帯なんだなと現実を再認識させられます。
ホント織田信長が上洛した頃の畿内の如くグッチャグチャです。


シナリオは失踪した、は組担任・土井先生捜索とドクタケの“軍師”との対決がメイン。
上級生の6年生たちでも歯が立たない難事件。
リアリティを突き詰めれば、落第忍者の、一年は組に絡める要素はない。

が、そこを金に目がくらんだ時だけサーチ力が爆上がりする、きり丸や、
空腹時だけ食い意地が暴走するクラッシャー・しんベヱといった、
キャラクターのギャグのパワーで笑わせつつ強行突破する。

で、最後はこのギャグこそかけがえのない日常と、
{netabare} 土井先生の胃痛を伴うw{/netabare} 冒頭のコメディパートを伏線回収しつつ、
華麗に着地を決め、上映時間90分でまとめ上げる。

例えば終盤、{netabare} しんベヱが監禁されたドクタケ砦の壁を食い意地で食い破る。
撒き散らした涎で、忍者が痕跡を残しちゃだめだろうwと山田先生を呆れさせつつ、ラスボスのアジトにナビゲートするとか。{/netabare}

は組は無能だからこそ予測不能な波乱をもたらす。
常識の枠を笑いで取り外し脚本の自由度を確保しつつ、クライマックスではホロリとさせる。
この辺りの、シナリオ運びの熟練技には舌を巻きます。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・亜細亜堂

近年は深夜アニメの元請けも目立つ同スタジオですが、
元は『忍たま』などの児童向け長期シリーズで実績を積み上げて来た所でもあります。

が、本格的な忍術アクションで魅せた本作では、
ファンタジー、異世界バトルアニメでの経験もより生かされた印象です。

戦火で荒んだ“最強の軍師”の心の闇を示唆する彼岸花などは、
直接的な戦火の荒廃描写以上に、真に迫る物があり。
心情描写もより深夜アニメ寄りとの感想を得ました。

一方で、{netabare} あの金の亡者・きり丸がバイトをやめる{/netabare} と耳にした時に、
驚愕した、は組一同が目ん玉飛び出すコメディ描写など、
古の児童向けギャグ対応もカバー。

総じてエンタメ忍者映画としての幅広い対応力が光ったアニメーションでした。


【キャラ 4.0点】
一年は組・担任の土井先生は戦で家を滅ぼされた天涯孤独の身の上。
落第忍者トリオの一角・摂津の きり丸もまた戦災孤児。
(その貧困の反動だからと言って、きり丸は金に目がくらみ過ぎですがw)
似た境遇を経験した先生は、{netabare} きり丸を寮の長屋が閉まる夏休み中に家に招く{/netabare} など、気にかけて来た。

戦火の中の『忍たま』を再クローズアップするに当たって、
土井先生と、きり丸の関係性の掘り下げが効いていました。

きり丸は(※核心的ネタバレ){netabare} 記憶を失いドクタケの軍師・天鬼に闇落ちした土井先生奪還する{/netabare} キーマンでもありました。


きり丸、しんベヱの、金欲、食欲モンスターぶりがシナリオ打開の飛び道具として活用される一方、
乱太郎は、それすらもない凡人を極めた主人公。
主役が影が薄かろうが、話を成立させる。この辺りもブレないなと、ある意味、感心します。


にしても、諸泉尊奈門(しょせんそんなもん)だの、雑渡昆奈門(ざっとこんなもん)だの、
『忍たま』のキャラは相変わらずネーミングがテキトーで可笑しいですw


個人的には、体当たりで授業終了の鐘を鳴らすマスコット・ヘムヘムや、
「お残しは許しまへんでー!!」の食堂のおばちゃんが変わらず元気だったのにも
懐かしくてホッコリとさせられました。

土井先生も、落ちこぼれ共の相手で胃腸の調子が悪くても、
練り物ちゃんと完食しましょうw


【声優 4.5点】
初期から継続している方も、役を継承した方も、
ベテラン声優としての実力を示す。

乱太郎・高山 みなみさん、きり丸・田中 真弓さん、
しんベヱ役の講談師・一龍斎 貞友さん。
メインキャストを継続する御三方の、
歳を重ねても高音少年ボイスでキャラを維持し続ける確かな実力。

父・大塚 周夫さんから山田先生役を引き継いだ大塚 明夫さん。
明夫さん演じる山田先生を私は初めてちゃんと聞きましたが、
キャスト確認するまで失念していた程、完璧な一子相伝ぶりでした。

語彙力不足で恐縮ですが、長年、生き残って来た声優さんって、
やっぱり上手いな~としか言い様が無いです。


何より今回は土井先生役の関 俊彦さん。
(※核心的ネタバレ){netabare} 柔和なイケボの先生と、冷徹な軍師・天鬼という別人格の演じ分け。見事でした。{/netabare}


【音楽 3.5点】
劇伴はシリーズ通じて楽曲提供して来た馬飼野 康二氏。
本作ではアップテンポな戦闘曲も目立つ構成でしたが、
ベテラン作家が、電子音も交えたアレンジで好対応。

光ったのは、メインフレーズとなった素朴なバラード「一緒に帰ろう」による、
乱世より日常の説得力補強。

ただ挿入歌「愛と正義のドクタケ忍者隊」
その程度のリサイタルで、私は洗脳されませんよ(笑)


ED主題歌は、なにわ男子が「ありがとう心から」でアニメ主題歌初挑戦。
同グループは終盤、光GENJIによる往年のTVシリーズOP主題歌「勇気100%」も挿入歌カバーしてくれて嬉しかったです。

ジャニーズも人類史上最悪レベルの性加害事件などのスキャンダルで不透明な先行きが続きますし、
私も許し難いとは思っていますが、
「勇気100%」は、劇場版次回作がまた10年後とかになっても、
後輩たちに歌い継がれて欲しいと願います。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 11

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い(アニメ映画)

2024年12月27日
★★★★☆ 3.7 (5)
18人が棚に入れました
映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の知られざる200年前の物語を描く長編アニメーション。
騎士の国ローハンの人々は、偉大な王ヘルムに護られながら平和に暮らしていた。しかし、突然の攻撃によって美しい国は崩壊してしまう。王国滅亡の危機に、ヘルム王の娘である若き王女ヘラが立ち向かうことに。そんな彼女の前に、幼少期を共に育ち、ヘラに想いを寄せていたウルフが最大の敵として立ちはだかる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

戦慄!ワンパンキング!!

トールキン氏の原作シリーズは『ホビットの冒険』は原作、劇場版三部作共に完走済み。
一方で本編である『指輪物語』は原作は読み始めては挫折を繰り返し、
劇場版『ロード・オブ・ザ・リング』三部作も、何度かTVロードショーで途中から観て、
今度しっかり通して見ようと思いつつ時は過ぎ去り。

今回、本作を観て、いい加減、RPGの原典でもある『LoTR』くらいちゃんと履修しとかないとと思い直してみたりw


【物語 3.5点】
2024年の世界は、表現の世界だけでなく、選挙イヤーとなった欧米の政治・経済界も含めて、
進歩し過ぎたネオリベ、多様性への反発から生じた揺り戻しがトレンドになった年だったと思われます。

この文脈からも本作の満足度の分岐点となるのは、
実質的に主人公視点が置かれた王女・ヘラを受け入れられるか否かだと思います。


ストーリーは、原作小説の「追補編」に6頁分だけ記されたという、
本編から約200年前のローハン王ヘルムの伝説を大作映画1本分に広げて脚本。

その際に、書物にも歌にも語り継がれない物語でシナリオを広げるために、
原作では「ヘルムの娘にウルフが求婚したがヘルムが断った」との一文だけ登場する名もなき女から構想を膨らませて、
王女ヘラという、ほぼアニオリのヒロインを造形。

またヘルム王の傍らで活躍する王女ヘラを語り部視点にすることで、
原作で心情描写の無かったヘルム王のキャラクターを拡張する狙いもあった模様(※1)

映像作品の『指輪物語』と言えば、近年アマプラ実写ドラマ版『力の指輪』(2022)(未見)が、
“黒人のエルフ”を登場させ、またポリコレが作品を台無しにしたなどと盛大に燃えていたようですが。

上記の通り、神山 健治監督ら本作の制作スタッフは、
多様性だから安直に女性を活躍させたのではなく、
近年の多様性作品を巡るデリケートな問題も踏まえて熟慮した上で、
王女ヘラ視点のヘルム王伝説を練り上げた。

何より神山 健治監督は『攻殻機動隊』草薙素子、『精霊の守り人』バルサと、
戦う強ヒロインの取り扱いに定評があり、
彼が参加するファンタジーヒロイン作品には唆(そそ)る物がある。

私も大概ポリコレアレルギーですが、
本作には、私のアレルギーを覆す程度の鑑賞理由はあったので、まずまず満足の行く劇場鑑賞ではありました。
と言うより、神山監督でなければ、眼中に入れなかったと思います。

ただ、王女ヘラの物語がポリコレ批判含めた懸念を完封できる程だったかと言うと、そこは微妙でして。
ヘラもじゃじゃ馬姫ではありますが、素体化した身体を使いこなす草薙素子や、熟練槍使いのバルサほど圧倒的な戦闘力までは持たない。
と言うより、ヘラ王女が草薙素子ばりに大暴れしたら『指輪物語』の世界観がぶっ壊れて再び炎上しちゃいますw

そこをヘラが武闘派王女と言っても男の戦士やオークには力負けする程度のリアリティでブレーキをかけつつ、
活躍度合いも伝説として語り継がれるヘルム王未満に自重。
例えるなら、封建社会下で、史実までは覆さないように女性を活躍させる近年の大河ドラマ脚本程度にセーブ。

個人的には世界観などにも配慮した佳作以上だったけど、伝説には及ばないくらいの物語に落ち着いた(とどまった)感じです。


【作画 4.5点】
実写映画版『LoTR』三部作にも参加したスタッフらが、
神山 健治監督を招聘(へい)して制作された、
米・日・ニュージーランド合作映画

ハリウッド超大作が表現技法としてジャパニメーションを選択したらどうなるのか?
アニメファンとしての私の興味はそこに尽きるかと。

最近、日本アニメ好きな海外の創作者たちが、
ジャパニメーションは、登場人物の内面を描写するのに優れた表現手段だとリスペクトするインタビューをよく見かけますが、
本作の作画にも、同様の嗜好が現れています。

合理的な判断を覆す程のウルフの復讐心やヘラ王女への愛憎が戦火の火種となるシナリオに、
引きつる表情筋が本音を示唆する日本アニメは最適です。


一方で、背景美術は大自然の偉大さ、恐怖を思い知らせるリアル志向。
最近は、背景にも作画を入れてキャラ心情を表すアニメ映画鑑賞が多かったので、
人間の心持ち程度じゃびくともしないリアル背景を押し出したアニメ映画鑑賞も久々でしたが、こういう作風も良いですね。

自然は加工できると人間が思い上がる以前の封建社会。
“冬将軍”最強ですし、黒い森は人知を超えた怪物が棲んでいる畏怖すべき魔境。
その中で懸命にあがいて戦う人間同士で、策が手詰まりになった時、
打開するのは人間より上位の伝説の怪物たち。
このシナリオパターンには強引さもありましたが、
作画にはねじ伏せるだけの説得力はありました。

封建社会の内戦故、戦闘もせいぜい数百人規模でしたが、
CGによる原動画の上に、手描き表現を一つひとつ乗せていった、軍勢バトルには、
チープなCGで数万人規模戦闘を自称する凡庸なアニメーションには無い迫力がありました。
もっとも、映像的に一番インパクトがあったのは、やはり大自然の脅威。
{netabare} 沼の主による象さん(ムーマク)丸呑みシーンなんですけどねw{/netabare}

何より、こだわりを感じたのは馬の描写。
特に馬を単なる乗り物ではなく、ちゃんと息切れする動物として描く姿勢は好感できます。
ただ、{netabare} ハマ王子{/netabare} は、もうちょい速い馬を選んどけば良かったのにとは思います。


【キャラ 3.5点】
主人公視点はヘラ王女でも、本作の主役はヘルム王で間違いないでしょう。
実際クレジットでも最上位はヘルムですし。

ヘルム王。老王ですが、敵をワンパンで薙ぎ倒す“槌手(ついしゅ)王”の異名を誇る剛腕は健在。
大体、此度の内戦の発端も、{netabare} ヘルム王がウルフの父・フレカをワンパンで撲殺しちゃった禍根{/netabare} でしたし。

ヘルム、これは流石に死ぬだろうと思った所からの、
{netabare} ソロの撲殺活動で亡霊騒動を巻き起こし敵軍の戦意を喪失させたり、
我が生涯に一片の悔い無しな最期{/netabare} など、
何か色々混ざってる気もしますがw
槌手王の暴れっぷりを堪能するだけでも、この映画鑑賞の価値はあると思います。

それにしても、撲殺王・ヘルムに加え、“盾の乙女”オルウィンまで無双する
本作は刀剣の立場が無さすぎて(苦笑)
クライマックスも(※核心的ネタバレ){netabare} ヘラが盾でウルフを“刺殺”して一件落着しますし。{/netabare}


一方で先述したヘラ王女や、ラスボス役となるウルフらは、
もうワンパンチ足りない印象。
ウルフも悪感情に囚われて過ちを重ねる臆病故の人間の愚かさを良く体現していましたが、
流石に、ちょっと愚か過ぎると思うこともしばしば。

そんな中、良心だったのが事あるごとにウルフの蛮行を諌める部下のターグ将軍。
が、ターグ将軍も、冷静な助言を尽く無下にするウルフの器の小ささを際立たせる演出装置に留まった感じ。
何だかんだ私は{netabare} ウルフに諫言するなと刺殺された{/netabare} ターグ将軍が一番不憫でした。


【声優 4.0点】
※日本語吹替版を劇場鑑賞

如何にも大作ハリウッドファンタジー映画らしい大仰なセリフ回し。
深夜アニメよりは舞台劇寄り。
この観点からも本作吹替は、深夜アニメ声優より、俳優、洋画吹替声優向きな作品。

実際、ヘルム王役には市村 正親さん、ヘラ王女役には小芝 風花さんと俳優を起用。
一方でラスボス・ウルフ役には声優・津田 健次郎さんが、
ネットリと復讐心を燃やす演技で食い込みますが、
ツダケンも近年は俳優業にも活動領域を広げているお方。

またターグ将軍役の山寺 宏一さんや、ソーン卿役の大塚 芳忠さんなどは、
『LoTR』三部作でも別役で吹替を担当した“経験者”声優。

それだけに、この深夜アニメ領域の声優が簡単には入り込めそうにない布陣に、
ハマ王子役でちゃっかりと入野 自由さんが心優しいイケボで割って入っているのが私は何か嬉しかったです。

こういう作品に養成所卒業したての若手声優が食い込めるくらいになったら、
声優界隈の演技育成力も成熟の域に達するのだろうなと思ってみたり。


【音楽 4.0点】
劇伴担当はスティーブン・ギャラガー氏(NZ)
終始、壮大な金管サウンドを前面に打ち出し、大作感を演出する楽曲構成。
ただ、私は静かに会話を咀嚼したいシーンではBGMはバックグラウンドで黒子に徹してくれる方が好みなので、
本作の劇伴のあり方は、あまり好きではありません。

ED主題歌はパリス・パロマ「The Rider」
高音女性ボーカルが幻想的な本シリーズらしいバラード。

ただ作画枚数10万を支えた作画兵力の大軍など、
本作はEDクレジットの長さもハリウッド超大作なので、
EDでは主題歌含めて3曲は費やしていましたねw


【参考文献】(※1)「アニメージュ」2025年2月号

投稿 : 2025/03/01
♥ : 8

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
映画 先輩はおとこのこ あめのち晴れ(アニメ映画)

2025年2月14日
★★★★☆ 4.0 (7)
15人が棚に入れました
2024年に放送された同名テレビアニメの続編となる劇場版。
男の子だけど女の子の姿で学校生活を送る高校生の花岡まこと。後輩の蒼井咲と、幼なじみの大我竜二は、そんなまことに恋をする。学校は春休みに入り、まことが咲を意識し始めるなか、咲はハワイで暮らす父親に会いに行く。ハワイで一緒に暮らさないかと言われた咲は、父と母のどちらを選ぶか、自分を特別に思っている人は誰なのかに悩む。一方、3年生になったまことと竜二は進路に向けた選択を迫られる。

御宅忍者 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

補完計画、成功。

2024年夏アニメの中でもトップクラスで好きだった本作の完結となる劇場版。まここと咲ちゃんの悩みと葛藤を良きハッピーエンドにしてて良かったですわよ。愛の形は人それぞれ、いやぁよかったねぇ…あと、咲ちゃんの名字が蒼井ってのもなんだか名前っぽくて良いよね。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 1

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』(アニメ映画)

2025年4月18日
★★★☆☆ 3.0 (1)
14人が棚に入れました
長野県・八ヶ岳連峰未宝岳(みたからだけ)。長野県警の大和敢助(やまと かんすけ)が雪山で“ある男”を追っていた時、不意に何者かの影が敢助の視界に。気をとられた瞬間、“ある男”が放ったライフル弾が敢助の左眼をかすめ、大きな地響きとともに雪崩が発生。そのまま敢助を飲み込んでしまい―

10 カ月後。国立天文台野辺山の施設研究員が何者かに襲われたという通報を受け、雪崩から奇跡的に生還した敢助と、上原由衣(うえはら ゆい)が現場へ駆けつけた。事情聴取のさなか天文台の巨大パラボラアンテナが動き出すと、 負傷し隻眼となった敢助の左眼がなぜか突如激しく疼きだす…

その夜、毛利探偵事務所に、小五郎の警視庁時代に仲の良い同僚だった“ワニ”と呼ばれる刑事から電話が入った。未宝岳で敢助が巻き込まれた雪崩事故を調査しており、事件ファイルに小五郎の名前があったという。

後日会う約束を交わした小五郎にコナンもついて行くが、待ち合わせ場所に向かっていた途中、突然響き渡った銃声—。

果たせなかった約束と、隻眼に宿った残像。

氷雪吹き荒れる山岳で、白き闇の因縁(ホワイトアウトミステリー)の幕が切って落とされる―

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
SK∞ エスケーエイト EXTRA PART(アニメ映画)

2025年1月24日
★★★★☆ 4.0 (2)
13人が棚に入れました
2021年1~4月にテレビ放送されたアニメ「SK∞ エスケーエイト」の新作エピソードを収めたOVA。2025年3月19日の発売に先駆けて期間限定劇場上映。
暦たちの日常の姿を描くエピソードを収録したオムニバスストーリー

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
劇場版 イナズマイレブン 新たなる英雄たちの序章(アニメ映画)

2024年12月27日
★★★★★ 4.1 (2)
10人が棚に入れました
シリーズ最新作イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロードの物語の序章を、
アニメーションスタジオMAPPAがダイナミックに描く。
笹波雲明は、サッカーは消えてほしいと願いながら、サッカーのない環境を求めて長崎にある南雲原中に転校した。一方、生まれ持った才能を発揮し、同世代たちの頂点に君臨する円堂ハルもまた、サッカーに対して複雑な思いを抱えていた。そんな2人の予期せぬ邂逅が、新たなる英雄たちの扉を開く。

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
映画 イナズマイレブン総集編 伝説のキックオフ(アニメ映画)

2024年12月27日
★★★★☆ 3.9 (2)
10人が棚に入れました
イナズマイレブンシリーズ第一作目であるイナズマイレブン フットボールフロンティア編での試合を中心に描いた総集編。
主人公円堂守率いる雷門中サッカー部は、全国大会フットボールフロンティアでの優勝を目指していた。
チームに加わった伝説のストライカー豪炎寺修也の活躍もあり、激闘を繰り広げながらも強豪校を打ち破り地区予選を突破する。かつての強敵、帝国学園の天才ゲームメーカー鬼道有人も仲間に加え、本選を突き進む雷門中の前に、圧倒的な強さを誇る世宇子中が立ちはだかる――!

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
美男高校地球防衛部ETERNAL LOVE!(アニメ映画)

2025年1月24日
★★★★★ 4.3 (1)
9人が棚に入れました
オリジナルアニメ「美男高校地球防衛部LOVE!」の放送10周年を記念して製作された劇場版で、これまでのシリーズのその後を描く。
眉難高校の地球防衛部に所属する箱根有基、由布院煙、鬼怒川熱史、鳴子硫黄、蔵王立の5人は、愛の王位継承者“バトルラヴァーズ”に変身して、地球の平和を守ってきた。ある時、有基は実家の銭湯、黒玉湯に降ってきたウォンバットと久々に再会。地球に新たな危機が迫ったことで地球防衛部の面々は集結し、これに立ち向かう。

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
アルドノア・ゼロ(Re+)(アニメ映画)

2025年2月28日
★★★★★ 4.1 (1)
6人が棚に入れました
2014~15年にテレビ放送されたオリジナルロボットアニメ「アルドノア・ゼロ」の総集編に、新作エピソード「雨の断章」を追加して劇場上映。
新作エピソード「雨の断章」はテレビシリーズ最終回のその後を描くもので、地球と火星の戦争終結から9カ月後、伊奈帆が収容施設にいるスレインと再び対面する。

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
ソニック × シャドウ TOKYO MISSION(アニメ映画)

2024年12月27日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
日本のゲームから生まれたキャラクター、ソニックを主人公とする劇場版アニメシリーズ第3弾。
東京湾沿岸に浮かぶ孤島に幽閉されていた、闇のダークヒーロー、シャドウ。永い眠りから目覚めたシャドウは施設を破壊し、日本を象徴するランドマーク・シティ、渋谷に降臨する。東京のみならず世界を揺るがす緊急事態に、ソニック、テイルス、ナックルズが派遣され、スクランブル交差点のど真ん中でシャドウと対峙する。

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 最終章(アニメ映画)

2025年2月21日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
日台合同映像企画「Thunderbolt Fantasy Project」シリーズの完結編を描く劇場版。凜雪鴉、殤不患、裂魔弦の共闘により魔神と化した刑亥を倒すも、未だ浪巫謠(ロウフヨウ)は魔王城の炉心で悪夢に魘されたままだった。浪巫謠をあきらめることができない嘲風も、邪宗門「神蝗盟(シンコウメイ)」の教祖である禍世螟蝗(カセイメイコウ)の手ほどきで神蝗盟の法師、葬心嬌となって、再び魔界へ。魔王による再来の窮暮之戰で、地上へ押し寄せる魔界の軍勢を、護印師を先頭にした人間たちが迎え撃つ。

※人形劇ですが、シリーズの3と4が登録されているので、あげてみました。

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
親鸞 人生の目的(アニメ映画)

2025年2月28日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
8歳で両親を失った親鸞は、「やがて死ぬのになぜ生きるのか」という人生の目的の答えを仏教に求め、9歳で比叡山に入り、修行に励んでいた。10年の仏道修行を経て19歳になった親鸞は、聖徳太子廟からの帰り道、関白・九条兼実の娘・玉日姫に出会う。それ以来、女性のことは思ってもならないと教える比叡山での厳しい修行に打ち込む親鸞だったが、玉日姫を忘れることができないでいた。「煩悩にまみれた私はとても救われない」と絶望し、比叡山を下りた親鸞。そんなある日、京都の町で「煩悩あるがままで救われる」と説く人生の師・法然上人と出会い、親鸞はその教えによってついに苦悩の解決の道を知ることに至るのだった。やがて、玉日と再会した親鸞は、法然上人の教えをふたりで聞くようになり、ますます惹かれ合ってゆく。僧侶と関白の娘、決して結ばれないはずのふたりだったが……。

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
あめだま(アニメ映画)

2025年2月28日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
第97回アカデミー賞で、日本作品として史上4作目となる短編アニメーション部門ノミネートを果たした作品。
コミュニケーションが苦手な少年ドンドンが、人の心の声が聞こえるようになる不思議なあめだまを通じて他人の気持ちを知り、自分の気持ちを伝えることができるようになる様子を描く。

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
映画ドラえもん のび太の絵世界物語(アニメ映画)

2025年3月7日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
「映画ドラえもん」シリーズ45周年記念となる、長編映画シリーズ第44作。
夏休みの宿題である絵に取り組むのび太の前に、突然絵の切れ端が落ちてきた。ひみつ道具“はいりこみライト”を使って絵の中に入り探検していると、不思議な少女クレアと出会う。彼女の頼みでアートリア公国を目指すドラえもんたちがたどり着いたのは、数十億円の価値があるとニュースで話題になっていた絵画に描かれた中世ヨーロッパの世界。そしてその世界には“アートリアブルー”という幻の宝石が眠っており、ドラえもんたちはその秘密を探る。

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
この素晴らしい世界に祝福を!3 ―BONUS STAGE―(アニメ映画)

2025年3月14日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
暁なつめ原作のテレビアニメ第3期「この素晴らしい世界に祝福を!3」の未放送エピソード「レッドストリーム・エクスプロージョン!」と「偽物注意!」を収録したOVAを劇場上映。
受付嬢のルナがギルドで食事中のカズマたちのもとに指名依頼を持ってくる。アクセルの街に接近する台風に立ち向かうため、めぐみんの爆裂魔法が必要なのだという。ゆんゆんとウィズも参加することになり、決戦の日を迎える。一方、ある冬の日。カズマはアクセルの街の屋台で、冒険者の男から声をかけられる。男は“サトウカズマ”という冒険者を探しており、カズマは夕食を奢ってもらうことを条件に、“サトウカズマ”の伝説を語り始める。

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
Flow(アニメ映画)

2025年3月14日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
長編デビュー作「Away」でアヌシー国際アニメーション映画祭コントルシャン賞を受賞したギンツ・ジルバロディス監督の長編2作目。
世界が大洪水に包まれ、今にも街が消えようとしていた。そんななか、居場所を捨て旅立つ決意をした一匹の猫が、流れてきたボートに乗る。そこで乗り合わせた動物たちと、想像を超えた出来事や予期せぬ危機に襲われるなか、少しずつ友情が芽生え始め、逞しくなっていく。彼らの運命は? そして、この冒険の先に待っているものとは……?

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
劇場版モノノ怪 第二章 火鼠(アニメ映画)

2025年3月14日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
アニメ「劇場版モノノ怪」シリーズ三部作の第二章。世を統べる天子のお世継ぎを巡り、大奥内では家柄同士の謀略と衝突がうごめき出す。そんななか、人を燃やすモノノ怪・火鼠が大奥を新たな混乱に陥れるが、“退魔の剣”を携えて薬売りが推参。新たな闘いが始まる。

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
映画 おしりたんてい スター・アンド・ムーン(アニメ映画)

2025年3月20日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
人気児童書シリーズ「おしりたんてい」の長編映画第3作。
失踪事件を調べていたおしりたんていと、宿命のライバルであるかいとうUが協力して事件に挑む。
おしりたんていは「アイドルコンテストから失踪した親戚を探してほしい」とコアラちゃんから依頼される。スターダス島には国際犯罪組織かいとうアカデミーの本部があり、おしりたんていはワンコロけいさつから依頼を受けて、アイドルを装って潜入する。同じ頃、かいとうUもスターダス島の地下に潜むアカデミーの本部に迫り、“月光石”という秘石を取り戻そうとしていた。

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
ヨウゼン(アニメ映画)

2025年3月21日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
「白蛇:縁起」「ナタ転生」のチャオ・ジー監督が、中国の古典小説『封神演義』に登場する楊戩(ヨウゼン)を主人公に描く3DCGアニメ。
はるか昔、世界は仙界と人間界に分かれていた。だが殷と周、両国の間の戦乱の末、仙界の勢力は衰弱、二郎真君ことヨウゼンも数多くの仙人と同様、いまは落ちぶれて人間界で懸賞金稼ぎをしながら日々暮らしていた。そんなある日、ヨウゼンは甥のジンコウと偶然出会う。ジンコウは、それを手にすれば神力が倍増するという宝蓮灯を探し、華山に閉じ込められた母親を救出しようとしていた……。

計測不能 4 2025年度アニメランキング4位
ライオン・キング:ムファサ(アニメ映画)

2024年12月20日
☆☆☆☆☆ 0.0 (0)
0人が棚に入れました
2019年に実写化した同名映画のはじまりの物語。シンバを守ったムファサ王と、ムファサの命を奪ったスカーの若き日を描く。
両親を亡くし一人ぼっちのムファサを、ライオンの王子タカ(のちのスカー)が仲間に受け入れる。血のつながりを超えて兄弟の絆で結ばれたムファサとタカは、冷酷な敵ライオンから群れを守るため、新天地を目指して旅に出る。旅の途中で孤児から王となる運命を切り拓いていくムファサだが、彼らを結ぶ絆には隠された秘密があった。
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