2024年夏(7月~9月)に放送されたおすすめアニメ一覧 95

あにこれの全ユーザーが2024年夏(7月~9月)に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月21日の時点で一番の2024年夏(7月~9月)に放送されたおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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79.7 1 2024年夏(7月~9月)アニメランキング1位
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第1章(アニメ映画)

2024年9月6日
★★★★★ 4.4 (12)
35人が棚に入れました
テレビアニメシリーズのその後を描く3部作の第1幕。
留学生アイラの帰国から間もなく、同好会のもとにスクールアイドルGPXの招待状が届く。学校ごとではなく、個人でエントリーし、配信アプリを通してパフォーマンスを競うこのイベントに参加するため、歩夢、かすみ、しずく、彼方、エマ、ランジュの6人は会場の1つ、沖縄に向かう。全国から集まったスクールアイドルたちがパフォーマンスを披露するなか、同好会に新たな出会いが訪れる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

沖縄各所でスクールアイドルがパフォーマンスで奇襲してくる繚乱グランプリ♪

【物語 3.5点】
“アニガサキ”と言えば、リアルでステージ設営等なしに、
いきなり原理不明な背景変化により画面全体がライブ会場と化し、
MV風にパフォーマンスが繰り広げられる。
強引なくらい思い切ったライブシーン展開が特徴的。

2月の沖縄を舞台に“スクールアイドルGPX(グランプリ)”が開催される本作は、
日中の開催時間中は、エリア内であれば、水族館だろうが、植物園だろうが、
参加したスクールアイドル各々の判断でパフォーマンスを仕掛けてアピールすることを大会運営が許可。

MVをねじ込む唐突感というシリーズの作風を、ツッコミどころと自重して抑えるどころか、
むしろ設定の方から寄せて来て、いつでもどこでも始まるライブの楽しさを推奨。


虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は、学校、グループ単位ではなく、ソロ活動メイン。
部ではなく個々のスクールアイドルが集合した同好会という体を取っているのも特徴。

TVアニメで、ソロ活動描写によるキャラ掘り下げが一巡した後、
2期以降ではユニット活動も描かれ、ソロメインだけだと流石に展開パターン苦しいのかな?
と私は訝しみましたが。

本劇場版では、グランプリ大会ルールが学校単位ではなく、
ソロ単位でランキングを競う規則(レギュレーション)を導入したことで、
ここも大会ルール、設定、世界観の方からソロがメインのニジガクの原点に合わせて来る。


一応ストーリーの核として、
地元・沖縄のスクールアイドルユニットの確執と再起。
{netabare} 鐘嵐珠と大会運営する母親と{/netabare} の親子関係。
なども添えられますが、
主体はあくまで、グランプリ大会のお祭り感。

南国・沖縄の解放感も相まって、
ニジガク的展開が、リアリティの障壁に遮られることもなく、
上映時間60分弱の間に気持ち良く詰め込まれる。

ラブライバーへのファンサービス映画としては満足度が高い作品なのだと思います。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・サンライズ

公開前、一部で、キャラデザ変更が物議を醸したという本作。
『ぼざろ』のキャラデザ・総作画監督も務めた、けろりら氏がデザインした今回のニジガク。
目、口の丸み等に特色が表れており、
アンチを煽ってPVを稼ぐアフィ◯スサイト等は『ぼざろ』にデザイン寄せたのに爆死がどーのと騒いでいるようですが。
(相変わらずマジでウゼー。あいつらホント嫌い)

昔、シリーズ間どころか、同じ作品中でも作監ごとにキャラデザが変動するアニメを受容して育った私から見ると、
昨今、各所で見かけるキャラデザ変更叩きは、ちょっと過剰反応に感じてしまいます。

『ラブライブ!』シリーズに至っては、キャラデザの変化も含めて楽しむものなのではとすら私は思っていまして。
モブキャラ臭漂う初期デザイン見て、こんなん人気になるわけないw
とツッコみつつ、様々なデザイン展開、変遷を経て、萌キャラとして洗練され成り上がっていくサクセスロードに目を細める。
こうした過程も含めて『ラブライブ!』なのではないでしょうか。

『ニジガク』に関しても、発祥地であるスマホアプリ『スクフェス』にて、
N(ノーマル)カードの文字通りモブだった頃の、近江彼方や、エマのデザインを知っている身としては、
TVアニメ等でネームドキャラらしく変化を遂げて人気を獲得した末に、
今回はこんな感じになったんだな~といった程度の受け止めです。


私がむしろ気になったのは、ポスターにも散りばめられた食い物の数々。
作中でもメンバー集まる度に常に何か食ってるのでは?ってくらい“飯テロ”が頻発しておりまして。
(かすみんゴリ押しの沖縄バヤリースオレンジ私も飲んでみたいですw)
因みに“アニガサキ”のシリーズ構成で、今回も脚本も務める田中 仁氏は、
アニメ『ゆるキャン△』でも数々の“飯テロ”を幇助(ほうじょ)した“前科”がありますw
歌って踊って食いだおれて?沖縄はサイコーなのでありますw

尚、沖縄と言えばリゾートということで?本作は初手から水着回になります。
この点でも劇場版はファンサービスに振り切っています。


【キャラ 4.0点】
{netabare} お互いのぬいぐるみを持参して{/netabare} 会えない寂しさを紛らわす歩夢と侑のシリアスになり過ぎない程度に重ための百合カップリング。
相変わらず萌える範囲で小賢しい、かすみん。
(今回かすみんは{netabare} 肉で買収されて?{/netabare} ましたねw)

などなどニジガクの各キャラ、カップリングに加えて、
ジェニファーら虹ヶ咲学園外のスクールアイドルたちもグランプリに参戦し、
沖縄萌キャラ祭りを盛り上げる。


登場人物のほとんどを女子が占めるのも『ラブライブ!』の特徴ですが、
本作に至っては私が見た限り、男子は皆無でした。
大会を運営するのも女リーダー、秘書も女。
屋内外問わず、ゲリラ的に開催されるスクールアイドルのライブに、
どこからともなくワラワラと集まって来る観客も全て女子という徹底ぶり。

これは常夏の沖縄の白日夢なのか。
黄色い歓声に身を委ねながら、
男性でも楽しめる沖縄を返還して欲しい。
流石の私もちょっとだけ邪念が入りました。


【声優 3.5点】
香港出身の中国系スクールアイドル鐘嵐珠のキャストに、
実際に中国系ハーフで広東省在住経験もある法元 明菜さんを起用するなど、
ネイティブ要素にもこだわって来た本シリーズ。

今回は沖縄が舞台と言うことで、
地元スクールアイドルの赤嶺 天役に島袋 美由利さん、
石嶺 小糸役に下地 紫野さんと、
沖縄出身声優を起用し、方言ネイティブを追求。

三部作の残り二作。
どこが舞台で、どんなご当地声優が出演してくるのか。
私の密かな期待点です。

あとは、昔、美少女ボイスでお世話になったCV.ゆかなさんが、
{netabare} 嵐珠{/netabare} の母親ポジションに収まっているのは隔世の感があります。


一方で、動物声優の麦穂 あんなさんは、
今回も、ブサカワな犬にヤギと、
{netabare} かすみんのパフォーマンス動画に映り込み、
かすみんを差し置いて注目を集め、SNSで拡散し、
かすみんの順位を88位から9位に押し上げるなど、{/netabare}
アニメ『ラブライブ!』皆勤の貫禄を見せつける。


【音楽 4.0点】
明朗快活なピアノとストリングスなど、アニメ『ラブライブ!』BGMの特色を継承する遠藤 ナオキ氏の劇伴は、
南国の解放感との親和性も上々。

そんな沖縄の空気を切り裂くように仕掛けられる、
スクールアイドルのライブパフォーマンス挿入歌は、
上映時間60分で5曲、ほぼ10分に1曲のハイペース。
何ならストーリーはライブの幕間のMCくらいの勢いw
なるほど短尺ですが応援上映も実施されるわけです。

いずれの楽曲も元気の良いシンセ音源が牽引するニジガクらしい曲風。
それだけに{netabare} 沖縄の伝統楽器・三線(さんしん)の奏者・赤嶺天とエマのコラボパフォーマンス{/netabare} は変化球でインパクトがありました。

EDアニメは、お馴染みの、めばちさんデザインのイラストが踊る中、
「どこにいても君は君」をメンバー一同が合唱する定番の流れ。
一方でイントロに波音を挿入する辺りは、しっかりと沖縄に寄せて来ています。

以上、新曲6曲を収録したミニアルバムもリリースされるとのことで。
これがあと二作……。
お祭りはまだまだ続きます♪

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

中島野球しようぜ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

キャラデザ変更の不安をとっぱねた会心の一作、内容の濃さや次回作への期待が際立つ良作、おすすめ度★★★★★

続け!ときめき ーーー。

個人的な主観が入るので簡単なネタバレ少なめの感想を。もう少しまとまってからまた追記修正するかもしれない。

新曲やMVのクオリティは言わずもがな高い。予告時点で楽しみにしていたが、映画ならではの音響と質感で臨場感が増す。

散々批判されたキャラデザの変更や作画の違和感については、動けば大分良かったので個人的には気にならなかった。わざわざキャラデザを変えた意図は謎ではあるが…昔のスクフェス(ゲーム初期あたり?)に出てたキャラや、スクフェス組と呼ばれたしずく、彼方、エマの3人のMVに始まり、今や化石と化した旧スクフェスネタが多く、(全部は知らないが)小ネタは多め?

予告でメイン格になっていた6人のメンバー以外は今回は出番は少ない。これについては2章以降メイン格にする方針でやるのかもしれない。

沖縄の新キャラ達のギスついた雰囲気やランジュと母親との問題はどう描くんだろう…と思いつつもしっかりぶつかり合いを描けていて個人的には好印象。歩夢の焦燥、歩夢とランジュの絡みやかすみの活躍も描かれており、メインで描くべき事項がしっかり描きつつ虹ヶ咲らしさを崩さない内容で概ね満足出来た。

先発時点でもここまで安定して素晴らしい出来の作品を作れたことに個人的に感謝しかない。キャラデザの件で多少不安に思っていたがやはり内容はちゃんとアニガサキ。

以下、公開前時点での印象

公開前なので現時点でのファースト・インプレッションだけを載せます。

キャラデザをけろりら氏に変更した結果炎上とまでは行かずともとんでもない批判の嵐が巻き起こり、既に公開前から幾分かのファンから見切りをつけられてしまった作品。

虹ヶ咲自体アニメでの横田デザインと他媒体での従来の室田雄平風デザインでキャラデザが大幅に異なっているという前例がある分、個人的にはいくら予告がなかったとはいえ過剰にキレるほどではないとは思うが…

それはさておき内容的には新キャラや2期で登場した虹ヶ咲学園外部から様々なゲストが登場するらしい。どうやらランジュの母親(スクスタの理事長)と思しき人物が登場するのだが、スクスタで炎上した事案にも触れるのだろうか?

キャラデザ変更が物議を醸したが内容は果たして如何程のものなのか。9/6を心待ちにしたい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

マサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

【87点】良作なのは間違いないけど、キャラデザ変更は勿体ないなぁ。

ラブライブシリーズの映画作品。スクールアイドルグランプリに参加したニジガクメンバーの話。

公開前のキャラデザ変更による炎上騒ぎのせいでケチがついてしまった悲運の作品。オプーナみたいな爆死良作枠になっている。

ストーリーはベタな内容で、ニジガクメンバーの楽しげなやり取りや日常場面を中心に、大会におけるメンバーの活躍を描いたドラマが展開される。オリジナルキャラクターのエピソードや大会絡みの場面等、ドラマ部分がとても重厚。シナリオ面に関してはかなり出来が良い。

キャラの魅力やそれを引き出すためのライブシーンも工夫が多く、特に楽曲の雰囲気は引き込まれるものがあった。虹ヶ咲はキャラの描写に重きを置いているだけあってその辺はやっぱりきちんと描くようだ。

作品自体の出来はいいが興行収入がどうも爆死気味らしく、やはり作画の変更による炎上が原因だろうか…作品自体は良作なだけにわざわざキャラデザを変えてまで宣伝する意味がない、むしろ逆効果であろう。2幕以降ちゃんと作れるか?そこだけが懸念。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 0

78.2 2 2024年夏(7月~9月)アニメランキング2位
ルックバック(アニメ映画)

2024年6月28日
★★★★★ 4.2 (77)
300人が棚に入れました
漫画へのひたむきな思いによって出会った2人の少女の姿と運命を描いた、藤本タツキの同名読み切り漫画を劇場アニメ化。
小学4年生の藤野は、学年新聞で4コマ漫画を連載している。そんなある日、学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生、京本の4コマ漫画の画力の高さに衝撃を受ける。ひたすら漫画を描き続けるも、京本との画力差に打ちひしがれた藤野は漫画を描くことを諦めてしまう。しかし小学校卒業の日、京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで京本から「ずっとファンだった」と告げられる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

しっかりと狂っている鋭利な漫画創作物

多才で学級新聞の4コマ連載も器用にこなす小学4年生・藤野。
引きこもりでありながら背景画4コマで藤野を凌ぐ絵を出してくる京本。
少女2人の運命が交錯していく半生を描いた藤本 タツキ氏の同名読み切り長編コミック(未読)の劇場アニメ化作品(58分)

【物語 4.5点】
成果=才能✕投入時間

以前どこぞのビジネス系動画で耳に挟んだ公式が思い浮かんでずっと離れない。
余韻を引きずる創作青春物語でした。

舞台モデルとなったのは原作者出身地の秋田県にかほ市。
雪国の田舎町でクラスで1、2番くらい絵が上手かったくらいで、画家になれるわと褒められ舞い上がった少女が、
京本の圧倒的な才能に直面して狂わされる。

天才に追い付こうと藤野は青春全てを漫画に捧げようとする。
友人とお付き合いする時間、武芸に励む時間など、
社交性が高い陽キャ人間属性を全てかなぐり捨ててまで絵に没頭する。
が、引きこもりの京本は、それ以上の時間を投入して、さらに先を行ってしまう。
元々自分より画力がある人間が、学校に行くのをやめたというハンデを生かして、自分以上に絵を描く努力をするのだから当然だ。

漫画家を目指すのもまた、全うな人生のレールから外れる狂気。
持てる才能を、どれだけ人間やめて育めるかの勝負。

幼い頃は絵が上手いともてはやされるけど、成長して、やがて社会に出る現実が迫って来ると、
絵なんていい加減卒業しなきゃと白眼視される。
挙げ句、友人には「オタクだと思われてキモがられちゃうよ」と言われる藤野。
因みにこのセリフ、原作者が実際に言われた言葉とのことで。


こうした作家志望の狂った部分が序盤から容赦なく描かれている。
だから終盤、才能への嫉妬ゆえの(※核心的ネタバレ){netabare} 絵をパクられたと京アニ放火事件さながらに襲撃事件を起こす男の狂気も、{/netabare}
本作の文脈から、作家志望なら嫉妬の処理を一歩間違えばこうなるのかな?くらいには納得でき恐怖しました。

本年は、短尺ながら鑑賞消耗度が高いODS(非映画デジタルコンテンツ)のアニメ作品興行が多い印象ですが、
本作は、その中でも特に心を削って来る内容。

海外サイトではドラマだけではなく、ホラー、サイコスリラーにも分類されている『ルックバック』
これをG(全年齢対象)に区分した映倫。
やっぱり冒頭10分くらいしか審査してないのでは?という私の疑念がますます深まりますw


【作画 4.5点】
アニメーション制作・スタジオドリアン

絵描きたちへの賛歌を志向し、手描き感を残した映像を追求。
押山監督は脚本、キャラデザ、作画監督と兼務を重ね、
監督自身も最後の1週間に原画1000枚を量産するなど、
まぁまぁ人間やめてる少人数制作の狂気で応える。

原画のラフな線を動画に残すため“原動画”なるポジションも設定。
妙に生々しい本作のアニメーションの質感を支える。


創作シーンについても、普通は絵を紙に描き込んでいる様子などが思い浮かびますが、こうした描写は本作では割と少なめ。
むしろ、貧乏ゆすりする藤野の後ろ姿。
その後ろ姿のバックの四季が次々に切り替わる光景。
デッサン鍛錬で積み上がるスケッチブックの山。
など創作の狂気に囚われた人間が、膨大な時間を投入する有り様を強調する表現が際立ちます。

寝食も忘れて創作に没頭する人間って、やっぱりトイレで座ったまま寝ちゃうんだなw
何かにここまで人生を捧げた経験がない私には、
こうした創作アルアル?表現が興味深く、刺激的でした。


{netabare} 藤野が京本に自分の漫画を褒められて舞い上がるシーンの雨天。{/netabare}
{netabare} 中学時代、藤野と京本が応募漫画作品が初めて入選した雪深いコンビニの一夜。{/netabare}
漫画の道が開けていく場面の荒天。
ここも才能と努力で、陽の当たる“普通の”人生から外れていく方向性も想起させられ心に残りました。


【キャラ 4.0点】
主人公・藤野。
“みんな”にキモい、案外、絵が普通だったと手のひら返された自分の4コマ漫画を、
誰よりも、ちゃんと見てくれていた引きこもり超絶背景マンの京本。
{netabare} 自分よりも才能がある奴と思って嫉妬していた人間から自分を認められる。
こんな劇薬ぶっこまれたら、退路を絶って人間やめて漫画家の道を猛進するしかありません。{/netabare}

京本にとっても藤野は憧れの“先生”であり、外の世界の光をもたらしてくれる救世主。
ある種の共依存にも結ばれた名コンビ。
その関係性の変化も本作を痛切にしているスパイスです。


【声優 4.0点】
作画に手描きの生っぽさを求めるならば、演技にも記号化されない天然素材の生っぽさを求める。
こうした方針の元、キャスト陣には、
主演の藤野役に河合 優実さん、京本役に吉田 美月喜(みづき)さんと、
俳優陣をオーディション選出。
一方で記号化されたキャラ作りを求めたい作中4コマシーンには、
森川 智之さん、坂本 真綾さんと声優陣を起用。

筋は通っていますし、実際メインお二方の演技は上々でした。
あと、メインお二人は顔立ちも、どことなく藤野&京本に似ている気がしますしw

河合さんは接する人間によって仮面(ペルソナ)を起用に使い分ける、
藤野の社交性を好表現できていましたし。

吉田さんも引きこもり成分が天然配合された京本のボイスがハマっていました。

音響も良質な天然素材を確保したと慢心せず、
例えば京本の秋田弁訛(なま)りが、藤野に連れられ外の世界を知る内に徐々に訛りが取れて明るくなっていく。
その変遷を表現してもらうため“訛り変化一覧表”を用意するなど、
細部に渡るディレクションで素材を引き出す好采配。


が、昨今のアニメと実写の中間領域で求められがちな“ナチュラルな演技”とやらも、
今のアニメ声優ならば十分できると思っている私の強固な価値観を揺るがすまでは行かず。
ここもベターであってもベストではない。4.0点が上限ということで。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は青森出身の音楽家・haruka nakamura氏。

雪国から、ギターの才能の自己実現を求めて上京したという同氏。
同氏のアーティストとしての原点は、秋田などがモデルの本作の世界観と親和性があります。
純度の高いピアノ、ストリングスに時に聖歌隊の歌声もアレンジした歪なくらい美しい楽曲群は、
ここも、さながら才能に殉じて人生を捧げる絵描きたちへの賛美歌の様相。

そして、こうした創作への“殉教精神”は同氏が作編曲したEDの女性ボーカルバラード「Light song」で極致に達します。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

名付けて逆「スラムダンク現象」。『さよなら絵梨』の映像化には期待したい。

 今年は「ハイキュー!!」に「マッドマックス」に本作と並の傑作どころやない、大傑作かも…な期待作が揃っていたのですが…。


 「スラムダンク」を熱愛して山王戦なんか穴が開くほどに読み込んできた私としては、もう一昨年?の新作映画は正直物足りない出来でした。リョーちんの蛇足なエピソードが足されてより短くなった尺に、最高の物語のあらすじ、上っ面をなぞっただけのような薄まった原液を注入した、テンポアップし過ぎな作品。CGによるリアルスポーツのような感覚に挑戦したかったのかもだが…という評価でした。


 何故「スラムダンク」を引き合いに出したかというと、本作は逆なようで同じ事態に陥ってしまったように思えました。あちらはテンポアップし過ぎて薄まった、こちらは膨らませようとしてテンポダウンしてやはり薄まった。どちらも内的要因だけでなく外的要因もあってか。原作を読んでいた時のテンポ感、ドライブ感を踏み外してしまったように思えてなりません。


 「スラムダンク」或いは「ハイキュー!!」の場合は、長い物語を短い一本の映画にしなくちゃならなかった。こちらは短い物語でなんとか映画一本にしなければならなかった(私としてはビックリ二本立てを仕掛けてくるくらいいしても良かったような気もしますが)。


 といってもやはり元々の物語が映像にしてもせいぜい30分、長くても45分くらいのものだから一本の映画としての満足感は薄い…。「デジモン ぼくらのウォーゲーム」や「プリキュア オールスターズメモリーズ」のような短い尺を有効に使い切っ大傑作たちも存在するわけで、尺やサイズに合わせた物語作りは思っていた以上に大切なことなんじゃないでしょうか?。


 私としては、「原作通りにしろ厨」はナンセンスだと思います。映像化する以上は変更はやむを得ない、むしろ+に転じさせることだってできるように思います。しかし、漫画を映像化する場合は、細部ではなくその物語の本質である構成やテンポ感に手を加えるのは危険なように思えます。やはり物語のサイズ感にピッタリな形態を選ぶべきでしょう。商売上の色々はあるのかもですが、商売人でもない私はそこまで忖度してあげる必要は感じません。


 こんなこと言うのはアレかもですが、どちらもこれなら家に帰って原作漫画を読み返した方が良かった…。あとで時間をおいて予告を見直したら変わらずグッときた。やはりもっと短くして、二本立てにするべきだった!。「さよなら絵梨」は映画の話なので、みんな大好き映画についての映画になるから映画化した際の伸びしろに期待。内容も正直本作より濃密ですし。

 

 (後記)


 配信で改めて見たが、こんなに引き伸ばしてたか…と初見のとき以上に感じてしまった。クライマックスなんて原作では3,4カットで畳み掛ける感じなのに、こっちでは体感3分くらいない?ってくらい長い。


 アニメーターの方としては、アニメーションは「動き」だろ!ってのはわかるのだが、やはりアニメはそれだけじゃなくて演出の方が重要に私は思う。予算とかの兼ね合いもあったろうが、出崎さんや庵野さんが枚数使えなくても魅せる演出で効果的なシーンを作っていた例もある。


 本作に限ないが、タツキさんの作風はドライに突き放したところが持ち味で、映画的に翻訳すると細かいカットをパンパンと積み重ねタイプの方が良かったんじゃないかなぁ〜。本作の場合はそれでも根底に強烈にエモがあるから、かえってそれが浮き上がってくる構造になってるし。その点、予告やpvだとそれこそ短いカットがポンポンと切り替わっていくスタイルにならざるをえないから、かえって本作の魅力を拾えてるように改めて思いました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9

さあや さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.2

決して万人受けではない。全然刺さらん。

小1時間の時間配分で1700円。それでも評価が良いと聞いたのでいきましたが、
全然盛り込んだ内容がなかったですね。客席は満員だったので、宣伝効果やチェンソーマンの人が書いているというところから集まるのだろうけど、絶対に万人受けじゃない。
安易に普及していい作品ではないと言いたいです。

自分は何を伝えたいのかどこに泣く要素があるのかわからなかったし、なぜ一時間しか出会っていないキャラにそこまで思いを寄せれるのか謎でした。

多分自分の言ったこと、行ったことに後悔して泣いているところにグッとくるのですが、
それだけじゃ物足りねえよと正直引きな気持ちで思いました。


サブスクで一年後にみたかった。
みなさん良いとおっしゃっていると思いますが、本当に刺さらない人間もいるので、視聴しようと思っている人は熟考した方がいいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 0

77.8 3 2024年夏(7月~9月)アニメランキング3位
劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:(アニメ映画)

2024年8月9日
★★★★★ 4.3 (15)
80人が棚に入れました
テレビアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」を再編集した2部作の後編。
バンド活動に憧れギターを始めるも、極度の人見知りで陰キャなため、高校ではいつも一人ぼっちで過ごしている“ぼっちちゃん”こと後藤ひとり。ある日、ひょんなことから、ロックバンド“結束バンド”でドラムを担当する伊地知虹夏に声をかけられたひとりは、バンドに加入。リードギターを担当することになったひとりは、ベースの山田リョウ、ギター&ボーカルの喜多郁代ら個性的なメンバーと共にバンド活動に励む。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

喜多ちゃん視点キターン✨️

【物語 4.0点】
前編『Re:』はTVアニメ8話分、後編は『Re:Re:』は残りの4話分。
続きを描いた追加シーンとかで尺を埋めるのかな?とも思っていましたが、目立った追加はOPアニメとその周辺や小ネタくらいで。
92分から77分に短尺化して4話分をじっくり見せる構成に。

前編は尺不足、後編は素材不足の懸念もあったわけですが、
前編は虹夏とぼっちちゃん、後編は喜多ちゃんとぼっちちゃんという軸を定めて再構成することで、
スッキリと見易い、伝えたいテーマやカップリングがより伝わってエモい、
有意義な総集編になったと思います。

特に喜多ちゃんから見たぼっちちゃんの視点を強調する編集は、
学園祭ライブの感動度アップに貢献。

ひとりぼっちだと思い込んでいた後藤ひとりを見てくれていた人は喜多ちゃん他たくさんいたことを再認識する。

かつてギター弾けると見栄を張っていた喜多ちゃんが、結束バンドのために一生懸命練習を積み重ねている。
その喜多ちゃんの成果は{netabare} トラブル時のアドリブ{/netabare} で発揮される。

これらの伏線がTVアニメの各話間の壁に遮られることなく、
スムーズにクライマックスへと繋がっていく心地よさ。

個人的にはTVアニメ版よりも納得度の高い学園祭ライブでした。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・CloverWorks

前編に引き続きライブシーンは臨場感重視の編集。
モノローグを抜いて、ライブ会場の空気を強調することで、
映画館ならではの没入感をアップする。

TVアニメ版では回をまたいだり、OPタイトルで区切りも入った学園祭ライブも、
本総集編なら通して入り込むことができます。
後藤、起死回生の演奏も、{netabare} 体育館床への直撃ダイブもw{/netabare} シームレスに楽しめます。


クリーチャー後藤の七変化だけでなく、喜多ちゃんの陽キャオーラもスクリーン一杯に広がります。
が、喜多ちゃんの代名詞「キターン」は案外少なめだった印象。
ただ、その中でも{netabare} 喜多ちゃんのオムライスを美味しくする魔法{/netabare} は大迫力の陽キャ光線を身体一杯に浴びる多幸感溢れる不思議体験でした。


あとは改めて、夏の江の島って良いものですね。
夏公開にした意味はあったと思います。
夏の終わりに{netabare} セミのお墓を作ること{/netabare} などないようにw本作を観て素敵な夏の思い出を作りましょう。


【キャラ 4.0点】
夏の江の島から学園祭ライブまで通じて、
主人公・後藤ひとりがみんなと何かをやる楽しさに触れて変わっていく様を強調した総集編でもあったと思います。

そんなぼっちちゃんを陽向へ連れ出すのが陽キャ太陽・喜多ちゃん。
今回は友情を進展させるなら嘘でも良いのかというテーマについても考えさせられる編集でした。

冒頭、{netabare} リョウに近づくために、ギター弾けると言った嘘の処理に悩む喜多ちゃん。
中盤、ぼっちが学祭無理だわとゴミ箱に捨てた、文化祭参加申請の用紙。
喜多ちゃんは、ぼっちちゃんの凄さを他の人にも知ってもらいたいと、
間違って知らずに出しちゃったと嘘を付いて、ぼっちを学祭ライブにいわば強引に引きずり出す。
でも、最後は、喜多ちゃんも、ぼっちちゃんが学園祭出るのやめたの知っていて、敢えて参加用紙提出しましたと謝罪。
ぼっちはむしろ感謝してますとなだめる。{/netabare}

仲間内であっても、やっぱり心の引っ掛かりになる部分はちゃんと取っておいた方が良いなと再認識させられる構成でした。
その観点から、後藤にたかるベーシスト2人の借金返済&謝罪カットwはギャグシーンとしてだけではなく、物語の上でも意味のある場面だったのかなと思いました。


【声優 3.0点】
※後編もほぼ新規収録なしと思われるので基準点。

が、音響は総集編に当たって、セリフ、音素材を全て貼り直しているとのこと。
上記のライブシーンにて、モノローグを引いた所に、TVアニメでは未使用だった素材も入れて、より臨場感が増すように調整したり。
細かい仕事が、新鮮な気持ちで物語を再見できる原動力となっています。


【音楽 4.0点】
OP主題歌は結束バンド「ドッペルゲンガー」
位置付けとしては、{netabare} TVアニメ版ではカットされていた台風ライブの3曲目も兼ねる。{/netabare}
ファンとしては嬉しい演出。
映像使用ver.は、波乱が続いて、起伏が激しかった結束バンドのメンタルを反映するように、色々とはみ出してる感を醸すように微調整されているとのことで、
整った配信リリース版と聴き比べるのが楽しみです。

前編同様、ダイジェストとして流される場面では、結束バンドの楽曲群を挿入するファンサービス。
TVアニメ放送終了後も新曲を出していた同バンドですが、
今回はその中から「青い春と西の空」も起用されサマー映画ムード盛り上げに一役。

ED主題歌は{netabare} ASIAN KUNG-FU GENERATION「Re:Re:」を後藤ひとり役・青山 吉能さん歌唱でカバーしてタイトル回収するオマージュ精神。
(『バイオハザードRE:』?とか何かループする?とか的外れなこと考えていた私が恥ずかしいですw完熟マンゴーのダンボール箱下さいw){/netabare}
最初はインスト曲?と思うくらいイントロもアウトロも長い楽曲。
出だしからサビを歌う曲が多いトレンドの中、
ジックリ温めるバンド曲も一周回って良いものです。


【余談】
幕前・マナー動画より。
{netabare} 映画館に雑草を持ち込むリョウ先輩は面白すぎて映画に集中できないので、
ライブハウスに追放で良いと思いますw{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

喜多ちゃん

原作未読 92分

劇場版総集編の後編でテレビ版の9話〜12話、みんなで江ノ島に遊びに行くの話と学園祭のお話を中心に描かれています。

入場特典は、原作者の描き下ろし冊子とミニ色紙(私はひとりちゃんと喜多ちゃんVer)でした。

虹夏ちゃんとリョウちゃんの小噺があり、本編が始まりました。

ひとりちゃんが主人公なので一番目立っていましたが、何方かと言えば喜多ちゃんメインのような感じでした。

劇場版しか観られないカットも多く、テレビ版4話をうまく纏めていましたね。

何と言っても学園祭の演奏を映画館で観れたのが良かったです。

最後の纏め方も良かったですね。 {netabare}ひとりちゃんの人生の歩みを巻戻ししたシーンは締め方としては良かったです。 {/netabare}

特にサプライズはなかったのですが、続きが観たくなりました。

音楽作品なのでOP、挿入歌、EDと盛り上がりましたね。

最後に、今回はいつも行く劇場と違う劇場に行ったのですが、本編前の色々作品の予告編などが長くて長くていつ本編が始まるのかと思って観ていましたw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

75.2 4 2024年夏(7月~9月)アニメランキング4位
きみの色(アニメ映画)

2024年8月30日
★★★★★ 4.1 (31)
109人が棚に入れました
高校生のトツ子は、人が「色」で見える。
嬉しい色、楽しい色、穏やかな色。
そして、自分の好きな色。

そんなトツ子は、同じ学校に通っていた美しい色を放つ少女・きみと、
街の片隅にある古書店で出会った
音楽好きの少年・ルイとバンドを組むことに。

学校に行かなくなってしまったことを、家族に打ち明けられていないきみ。
母親に医者になることを期待され、隠れて音楽活動をしているルイ。
トツ子をはじめ、それぞれが誰にも言えない悩みを抱えていた。

バンドの練習場所は離島の古教会。
音楽で心を通わせていく三人のあいだに、友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。 周りに合わせ過ぎたり、ひとりで傷ついたり、自分を偽ったり― やがて訪れる学園祭、そして初めてのライブ。 会場に集まった観客の前で見せた三人の「色」とは。

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

何かに出会うこと

日暮トツ子はミッションスクールに通う女子校生。他人を色で見ることができる彼女は、素敵な色たちと出会う。
脚本 吉田玲子、音楽 牛尾憲輔、監督 山田尚子
聲の形やリズと青い鳥がお気に入りな私はこれも見に行きたくて、公開初日に時間がとれたので見に行ってきました。


生きていれば、いろんな何かに出会います。
そしてそれは、私の中に大小さまざまな波紋を起こしてくれます。

ましてや思春期の頃に出会うものなんて、ココロに台風並みの波風を起こしてくれることだってあります。

「バンド、やってみませんか?」

それぞれが悩みを抱えていて、そこから飛び出して何かをしたいって気持ちは漠然とあって。

楽器なんてロクに弾いたこともない。
でもこの人たちと何かやってみたい。

もし私が高校生であの古書店にいてそんな風に声をかけられたらやりたい!って言ってたと思います。。
そんなアオハルな気持ちに懐かしさと羨ましさを感じながら、彼女たちのコンサートを見ていました。

トツコもあきもルイも、素敵な人や音楽と出会って、とても大切で忘れられないものを得られたのでしょう。

それから終盤にあきがルイに向かって叫んだ言葉は自分へ向けたものでもあったように感じました。


色使いはカラフルで、リズと青い鳥の、童話パートの絵を思い出しました。
音は結構大きくて、臨場感はすごくあったんですけど、私的にはちょっと大きすぎでした。

余談ですけど、赤、緑、青って光の三原色で、これらの色を組み合わせるとどんな色も出せるんですよね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 20

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

高畑、押井、湯浅、山田、この面々の共通点とは?。公開規模はちゃんと考えよう。

 答えは、みんな原作付きの方が宜しい!(チャンチャン)。


んで、終わっちゃあんまりなので書かせて頂きます。これらの作家性のある面々は、共通してオリジナルやフリーハンドを任されると抑えが効かなくなってバランスを欠きがちであると個人的には思います。高畑さんも押井さんも湯浅さんも、実は原作あるTVアニメやってる時の腕の冴えの方が凄い!。


 山田さんも「聲の形」、「平家物語」としっかりした骨子のあるドラマを下敷きにした時こそバランスがとれて真価をかえって発揮できていると思えます。この辺の神棚に上げちゃうような、一種の天才信仰みたいなのは黒澤明あたりからきてるのかもしれませんが、最近の庵野さんもこの貫穿にはまり込んでしまっているように思えます。映画にしろアニメにしろ共同作業なので、「みんなの力をオラに分けてくれぇ〜!」が上手くできる時の方が面白い。


 そこで山田さんの作家性ですが、やはり出自である京アニ、それも「けいおん」以降の日常路線が根底の方だと思います。物語の大きなメリハリより、圧倒的に細部のフェティッシュなまでのアニメ表現力の追求に偏りがち。



 それはそれで魅力があるのですが、やはり2時間とかの枠で完結して満足感を与えないといけない映画では弱い…。それに近年の日常系の傑作は、その枠内にいながらも最終的にクライマックスやカタルシスを上手く盛り上げるようにできている(「ゆるキャン」、「明日ちゃん〜」などなど)。


 本作は本当に日常芝居の妙のみ特化!といっていいくらいで他がほとんどない…。一つ一つのエピソードが流れていくが、それが捻りを産んだり山を作ったりが殆ない…。そういう作りはなし!とは言いませんが、それで傑作を作るのはオーソドックスな道より遥かに高度と言わざるえない。


 掣肘しまくりでろくに制作できないのも駄目だし、かといって一人の才能に任せ過ぎちゃうのも駄目。才能と才能ががっぷり四つに組み、お互いの良いところを引き出し合う化学変化が各所で起こる。それこそ共同作業の理想であり、あるべき姿ではないだろうか?。ただ、山田監督の次回作にご期待ください!な気持ちはこれからも変わらないので、次は良い原作と組んでお願いします。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大人が意外と分かってくれる温かいバンド作品

ミッション系スクールなどを舞台に、
バンド活動を始めた女子2人、男子1人の葛藤と青春などを描いた、
山田尚子監督のオリジナル劇場アニメ(100分)

【物語 4.0点】
近年の山田監督作品としては優しい世界。

教会系ならではの厳格な校則などで圧迫された若者の鬱屈が、
音楽として噴出して、鑑賞者のハートを突き刺してくる作品なのだろうか?
山田監督ならではの、痛切で叫びたくなるような心情、青春表現等を警戒して、
私はガチガチにガードを固めて挑みましたが、
今回はストレスを除いていくという監督方針で紡がれた本作は、
案外、穏やかで、鑑賞直後は、正直、拍子抜け感すらありましたw


盟友、脚本・吉田 玲子氏とのタッグ作でもありますが、
主人公の一人・日暮トツ子のゆるふわなキャラクターの躍動などを見ていると、
『リズと青い鳥』『平家物語』よりはむしろアニメ『けいおん!』くらいのムードで、
肩に力を抜いて楽しむスタンスで行ったほうが上手く折り合えるのかもしれません。

が、穏やかな中にも、祖母に{netabare} 退学{/netabare} を秘密にしている作永きみだったり、
家業の医者を継ぐという期待に反するように陰で音楽をやってる影平ルイだったり、
大切な人に嘘を付いているという後ろめたさなど、青春アニメとしてちゃんと痛みは取り扱われています。

ただ、多くのささくれだったバンドアニメとは異なるのが、
登場する大人たちの多くが、少年少女が悩んで音楽に走ってしまう気持ちを理解している所。
大人として社会のルールなど筋を通さねばならない建前は取り繕いつつも、
子供の葛藤を罰で押し潰さないよう配慮する。
青少年が呼吸できる余白がこの青春映画にはまだあるので救われます。
特にシスター日吉子の規則破りに対する采配は、迷える子羊たる少女たちの気持ちを汲んでいて絶妙でした。

クライマックスは主役3人のライブシーン。
ここも分かってくれない大人にトゲを刺して思い知らせてやろうという痛快さよりも、
大人だけど、君たちの気持ちは若い頃心当たりがあるから分かりますよという温かい積み重ねの上に歓待される、多幸感が胸を打つ感じ。

ライブ後、{netabare} トツ子が花畑で踊るシーンが印象的ですが、
私はそれ以上に、生徒にバレないように淡々と退場した後に、
踊り始めるシスター日吉子にホッコリさせられます。
(※核心的ネタバレ){netabare} 元ロックバンドGod Almightyメンバーとして、ライブ中ノリノリになるのずっと我慢してたんだなとw{/netabare} {/netabare}


【作画 4.5点】
アニメーション制作・サイエンスSARU

周囲の人間を“色”として認識できるトツ子。
憧れの作永キミの色は青など。でも自分の“色”はまだ分からない。
他人には中々理解してもらえないトツ子から見る世界を、
色を知覚する人体の原理から解きほぐして、
鑑賞者の“ピント調節”をしてくる冒頭映像から、表現に意欲的な作画・背景。

色彩設計の小針 裕子氏。
過去作では、個人的に特に『GREAT PRETENDER』のカラフルな背景、建物の色使いが好み。
本作でもキミのブルーに合わせて、背景を海の青などで合わせてくるなど、
色彩にも統一感がありました。

トツ子の色は何色か?が一つの焦点ですが、
映像見ていれば、あぁやっぱりその色だよねと納得できます。


ライブシーンは手描き重視。
私はどちらかというとライブはCG派ですが、
クールなテクノサウンドで敢えて、奏者の汗が滴る繊細な手描き表現などを見せられると、
まだまだ手描きで表現できるライブの醍醐味はあるぞと唸らされます。


トツ子に作詞のインスピレーションを与えた授業での太陽系の自転・公転運動の資料映像。
座標が固定された太陽の周りを惑星が公転するイメージ映像ではなく、
銀河系の周りを約2億5000万年かけて公転する太陽に追随するように絡んでいく惑星というリアリティ重視の方の映像を私は久しぶりに見ました。
{netabare} 猛進する太陽が、青のキミからトツ子の顔面に投じられたドッジボールとリンクしたトツ子の妄想には吹き出してしまいましたがw{/netabare}


【キャラ 4.0点】
日暮トツ子。ミッションスクールの寄宿生。楽器ド素人なのに憧れの作永きみと親密になりたい欲求から3人でバンドにやろうと言い出す。他人が色として見える共感覚だけじゃない不思議ちゃん。乗り物酔いに弱い。バレエ経験者。

作永きみ。聖歌隊メンバーとして他の生徒からも慕われるも、期待される自分を捨てるようにギターに惹かれていく。{netabare} その末に退学。{/netabare}

影平ルイ。離島の医師の息子。シンセなどの中古楽器をかき集めて、密かに音楽に没頭している。

以上の3人がメインキャラのバンドメンバー。
トツ子からきみへの想いは、ある種の百合含み。
きみとルイの間には恋愛の波動もあり、トライアングルの波乱も予感させますが、
この3人の関係性は恋愛と一言で片付けられない物があり、
私は今も的確な答えを導き出せていません。


【声優 4.0点】
トツ子役の鈴川 紗由さん。きみ役の髙石 あかりさん。ルイ役の木戸 大聖さん。
メインキャストは約1600人の中から若手俳優陣をオーディション選出。
鈴川さんにはアニメ声優願望があり、髙石さんには舞台経験しかも2.5次元舞台でキャラ声での歌唱経験もある。

トツ子はゆるふわ属性のキャラ声での対応が求められ、
きみには歌唱に加えラスト{netabare} 「頑張ってっ~!」{/netabare} の絶叫シーンもありましたが、
3人とも声でキャラを作り、声を張ることができていたと思います。

指名よりはオーディション。舞台など声に力を込められるだけの素地があること。
良好な俳優キャストの条件は揃っている布陣だとは感じました。


が、私はそれでもアニメ声優の経験豊富な方がメインやったらどう良化しただろう?との欲は捨てきれませんでした。
トツ子のルームメイト“森の三姉妹”というモブキャラポジに、
『平家物語』主演の悠木 碧さん、『けいおん!』紬(つむぎ)役の寿 美菜子さん。
山田監督作の出演経験者も配されていただけに、
例えば、この実力者2人がメインだったらとか邪念が入ってしまいます。


【音楽 4.0点】
劇伴担当はこちらも山田監督とは腐れ縁の牛尾 憲輔氏。
シンプルなピアノとストリングスのミニマル・ミュージックでキャラの青春の掛け合いを下支えするお馴染みの仕事ぶり。

一方で、テクノ志向なバンド・しろねこ堂の楽曲群では、
牛尾サウンドのもう一つの特色であるシンセ和音が際立ちます。
さらには、最古の電子楽器テルミンまで登場し、楽曲にアレンジ。
(アンテナに手をかざしてプオォ~ンなどとSFチックなサウンドを発生させるやつ。マニアック過ぎますw)

教会で鳴らすには突飛な曲風でしたが、
シスター日吉子に言わせれば、感情や気持ちが表れていれば、
しろねこ堂のサウンドもまた聖歌なのです。

「水金地火木土天アーメン」
山田監督自らが発したワードから構想されたというこのライブ曲。
私も思わず踊り出したくなる謎の中毒性がありますw


ED主題歌はMr.Childrenが「in the pocket」で、
2009年の劇場版『ONE PIECE~』以来のアニソン提供。
歌詞世界も、牛尾氏参加のアレンジも、まずまず作品に寄せて来てはいましたし、ミスチルは好きなバンドではありますし、
従来の山田作品ファンとは違う層への訴求力もあるのでしょうが……。

私はエンドロール後に{netabare} 「水金地火木土天アーメン」のダンス映像入れる{/netabare} くらいだったら、
最初からEDも、しろねこ堂で良かったのではないか?
とこれまた邪念が入ってしまいました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17

75.0 5 2024年夏(7月~9月)アニメランキング5位
【推しの子】第2期(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (241)
824人が棚に入れました
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で働く産婦人科医・ゴロー。 ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。 彼女はある禁断の秘密を抱えており…。 そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

漫画のメディアミックスの光と闇

『かぐや様は告らせたい』などの赤坂アカ(原作)、『クズの本懐』などの横槍メンゴ(作画)による原作漫画は、『週刊ヤングジャンプ』と『少年ジャンプ+』(集英社)で連載中(既刊15巻、原作既読)。
アニメ2期は、全13話(2024年)。監督と制作会社に1期からの変更なし。監督は、『私に天使が舞い降りた!』、『恋する小惑星』などの平牧大輔。制作は、『イエスタデイをうたって』、『NEW GAME!』などの動画工房。
※3期の制作が決定。および、原作漫画が単行本16巻で終了することが発表。
(2024.7.1投稿 10.12「全体の感想」を追加)

【あらすじ】
自らの作品に強いこだわりを持つコミュ障漫画家・鮫島アビ子(CV.佐倉綾音)は、自ら描いた漫画「東京ブレイド」が「2.5次元舞台」としてメディアミックスされるほど大人気であった。
しかし、あがってきた舞台の台本を見たアビ子は、その内容に納得できず脚本家を「この人、ちょっと創作者としてのセンスが…」と全否定。2期は、こうした漫画のメディアミックスの光と闇を中心に描かれていくことに…

なお、今回も1期の「恋愛リアリティショー」と同様に、本作の内容と類似していて、なおかつより悲惨な事件が直近にリアルでも生じていました。
もっとも、本作は、そういう問題がなぜ生じてしまったのかを、漫画家からの視点だけではなく関係者の様々な言い分を代弁するような形で解説するような内容にもなっていると思います。


【漫画のメディアミックスの光と闇】
2期の冒頭は、作中で人気漫画とされる『東京ブレイド』の「2.5次元舞台」で実際に行われているという演出のキャスト紹介から始まります。いきなりド派手な演出です。

当然、このシーンは原作漫画にありません。なぜなら、漫画とアニメは、同じ二次元ではあっても、無音声で静止画(漫画)と有音声で動画(アニメ)とで表現形態が異なるからです。

仮に漫画原作者が、このシーンの細かいイメージを持っていたとしても、漫画では表現できません。そこをアニメ制作者が原作者の意図を忖度して必要な動き・音などの情報量を付け足し、そのイメージをどこまで再現できるのかが腕の見せどころだったりします。

もっとも、漫画とアニメは、表現形態が違うのですから、漫画のシーンをアニメでもできるだけ同じように再現することだけが必ずしも「効果的な表現」とはいえない場合もあります(例えば、動画の強みを生かすため、バトルシーンを加えたり長くしたりするなど)。そうすると、同じシーンでも原作者と監督との間で表現者として異なる解釈の余地も生じてきます。

加えて、アニメの場合は、時間的な尺の問題もあるので、原作漫画の内容をカットする必要も出てくる。そして、カットした内容と辻褄を合わせるため、原作の内容自体にも修正が加えられることに…


本作の内容は、漫画を2.5次元舞台化する際の舞台裏を赤裸々に描いているわけですが、面白いことに『【推しの子】』という漫画をアニメ化する際にも同じ現象が起こっているという「二重構造」になっています。

というわけで、特に原作ファンにとっては、アニメが原作漫画をしっかりアニメ化出来ているかどうかも見所の一つかもしれませんね(笑)


【音楽】
オープニングは、『呪術廻戦2期-懐玉・玉折』オープニング「青のすみか」などのキタニタツヤと元SexyZone現timeleszの中島健人のユニットGEMNが歌う「ファタール」
エンディングは、『呪術廻戦2期-渋谷事変』エンディング「more than words」などの羊文学が歌う「Burning」

オープニングの「ファタール」は、フランス語で致命的、運命的という意味。特にオープニングは、歌詞が本作の内容とリンクしてます。


【全体の感想(※2024.10.12追加)】
{netabare}私は原作漫画のファンですが、2期は原作漫画をしっかりアニメ化出来ていたと思います。なんなら原作以上のクオリティであったとすら思います。
もっとも、そう思う一番の理由は、舞台という題材自体が漫画よりアニメ向きだったということに尽きると思います。

例えば、漫画で「役者の感情表現に依存した演技」と書いたところで、その部分の表現について、声と動き、なんなら音楽まで情報が加えられるアニメの表現に情報の少ない漫画が敵うとは思えない。ただ、アニメ制作者が補ったそれらの情報が適切であることが前提にはなりますが…

でも、本作のアニメ制作陣は、こちらの想定をはるかに超える情報を補っていたので、リアルで『東京ブレイド』の舞台を作るつもりで取り組んでいたんじゃないかと思うほどのクオリティでした。本当にそこはすごいと思いました。
(※ちなみに、本当にリアルで『東京ブレイド』が年末に舞台化されるそうです)。


あと、2期は、アイを殺害した犯人を追うミステリー部分がかなり後退してしまった内容だったのですが、漫画家自身が漫画のメディアミックスの問題を漫画化したことに意味があると思ってます。

実際はアニメよりもっとひどいのかもしれないし、そうじゃないのかもしれませんが、メディアミックスに関わる様々な人たちのリアルな一面が見れたことが、アニメのレビューを書く私にとっても参考になる部分がありました。

小説や漫画をアニメ化する際、多くの関係者が初めから駄作を作るつもりなんかなくても、本作の伝言ゲームのようなディスコミュニケーションが生じることで、いわゆる「クソアニメ」ができてしまう。

原作自体は、アニメ化されるくらいなんで、多くの人から支持される面白さがあったはずなんですけどね…


さて、2期は単行本8巻までのアニメ化でした。実は、原作漫画が16巻で終わることと3期の制作決定が発表されたので、3期は今まで通りのペースだと2クールで一気に最後までできることになります。

個人的には、結末がどうなるかにもよりますが、最後まで一気にやった方がよさそうだとは思っていますがどうなるでしょうか。
ちなみに、私は漫画とアニメで結末を変えるのもアリだと思ってます。{/netabare}


【14話の感想】
{netabare}まあ、売れた作家に文句言える人って貴重ですよね。
そんなに文句言うなら、あなたが書けばいい、どうせあなたの感性で書いても売れやしないって言われるわけですから…。

いいシーンでした。{/netabare}

【15話の感想】
{netabare}前半は、「原作者VS脚本家」
お互いがリスペクトを持てば分かりあえるかもという1つの理想像。まあ、話し合ってもお互いに譲歩する気がなきゃまとまるものもまとまらないので、確かに博打です。

後半は、「幼馴染VS今カノ」
他人の境遇を想像して泣くことができるやつに悪いやつはいねえ!
私は、有馬かなより黒川あかね派!だけど、アクアの楽しい思い出のほとんどは、「かな」とのものばかり(笑){/netabare}

【16話の感想】
{netabare}目の星が黒くなったり白くなったりする演出が、1期と比べてパワーアップ。ダークサイドに落ちると次第に白から黒になっていって、感情表現の一つみたいになってますね。

あと、東京ブレイドの公開初日。吐息が白くなる描写がすごい。

2期は、物語上、特にアイの影が薄いのですが、オープニングにも出てくるし、アクアのトラウマとして、ちょいちょい存在感を発揮。【推しの子】は、やっぱりアイの物語でもあるなあと。

そして、「幼馴染VS今カノ」ラウンド2「開幕」です。{/netabare}

【17話の感想】
{netabare}劇中劇である「東京ブレイド」が開幕しちゃいました。

舞台は、無音声静止画の漫画より有音声動画のアニメの方が表現しやすいと思うわけですが、その分、補わなければいけない情報が増えるので、原作漫画をどうアニメ化するのかを個人的に注目していました。

そんな中、上で書いたように「漫画では表現できないアニメならではの表現満載」で、アニメの良さが出ていたと思います(まあ、「キャラの原作の再現度が高い」っていわれても、そもそも「東京ブレイド」知らねーよとは思いましたが(笑))

あと、今回は黒川あかね役の石見舞菜香さんが推す鳴嶋メルト回。メルト推しが増えそうな内容でしたね(笑)

※劇中劇であるはずの「東京ブレイド」のレビュー動画を発見。コメント欄も秀逸です。上で「東京ブレイド」知らねーよと書いた自分が恥ずかしくなりました。天才っているんですね。
https://youtu.be/jLh1sONIDYY?si=TkaTCkL870QwZDuR
{/netabare}

【18話の感想】
{netabare}個人的には、舞台とあかねの過去の回想シーンとの繋ぎがよかった。
回想シーンって、物語に違う物語が入ってくるので、繋ぎが難しい。そこを冗長にならずに緊張感を保って元の物語に戻っていったように感じました。間の取り方が上手いというか。

あとは、原作漫画では、役者の感情演技に依存した脚本と書かれていただけのところを、実際に声優さんたちが実演していくところが見処に。特に石見さん、普段からはちょっと想像つかないような声で、別人かって思うくらい頑張ってます。{/netabare}

【19話の感想】
{netabare}前回が黒川あかね回で今回が有馬かな回。

対比されて描かれることが多い二人。演技の方向性。幸せな家庭で育ったあかねと不幸な家庭だったかな。
最終的に、アクアをダークサイドから救い出すのはどっちなんでしょうか。

もっとも、かなは、自分の本性を抑えて周囲に合わせるキャラを演じてきたところがアイと似ているといわれています。が、この舞台限定ではあるものの、かなは本来の性格を取り戻しています。アクアもかなによって本性を取り戻すんでしょうかね。

さて、次回からは、舞台の打ち上げが始まって、おそらくアイの敵討ちの話もようやく少し進むはず…{/netabare}

【20話の感想】
{netabare}アイの声優である高橋李依さんが久々の出演。これもアニメならではの表現ですよね。

舞台の表現は、無音声静止画の漫画より有音声動画のアニメ向きだと思うので、アニメ制作は色々と補充する情報が多くて大変だったと思います。
でも、その困難を乗り越えて、これから本当に舞台「東京ブレイド」が作られることになるんじゃないかというくらいのクオリティでした。特に最近の技術と融合した舞台の進化もわかって興味深かったです。きっと漫画原作者陣も喜んでいるはず(笑)

さて、ようやくアイの敵討ちに関するミステリーも進行。原作が佳境を迎えているので、3期があるとして結末まで描き切った方がよさそうというのが個人的な見解ですが、どうなりますか。

【劇中劇「東京ブレイド」舞台化決定!】
20話の感想で「東京ブレイド」舞台化されるのでは?と書いたら、本当に舞台化されるようです。キャストの見た目だけですが、気合入ってますね。
https://www.marv.jp/special/theater_lalalai/{/netabare}

【21話の感想】
{netabare}朝帰りをして、ルビー、有馬かな、黒川あかねから心配されるアクア。愛されてるねぇ。アクアの正妻候補は、一応、この3人(※一人『ヨスガノソラ』がいますが(笑)、ルビー(さりな)のB小町再結成の回想シーンも含めて、これからの展開の前振りになってます)。

アイの敵と思しき人物が既に死んでいるとわかり、復讐という宿命から解放され、アクアの「右目に宿る星」が昇華して消滅するというアニオリ演出。

もっとも、物語は、これからアクアをめぐるラブコメも本格化するのですが、ミステリーの方もこれで終わりというわけではなく…むしろ結末に向けて盛り上がっていくはず…

まあ、まずは原作漫画の結末がどうなるか。そして、『【推しの子】』の場合は、アニオリ結末もありっちゃありだと思ってます。というか、漫画とアニメの結末をあえて変えるくらいはやってきそう。{/netabare}

【22話の感想】
{netabare}前半は有馬かなとのデートで、後半は黒川あかねとのデート。どっちも、そのままお持ち帰りできそうだったんですけどね(笑)

2期は、こんな感じで有馬かなと黒川あかねの対比が多かった。前半は、少女漫画が始まったのかと思いました(笑)後半は、あかねと別れようとしているというのもあるとは思いますが、かなと比べてアクアの態度がちょっとあかねに対して冷たい感じもする。でも、これは、二人の恋人としての関係値があがっているからこそとれる態度ともとれると思うんですよ。

さて、誰がアクアの正妻の座を射止めるのでしょうか。

最後のシーンで出てきたアクアに似た謎の男、エンディングで「サングラスの男:???」となっていましたが、隠しきれない大物オーラというか…宮野真守しかいないだろ!(笑){/netabare}

【23話の感想】
{netabare}今回はアイドルMVの作り方。未成年は深夜働いてはダメとか(ブラックな職場の代表格だった芸能界も「コンプライアンス」が浸透ですか(笑))、地下アイドルは大手事務所所属アイドルの10分の1以下でMV作ってるとか、ちょいちょい取材の成果らしき「リアル」を挟んでくる。
本作のテーマである「汚い現実」を「きれいな嘘」で覆い隠したのが芸能界。個人的には、こういう社会派的なところ好きです。

あとは、アクアの前世である雨宮吾郎の生い立ち。吾郎は父親が誰かわからないのですが今のところ手がかりはなし(物語に関わってくるかも不明)。ルビーの前世である天童寺さりなとは、母親からの愛情に恵まれなかったところが共通点。おそらくアイの本来の子供は、「魂がなかった」と言っているので死産だったと思われます。

1期ほどの盛り上がりはなかったですが、2期も概ね好評だったので3期もあるとは思うのですが、おそらく原作漫画が、原作陣が長期休養などに入らない限り、1年以内に終わりそうなので、まずはそっちを見届けたいと思います。{/netabare}

【24話の感想】
{netabare}今話でアクアと黒川あかねがキスしていましたが、あかねって『東京ブレイド』の「鞘姫」がそうであったように「負けヒロイン」感が満載なんですよね…。個人的には、あかねとアクアとの関係を原作漫画の最終回に向けてどう決着させるのかが注目点だったりします(ほっぺを膨らませるあざとさなどで、女性人気はあまりないようですが(笑))。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

中島野球しようぜ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

案の定原作同様のダレ方、アニメはこれでも中だるみを上手く誤魔化せてる、おすすめ度★★☆☆☆

ついにスタートした待望の2期。原作だと賛否分かれる舞台編、そして原作は舞台編以降失速気味になってしまうのだが、果たしてアニメではどのようにして盛り上げてゆくのか。

芸能界の影と光に着目したドラマとサスペンス要素を掛け合わせた内容なのだが、原作ではサスペンス要素は舞台編は停滞している印象で、案の定舞台関係のゴタゴタを繰り返している描写が多い。某日テレ系列のドラマの事件を彷彿とさせる制作と原作のゴタゴタをアニメで揶揄する展開は琴線に触れかねない話題。

それはさておき、この舞台編から原作が急転直下でつまらなくなってゆく。舞台編は大筋のサスペンスそっちのけで芸能界の豆知識をうだうだやるだけでダレにダレているのだが、アニメは派手な演出と作画の動きで躍動感や勢いを持たせているため、これでもだいぶ原作よりは見応えはあると思う。

とはいえアニメの演出で取り繕おうが、つまらない物はつまらない。赤坂アカ作品は初速のインパクトは凄いが終盤になるにつれ面白くなくなるとよく言われがちだし事実、かぐや様は告らせたいも終盤は失速が酷すぎたのだが、まぁ推しの子も同じ轍を踏んでいるわけで…

アニメにおける舞台編は映像表現だけは凄いけど、肝心の内容はとにかく牛歩がすぎる。芸能界の裏側や闇を描くのがもはや目的であり、本筋の復讐がしばらくそっちのけになるのでテンポをそいでいるだけ。9話も費やす必要が薄い。

原作とアニメ2期追って思う事だけど、原作の方は後付け設定や復讐主軸によりかけてルビーが雑な扱いになりつつあるので、案の定全盛期は1期までだなぁと思わせられる原作も引き伸ばしや作者の逆張りが見え透いた展開が続く。1期っていうかB小町ファーストライブまでは不満もあれど悪くは無い感じで良くも悪くも先が気になる感じだったがなぁ、この作品も同じ赤坂作品のかぐや様は告らせたいの竜頭蛇尾のDNAを引き継いでしまった訳か…

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

お気に召すまま

“アイのお気に召すまま”と言うべきか。
これは今期のオープニングを見るまでもなく、2.5次元の住人に、原作者と製作者、役者を巻き込んで演じられるメタ世界。

"All the world's a stage,
(この世はすべて舞台だ)
And all the men and women merely players;
(男も女もすべて、ただの役者に過ぎない)
They have their exits and their entrances."
(皆それぞれに登場し、退場していく)

足し引きすることは何もなかろう。

しかし、このセリフの直前には「見るがよい、不幸なのは我々だけではない。この世という広大な劇場(This wide and universal theatre)では、もっと悲惨な見世物が演じられている」というセリフが置かれているそうだ。
それゆえに、かの名セリフが際立つのである。
(音楽之友社WebマガジンONTOMO、体感シェイクスピア! より抜粋)

あえて言うなら、その語り手である『憂鬱なジェイクイズ』同様、すべてを達観し、俯瞰する“脇”、アクアくんの存在が映えるのであり、“アイ”と言う見せ物がさらに輝きを放つわけだ。

もちろん、キレッキレの演出と作画、そして今回もまた道化役を演じてくれる有馬カナ、何よりアビ子先生の個性があればこその舞台であることは間違いない。そうでなければコメディとして成り立たないのであるから^ ^。
                (2024/07/19)
それぞれの“願い”が結界を越えるとき、
夢が現実に滲み出すのである。
それは神仏の戯れか…、
登場する者、そして…、

えっ!えぇぇぇぇ〜〜〜!

3期が待ち遠しい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

74.6 6 2024年夏(7月~9月)アニメランキング6位
劇場版モノノ怪 唐傘(アニメ映画)

2024年7月26日
★★★★★ 4.2 (13)
49人が棚に入れました
2007年に放映されたTVアニメ『モノノ怪』が、大奥を舞台に劇場版として新生。才色兼備のアサと居場所を求めるカメは、新人女中として大奥に上がり集団に染まる儀式に参加する。だが女中たちを徐々に覆ってゆく何かによって悲劇が起き、薬売りがモノノ怪を追う。

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ノイタミナ枠みたいなの復活しないかなぁ〜。最初の「化猫」が結局最高傑作。

 声優が神谷さんに変更になったが、基本TVアニメのスーパーサイケデリックアクション作品路線を強化した感じで他にはないナニかになっていました。


 ただ、個人的には花澤さんや悠木さんが出てて、舞台が大奥と聞いて、陰湿な情念でドロドロかつグッチョングッチョンなレズる世界を見たかったので少々残念。どうせ映画なんだし。


 このシリーズは、そもそもノイタミナ枠「妖 アヤカシ」の一編でやった「化猫」の好評から一本立ちしたものですが、正直最初の一本にはその後は遠く及ばないと言いたい。


 「化猫」は、とにかく悲劇として素晴らしく完成しており、それが最後に文字通り「解き放つ!」ことで、多くの感情がカタルシスに至る傑作でした。終わった後の余韻も素晴らしいし、薬売りもより柔らかいキャラだった。

 
 その後の作品では、残念ながらドラマが後退して異常な美術世界のための舞台装置化してしまって少々物足りない。本作で興味を持った方、或いはTVアニメは見てるけど最初のやつは見てない方は是非御覧ください。悲しい悪役作品として屈指の名作です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

nyamu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

極彩色の中毒性のある映像

とにかく映像が凄い。

グルグル動くアングル、目まぐるしく移り変わるカット。
背景はタイトル分からないが美術で見たことある多分有名な絵画も使われていたり、一瞬しか映らないカットでも手抜きはない。

基本的にキャラクターから建物、空の色、匂いの表現まで独特の印象に残る色遣い。
クライマックスでは極彩色の映像が流れ込むように押し寄せて来て、圧巻。劇伴も良かった。

この映像がとても好みで何度でも見たいと思う中毒性がある。

一方、ストーリーは難解かもしれない。

途中で飽きたり面白くないということはないが、筋は分かるものの根本的な部分が映画を見るだけではちょっと理解しにくい、と思う。
分からないことはないけど完全に理解できたと思わせる爽快感的なものは無く、それがちょっと物足りないと感じさせるところかと。

とはいえ、ストーリー部分の若干の弱さを補ってあまりまるほどの映像なので観て損は無いし映画館でこそ見るべき作品。
この映像表現は10年、20年経っても見劣りしないと思う。

3部作のようなので次も映画館で見たいと思う。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

73.4 7 2024年夏(7月~9月)アニメランキング7位
負けヒロインが多すぎる!(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (279)
744人が棚に入れました
第15回 小学館ライトノベル大賞《ガガガ賞》受賞作、待望のTVアニメ化!想い人の恋人の座を勝ち取れなかった女の子——「負けヒロイン」。食いしん坊な幼なじみ系ヒロイン・八奈見杏菜。元気いっぱいのスポーツ系ヒロイン・焼塩檸檬。人見知りの小動物系ヒロイン・小鞠知花。ちょっと残念な負けヒロイン——マケインたちに絡まれる、新感覚・はちゃめちゃ敗走系青春ストーリーがここに幕を開ける!負けて輝け、マケインたち!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

11話 小鞠をいじめる話が不快。温水に全く感情移入できず

1話 作画や背景がかなりハイレベル。ハーレムの様でハーレムでない感じ?

{netabare} まず、面白いのはとても面白いと思います。ラブコメのコメディ要素が60~70%くらいありそうなハーレムもの…なんでしょうか?他の男に未練があるなら、そこがハーレムの様でハーレムではないということにもなりそうです。

 この調整ですよね。あまり他の男に未練がありすぎると結構つらい立場になるし、あまり女子がチョロいのも面白くないと思います。ある程度NTR感を残しつつも、可能性を感じるくらい?

 メインヒロインが他の男が好きって「とらドラ」とかありますが見ている方はやきもきした記憶があるので、緊張感とコメディのバランスが上手く取れれば面白くなりそうです。NTRとかあるとストレスでしょうけど、雰囲気的にはかなりマイルドなのでしょう。

 ちょっと発想を変えると女子が見たらどう感じるのだろう?という気はします。リアリティがあって身につまされるのか「そんな女子いねーよ」となるのか。その辺の人間模様の描写が見どころなんでしょう。

 キービジュアルで3人の少女が出てますが、この3人が負けヒロインで妹を含むののかどうか、くらいでしょうか。そうそうあのドジっ娘?先生はどうなるの?先生含めばちょっと大人な感じのエピソードも入れられて面白くなりそうですけど。

 しかし、作画がいいですね。キャラの作画がハイレベルだし、なにより背景美術がすごくいいです。一時期、気が抜けたような背景の作品が結構増えてましたけど、今季は背景が良い作品が増えました。その中でもかなりいい方だと思います。

 構図も小物ももちろんレベルが高いです。弁当のシーンなど気が抜けた画面作りだと退屈なシーンになりそうですけど、絵だけで結構見れるレベルだし演出もテンポも良かったです。

 なお作品名が出ると検索する癖があるのですが「君は無邪気な闇の女王」という作品は実在しませんでした。「君は淫らな僕の女王(横槍メンゴ氏)」と「君は無邪気な夜の希望(ブルアカ?)」というのはあるようですけど。オリジナルはもちろん「月は無邪気な夜の女王(ハインライン)」ですね。{/netabare}



2話 1クール完走は楽勝でしょうね。メチャメチャなコメディですけど、結構心が痛い。

{netabare} 随分印象的なOPですが、クレジットで「スタッフ名(A1picture)」という表示になっていましたけど、普通そうでしたっけ?品質保証?差別化?

 内容です。体育倉庫に鍵をかける前に中確認しますよね?だって、掃除当番だったんでしょ?そして冷却スプレープレイとは…熱中症のときに冷やす場所を間違えているし、万が一ああいう場面になったらマリモ入りでも飲むべきでしょう。けど、何でマリモがいるの?そもそも熱中症の症状ってあんな感じでしたっけ?(一応、せん妄も熱中症の症状らしいですけど…)

 あんこサンデー×2プラスハンバーグで、1000円くらいだった?サイゼとかだとそれで行けるのかな?
 あと、駅でつないできた妹の手ですけど、ちょっと大きすぎな気が…だまされたと思いましたが、意図的な誤誘導というよりCGの関係?

 保健の先生のひそかな楽しみを含めて、そういうノリの作品だということですね。突っ込みどころが満載のドタバタですけど面白いのは確かです。1クール楽勝で楽しめそうですね。

 かなりコメディ要素強めですが、ちょっとだけシリアスシーンがありますが…ちょっと心が痛いです。そのシリアスの要素が1クールのシリーズ構成でラストにあるのかどうか…真面目にやりすぎるときついなあ、とは思います。{/netabare}


3話 日焼け表現が素晴らしい。小鞠ちゃんの結論は痛すぎて見たくないなあ。

{netabare} 部活のユニフォームとは違う形の水着を着て、白い日焼けしていない肌を見せつけるキャラと言えば「長瀞さん」が印象的でしたが、結構それに肉薄する素晴らしい作画とキャラデザでした。作画大変そうですけど衣装の模様と考えればそうでもないのでしょうか。その割にこの表現使っているアニメは結構少ない気がします。

 一方今回初めて違和感を覚えたのが制服のリボンなんですけど、何で四連装なんでしたっけ?小鞠ちゃん回で、彼女のリボンのカラーリングがカラフルなので非常に目立ちました。謎制服NO1かもしれません。

 もう1つ、どこがおいしい水道かの談義は何かの伏線なんでしょうか?真面目に追ってないとダメ?なお、朝の水道管にたまった塩素は蒸発せずかえって濃度が高まりカルキ臭がきつくなります。健康のためにも水が冷たくなるまで出し切ってから飲みましょう、と昔何かで読んだ記憶があります。

 で、今回のメインの小鞠ちゃんですが、まあ、性格的にはデフォルメされていますが、見覚えがある性格の子ですよね。もちろん自分自身のことですが多かれ少なかれ非モテ時代があれば、ああいうひねくれた感じにはなるものです。それだけに感情も乗っかりやすく、今回のラストは来週見たくねー、と思う程度には感情に来ました。

 そして赤飯は伏線?妹が文芸部と絡みだすのでしょうか?

 冷静に考えると、話としてはテンプレなんですけどね。演出なのかエピソードなのかキャラなのか。その総合力なんでしょうけど、妙に面白い作品ですよね。昔のラノベを素直にアップデートさせた感じがいいのでしょうか?{/netabare}


4話 忘れていた痛みの感情を思い出す話でした。

{netabare} 恋愛は辛くて痛いのはわかっていても、ティーンのころの恋愛中心主義の時代に振られる痛みを思い出すのは嫌なものです。ただ、このころの辛い経験があると人生が楽になるので頑張りましょう。

 という感想が出るくらい痛い回でしたね。しかし、です。ここで騙されてはいけません。この主人公は負け組でしょうか?原作者がサディストで徹底的にこの主人公を痛めつけたいなら別ですけど、今の時点で3人の女性の友達ができたわけです。彼には無限の可能性があります。

 この感じゼロ年代初期のラノベでは良く見られた展開だと思いますが、最近とんと見なくなった痛みです。「俺ガイル」なんかは確かに痛みはありましたが、結局は比企谷は誰からも振られてませんからね。

 その意味で非常に珍しい展開で、面白いというより自分の昔どこかに忘れた感情がよみがえってくるような痛みが新鮮でした。{/netabare}


5話 ドタバタ劇で終わるのかな?面白いですが、何かの視点が欲しい気もします。

{netabare} 相変わらず面白いです。登場人物が多すぎる気もしますが、まだ消化できていると思います。
 そうめんは笑いますけどね。ただ、給料の現物支給は違法です。賞与ならいいですけど。勝ち組にも心配はある、ということで、その視点は面白かったと思います。

 で、この作品こういう面白ポイントを上げてゆくこともできるし、4話の痛みはかなり良かったと思います。思いますが、キャラが多すぎて焦点が絞れていない気もします。
 中心にいる温水がいろんな娘のガス抜きというかよりどころになる感じになるのかな、と思ったらそうでもないですし。杏菜1本に絞られるのでしょうか。

 ちょっとその辺、視点をどこにもっていけばいいのかそろそろ提示してほしい気もします。こういうドタバタも悪くないですけど、それだと見終わって「ああ、面白かった」で終わってしまう気もします。{/netabare}


6話 話が強引すぎる気がします。レモンの「負けヒロイン」の辛さが弱いかも。

{netabare} 単なる中だるみならいいのですが、もうネタ切れなのか引き延ばしに入ったのかわかりませんけど、結構面白さが弱くなった気がします。キャラの奇異な言動は面白いとは思いますし、特に杏菜の面白さはわかりますがもう6話です。少し工夫が欲しいなあ。

 それとさすがにちょっと「レモンと一緒にいる理由」が「恋愛相談」なのは強引だし、理由が弱すぎる気がします。その時の「レモンの辛さ」が見えてこないので「負けヒロイン」感が弱いし、5話6話全体がちょっと茶番というか無駄に見えてしまいました。これで7話も引っ張るんですよね?4話までちゃんとそれぞれのキャラにあった「痛み」が全然伝わってきません。

 出落ちとは言いません。4話まではかなり面白かったですし、5・6話もそれなりには面白いです。ですが、何かパワーダウン感を感じました。{/netabare}


7話 普通過ぎるくらい普通の話で、負けヒロインを笑えない。

{netabare} うーん、こんなに普通の話を延々と3話見せられても…という気がしなくはないです。正直、内容そのものは陳腐すぎるくらい陳腐です。しかもキャラで魅せる話だっただけに、この真面目路線にはいるとキャラの独自の魅力が薄まるんですよね。

 失恋というその時の当事者にとっては最高の痛みであっても、振り返ってみれば滑稽だし、何も見えていなかったことに気づく、みたいなものを4話までは視点として楽しんでいたんですけど、これじゃあ、普通の…普通過ぎるラブコメです。そしてこの話で笑えないと意味がない気がします。ラストの八奈見のセリフが唯一の救いだったかな。

 恐らくこれを続けていると、皆善人になってセリフで心情を語って話が立ち行かなくなるでしょう。結果として無理な事件とか新キャラだよりになりそうです。ラノベの1巻の出来だけ良くて…のパターンの気がします。

 右肩下がりが急角度です。8話で判断ですかね。{/netabare}


8話 八奈見が上手く使えてないかも。7話からは持ち直したかな。

{netabare} シリアスにするのは正直言えば簡単です。人を泣かせる技法は確立しているので、それをテンプレでやるのは本当にやめてほしい。3話も使って。

 今回のようにコメディをキチンとやって、その中に痛みをどう入れてゆくかが大事だと思います。その意味で今回は持ち直した気がします。
 ただし、妹や八奈見が上手く使えていない、少しハーレム展開の匂いがしなくはない、負けヒロインの意味が希薄になった、という気がしました。そういうところで1~4話のレベルは維持できていないかな。

 ただ、3人の負けヒロインにこだわりすぎてしまうと、作劇が難しいなら新キャラだよりでもいいでしょう。生徒会VSがテンプレにならないことを祈ります。平凡なドタバタラノベ感が出てきているので、持ち直してほしい。{/netabare}


9話 普通のいい話など期待していません。新キャラがどうなるかですけど…

{netabare} 普通のいい話などこの作品に期待してません。痛くて恥ずかしくて本音で、それでいて面白いストーリーかなと思っていたんですけど。そしてコマリの物語はあまりにありきたりで、主人公の対応はいい人すぎます。痛みのリアリティからどんどん乖離している気がします。

 うーん…どうしましょうね?9話まで見ましたが結構評価は低くなっています。いったん切りましょうかね?ただ、新キャラがいるからなあ…ただ、さや当て的な何かで終わる気もするので、やっぱり最後まで確認しようかなあ。

 ボーダーギリギリではあります。{/netabare}


10話 心の痛みに泣きながらも笑い飛ばすようなものを期待したのですが…

{netabare} コマリの話って4話で終わったんじゃなかったんだ…コマリを文化祭でまた使っているので何かと思いましたが…うーん…まあ、人気作なので私一人くらい低評価にしてもいいでしょう。4話までだったらかなりの秀作だったと思います。

 そうそう、演出の面白さとコミカルな部分の出来は良かったと思います。それがあるから痛みが相対化されて、泣きながらも笑い飛ばせる話かなと思っていたんですけど、そこが分離しちゃった感じですね。今は感動ものとコメディが並行しているだけです。
 1話のヤナミのストローのシーンからの流れが傑作だっただけに、そこが頂点でしたね。普通の感動ものを見たいわけじゃないし、その点で言えば単純すぎます。

 低評価というほど低評価はつかないですけど、4話までなら78点。5~7話が35点、8~9話が60点、10話が40点という感じです。一応最後まで見ますが、暫定ではトータルで60点を切るくらいかなと思います。終わったら総評を書くかもしれません。{/netabare}


11話 小鞠をいじめて話を作っている感じが不快。中断にします。

 さすがに最後まで見るかなと思ってたら、今回の話はちょっとひどいですね。もし、小鞠が極端な人見知りというなら頑張って部長をしようとしている小鞠に対して温水はひどすぎます。動物園のセリフも部長会も。高校生なら失敗を引き受ける覚悟も必要ですし、その覚悟を聞いた以上は余計なお世話というか人間としてどうよという気がしました。それに症状的には吃音ですし…

 なんか、8話以降小鞠をいじめて話を作っている姿勢が負けヒロインというよりは、精神的に苦しんでいる子を弄んでいるだけに見えてきました。興味があったテーマとはかけ離れた感じです。

 それと負けヒロイン達の心理状態にあるのは「心の隙間あるいは傷」です。作品の構造上結果的にそこに付け込まざるを得ない、温水=原作者はそれを自覚しているかどうかだと思うのですが、そこが無自覚なのがちょっとなあという気がします。負けヒロインとの恋愛は偽の恋愛にならざるを得ないということですね。

 で、挙句の果てに非常階段のシーンですか。うーん…音楽とエモいモノローグ盛り上げてますけど…そのまとめ方はメチャクチャじゃない?一番重要なのは小鞠は感情的にそうなる?その心の動きは自然なの?温水の行動はそれだけで許せるの?

 これ以上、文句を言いながら見ても仕方ないので中断扱いにします。温水にまったく感情移入も出来ないので、キャラの評価をかなり落とします。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

揺れてCガール

A-1 Pictures制作。

思いを寄せる人の心を掴めなかった少女たち、
残念な負けヒロインとモブな少年の青春ラブコメ。

勝者がいれば当然、敗者もいるのが現実である。

恋の主人公には選ばれなかった少女たちだが、
その割にはあまり悲観的になりすぎることもなく、
コメディ要素が絶妙に演出されている。

美麗な映像と優良な音楽もあり、楽しい作品です。

{netabare}誰にでもある日常の中で、感情を発露し、
その刹那に少女たちが見せる真剣な表情こそ、
青春群像劇の醍醐味なのでしょう。{/netabare}

それにしても、LOVE2000が良すぎる。

最終話視聴追記。
好きと言えば、もう引き返せない。
{netabare}負けヒロインたちはそれぞれ気持ちを整理し、
自身の新たな居場所を見つける為に奮闘している。
その頑張る姿に感じるものがたくさんある。
主人公との安易な恋愛関係に発展することが、
なかったのも、良かったと思います。{/netabare}

きっといつか報われますように。
素敵な青春ラブコメとなりました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 37

あ~にゃ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

「負けヒロイン」ではない

作画は神レベル!
タイトルもキャッチー!
だけどストーリーが浅い…

そもそも、「負けヒロイン」と言うのは主人公を他の誰よりも長期間好きだからこそ「負けヒロイン」になるのであって、わけの分からないモブ男にフラレても「負けヒロイン」とは言えません!
「負けヒロイン」を語るならハイスコアガールの小春を見てからにしてほしい!

その結果、全体を通してギャグ頼みの浅い内容となってしまい、高レベルな作画と高レベルな声優陣とのギャップに残念な気持ちになりました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

73.1 8 2024年夏(7月~9月)アニメランキング8位
君に届け 3RD SEASON(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (16)
139人が棚に入れました
「付き合うってどうすればいいの?」 膨らむ気持ちに戸惑いながらも自分に向き合い風早へ想いを伝えた爽子。 人知れず努力し飾らない人柄の爽子を見て惹かれてきた風早も 目をそらさずまっすぐに自分の想いを届けた。 爽子と風早の新しい関係がここからまたはじまる。 初めてのデート 恋人になって過ごす学生生活 うれしい事 はずかしい事 そして新しい悩み 初々しく ぎこちなく 少しずつだけれども お互いの事を知っていく二人と、動き始める友人たちの恋物語 それぞれの「すき」の気持ちと、かけがえのない友人たちが織りなす、 甘ずっぱくて切ない、少年少女達の物語が、再び始まる──


声優・キャラクター
黒沼爽子:能登麻美子
風早翔太:浪川大輔
矢野あやね:沢城みゆき
吉田千鶴:三瓶由布子
真田龍:中村悠一
三浦健人:宮野真守
荒井一市:小野友樹
胡桃沢梅:平野綾

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

とゆうことでサイコーです。

あたしゃね、これが見たくてネトフリ契約したんさね!
だからもう配信始まったらソッコーみるだわさよ!

とゆうことでサイコーです。

1期は2009年10月から2010年3月まで。2期は2011年1月から3月までと放送おわってからなんと13年を経ての3期。しかしながらキャストは変更なし。声当ててる人みんな年取ってそれなりにビッグになっちゃいましたが、うれしいことに声の芝居は当時のまま。声優さんてすごいのね。

2期から13年たったとはいえドラマの中では時期的に2期の続きってんでみんなガラケー(笑)。女子の靴下もハイソックスだ。

そんなこたぁどーでもええんですが、ネトフリ限定配信ってことだからかなんなのかわからんすけど、これ1話1時間あるんですよね。とーぜんCMとかないからがっつり1時間なわけですよ。ほんで全部で5話だったかな6話だったかもしれん。まだ全部見れてないから記憶があいまいですわ。なので感覚的にはOVAなんですわ!

くおーーー!なんと贅沢な~~~~!!
うれしー!!!!

ちゃんとしたレビューは作品を全部見終えてから改めて書きたいなとは思ってますので書きませんが、4話のクリスマスパーティ迄見たところでもー胸がいっぱいではりさけそうになり、いったんここまで。
あやねちゃんの沢城さん、ケントくんの宮野守氏。ラストシーンは盛大泣かせてもらいましたで。お二人さんさっすがっす。マジその気にさせますな~。ええ芝居でした。

それにしてもあれだな。
13年のブランクがあっても全然いけますな。とゆうことはさ。
同じキャストで涼宮ハルヒの憂鬱の3期とかできやしませんかね。同じキャストで。ネトフリさんひとつご検討おば。

今週末続き見るで~~~。

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いやーとうとう最終話見てしまいましたわ!

いやーなんか進展あるのかと思いましたけど相変わらず爽子ちゃんと風早くん。

・・・あかんねぇきみたち(笑)。

もうなんか一生やってろよってくらいやわよ。
お互いを思う気持ちが強すぎてくっついたり離れたり。

おかげで見てる方は『なにやってんだー!』&『そーかそーかよかったなぁ(涙)』の繰り返しでいつのまにか『お。ひょっとしてこのワンパターンにハマってる?オレ?』的な迷宮に迷い込んでしまっています。

そればっかりじぁアレだってんで、やのちん&ちずちゃんの濃厚恋愛模様をくわしく描いて見ている方を迷宮からサルベージするとゆう作りになっとります。

いやなってないか(笑)。

まあそんなこんなで修学旅行行ってそこですったもんだしたのち、やのちん&ちずちゃんの恋愛物語の深堀できゅんきゅんして、最後相変わらずの爽子ちゃんと風早くんでちゃんちゃんと。

ま、ラストシーンは爽子ちゃんと風早くんのそおゆうアレでないと何故かボクとしても納得がいかんぞとゆう流れもこのハナシにはありましてですな。なんしかそおゆうアレでした。

要は大満足でございました(なんやそれはーーー!)

でもまあ1話1時間×5話でじんわりと話が進む贅沢さは1期から変わらずで、なんといってもその一人一人のキャラクターの心情を丁寧に描くスタイルはやっぱり心掴まれますですよ。

でもほかのレビュアーさんも語っておられますがくるみちゃんとの絡みがほとんどなかったのが悔やまれますな。
なので4期で最後まで描くのかなと。いやもうぜひそうしてくれ!ネトフリ君!地面師もおもろかったぞ!

んでこの作品みた諸氏らも高評価のボタンを押しまくってくれっすよー!
ワンピ実写版も2期やるゆうてるしですね、好評だったらきっとやるで(笑)!!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

4期に届け。

アニメ1期2期視聴済です。
もうあきらめてしまってたアニメ3期が、ま・さ・か・来るとはw(大歓喜)。

 迷わずネトフリ契約ですね!。迷う余地はありません^^。
 必要な時に気軽に1カ月だけ契約できるサービスは好印象です♪。
 広告アリの格安プラン、ほとんど広告入らないのでコスパ良しかも。
 きっと自分含めリピーターも多いのでは?(誉め言葉)。
   ・・どうしてもそれと比べてしまうDAZN BASEBALL。。
   1カ月の金額表示しておいて、契約したら1年縛りという最悪の後味・・。
   こちらは必然的に、二度とリピートしなくなりますよね~・・><。


視聴前に、まず不安になったのは
「10年以上のブランク」!!!!!?。
・・・大丈夫か?????????。
事前PV観た限りでは、期待持ってよさそうだけど
こればっかりは実際視聴開始してみないと、なんとも・・。

とまあ、不安・期待入り乱れて迎えたネトフリ放送開始。
第一印象としては、作画は違和感なくて良い感触♪。
・・唯一気になったのは、風早君の声?。
「あれ?。こんなだったっけ?」
・・なんか、声量少ない?。というか、安全策での抑えまくった演技??。
1話では、若干違和感感じながらの視聴でしたが
2話以降では、まったく気にならないようになってきました^^。
・・ってか、3期は1話1時間の全5話??!。
なんか、1話1話が濃密な!。

デフォルメキャラの作画・動き・テンポも1期・2期と全く遜色ない!。素晴らしい。

全体通してのクオリティーの高さに、正直、ビックリしました!!。
10年以上経ってるとは全く思えない!!。
当時に、そのまま作られた続編なのでは?・・とすら思えてしまう。
特に、三瓶さん、沢城さんの演技が、まったく当時そのまんまで力強いこと!!!。

2話観てたあたりで
「あれ?。この話、知ってるんだけど」
って思ってしまいましたが。それもそのハズ。当然のこと。
10年なんて待ちきれるワケもなく
10年前にマンガ版、けっこう後半まで読んでしまってるんじゃないかな?。
でも、30巻までは読んでなかったみたいだし、いい感じにうろ覚え・忘れてしまっているので
今回のアニメ3期も、新鮮な気持ちで視聴することができました!。
さらには、番外編なんてのも出てたんですね。全く知らなかった。

アニメ3期は、いいところでいい感じで終われてますね♪。
下手したら、これでアニメシリーズ終了でもいけるくらい。。
後半、所々で泣けてしまうことも。

個人的に爽子パパが3期の真の主人公かも・・ともw。

宮野さんの演技もたくさん聴けて収穫多かった。
・・ただ、ちょっとだけwiki見てしまったんです・・><。

今回の3期の出来があまりに良かったので、必然的に4期も切望してしまうのですが
見たいような、でも見るのがコワイのもある。
でも、せっかくここまで10年すら超越する”奇跡”が起きている以上
原作者様が描き切った原作のラストまで(できれば番外編も)
アニメ化、やりきってほしいものですね!!。
 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

73.0 9 2024年夏(7月~9月)アニメランキング9位
かつて魔法少女と悪は敵対していた。(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (105)
339人が棚に入れました
悪の組織――あらゆるものを侵略し、あらゆるものを滅ぼす。 残忍にして狡猾なその組織のブレーンには、王の片腕たる悪の参謀がいた。 地上侵略の危機に立ち上がる、薄幸の魔法少女・白夜。 彼女と対峙した悪の参謀・ミラは、なんと一目ボレしてしまい……。 魔法少女と悪が敵対していたのは、かつての話。 殺し愛(あ)わない、ふたりの行く末は――?

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

魔法少女は全てをパリンする

魔法少女を見るのは久しぶりだ。
リソースを重点配分し、変身バンクに全集中!
まどマギに加え、プロット、キャラの関係性は『こばと。』と言ったところか。遡ってハチクロの観覧車成分までも注入、限りないリスペクトを感じる演出が嬉しい。
もちろん、そんな重いお話ではない^ ^。
                (2024/07/22)
ファ〜〜〜〜⭐︎ク!!!
8頭身モナーだけでも事件の香りがプンプンなのに、
今度はゴリゴリのめんトリさんまで^^;
火花ちゃんの変身バンクも必見、保存版であります^ ^
                (2024/08/27)

ところで、貴方はどちらサイドの住人かな?

気がつけば、穏やかで、切なくて、今一度、もう一度、エンドレス…。
かけがえのない日々は続くのだ。
そう、彼女の笑顔はプライスレス。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

ヤマナ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

反対の意思のために断念。

初見評価
ロミオとジュリエット的な、敵仲の恋って感じで見ていたら10分くらいで終わって、知らないおじさんとおばさん(おそらく有名な声優さん)がこのアニメについて語り合うので残り半分を使うという作品。
自分は声優さんについてはあまりこだわりがなく作品にあっていたらいいので名前まで覚えてないので自分にとっては知らないおじさんとおばさんが、知らないアニメについて語っているという堪えられない時間になっていた。

これなら、短編にして番外編でやってくれたほうが万人受けすると思う。
まあそうするとごく一部しか番外を見ないからくっつけたんだろうけどそれで視聴者が減ったら本末転倒な気がする。

これからこんな作品が増えてほしくないという気持ちを込めてあえて一話切り。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

参謀さんは恋の病

素晴らしい15分癒しアニメ
いぬぼくの作者のかたですが、本作品を連載中に若くしてお亡くなりになったため遺作にして未完の作品となっております・・・
ステキな作品をありがとうございました。

ミラさんがお気に入り
ミラさんも白夜も、戦闘員の皆さんもみんなかわいかった

この作品に限らないけど、悪の組織が悪の組織してないのが笑える
悪の組織とはいったい・・・

この世界観もっと見ていたいな

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16

72.5 10 2024年夏(7月~9月)アニメランキング10位
逃げ上手の若君(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (178)
573人が棚に入れました
時は西暦1333年、武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府は、信頼していた幕臣・足利高氏の謀反によって滅亡する。 全てを失い、絶望の淵へと叩き落とされた幕府の正統後継者・北条時行は、神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで燃え落ちる鎌倉を脱出するのだった…。 逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で、信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていく時行。時代が移ろう大きなうねりを、「戦って」「死ぬ」武士の生き様とは反対に「逃げて」「生きる」ことで乗り越えていく。 英雄ひしめく乱世で繰り広げられる、時行の天下を取り戻す鬼ごっこの行方は―――。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

イケメンの足利尊氏がCloverWorksでアニメ化!!!(※但しサイコパスなラスボス役w)

長年、北条氏が執権を牛耳ってきた鎌倉幕府。
その鎌倉幕府を裏切り滅亡に追いやった足利尊氏。
彼への復讐心を抱き、後に {netabare} 中先代の乱{/netabare} を引き起こす 北条時行が“逃げる”ことで志を果たそうとする。
松井 優征氏による週刊少年ジャンプ連載コミック(3巻まで購読中)の連続アニメ化作品。


【物語 4.0点】
私は時代劇観る際も相当に捻くれておりまして。
武士道を称えるシナリオよりも、
武士道を懐疑する、何なら滑稽だと笑い飛ばすお話の方を私は評価してしまいます。

この観点から、本作の逃げて勝つというコンセプトは変化球でしたが。
武士として栄誉ある死を選ぶより、生き長らえることを第一に考える。
“逃若党”の在り方は、私にとっては全然アリ。

来る宿敵・足利尊氏との決戦に向けて、
時行たちが、クセ強なモンスターと化した異様な鎌倉武士と対峙して、
急ピッチで成長して、これまた異様な逃げ上手モンスターへと覚醒していく展開は、
史実寄りの大河ドラマを観てきた私には、灰汁が強くて、やっぱり馴染みませんがw

第10話で、南北朝~室町時代初頭を、人と不思議が共存していた最後の時代、
祈りによる奇跡は公文書にも記された現実的な公共事業と位置付け。
諏訪頼重に時行の将来を予言する異能を持たせて、
予言を軸に時行育成プランを進行したり。

和風ファンタジー要素については、現代の常識からは思いも寄らない歴史を生み出す設定・世界観として、
私はむしろワクワクして、今後の超展開を楽しみにしています。
人が見えない領域にこそ神は宿る。
増え過ぎた人が現実しか見なくなったら、不可思議は無くなるという解釈、私は結構好きです。

懸念点は、1期では2年足らずの経過に留まった、歴史イベントの消化の遅さ。
2期制作も決定しましたが、時行の生涯を描き切るとなると、
一体何クール必要なのか気が遠くなりますw


【作画 4.5点】
アニメーション制作・CloverWorks

子供向けのギャグで盛り上がっていたかと思いきや、
部位欠損など凄惨な戦の描写が、血飛沫と共にぶち撒けられる、
極端なバランスが目立つ原作。

グロ表現どこまで踏み込むかが個人的に焦点でしたが、
同スタジオは容赦なく描き込んでくれました。

そんな中でも時行の逃げて勝つ描写には一際、魂がこもっていました。
正直、逃げ回るばかりの展開で、面白いバトル映像が出来るのかと、
私は訝しんでいましたが杞憂でした。
追っても追っても捉えられない若君に追い詰められる鎌倉武士の恐怖。
狂気のラスボス足利尊氏とも渡り合える、逃げ一手のポテンシャル(サイコパス)も存分に伝わって来ました。

尚、逃げ勝つことに興奮を覚える時行少年の紅潮した表情などを見て、
海外視聴者の中にはショタ属性に目覚める方もいた模様w
実は、男色等のエロ方面でも、性的コンテンツ認定寸前の、
スレスレのラインを狙っていたと戦慄しますw


個人的には、ちょっと古風な幅広の明朝体で打ち出されたタイトルロゴ、テロップも、
往年の足利尊氏主役の大河ドラマ『太平記』の映像も想起させられ、懐かしかったです。
と言うより、テロップを僅かに揺らす辺り、当時の字幕スーパーの性能限界の再現とか絶対に狙っているでしょうw

鎌倉幕府を裏切る覚悟を決めた尊氏なんかも、NHK大河ドラマ『太平記』で尊氏役を務めた真田 広之さんの姿に寄せて来たりと、
結構オマージュ要素があって嬉しかったです。
もっとも、本作では尊氏謀反の直後、{netabare} 幕府方が細切れにされる{/netabare} ので、性格の違いを思い知らされますがw


【キャラ 4.0点】
ついに現代アニメで躍動したサイコパスなラスボス・足利尊氏。
1期から暗殺にきた{netabare} 護良親王{/netabare} の手下共を、南斗水鳥拳でも体得しているのでは?
って位のチート能力を見せ付け蹂躙するなど絶好調w
人間照準器だの、探知機だの、“征蟻党”だの、イカれた輩しかいない武士の頂に立つのは尊氏しかいませんw

視聴者の中には、尊氏の能力を見て、んなアホなwとドン引きした方もいるとは思いますが。
足利尊氏のピンチ脱出能力と人心掌握術については、合理的な説明に研究者も難儀。
もういっそ漫画的な異能を持ってましたと開き直って楽になりたいと、
私もこれまで歴史関連本読みながら何度も思っていたので、
本作の尊氏像は、ラスボスにするならこんなもんだよなと妙に納得していますw

戦後、反動で足利尊氏を英雄視する中で、割りを食って来たのが弟の足利直義であり、重臣の高師直であり。
後の室町幕府についても、将軍・尊氏は権威だけのお飾りで、実務を担当した直義が実質的な采配を振るっていたという政権像が定説となる中。
歴史関連本でも、大河ドラマでも、例えば(※核心的ネタバレ){netabare} 鎌倉獄中の護良親王暗殺{/netabare} など汚れ仕事は当然、直義が自分で決断してやった悪事だよねという流れが出来ていまして。

これは直義もちょっと不憫だなと私は思っていたので、
本シリーズでは、実直そうな直義に代わって、
戦前、戦中以来、久々に悪の尊氏自らが手を汚しまくる展開を期待したいです。


時行の郎党となる架空の“逃若党”の少年少女キャラたち。
私がジョーカーとして面白いなと思ったのが忍び担当の風間玄蕃(げんば)の、
誰にでも化けられる変装能力。

とかく時行の行く末については、(※核心的ネタバレ){netabare} どうせ史実では負けると悲観する声を耳にしますが、
玄蕃の特技があれば、最悪、史実で処刑された時行は影武者でしたというウルトラCも可能。

個人的には、史実に反して生き残った時行が、足利直冬や直義と組んで、
或いはウルトラEで時行が同年代の直冬に成り代わって、
観応の擾乱で足利尊氏を発狂させる超展開とかも期待したいです。

ただ、そこまで描いたら南北朝時代の主要イベをほぼ制覇する超大作となり、
コミック50巻突破しちゃいそうですがw{/netabare}


【声優 4.5点】
主演・北条時行役の結川 あさきさん。
先だって初主演となった、同じCloverWorks制作のアニメ映画版『トラペジウム』でアイドルの狂気を怪演し、片鱗を示した結川さん。
本作でも純朴な逃げの中に秘められた狂気を好演。
この濁声のホープは、今後も同スタジオ制作アニメの切り札として多用されるのかもしれません。

そんな結川さんと競演(狂宴)したのが風間玄蕃役の悠木 碧さん。
新旧濁声の使い手によるマッチアップで、私の耳は幸せでした。
ただ、宴の席での乱心演技は流石にやり過ぎだとは思いましたw

吹雪役の戸谷 菊之助さんも奥行きを感じる落ち着いた演技で、
TVアニメ版『チェンソーマン』主役抜擢のサプライズ以来、順調な成長を見せてくれました。
結川さんといい、戸谷さんといい、いきなり主演を射止める新人声優さんには相応の才能があるんだなと。

吹雪に関しては、私はネタバレを喰らってまして。
今後、中々のウルトラCを決める難しい役になると思われますが、
この声優さんならこなすと期待しています。


情報公開がもったいぶられていたラスボス足利尊氏役には小西 克幸さんが就任。
私にとって長らく尊氏と言えば真田 広之さんでしたが、
今後は柔和の中のサイコパスを好表現する小西ボイスにアップデートして行こうかなと思っていますw


【音楽 4.0点】
OP主題歌はDISH//「プランA」
和風なアレンジこそ施されてはいますが、内容はちょっとハメ外し過ぎなダンス・ロック。

ED主題歌はぼっちぼろまる「鎌倉STYLE」
こちらに至っては、もはやHIPHOPスタイル。
EDアニメも現代にワープしてますし。

最初、流石に奇をてらい過ぎでしょ?と引いていた私ですが、
今ではスッカリ馴染んで、お気に入りに。慣れって恐ろしいです。

ぼっちぼろまるは、この夏、『マケイン』OPでも存在感を放っていましたね。
同クールで、魂がこもったアニメ化作品主題歌を2つも射止めるとは、引きが強いな~と感心します。


劇伴担当はGEMBI、立山 秋航氏。
GEMBIは和楽器も含めた世界各国の民族音楽、クラシック等からミュージシャンが集結したグローバルなバンド。
必然、本作BGMもジャンルを横断するフリーダムな、エンタメ重視の構成に。

近年、電子サウンドもアレンジしたアニメ版『平家物語』や、
田楽ロックンロールなアニメ映画『犬王』などを喰らい、
今年の大河ドラマでは、政治劇を煽るパイプオルガンも浴びたりしている私にとっては、
和風じゃない時代劇サウンドくらいヘッチャラなのですが。

そろそろ和楽器を全面に押し出した王道時代劇サウンドも恋しくなる頃なので、
カウンターで和風全開なサントラ仕掛けて来る作品も待ってます。



以下、放送前、尊氏アニメ化への期待に居ても立っても居られず書き連ねた勇み足長文。
長くなるので折りたたみw

{netabare}
私がハンドルネームに入れる程度には溺愛している武将・足利尊氏。
どこがそんなに好きなのか?ひと言で表すと意味不明な所に人間味を見出しているからでありましてw

鎌倉幕府から後醍醐帝、北朝、自ら開いた室町幕府などと、
勝馬に乗って、人生楽勝ムードであるはずなのに、
何故かいつも優柔不断としか思えない無為無策で窮地に陥り、
出家して全てを弟たちに丸投げしてみたりと、
周囲と天下を混沌に巻き込む。
それでいて、最後、窮地から反転攻勢に打って出る際は、多くの者や時代の流れを味方にしつつ切り抜けてしまう。

およそ行動原理に一貫性、合理性が見い出せない尊氏の言動は、
数多の研究者、作家を難儀させてきました。
挙げ句、足利家って躁鬱の家系なんじゃね?と大真面目に研究者から匙を投げかけられる始末w

最近も尊氏を題材にした時代小説『極楽征夷大将軍』が帯にて、
“やる気なし、使命感なし、執着なし
なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?”
と銘打ち直木賞を奪取したりと、どいつもこいつも尊氏のことを好き勝手言ってくれやがるのでありますw
(余談ですが、この小説面白かったです。これで南北朝時代二度目の大河ドラマ作って欲しいくらいです。
但し、その場合、主人公は尊氏ではなく、彼に振り回される弟・直義と重臣・高師直が主役の青春群像劇になるでしょうが)


尊氏という難題をどう解釈するのか?
本作の尊氏は一見すると柔和な風貌をまといながらも、
望まぬカリスマ性を持ってしまって、
僕を誰か止めてくれといった感じで狂気を覗かせる、
ナルシスト方面にサイコパスなラスボス役に造形。

戦前・戦中、国家ぐるみのネガキャンの憂き目に遭ってきた反動か、
戦後は一転、英雄としての一面が再評価され、大河ドラマ主役にもなった尊氏。
そろそろ一周回って、こういう悪役を担っても良い頃合いかと。

尊氏の意味不明な言動は、公武二重支配体制の綻びや、
相続地枯渇により全国で多発したお家騒動に南北朝の御旗を利用されたが故の混迷を、足利家が象徴してしまったが故などと説明されたりしますが。

本原作の切り口で可能性を感じるのが主人公少年・北条時行の“逃げ上手”がもたらす焦燥。
鬼ごっこは絶対強者の鬼が断然有利。
が、追っても追っても捕まらないとなると、鬼も平常の采配だけでは手に負えなくなってくる。
乱心した鬼の尊氏が何をしでかしてくれるのか?

本作は史実に忠実な歴史再現ドラマというよりも、
多くのジャンプ漫画同様、時行と周りに集まる仲間の架空の少年少女たちが、
友情・努力・勝利の原則を踏まえつつ、ジャイアントキリングを果たしていく、
王道バトルコミックのシナリオパターンを踏襲。

特技を強調されたモンスターみたいにデフォルメされた敵武将役のキャラ造形が、
大河ドラマ等に馴染んだ私の脳には合わず。
これが私が3巻で原作購読止まっている一因となっていますが。
そこは素材を間口を広げる方向に料理するのが上手いCloverWorksの手腕に期待したい所。


尚、北条時行関連の歴史で一番生き様がイケメンなのは間違いなく北畠顕家だと私は期待していまして。
ですが、アニメでそこまでたどり着くには、
激戦区の今年の夏アニメで本作が頭角を表し、先々のスケジュールがパンパンと思われるCloverWorksに2期以降を作ると決意させるだけの反響を得る“ジャイアントキリング”が必須。

厳しい戦いになるとは思いますが、この尊氏もお供致します。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 27

こま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

1話視聴。マンガ読んだらネウロと殺せんせー思い出した。

1話感想。
結構グロいシーンあるので観たい人は注意かな。具体的には団子三兄弟で分かる人は分かると思う。
さらに言うなら主人公と同じ年くらいの女の子が…。
まあグロだけでエロとかは無いので安心?して見れるはず。
戦国時代だしねしょうがないね。

個人的な感想。観た感じ身体能力も異常で異能力もありそうな作品。
面白いかと言われると次回以降観てみないと何とも。

観る余裕あるけどあんまり観る気はしないかな。
観れたらいいな。

マンガで1人目が仲間になるまで読んだら満足したので1話切り。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

2話 不愉快極まりないノリと演出。正気の沙汰とは思えない。

1話 史実だけに残酷描写はフィクションと意味が違います。そこをどう回収してゆくか?

{netabare}  これはまたすごい時代を選びましたね。建武の新政ですか…しかし、一般的なイメージだと北条の元寇の処理ミスで全国が乱れて無能な鎌倉…北条幕府が倒されたイメージですね。その後も後腐れがあって、後醍醐天皇…南北朝ですよね。全国が混乱したのは北条の責任のような感覚です。歴史的には命運尽きた鎌倉幕府を尊氏が…という感じですが逆から見たわけですね。正直、あまり面白くなくて私は日本史の中で一番興味がないところでした。

 北条時行も諏訪頼重も正直うろ覚えもいかない程度…結果はある程度知ってましたので本当にうっすらと情報は持っていた気がしますが、言われないと思い出さない程度の存在でした。結果は…まあ、そこはいいでしょう。

 あえてのんきな雰囲気で始まって、そう来ましたか。清子とかなんとも言えませんでしたね。そこは計算なんでしょう。ちょっとライトな感覚の描写と残酷なシーンのアンマッチ感にもやもやするものはあります。

 残酷シーンはフィクションの場合はいくら残酷でもいいんですけど、史実ですからね。その辺のチューニングがどうでしょう。実在の人間を描く以上はあまり軽く死を扱うようなら不快な感じはしてきます。逆に「暗殺教室」の原作者ですから、意味を持たせる計算があるような気もしますが、あまりライトでポップな話でかつ死を描くなら視聴を考えてしまいますが…

 作画は異常に綺麗です。驚きました。一般的な意味でのすごい作画というやつですね。これは気合入ってますね。
 
 ということで題材が題材なだけに視聴継続はテーマと描き方次第ですね。 {/netabare}


2話 不愉快極まりないノリと演出。正気の沙汰とは思えない。

 内容とノリ、演出のギャップが不快で見てられません。こんなに不愉快な作品は初めてかもしれません。OPで清子を踊らせるところからして、正気の沙汰とは思えません。

 登場人物を歴史の中で喜劇として相対化するにしても、このやり方はダメです。ダメすぎます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

70.8 11 2024年夏(7月~9月)アニメランキング11位
コードギアス 奪還のロゼ 第3幕(アニメ映画)

2024年7月5日
★★★★☆ 3.7 (10)
81人が棚に入れました
皇サクヤの父である皇重護を殺したというアッシュの告白を受け、彼の過去を調べ始めたロゼは、アッシュが育った孤児院を訪れ、そこでシスターからアッシュの過去を聞く。元気な生活を送っていたアッシュは、ネオ・ブリタニアのノーランドに引き取られ、暗殺者として育て上げられるための日々を送ることになる。訓練と暗殺、失敗、そして喪失。絶望のどん底に突き落とされていったアッシュが出会ったのが、サクヤの父・皇重護だった。

70.8 11 2024年夏(7月~9月)アニメランキング11位
僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト(アニメ映画)

2024年8月2日
★★★★☆ 3.9 (16)
67人が棚に入れました
「僕のヒーローアカデミア」の劇場版第4弾。
出久たちが雄英高校2年生の春、ヒーローVSヴィランの全面戦争が勃発した。出久は恐るべき力を手にした死柄木弔と対峙し、激しく衝突。ヒーローとヴィランの双方は大きなダメージを負い、死柄木の撤退により戦いは一旦の終結を見せた。そんな戦争の影響で荒廃した社会に、突如謎の巨大要塞が出現し、街や人々を飲み込んでいく。そして出久たちの前に、“平和の象徴”を思わせる男が現れる。

70.7 13 2024年夏(7月~9月)アニメランキング13位
時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (250)
678人が棚に入れました
久世政近の隣の席に座るアーリャさんは、いつも彼に対して冷ややかな目線を向けている。けれど、時々ボソッとロシア語で彼にデレていて......。 その言葉を政近も聞き逃しはしない。 なんと、政近はロシア語のリスニングがネイティブレベルだったのだ!! 気付いていないと思い込み、時々デレるアーリャさん。 そして、その意味を理解しながらも、気付いていないような振りをする政近。 ニヤニヤが止まらない、二人の恋模様の行方は——!?
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

4話 無理に政近を持ち上げる話が決定的に面白くないです。中断かな。

1話 足の指の作画がすごい。それとOPEDは一見の価値あり。

{netabare} お隣の美少女系のラスボスなんでしょうか。結構題名は聞いた気がします。だからでしょうか、作画はいいですね。動きはそうでもないですが造形は綺麗だと思います。

「なんでこんなやつがモテるんだ」系ご都合主義ハーレムラブコメではあるんですけど、ロシア語で独り言を言うという設定はなかなか面白いですよね。思考が読める一種のテレパシーものに近い感覚です。

 作画・キャラデザは顔はテンプレなのはいまいちです。髪もつやつやしていいんですけど、髪がなびかないのは良くないですね。あと、アホ毛はそろそろやめましょう。
 太ももは今時らしく結構太ましいかな?絶対領域の質感はそれほどでもないです。
 ですが、足指の作画が綺麗で驚きました。CGモデル…ですよね?最近は区別がつかないので何とも言えません。違うのかなあ…とにかくヒロインの足指の形状は素晴らしかったです。

 それとOPEDのアニメの凝り方もすごいですし、EDアニメの作画スタッフは「#01エンディングアニメーション」となっていたし、キャラソンだったので、毎話変えてくるんでしょうか?だとすると相当気合いが入ってます。絶対領域の質感も本編よりいいです。このEDだけでも見る価値はあるかも。

 ということで、本作は見る気がなかったのですが、他のアニメの続きでいつの間にか始まったので見始めたら、結構見るべきところがあってちょっと驚きました。 {/netabare}


2話 アーリャのMプレイが主体?そして毎週1パンツ。

{netabare} 本作の見方はアーリャがいじめられるMプレイを堪能するということでよろしいでしょうか?
 心の内面を公開され、苦手の辛いものを食べさせられ、着替えでも恥ずかしい恰好を見られる。そういうマインドを計算しているのかどうかわかりませんが、無自覚やられ萌えキャラとして愛でる感じです。それと毎週1パンツかな?
 恋愛は今のところおまけかな。生徒会がらみと家族関係でストーリーは作るのでしょう。

 そうそう、妹=幼馴染設定はかなり強引ですが、これもアーリャの勘違いでヤキモチプレイの一環なんでしょうか?

 今週のEDは曲を知りませんでした。もうちょっとメジャーな曲でお願いします。まあ、一応調べましたけどね。

 あと、試着室の着替え…20分43秒のアーリャの四つん這いのポーズですが、脚のデッサンおかしくないですか?かなり違和感がありました。

 視聴継続は…まあ、ありかな。話が展開するまで見てみたい感じですね。{/netabare}


3話 あれ?パンツとロシア語のデレは?

{netabare} 出会いとデレを入れないと説得力がないのはわかります。わかりますけど、どうしてこう理に走るんでしょうね?アーリャの性格はわかりますし、文化祭のところの裁縫のところまでの心情は結構共感できます。

 一方で政近の解決方法はちょっと…いやかなり不自然です…裏での暗躍とクラスのメンバーの動きが想像できません。つまり、2人の関係性を作るための虚構感をものすごく強く感じます。「ごめん」のところはわざとらしすぎて身もだえしました。なぜ、童貞妄想系のラノベはこういう理屈を作るかなあ…と本当に余計なことを…という感じでした。
 
 そしてその後のアーリャのデレの心の動きが理解できませんでした。これを入れるくらいなら出会いは「遅刻食パン」の方がましかもしれません。2人って幼馴染だったんですよね?もうちょっとそっちの話を利用すれば自然な展開になるのに…そうだ、そもそもロシア語設定があるんだから、アーリャの気持ちを先取りできて惚れられるでいいじゃないですか。これだとロシア語が出オチになってしまいます。

 今回の展開で特に主人公の作り物感がものすごくでました。もっと薄いキャラにして視聴者が自分がそこにいたら…という妄想にふさわしい薄いキャラにすればいいのに、と思いました。

 真面目に言えば、シリアスをやるならそれなりの覚悟が必要です。アーリャにその性格造形を持たせた以上、それをテーマにした話を展開できるのでしょうか?できないなら入れるべきではないエピソードでした。

 ということで、評価はがた落ちです。がた落ちですが、来週ちゃんとルーティンのパンツとデレがあれば許しましょう。そう…大事なのは型です。

 でEDは「みゆき」のOP?ED?忘れましたが「想い出がいっぱい」ですね。私の印象だと別れの曲のイメージなんですけど、この作品の結末がそうなる暗示なんでしょうか?
 毎週歌は聞くと思いますが、中途半端な展開だと継続はどうしようかな、と思い始めてきました。 {/netabare}


4話 無理に政近を持ち上げる話が決定的に面白くないです。中断かな。

 うーん、話が面白くないです。1,2話は結構面白かったんですけど。エロシーン云々というより、4話のサッカー部と野球部のあれはなんですか?何か感心するところとかありました?
 
 普通高校のグラウンドの予約なんて曜日ごととかで決まってだろうとか、あれだけでかい高校でサッカーと野球のグラウンドが競合しているんかい!という突っ込みはさておいても、解決方法になんのヒネリもないです。アーリャがウニャウニャ言っていたのを政近がはっきり伝えただけでは?手伝いというのはありましたけど…

 生徒会室の問答もこいつら何言ってんの?としか思いません…なんでしょう、ドラマがないというか、エピソードで見せてよとしか言いようがないです。あのシーンで面白い・感動・感心・ほっこりなどの感情の動きはまったく感じませんでした。

 3話の中学生が文化祭でお泊りで準備するとかいう話もそうでしたが、無理やり作った政近スゲーの話がまったく刺さりません。3,4話って話の流れとして非常に不自然で、単にアーリャを下げて政近を上げるためだけの話でした。

 これは正直想像以上に面白くないです。EDのチョイスも良くわからないし。失礼ながら声優さん、決して歌が上手いわけでもないし。

 これは…一旦切ろうかな…アーリャは可愛いですが、話が決定的に面白くないです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ツンデレじょうずのアーリャさん

男性向けのハーレムラブコメ

でもこれはラブコメなのか?
ラブコメ見てるはずなのに、チートアニメを見ているような気分

アニメのデキはとても良くて、しっかり美少女達の可愛さを引き出せていますね

隣の席のクールビューティー美少女が日本語ではつれない言葉だけど、ロシア語では大胆にデレていて、実はロシア語理解している主人公がドキドキするラブコメ・・・なんだけど、次々とキャラの濃い美少女が表れるし、主人公は実は超ハイスペックで学校で無双して美少女たちにモテモテな様子はまるでなろう系主人公のよう
主役はアーリャさんのハズなのに、どんどん影が薄くなっていきます・・・

話はホントに学園版なろうって感じで特に面白くない。
相手に通じてないと思ってただストレートに気持ちぶっちゃけるだけで、ロシア語なんておいしいネタをうまくいかせてないのも勿体ない

でもかわいいからそれで充分でしょ、知らんけど

1話からミニスカートで靴下履かせて~って言いだして切ろうかと思った

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

むしろ生徒会選挙に惹かれて後追いした視点のレビュー

無気力な主人公高校生男子にツンツンしながらも、バレないようにロシア語でデレている同じクラスで隣の席のメインヒロイン。
が、実は幼少の頃、ロシア人少女と交流があった主人公はロシア語のデレを理解できていて……。
同名小説(Web短編版、ライトノベル版共に未読)の連続アニメ化作品の1期目(全12話)


【物語 3.5点】
夏アニメ放送開始当初から、『ロシデレ』初回から盛り上がっているな~と横目でチラ見しつつ、
“〇〇さん”系に関しては私はお腹いっぱい。

本作もバレてない外国語のデレがバレていて……という風味は特徴的ですが、
刺激的なのは最初だけで、あとはユルくてじれったい日常の掛け合いが続いていく。
頬杖をついて微笑みかけてくる、如何にもなメインヒロイン・アーリャのビジュアルからして、
量産型〇〇さん系なのだろうなどと、
世間に背を向ける、持病の天邪鬼を発症し、様子見を決め込んでいた私。

興味が出てきたのは、放送中盤以降。
アーリャが主人公男子のサポートで立候補を目指す生徒会会長選挙がストーリーの軸となって、
当初のようなツンデレなどラブコメの安定供給を期待していた一部視聴者からコレジャナイと脱落者が出ているらしい。
(あとは{netabare} 催眠術{/netabare} などエロがハイレベル過ぎて付いていけないとかw)
など色々と雑音が聴こえてきたから。

私はむしろ、ただデレデレするだけの凡庸なラブコメかと思っていたが、
本作には生徒会選挙を通じて作者が伝えたいテーマがあるのでは。
消費され使い捨てられるだけでは終わらない、残る芯がちゃんとある自分好みのラノベアニメなのでは。
と、またぞろ逆方向に天邪鬼が発症し、夏も終わる中、後追い視聴し始めた次第。


その生徒会選挙。
学内民主主義が盛んな私立征嶺学園の校風もあってか、
内容は会長候補と副会長候補がコンビで戦うことを重視する。
相当先の本選に向けて、事前の評判を左右する学生議会での討論バトル、実質立候補者演説となる終業式の生徒会挨拶など、予備選ポジションのイベントが長いスパンで続いていく。
米国大統領選なんかも彷彿とさせる本格的な選挙戦マラソンレースが1期では完結せず、
制作決定した2期も続いていく。

選挙に向けた“政治劇”も、私心を満たすためのハリボテ政策提言。
噂の流布や、時に{netabare} さくら{/netabare} も使う聴衆への印象操作。
本音と建前を使い分けるダーティーな部分も結構、描写されており。

これはなるほど、アーリャのツンデレで息抜きしたいと思っていた視聴者の中には胃もたれする人も出てくるわと納得w


が、生徒会選挙には、やる気を無くしていた主人公少年が、
何事にも本気なアーリャに惹かれて、全力を出すことを思い出していく。
ラブコメの根幹にも関わる要素が示唆されており、私は好感触。

何より私自身が選挙権取得後、国政選挙投票は皆勤する(今週末も当然行く)
薄汚い政治茶番劇も含めて、選挙戦見ると血が沸き立つ選挙大好き人間ですから。

2期も選挙戦目当で、是非視聴したいです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・動画工房

手描き感重視の柔らかいタッチには工夫を感じますが、
作画カロリー自体は安定はしているが及第点くらいかなとの印象。
が、ラブコメで肝要なヒロインが可愛いという部分は譲らないという信念は好感できます。

私との相性で言えば、キャラクターデザインの室田 雄平氏。
アニメ版『ラブライブ!』無印のキャラデザで、私の推しであるロシア系のエリーチカ含めて、
散々私を萌え殺してくれた御方がデザイン調整したヒロインズには、
私の本能が逆らえません。
(余談ですが、アーリャといい、エリーチカ妹といいロシア女子はお汁粉を飲み物扱いするものだという風評被害の拡大が止まりませんw)
氏のデザインで躍動するヒロインズの瞳のキラキラは本当に綺麗ですね。
(据わったジト目も含めてw)

作画4.0点まで上げるダメ押しとなったのは全12話毎回違うEDアニメーション。
OPも含めて、様々な衣装で目の保養になったアーリャら萌えキャラファッションショーには、
どうもごちそうさまですといった心境です。


【キャラ 4.0点】
個人的に一番惹かれたのが主人公少年の久世 政近。
典型的な、普段やる気ないけど、本気出したら無双する系の主人公。
ただ、こういうキャラって恋愛にも無関心、鈍感なことが多いのですが、
彼の場合は、上述の通り、幼少期の初恋体験と挫折経験が、かなり至近距離にある模様なのが特徴的。
今後、恋と選挙がどう絡んで彼の真意が明かされていくのか、2期以降も目が離せない主人公です。

メインヒロインのアーリャ。
ロシア語デレこそ個性的だが、二次元世界では何処にでもいるフツーのツンデレといった感じで、
私にとっては第一印象は意外と薄かった彼女。

正直、途中までは、会長選でも最大のライバルとなる周防 有希(ゆき)の方が、
キャラクターとしては面白かったくらい。
中等部で政近と組んで生徒会長も務めた清廉さと、裏のゲスい表情。
そして{netabare} 政近の実妹としてオタクトークも絡めながら、兄にグイグイ迫る{/netabare} さらなる裏の裏の本性と、
ウラオモテが激しすぎて衝(笑)撃的でした。

が、有希を始め、裏表を器用に使い分けるキャラが続々と投入され、周囲を掻き回す度に、
終盤になるに連れ、裏表の少ない真っ直ぐなアーリャの
(単にロシア語でデレるのを隠せない程、不器用だとも言えるが)
無色透明なピュアヒロインとしての価値が浮き彫りになって来た感じ。


政近とアーリャの“ロシデレ”が掛け合いの中心ですが、
政近は他の女子との絡みも面白かったです。
特に、ほんわかした外面を被ったアーリャ姉・マーシャにペット犬扱いされる政近が微笑ましかった?ですw

興味深かったという面では政近と宮前 乃々亜。
共に副会長候補として、アーリャと谷山 沙也加という不器用者の会長候補を支えるためには、
駆け引きや印象操作で手を汚すことも厭わない者同士の会話からは、渋い味わいが滲み出ていました。


【声優 4.0点】
ヒロイン・アーリャ役の上坂 すみれさんは上智大学外国語学部でロシア語を専攻しており、
“ロシデレ”にはうってつけのキャスト。

よく日本語は世界で一番難しいと言われますが、
それは文字の種類の多さや、SVO(主語、動詞、目的語)からSOVにひっくり返す文法などの話であって、
発音パターンに関しては日本語はかなり少なくてシンプルな方。

欧米圏における無声音と有声音の聞き分け、使い分けなどは日本人の私には勝手が分からず苦労しますし、
中国語の四声(せい)とかリズム音痴な私には厳しいですし、外国語発音って誠に難しいですが。
ロシア語に至っては巻き舌が多用されるため、私には本当にムリ。
ロシア語とか、聞いているだけで舌がもつれそうになりますw

ロシア語監修が萌えキャラに寄せて、優しい印象の発声を意識してくれたとのことで、
本作のロシア語はまだ巻き舌控え目なのかな?と思っていましたが、
クライマックスの終業式挨拶での上坂さんは巻いてましたね~。
最近の声優さんの多芸ぶりを改めて思い知らされました。


『ぼざろ』結束バンドのメンバーは、他作でしばしばコンビで出演したりしますが、
本作では谷山 沙也加役の長谷川 育美さんと、宮前 乃々亜役の青山 吉能さんが、
会長&副会長候補ペアとして主人公ペアの前に立ちはだかりました。
視聴者にもシリアス要素でプレッシャーを与える演技で、また違った色を出してくれました。

裏表が多いキャラ同様、色んな声を使い分ける声優さんもまた奥が深いです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は堤 博明氏。
〇〇さん系の日常・ラブコメ対応に関しては『高木さん』で勝手知ったる同氏。
本作は舞台がセレブも通う高校とあってか、優雅な旋律も目立った印象。
もっとも{netabare} 「誰でも出来る催眠術入門」{/netabare} ではキッチリと縦笛の音程を外してコメディ対応して来ますがw


主題歌はヒロイン・アーリャのリサイタル。

OP主題歌「1番輝く星」
常に上を目指して研鑽する中で芽生えるこの感情は恋心なのか?
ヒロインの性格や葛藤を的確に捉えたアップテンポナンバー。

ED主題歌は往年のカバー曲が中心。
こうしたカバー企画は、第5話・MONGOL800「小さな恋の歌」や、第9話・いきものがかり「気まぐれロマンティック」など、ゼロ年代のJ-POPが中心になることが多い印象。
ですがアーリャさんは初手からフィンガー5「学園天国」(1974)を仕掛けて来るなど、
昭和歌謡曲に、ボカロ曲やアニソンとレパートリーが多彩でした。

時にいきなり出サビで、キャッチーさを重視する昨今の音楽トレンドの中で、
第7話・小田和正さんの「ラブストーリーは突然に」の長~いイントロをTVサイズに押し込んだ編集にもこだわりを感じました。

でも結局、私が映像含めて一番良いEDだなと感じたのは、
最終12話のオリジナル曲・「ハナモヨイ」
お花見シーズンに聞き返してみるのも一興かと。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17

69.2 14 2024年夏(7月~9月)アニメランキング14位
ラーメン赤猫(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (94)
262人が棚に入れました
猫だけで営むお店『ラーメン赤猫』、そこにバイトの面接で訪れた人間の珠子。正直に犬派と答えた彼女はあっさりと採用が決まり、任されたお仕事は猫たちのお世話係。ブラッシングを通じて垣間見える猫模様に、様々なお客様が織りなす人間模様。身体も心も温まる『ラーメン赤猫』、愛しさ大盛り、召し上がれ。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

猫と経営と日常の素晴らしい融合。面白いけど、惜しいのはテーマ性。

 人種差別のアナロジーとかコミュニケーション論とかいろいろテーマ性はつけられると思いますが、それは牽強付会でしょう。どちらかと言えば、経営と猫という2つの異質な要素の優れたミクスチャーと見ればいい気がします。

 その点では素晴らしい作品でした。猫あるあるにとどまらず、経営と猫の緻密な設定から面白く興味深いエピソードを作り上げていました。高く評価したいと思います。

 ただし、です。その構造にテーマ性をもう少し入れられなかったのかな、という気もしなくはないです。何か軽くてもいいので主義主張があればもっと興味深く見られたのかなと思います。
 最終回に至ってタマコの過去が清算された気がします。その構成は大変良かったですが、クリシュナの虎・製麺、佐々木さんの経営者、サブのゲーム、ハナのアイドル設定などエピソードのネタどまりになった気がします。

 ですので、名作・秀作認定はできませんし、わかりづらくてよくわからないけど引っ掛かりがある話でもありません。よくできた日常系の範囲にとどまってしまったかなという気がしました。ですので再視聴のモチベーションがわくかちょっと疑問です。1年後くらいに再評価されるかどうかでしょうね。

 ですので、評価はオール4。面白さ、設定のすばらしさをストーリー・キャラに加味して4.5とします。





1話 いや、毛がメインテーマかい!という突っ込みを入れたくなる。

{netabare} 猫を飼ったことがある人はご存じでしょうが、猫の毛はすごいです。猫の苦労は、スプレーと爪とぎさえしつけられれば、毛との闘いと言っていいでしょう。毛はどんなにいい子でもどうしようもないです。
 ですので、本作も猫がラーメン屋とか無理だろうけど、まあフィクションだからそこはスルーして見ようか…と思い見始めました。「いや、毛がメインテーマかい!」と言う感じです。

 この設定で出オチ以外に何かできるのか、興味があります。ラーメンに主題はいくのか、それともお客さんのゲスト物語なのか、個々のキャラの深堀りなのか。猫好きとして内容は数話は確認したいです。

 それにしても、釘宮さんと早見さん、最近また活躍が増えてます?{/netabare}


2話 面白いです。猫設定をちゃんと活かせています。ただ、偽格言とサブタイが機能してないかも。

{netabare}  なるほど…面白いです。通常のラーメン屋物語では成立しない猫だからこそ、猫を活かして話がうまくできていると思います。その点で後半は普通にわかりやすかったです

 前半はタマコさんがなぜお客さんから受け入れられたかが、ちょっと読み取れませんでした。猫だけだから繁盛しているわけじゃない、という意味なんでしょうか?もちろん「ハナちゃんのプロ意識」がサブタイトルですから、その話なんでしょうけど。プロ意識が空回りしているのがちょっとハナちゃんが可哀そうな感じでした。後半のギョウザ無料券を渡すところも含めてかな?

 それと、好奇心は人をもころす…という導入の意味がよくわかりませんでした。これは後半の実況者にかかっているの?タマコさんは余計なことはしなかったし…
 製麺機のちょっとした下りでも、ちゃんと猫(虎)であることのハンディキャップと手打ちの話が入ったりして、次以降に繋がりそうで話の作り方は上手いと思います。
 ですが、どうもサブタイトルと冒頭の偽格言が活きているかなという気はしました。

 とはいえこれは気楽に1クール見られる奴ですね。ED後のショートコーナーが面白いです。 {/netabare}


3話 結構作品としてレベルが高いことをやっている気がします。面白いし感心します。

{netabare} 今週気づいたのが、ハナちゃんの耳の花はちゃんとピアスの穴をあけてるんですね。そして花が変わります。ちゃんと女の子してました。
 あと「水曜日のカンパネラ」って、テレビ番組の名前だと思ってたら、アーティストだったんですね。で、辮髪の子が歌ってるのはそういう中華風のチョイスをしたんでしょうか。なかなか癖のあるいい曲ですのでちょっとチェックしてみます。

 今回はラーメン屋としての売りの問題ですね。手打ち麺は前回からの続きで結局売れているかどうかわからないというのは、次回以降で何かあるのでしょうか。クリシュナちゃんが性格の割にプライドが高いのが分かるし、そのプライドは本当に経営と比べて優先すべきなのか?が描かれました。
 それとスープの味の方は、ちゃんと猫の性質についてネギ中毒と塩分(腎臓をやられて本当にすぐ死にます)の話が絡んでいるのが工夫です。

 イケメン問題はちょっと猫の審美眼が気になりましたが、最後のショートコーナーで回収していました。

 この原作者は単なる猫あるあるじゃなくて、猫を物語に昇華しています。それぞれの猫の性格も虎が混ざっていることも活かしているし。結構、レベルが高いことをやっていると思います。1つの店の話でクオリティを落とさず少なくても3週続きました。今後も期待します。とても面白いです。 {/netabare}


4話 原作者は経営に携わったことがあるのかな?

{netabare} 猫は「寝子」らしいですから、当然寝る話は出てくるだろうなと思ってたら、やっぱり出ました。寝かしつけられる話だとは思いませんでしたが。最後のオチがシャンプーの香りというのが、なんとも言えない味があります。ゲーミングPCのところでは、寝起きのシャーがありましたし。

 で、商工会議所にも参加しているんですね。商工会ではないところから大きな街だということはわかります。

 手打ちラーメンはやっぱり一つの軸になってくるのでしょうか。少しずつ前進しています。クリシュナちゃんの人件費というか猫件費がかかっているなら、当然、手打ち麺の比率が上がれば利益率はかなり改善しますよね。廃棄が減るのもそうですが、1回の製麺にかかるコストは一緒ですから。そこに付加価値を載せられるなら当然でしょう。ただ、仕入れている麺の廃棄問題がありますけどね。お客様のニーズに合わせてハーフをすぐに提案するなど、この辺はちゃんと筋が通った話になっています。

 商工会議所、原価率、人事関連のエピソードもありましたし、原作者は経営に携わったことがあるのでしょうか。妙に生々しい話が出てきます。

 そういえばゲーミングPCが買えるなら、結構給料もらっているのでしょうか。{/netabare}


5話 面白さでは今季ナンバー1候補です。本当に話の作り方が上手いです。

{netabare} 単純な面白さで言えば今季ナンバー1です。今のところ候補ですけど5話時点でこれなら1クールならそうは変わらないでしょう。
 猫あるあるに逃げないでラーメンと経営、猫好きの人間という視点を組み合わせてエピソードにするところが本当に素晴らしいと思います。

 今回は「換毛期の猫の毛」「猫好き」の両面からいろんな人物に焦点を当てていました。ヒロイン雇用の前日譚としてなぜ猫好きじゃないというのが雇用条件だったのかも自然に説明できていますし、クリシュナのイライラの見せ方も良かったです。
 クリシュナの毛玉も何かいじってくるかな、と思ってたら全然絡まないのでちょっともったいないと思ったら、最後にやっぱり使ってましたね。{/netabare}


6話 中間総括。擬人化ではなく、猫あるあるでもなく。発想が特異です。

{netabare} CEOですか。この作品の特異性はこの辺でしょうね。

 半分経過ですので総括すると、擬人化の様で擬人化じゃない、猫そのものです。猫あるあるの様で猫あるあるじゃない。人間から猫に向ける視線は愛玩動物としてのそれですが、しかし、店のクオリティも認めている。アニメにおけるしゃべる動物はたいていはマスコットどまりかファンタジーですし、本作は実に特異な作品です。

 一旦見方を戸惑うとひょっとしたら面白さが伝わらない人もいるかもしれませんし、それはしょうがないと思います。覚めてみればこんな荒唐無稽な話もありません。

 それだけに話の作り方は難しいでしょうけど、上手くラーメン店を丁寧に設定することで、ネタは今のところダレは感じません…と言いたいところですが、6話はちょっとダレたかな、という気がしなくはないです。

 6話は少し同じネタが重複してきたかな…と思わなくはないです。ただ、クリシュナの出自とかハナの感情の変化とか相変わらず上手く描いています。最後のギョウザの件も黒猫の性格を上手く拾っているので、それほど心配することはないでしょう。

 終わってみれば、今季NO1は言い過ぎかもしれませんが上位作になると思います。{/netabare}


7話 「照猫画虎」が気になります。スイカを食べる虎は、猫を見て描いたので本質じゃない…というメタ的なギャグ?

{netabare} 今回も順調に面白かったので、言うことはあまりないのですが…

「照猫画虎」という故事成語、初めて知ったのでためになりましたが、やっぱり作中のどこに当てはまるかわかりません。最後のラーメン屋買収の話かなとも思いましたが「形骸化」という意味だそうで、ちょっと違う気もします。

「形だけまねて本質の理解がない」ということなんでしょうか。ただ、あのラーメンチェーンの経営者の言っていることは、結構「赤猫」の本質だった気がします。ラーメンの味にこだわらないところに店長は引っ掛かっていましたが「赤猫」の客の描写から判断すると味もありますが猫のために来店している気がします。

 それと虎って、スイカ食べるんだ…雑食ではなくて肉食のはずなんですけど…とちょっと思いました。で、思ったのがメタ的に「照猫画虎」は「ラーメン赤猫」という作品の虎は、猫を見て描いたので本当の虎じゃないよ、という意味なんでしょうか。つまりメタ視点のギャグです。{/netabare}


8話 道徳的な話でちょっと違う感がありましたが、結果組織論になってました。

{netabare} 一番初めの子育てママの話は「社会・コミュニティで子供を育てる」ということですね。赤ん坊は社会の礎ですから子育て中の母含めて社会で守らなければなりません。赤んぼを見かけたということは同じコミュニティにいるということですから、その時点で無関心であってはなりません。その啓蒙にもなると思います。
 思いますが、この作品はそういう道徳から少し離れたところが良かったのになあ、という気はしなくはないです。

 ただ、経営を考えて『情けは人のためならず』的に「大きくなったらまた行こう」というセリフで分かる通り「客を囲い込む」という思惑も出てきます。つまり企業がやる「善行」は基本的には先行投資であるという考え方とも取れます。その辺に佐々木の経営者としての手腕が読み取れました。過剰サービスの匙加減の難しさは明言されていました。

 あとは仕事上の個人の工夫ですね。業務に関する自主的な努力をする子を便利屋として使いつぶすのは会社にとって大きな損失です。ただ、そういう子に気が付いて評価するのは、本当に難しいものです。

 そして、新規メニューですね。そのタマコの見えない努力を評価し自分を反省できる店長の資質です。全体として優秀な人間を正当に評価すると組織全体が進化するという話だったと思います。{/netabare}


9話 面白いですが「相変わらず」になって、どこかでマンネリ感も感じます。

{netabare} 相変わらず面白いですが「相変わらず」になってきた気がします。日常系とはいえ、感心するポイントがあるからこその出来の良さですので、そろそろ若干の陰りを感じ始めました。

 今回思ったのがクリシュナがいること、ハナとヤシロさんの関係性、佐々木の経営者キャラなどで話を作ってきましたが、今後、新味が感じられる何かが必要でしょう。ですが、新キャラやキャラの深堀りが効果的かと言われると苦しいでしょうね。

 それと最後のショートコーナーでハナの「決まっているような接客してごめんなさい」の意味が取れませんでした。アドバイスがありきたりという意味ではないですよね?ちょっと考えてしまいました。

 来週変化球があればまた印象も違うでしょうが、現状では1クールでちょうどいいと思います。その辺は構成で最後盛り上げてくれると期待します。{/netabare}


10話 お話のためのお話かな。

{netabare} 少々話のレベルが落ちてきた…気がします。なんとなくお話のためのお話で、こういうのを続けるのはちょっと…という感じがしました。{/netabare}


11話 捨て猫の話が面白かったです。

 捨て猫の話は、猫がやっている飲食店に捨て猫が来ると?というIFがちゃんと話になっていて面白かったです。女弁護士で笑ってしまいました。クリシュナの話は、面白いけどいつも通りですね。
 で、気が付いたのが生い立ちとか過去の話が私は面白さを感じないみたいです。それも大事なんでしょうけどファンタジーに無理に理屈をつけない方がいいきがします。人情ものにはなりますけどね。

 で、あと1話ですかね。今週持ち直して良かったです。11話までのアベレージは高いレベルだったと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

猫も茶を飲む

人の近くで、何千年もの間生活してきた猫。
ニャーと鳴いてゴロゴロするかと思えば、遠くから様子を伺う。
この絶妙な間合いがなせる技か、起源種から体の大きさをほとんど変えずに世代を重ねてきた。

この作品には毎回、オープニングが始まる前に、本編にまつわる“まくら”が入る。
これがすこぶる気が利いている。
そんなわけで、ネットで調べてみると、こんな本に出会った。
『世界の猫ことわざ』である。
紹介記事から一つ。

「猫を嫌う人には気をつけろ」(アイルランドのことわざ)

相手を支配したがる人には注意しろと言う皮肉の効いた格言である。
決してこちらの思い通りにならない、マイペースさが魅力の猫。そんな猫を嫌う人は、きっと支配欲の強い人だと…。

あと、最近使われなくなった日本のことわざで、「猫も茶を飲む」と言うのがある。
分不相応で、なまいきなことを猫に例えたものだそうだが…。

『ラーメン赤猫』にいるのは正真正銘の猫。
もちろん人に合わせて大きくなったりしない。
その距離感、人も猫も分をわきまえた世界が素敵だ。

まさに、人も猫も幸せにする人情噺でしたね。
ラスト3話、しっかり泣かせてくれました。
釘宮理恵さんの啖呵とキャラソン。
佐々木さんと店長の“あやふや”な記憶、そして津田健さんの「いらっしゃいぁせ」。
特に最終話の展開はお見事でした。
珠子さんの思いと感情が見事に昇華された笑顔。

ありがとうございました^ ^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

にゃー!

原作未読 全12話

猫が営むラーメン屋に人間(女性)がアルバイトとして採用されて働くお話です。

猫が人間の言葉を理解して人間の言葉を話して、ラーメン屋を営むわけですが、そこはファンタジーとして見ていますのであまり気になりませんでした。

猫同士、お客さん、アルバイトの女性などそれぞれの心温まるお話が好きでした。

時には猫特有のトラブルにも巻き込まれるお話あり、その場ではかなりピリピリしていますが、解決の方法も良かったですね。

1話に2〜3のエピソードとなっていますので、テンポ良くお話が進んでいきます。

また、エンディングの後にその話のエピソードの補完があって、そちらも一緒に観るといいですよ^^

キャラも猫の従業員たちアルバイトの女性とお客さん、ラーメン赤猫を支える人たちと結構出てきますね。{netabare}(虎のクリシュナは反則ですねw){/netabare}

そこまで期待して観たわけではないのですが、とても好きな作品になりました。興味がある方は是非観てくださいね。

OPは水曜日のカンパネラさん、EDは離婚伝説さんが歌っています。

最後に、OPのタイトルはずばり「赤猫」、歌詞にも赤猫が使われていてテンポも良かったですね。EDは毎回気になる名前でついテロップを観てしまいますw曲はポップでこちらもテンポ良い曲でした^^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16

68.8 15 2024年夏(7月~9月)アニメランキング15位
コードギアス 奪還のロゼ 最終幕(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (17)
88人が棚に入れました
新たな主人公、ロゼとアッシュ、2人の兄弟が繰り広げる『コードギアス』シリーズの最新作第4弾最終幕。

68.6 16 2024年夏(7月~9月)アニメランキング16位
小市民シリーズ(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (191)
525人が棚に入れました
“たがいに助け合い、完全な小市民を目指そう。” かつて“知恵働き”と称する推理活動により苦い経験をした小鳩くんは、清く慎ましい小市民を目指そうと決意していた。 同じ志を立てた同級生の小佐内さんとたがいに助け合う“互恵(ごけい)関係”を密かに結び、小市民としての高校デビューを飾り平穏な日々を送るつもりでいたのだ。ところがふたりの学園生活に、なぜか不可解な事件や災難が次々と舞い込んでくる。 はたして小鳩くんと小佐内さんは、小市民としての穏やかな日々を手に入れることができるのだろうか。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

追記 日常の推理では無いと思います。春から変装していた意味は?

追記 この作品はジャンルとして「日常の推理」ではないです。いや日常の推理なんですけど、本当の構造が隠れているといった方がいいです。これが逆転すると日常の推理としては…と言う評価になります。
 そっちではなく、小佐内さんは高校に入る前から「夏」の結末をある程度計画していたはずです。その証拠が変装です。それがこの作品の推理としての「構造」です。

{netabare} あるいは変装をしても危険な食べ歩きの安全保障のための小鳩だったのかもしれません。スイーツは本当は小佐内は一人で楽しむものだったんでしょう。スイーツを食べるとき小鳩にまったく興味を示していません。

 したがって「小市民」は小鳩をうまく巻き込むためのガワだったと思います。小鳩に男としての興味はないです。だから、中学校時代からの宿題が終わった瞬間、解散を申し出たと取れます。
 ですので、私はこの作品は小鳩に語らせた叙述トリック{/netabare}と定義しました。そこを「騙された」と視聴者として喜べるか。それが推理作品の味わいでしょう。


小佐内のキャラ造形が見事な作品。私は奴が大嫌いですけど。

 なんと10話で終わってしまいましたね。ラストの車が燃えるシーンをはじめいろいろについて言っておくとあれは「秋限定栗きんとん事件」です。なんだその中途半端な感じは…と思ったら2期やるみたいですね。25年4月から?なるほど…

 演出についてです。川を使った心象風景の使い方が正しかったのか?ですね。川に象徴するものがあったとしても宗教とか集団的無意識の共通基盤になっていなければ意味がありません。そこは効果的だったのかな?とは思いました。
動きがないアニメにしづらい作品なので動きを入れたのか、ご当地ものとしてそうしなけば風景の使いようが無かったのか。そこはやりすぎ感はありました。ただ、1話ほどの違和感は10話では感じなかったので見直せばそうでもないのかもしれません。

 作画は動きは少ないですけど良かったです。特に小佐内と小鳩の表情の作り方は小説の意図を上手く見せたと思います。キャラデザに関しては小佐内の目が赤いのも悪魔的で良かったです。全体がリアリティがある色彩のキャラデザの中で面白い工夫でした。

 作品の総評です。この「春・夏」までで一番出来が良くなかったのは「春」つまり教習所の事件の小鳩の動きです。小佐内の悪魔性も小鳩が推理する理由も弱すぎました。小佐内がピンチなはずなのに延々と行われた会話劇に違和感が残りました。
 ココア事件で見せた堂島の行為も姉の暴走による結果論ですが、小佐内と表裏になりました。小鳩の自己顕示欲を確認することができましたが、そこも「春」だけですと単発の出来がイマイチなエピソードとなり活きてきませんでした。

「夏」のシャルロット事件で小鳩と小佐内の関係性が明らかになったおかげで、誘拐事件における小佐内のキャラ性とか小鳩のラストの感情とかが非常に鮮やかになったし、推理としての完成度が上がりました。夏祭りのときの伏線の張り方も見事でした。変装の意味も春からの伏線だったことがわかり、なるほど計算はあったんだなとわかります。ですので「夏」があって初めて「春」の意味があるという構造でした。それは推理小説としてはどうよ?という感じはしました。

 アニメ版では当然この前半までの印象は同じですし、さらに冒頭の自転車盗難の時系列や状況を変えたことで不自然になりました。ですので前半の評価はやはり低く感じました。

「夏」は原作の出来が良いのはもちろんなんですけど、これだけの悪魔的なキャラを日常系の推理で出すこと自体が壮大な仕掛けになっています。

 日常系推理の始祖ともいえる北村薫氏はもちろんですが、似鳥鶏氏、坂木司氏、初野晴(ハルチカの原作者)氏などで小佐内に似たキャラはいたでしょうか?この点においてこの作品は評価せざるを得ません。三上延(ビブリア古書堂の事件手帖)のヒロインはちょっと同じ雰囲気はありますけど内面は全然違います。そしてアニメ勢だと米澤穂信氏の「氷菓」の千反田を先に知っているだけに、その衝撃は結構なものだと思います。原作でも「夏限定」は「クドリャフカの順番」の後だったと思います。

 推理の構造は{netabare}騙された小鳩が視聴者の代弁者となる「他人が語る叙述トリック」と私は捉えています。叙述トリックとは1人称の推理物語の語り部が実は犯人でしたというジャンルです。要するに「メタWHOダニット」なんですけどね。 {/netabare}これが見事だと思います。

 ただ、私はキャラ萌え派なんですよね。ポワロとかエラリークイーンとか外国勢はそうではないですけど、御手洗潔とか<私さん>とか、火村とか、有栖川とか、伊神とか、古くは栗本薫とか…そう見たときにこの2人…いや小佐内ですよね。推理の構造故に内面が見せられないという最大の欠点を抱えてしまいました。これはキャラ萌え勢からするといただけません。

 そして何と言っても私は本作をラノベ的に原作を読んでおり、主要キャラは善人であるという前提を欲していたんだと思います。少年のマインドで読んでいたといってもいいでしょう。いや死ぬかと思いましたよ。小佐内=幼いで、これも原作者の仕掛けた名前遊びなんでしょうか?そこに潜在意識的に仕掛けられた気もします。

 それが本作が嫌いな理由でした。あまりに読む気が起きなくて、「秋」を読んだのは買ってから10年以上たってから「巴里」が発売されると聞いてやっと読みました。結構なトラウマだった記憶があります。

 長くなりましたのでこれくらいにしますが、「夏」の出来は出色です。アニメ版も良かったです。ただ、やっぱり小佐内は嫌いです。なお「秋」にはもっと本領を発揮してくれます。







1話 【悲報】小佐内さん≠千反田える 「夏」で切るのは最悪では?

{netabare} まさかこのシリーズがアニメ化されると思っていなかったので、アニメ化発表のときに驚きました。このシリーズ、春・夏の読後感がちょっとなあ…という感じだからです。

 氷菓の千反田えるのようなキャラを望んでいる人には【悲報】ですが、小佐内さんに萌えられる人はそうはいないと思います。私は、推理小説は大好きですがキャラ萌えとして楽しむところがあるので、本作は「夏」まで読んで「秋」は買うだけ買って積ん読で手が出ませんでした。確か「巴里」が出るタイミングでやっと「秋」を読んだので10年以上放っておいた感じです。

 それくらい心が離れていました。結果的に「秋」を読むと展開に仕掛けがあるのか…と思いましたが、しかし「秋」はこのペースだと多分アニメ化できないでしょう。「夏」までで大丈夫か?と心配です。そこもネタバレになるので言いませんけどね。

 アニメ本編ですが、キャラや雰囲気の再現性は…うーん、ちょっと綺麗に描きすぎというか、無駄に心象表現をしすぎというか、冗長というか…そんな感じです。
 なお、主人公の家は和菓子屋設定なのでしょうか?これは原作ではなかったと思います。小佐内さんって和菓子苦手だっけ?と思いました。もう1回読み返さないと思い出しません。あとは時代的にスマホがあるとラブレターのニュアンスとか20年前と違うよね?など、細かいところは気になりました。

 追記 ああ何か事件の日の2人の動きに違和感があると思ったら、原作読み返したら、当日の目的はクレープ屋さんで、イチゴタルトは違う日なんですね。そこはちょっとアニメ版は行動として無理があったかなあ?{/netabare}


2話 日常系推理のエンタメとしての難しさと不自然さがモロに出ました。

{netabare} いくらなんでも…という回でした。わずか35ページの原作を1話にしましたか…さすがに眠くなるようなテンポの悪さです。

 そもそも、シンクにスプーンの謎かけはいくらなんでも無理があるのは、小説からでした。無理があるというのは、堂島というキャラからいって、その謎を仕掛けるのが不自然だからです。
 ヒントを要素に分解して、謎に気が付くように、解けるように、ただし簡単になりすぎないように難易度の調整をしながら仕掛けるには、常悟朗と同程度以上の頭の使い方が必要です。それは堂島のキャラ造形や言動から言って不自然です。

 そして、日常の中の謎というのはこの無理の連続です。そして、これは本格派推理のジレンマで、パズルを作ろうと思うと、話は不自然になります。ですが、それは本格派小説のマナーみたいなもので、小説ならこういう不自然な話も「そういうものだ」として楽しめます。

 まあ、これは「たまたま堂島のずぼらが作った意図しない謎」という話ととるんでしょう。今度は姉がそこに謎を見出したという不自然さは残ります。堂島のキャラをよく知っているはずですし、一般人にそんな気づきは普通ないでしょう。けど不自然さはマイルドにはなります。

 そして、堂島の意図でないとすると次に別の不自然さが発生します。わざわざ2人を呼び出してココアをふるまった意味がなくなるし、ココアの作り方をレクチャーする意味がメタ的に考えて意味を喪失します。
 推理小説に「無駄はない」の法則から言って、ココアの作り方をわざわざ説明した流れからは謎かけととるべきだと思います。ですので通常なら読み取るならやはり「意図した謎」ととるのが自然でしょう。

 ただ「あんのずぼらが!」のセリフがありますので「意図しない」方にはアニメの解釈は寄せています。そしてそうなるとこの1話が丸々不自然な1話になります。堂島は本当に常悟朗と小佐内を呼んで話がしたかっただけ?


 追記と修正 ここはさっき改めて原作を読んでから件のシーンを見返しました。今回は「ココアの解き方のようなつまらない話を延々と聞かせて反応を見た」という読み方が正解な気がします。ここは私の読み間違いがあった気がします。
 ただ、その行動自体が人間として不自然だし、堂島というキャラの性質上「ココアの入れ方」という話題をチョイスし、反応をうかがうようなことをするのがキャラに合っていない気もしますけど。むしろ単刀直入に聞くでしょう。

 で、これは別の視点なのですが、小学校のころの友人と高校で再会して、キャラが変わった。大きな何かがあったのか?と思う感覚です。普通中学時代の変化は大きいでしょう。変わらない方がおかしな年ごろです。
 むしろ再読してこっちの方が不自然には感じましたが、それだけ常悟朗がインパクトがある少年だったという意味だとは思いますので、この辺は計算があるのでしょう。
 日曜日に家に呼び出して問いただすというのは普通ではありません。つまり「ココアの作り方」の謎を作るためのちょっと無理があるシチュエーションな気はしますが。

 それと小佐内さんを一緒に呼び出す理由は弱い気はします。こういう話をする際、同行者は邪魔なんじゃないかと思います。その点では原作と構成を変えて、小佐内さんが堂島の持ちかけた謎を問いたという話を飛ばした故の不自然さでした。

 いずれにせよ、人間の一般的な言動からは無理があることに間違いはないでしょう。それが日常系推理の不自然さで、今回は見ていて推理のための舞台装置感が非常に強かったです。故にいくら作画が良くても、何を見せられているんだろう?という感覚が強く出ました。

 これは本作に限ったことではありません。ただでさえ日常の謎の推理ものには不自然さがあります。
 ですが、それは小説故に読めるのであって、アニメにしたときのなんと無意味で冗長なこと…その点でやっぱり「氷菓」の出来は良かったんだなあとあらためて思います。

 まあ、小佐内さんの本質が見たいので、そこのポイントはチェックすると思いますが、どうしようかなあ…視聴断念のボーダーライン以下ですが、そこが気になるので、飛ばし飛ばしの視聴継続でしょうか。{/netabare}


3話 制作の解釈と演出は?小佐内さんの本性をちゃんと描けているのか。

{netabare} なるほど、小佐内さんのダークサイドをそう描きましたか…テストの件と連続させたのは、スイーツにかこつけて常悟朗を呼び出す。小佐内さんに推理力はなく常悟朗に推理させる。スイーツをたらふく食べることで自分を押さえる…ということでしょう…か?ここが原作からの疑問でした。

 スマホ(原作だとケータイ)を忘れてきた…というくだりですが、小佐内さんがもし常悟朗に推理をさせようと意図したのだとしたら、ここはちょっと不自然です。常悟朗が学校に戻り現場検証するのが偶然になってしまいます。少し違和感があることろです。

 メールの内容が「話がある」から始まっているなら、小佐内さんの計算ととれるんですけど「ケーキ食べたい」から始まるこのメールの流れだと本当に小佐内さんはやけ食いを意図していたことになります。偶然の流れととるべきか、意図ととるべきかで随分解釈は違います。ただ、2人の約束に縛られて「ケーキ食べたい」がつまり話があるという意味なんでしょうけど。つまり、スマホを忘れて学校に戻る部分はどうやっても不自然にならざるを得ません。

 結局、小佐内さんは常悟朗に対して未必の故意で、推理することをかなりの蓋然性で見込んでいたのでしょう。そうじゃないと、場合によってはテストの件でも復讐するという緊迫感がなくなってしまいますので、そこはいずれにせよ小佐内さんは推理をさせたし、常悟朗は推理をした、ととるのが正解なんだと思います。

 前半でのちょっとした出来事は、小佐内さんは我慢が出来ないことに対しては復讐する、ということですね。

 で、本作のターニングポイント…小佐内さんの笑顔です。いままで無表情だったことの意味を我々はここで知ることになります。もっと素直な笑顔でもよかった気がしますが、そこは解釈ですから少し狂気をはらんだ笑顔というのも理解はできます。

 ただ、ここが大事ですが小佐内さんの本性はむしろ復讐にある、ということが表現できていたかどうかです。あのシーンで一番大事なのはスイーツのときよりも嬉しそうに笑うことではないか、と思ったんですけどどうでしょう?そうなると前半のケーキバイキングのシーンで笑顔が全くないのは演出としていただけません。小佐内さんの狂気が表現できているか?初めての笑顔と、笑顔の違い…演出はどちらが正解なのでしょう?


 そして、原作だと「私有財産の保全」のセリフのところで笑顔を消しているんですよね。復讐のネタを見つけたことに喜び笑顔になって、それを止めようとする常悟朗に対して真顔になることで自分の中にある怒りを再度認識して真顔になる、ということだと解釈しました。ですから本作の「私有財産の保全」のときの小佐内さんの心の動きはちょっと解釈が違うんじゃないかな、と思わなくはないです。


 瓶が落ちる話のトリックですけど、確かに原作では氷やドライアイスの可能性に言及していましたが、特にトリックの明示はありませんでした。本作のあのトリックは証拠を残しています。そこで「濡れ衣」という原作にはないキーワードをアニオリでつけました。原作は純粋にカンニングのため、本作は教室内に悪意があることを示唆しました。この違いに意味があるのでしょうか?

 あと細かいところですが、前半の2人がケーキバイキングの店で並んで座っているのを外から見たシーンで、4分15秒くらいのところは2人のつながりが画面的におかしい気がしました。まるで省略があって何メートルも離れているみたいに見えました。それが本作の演出だと心象なのかともとれるのがややこしいですけど。

 今回は省略もあり随分テンポ良く進みましたが、全体的に小佐内さんの心の動きと本性をちゃんと描けていたか?が、非常に気になります。画面は非常に綺麗なのですが、推理小説ではありますが…特に心理…いや小佐内さんの本質が大事なこのシリーズの前半の根幹ですから、そこは監督・シリーズ構成・演出の人たちはどう考えたのでしょう?OPで狼と狐の絵を見せるだけ?

 それと橋…川の演出はどうなんでしょうね?心象で意味を込めるにしても、ちょっと読み取りづらいかなあ。{/netabare}


4話 この作品の最大のトリックは何か?

{netabare} 本格推理的な雰囲気でありながら、すべて状況証拠の積み上げなので推理としてどうなのか?という点については氷菓も一緒です。ただ、その状況の提示の仕方が、すべて小佐内さんの自転車だよりになってしまったので、非常に不自然になりました。タルトの件、空き巣事件で都合よくナンバーを目撃された件(しかも印鑑が盗まれた…といろいろ調べられたりする)、そして教習所が特定できた件です。

 ただ、重ねて言いますが日常系の人が死なない推理小説は、えてしてそんなものです。捜査ができない以上はそうなざるを得ません。ですので、そこは保留でいいでしょう。小佐内さんのヘイトをためるにも必要だったでしょうから。

 ただ「春限定」の最大のトリックは何か?それは小佐内さんの見た目と内面のギャップです。スイーツの題名でふんわり甘いものを想像して小説を手に取ると、常悟朗の推理ものとして見ていると、最後は実はキャラの性格造形でだまされるというのが本作が読者に仕掛けたトリックです。

 そう考えたとき「春」の不自然なのは推理ではありません。常悟朗が「小佐内さんが危機に陥っているかも」と焦るというところが不自然なのです。小佐内さんが狼と言い切れるほど、狐の常悟朗は「本性」を知っているのに、復讐において小佐内さんがドジするという心配をするというのが作品のカタルシスを減らしたなあと思います。

 ここは小佐内さんの怒りや高校という年齢から言って、どれだけ悲惨な復讐が成し遂げられるか、を心配するくらいでちょうどよかったと思います。本来2人は頼られたら何とかする同盟であって、心のつながりが希薄という前提まで崩してしまいます。
 これは堂島を相手に推理を語らせないと推理として成立させられないからだとは思いますけど。

 それと小佐内さんの復讐に「わからせ」がないです。題名に冠したいちごタルトと自転車泥棒の報いだ、というのが坂上は知ることができません。これを復讐の完遂と呼んでいいかどうかです。

 自転車にまつわる事件を連続させた工夫は感じます。が、最終的には「小佐内さんの内面の恐ろしさに驚愕するミステリ」が本作「春」段階ではそこの描写が弱いので出来損ないの「氷菓」に見えるのでしょう。「氷菓」は各事件の解決の下に潜む人間性・隠れた動機が実は最大のトリックで、さらに作品を通じて主人公が覚醒する話です。その氷菓における隠れた動機に対応する「小佐内さんの本性」の描き方が「春」だけですと非常に弱く、故に面白さが中途半端です。

 それをアニメにしたから、まあ、こうグダグダになったのでしょう。特に3話の小佐内さんの描き方が弱すぎるなあと思いました。ただでさえ短い「春」の話を削った影響もあるかもしれません。

「夏」の方がその意味では本番です。1クールで4話しか「春」に使わないのは当然、主軸は「夏」ということです。推理小説ものなので最後まで見ますけど、やっぱりアニメ化に向かない上に、制作が見せ方をちょっと間違えたのかなあ…という気がしなくはないです。{/netabare}


5話 シリーズの中で出来が良い作品。冬服に戸惑わない方がいいです。

{netabare} この「伯林あげぱん」の話は日常系推理としての出来が良く、与えられた素材から推理される内容もその推理が必要で小鳩が巻き込まれる過程も、自然に描けていたかなと思います。「氷菓」の面白さに匹敵するコミカルな感じも良かったと思います。

 そして、小佐内ゆきというキャラの性格というか行動原理が適格に表現されていて、そこの使い方が見事です。話の導入として読者の疑問を掻き立てるのが非常に上手かったです。加えて堂島が新聞部ということも活用できています。

 ただ、少し画面から違和感を感じないでしょうか?5月の設定なのにどう見ても冬の印象を持つ作画、美術、色彩になってませんか?
 直接推理にも話の面白さにも引っ掛からないのでネタバレすると、本話は「巴里マカロンの謎」に収録されていて、時間軸でいえば1年生の冬になります。(追記 さっきまで2年の冬だと思ってましたが、原作確認したら間違っていました)

 この話は本来原作では1年生の年末に近い時期の話で、「春季限定」と「夏季限定」の間の話になります。それがアニメだと小鳩はいきなり2年A組になっています。春と夏の間という時間軸は変わらないのですが、部室のホワイトボードは「5月」と表示されています。つまり、無理やり2年生の5月の話だと改変しています。
(追記 そうそう、なぜ仲良くなさそうな新聞部でこんなことをしたかと言えば、原作では年末の取材の一環でした。ベルリーナー・プファンクーヘンはドイツでは大晦日または2月の謝肉祭に食べられることが多いそうです。それは調べないとわからないのでまあいいでしょう)
 
 話そのものに影響はないのです。ですが、5月なのに画面が寒々しく全員がきっちり制服を着ています。部室の窓もしまっています。午後4時45分なのに夕日になっています。つまり、冬のつもりで作っている人、5月のつもりで作っている人が混在しているような不思議な画面になっています。これは何か事情があるのでしょうか?

 その画面上の不自然さはおいて置いて、これを説明というか何もなくいきなりここに差し込むのは、アニメとして効果的かどうかは疑問です。まあ、これから「夏季限定」が始まるので2年生にいきなりなっていると戸惑うので、無理やりここにいれたのでしょう。ただ、アニメとして説明が不十分すぎます。

 と、アニメの画面の印象と、シリーズとしての説明の工夫にちょっと疑問は感じますが、そうは言ってもこの1話は大変面白い話でした。キャラたちの性格が悪すぎるのは相変わらずですけどね。{/netabare}


6話 この話は面白いですが、単なる小休止のエピソードでしょうか?

{netabare} 冒頭のお祭りのシーンは原作でもわかりづらいというかはっきりとは確定できないのですが、「会いたくない人」に意味深長なものを感じたのですが、その辺は伏線だと思います。あえて自転車で来たと嘘をついたのは{netabare}「自分は見られたくないけど、相手の顔が見たい」 {/netabare}という小佐内さんの事情が原作では小鳩によって推理されますが、アニメではありませんでした。綿あめも本当に食べたいのもあるでしょうが、 {netabare} 顔を隠す {/netabare}という意図もありました。
 ですが、本作アニメではそこをサラリと流しました。推理としてフェアかどうかはアニメ制作者は考えた方がいいと思います。

 それとこの祭りのシーンで「春」では表現しきれなかった、小佐内さんの本質ですね。小悪魔的ではなく悪魔的に、完全に小鳩の内面を翻弄しコントロールしている感じを描くシーンだと思うのですが、そこがちょっと弱かったかなと。

 そして原作で明確でないのがこの時点で小鳩は小佐内さんをどう思っているか?なんですよね。「春」の教習所の件から、互恵関係と言っている割に小鳩は小佐内さんに甘い感じです。そこに恋愛を見出すことはできますが、それはミスリードでしょう。

 このシャルロットで言いたいのは、小鳩の側でも本当は推理を披露する機会が欲しくて、小佐内さんを利用しているということでしょう。小佐内さんがほぼ唯一のその性癖の理解者です。ですが、小佐内さんはそれが分かって小鳩を利用し支配しているというのが、この祭りとシャルロットで描かれたのかな、と。

 それとまあ、これはネタバレですから隠しますが、 {netabare} この構造が「夏」の大きな仕掛けになります。この6話は「5話と同じく出来がいいちょっとしたショートストーリー」…では無く「夏」事件のキャラ造形としての伏線になります。{/netabare}
 こういうところが「春」に比べて「夏」の方が話としては進化したかな、という部分です。

 演出について。シャルロットのパートなんですけど「何やってるの、小鳩くん」は、心象風景ですね。こういう演出が分かりやすいかどうかはちょっと考えた方がいいかもしれません。
 あと、ネタバレになるので詳しく書きませんが、箱の中のレイアウトはちょっと原作と違うニュアンスになっています。{/netabare}


7話 小鳩と小佐内の表情をどう読み取ったかを覚えておきましょう。

{netabare} ハンバーガーショップの地図の件は、原作だと謎になっていたんですけど、画面でみると成立してなかったですね。どう描くかをちょっと楽しみにしていたんですけど、演出が付いて行ってなかった気がします。
 一方今回の小佐内さんの変装は笑ってしまいました。ついでに、なぜいつも変装しているのかも明言はされてないですが、そこを考えても面白い気がします。

 1話で小佐内の好みを「和菓子ではなくバターとブランデーが効いた濃厚な甘さ」的なものと言ってしまったが故に、鋭い人は小佐内のスイーツに綿菓子とかリンゴ飴が含まれることに、何かの仕掛けか?というアニメ独自の読み方ができてしまいますね。制作スタッフが意図的に入れたのか、何となく入れたのかが良くわからないセリフでした。

 あと、7話の小鳩の表情はそれでいいのか?という気がしなくはないです。ちょっと私の解釈とは違います。一方で小佐内の表情は私と同じ解釈かな、という気もします。小鳩の表情を本作アニメ版のように捉えると、結末がもっと楽しくなると思うのでそこはなるほどな、と思いました。

 この表情についてはアニメでは意図的にかなり丁寧に作画していたと思います。6話の構造と合わせてしっかりとチェックしておきましょう。そして7話の印象を最後まで忘れないようにしましょう。{/netabare}


8話 さて、前提が終わりました。ここからが最大の山場です。

{netabare} かなりあっさりと誘拐事件を描きましたね。原作からして薄めの本ですので、描き方のテンポとしては悪くない気もします。もうちょっとヒリヒリさせるよう、ここは引き延ばしても面白かったかもしれません。

 で、誘拐事件の本編はこれからです。楽しみに待ちましょう。私はこの作品が大嫌いですが「夏期限定トロピカルパフェ」という作品の出来の良さは認めています。夏祭りとシャルロットの味わいが活きてきて、見事な推理小説的な展開と構成でした。

 トリックの種類は ※ネタバレ注意※ {netabare} 他人(小鳩)が語る(小佐内)さんの叙述トリックという感じです。小鳩が8話で行ったことは、そういうガワで見えているという表面上のものだけで、これに視聴者はだまされます。

 注意。具体的内容。{netabare}事件そのものは犯人が引き起こしたものですが、それを事前に察知しその事件を監禁・暴力事件から営利目的の誘拐事件という非常に重い罪に見せかける復讐を小佐内さんが仕掛けます。
 その仕掛けの片棒を担ぐことを小鳩が誘導されて意図せずに行ってしまいます。最大の犯人が小佐内さんだということです。その意味で「春」事件のときの小佐内の描き方が弱いので夏のカタルシスが弱くなるなあ、と思っていました。

 変装の意味、なぜ夏祭りのとき顔を見られたくない相手の顔を見たかったのか、シャルロットのときの小鳩の事件を解決したい心理を小佐内さんが確認したこと、小佐内さんとの関係性に顔を緩める小鳩の表情、逆にそれを知った小佐内さんの悪魔的な表情、なぜ事前に地図の場所を把握できていたのか、小鳩に地図を事前に見せたのか、なにより最大のトリック「小市民」という単語の我々のこざかしいイメージの回収。

 つまり、本作は小鳩VS小佐内であり、小鳩が小佐内の手のひらの上で踊る話です。さらに言えば小市民という人を馬鹿にしたような自分たちの小賢しい考えに気づき、関係が破綻する話です。ですので、6話で小鳩がまるで小佐内のことが好きなような表情を見せたことが効いてきます。苗字に小が付くのも原作者の悪意を感じます。この辺、本当に素晴らしい仕掛けでした。{/netabare}

{/netabare}

 こういう感じですので、肝心なのは次回です。事件の説明の中に潜むいろんなものを理解してこの作品の「味わい」を拾いましょう。何度も言いますが、私はこの小説が大嫌いです。

 これが、この作品の1話でレビューした小佐内≠千反田えるの意味です。今のペースだと9話か少しじっくりやって10話くらいで終わる感じですが…それともいろいろアニメだと私が本作原作を嫌いになる理由に何かアニオリが付いて意味を変えてくる可能性がある尺ですね。

 以上のような話です。せっかくここまで見た人は、最後まで見ることをお勧めします。 {/netabare}



9話 出来はいいですが、小説の面白さとキャラの魅力のバランス問題。

 というわけで、この展開は素晴らしいと思います。一方で推理小説に関してはキャラ萌え派の私にとっては最大の裏切りでした。だから、この作品の出来の良さは認めても、嫌いな小説ということです。

 今回アニメ化にあったって、小佐内さんの内面が見えないことが最大の面白さになるわけですが、そこは小鳩を語り部にすることで結構うまく機能したかなとは思います。しかし、それゆえに本作の魅力、キャラの魅力という点で物足りない部分になっていました。
 特に「春」においては「それだけ?」という感覚が強いので引きが非常に弱かったです。ただ、この9話までの部分を仕掛けた「夏」は推理というより小説の展開として高く評価したいと思います。

 小鳩常悟朗って結構不自然な名前ですよね…多分結構悪意があると思います。「小さな鳩で、常に悟る」です。「朗」の意味はいろいろですけど、ほがらか、明るい、声が高らか。つまり「さかしい小さな鳩がさえずっている」とも取れますから。

 そして、小説の小佐内は大っ嫌いですけど、今回小鳩の描き方が賢しさとか、にやけた表情とかが上手かったので、小佐内のキャラが結構魅力的に思えました。その点ではアニメ化の意味はあったかなと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

小市民の星

ラパントラック制作。

清く慎ましい小市民を目指す小鳩と小佐内、
平穏な高校生活を望むも、推理の得意な、
小鳩の元には様々な事件や災難が舞い込んでくる。

涼やかで綺麗な映像描写とちょっとした推理劇、
実写ドラマを意識しているそんな印象も受けますが、
静かなメインキャラは疲れないので良いです。

少年と少女、不思議な関係ですね。
{netabare}穏やかな時間を享受し、互いに助け合い、
完全な小市民を目指そうって!?
ここらあたりは、善意に解釈しましょう。{/netabare}

季節感溢れる青春×学園ミステリー、
素敵な作品になればと期待しています。

5話視聴追記。
新聞部部室での伯林あげぱんの謎解き、
{netabare}冒頭の小佐内の描写に見事に落ちもついて、
良くまとまった楽しめる回となっています。{/netabare}
 
最終話視聴追記。
娯楽性は乏しいのかも知れませんが、
文学的な会話劇、最後はお見事でした。

{netabare}水面下で遂行される過去の因縁への報復、
誘拐されることにより相手を罰し社会的に葬る、
用意周到なおそるべし少女の思惑が完遂する。

これで2人の関係は解消されたのでしょうか、
小鳩が選んだポップコーンの味は甘くない塩味。{/netabare}

続編を楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 34

はろい さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.4

このアニメの原作は氷菓と比べるものではありません。

どちらも面白いところがあり大好きです。

ただ、氷菓はアニメが成功しましたが、
小市民は今のところ受け入れられません。


観るつもり無かったのですが、挑戦もしないで否定するのが嫌なのと、
観た人に遅れをとってしまうのが嫌なので観てみました。

箇条書きです。
・小佐内さんの声がイメージと違い過ぎる
・キャラデザが好きではない
・OP・EDやSNSでの告知、アニメの雰囲気がバラ色過ぎる
・PVで観た小佐内さんに違和感がある


淡々とした世界に小鳩君と小佐内さんとスイーツが並んでいるのを求めていたので、一度断念して時間が経ったらまた挑戦してみます。


原作は原作、アニメはアニメとして考えるなら、キャラ、音楽、雰囲気の時点で観ても無いです。
特にPVの「一番大切なものって」の部分の雰囲気が気持ち悪くて無理です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

68.6 16 2024年夏(7月~9月)アニメランキング16位
〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (78)
371人が棚に入れました
高校を卒業し、阿良々木暦の物語は終わった。 今度こそ、本当に終わった。 しかし暦に助けられた 彼女たちの物語は、 終わってはいなかった。 青春の中でもがく彼女たちの、 前日譚、あるいは後日談。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

シリーズの疲弊は新房演出ではもうカバーできない。前半はかなり面白かったですが…

 前半の撫子のストーリーは、撫子が阿良々木と絡んでいろんな出来事があったので、その総括あるいは未来につながる可能性を見せてくれました。もともと他のキャラよりも非常に一般人の感覚に近いし、ダークサイドも表現されていましたので、キャラ造形に深みがありました。

 エンタメとしても斧乃木余接との絡みが面白いし、何より演出に力が入っていたので見ごたえがありました。

 後半の忍とスーサイドマスターは面白くないとはいいません。最後まで見られたので。ただ、それは私に物語シリーズとしてなじみがあるから慣性あるいは惰性で面白さを感じるだけであって、客観的に見たら面白さはかなり微妙だったと思います。

 というのは撫子と違い、スーサイドマスターもバスケ部のメンバーもまったく思い入れがありません。忍も阿良々木との絡みでドーナッツギャグとかやっている分には良いキャラなんですけど、600年とか長命と眷属から無理やり話を作っているだけに見えます。そして、撫子の前半に比べてテンポが悪すぎます。非常にかったるい時間でした。

 作画はさすがです。非常に美しいものでした。声優さんも豪華だし言うことはありません。OPEDも面白いと思います。ただ、新房演出だけではもう面白さは担保できないところにシリーズは疲弊していると思います。

 新しい表現に挑戦するのも手かな、と思いました。評価は要素としてはハイレベルなので高くなりますが、主観的には70点はいかないかも。前半が90点なら後半は50点。話数で加重平均すれば平均で70点を下回るかなという感じです。



1話 挑戦的な映像は想像以上で驚きました。そして女子がすごい。

{netabare} もう映像表現のレベルが段違いですね。作画レベルとかエフェクトとかそういうことではなく独自性とか挑戦とかそういうところがすごくて、映像そのものを楽しめます。「作画がすごい」と言われているアニメとは違う方向性ですが、その映像表現の斬新さに驚きます。

 そして、女子表現。そう、女子を描きたいという気持ちがものすごいですね。とにかく斧乃木余接の映像表現がすさまじかったです。

 あと、過去多用していた文字芸も一部使用していますが、あまり多用しなくなりました。化物語の時代は紙芝居でしたけどかなり動きも出ています。

 内容はいつも通り寓話もテーマもなく「物語」です。意味性を付与することはできるでしょうが、それは本作の楽しみ方ではないでしょう。そして、だからこそ面白いとも言えます。残念ながら本作の部分は原作を追っていないのですが、また読みたくなりました。

 想像の数段上を行くクオリティでした。体感10分でした。これは楽しませてもらえそうです。{/netabare}


2話 撫子は人間味がでてロリっ気が無くなったせいか非常に可愛くなりました。

{netabare} 今まで千石撫子って、無駄にエロかったしキャラが立っていましたが、あまりに計算されたキャラで私はあまり好きではなかったです。が、今回はいいです。人間的な弱みが出てきたせいか、ロリっ気が抜けたせいか、非常に魅力的です。

 で、話ですけど、進路問題とかプロの1万時間とかもったいぶって深そうな話になりそうで、結局非常にばかばかしい展開になります。成長とアイデンティティの問題にもなりそうですが、まあ、どうせ相対化してメチャクチャな話にするんだろうな、という気もします。それが面白いんですけどね。

 それ故に名作にも秀作にもなりえない構造だと思います。オフシーズンなのでそれでいいんでしょう。それでいてキャラが深掘りできる。本当にアニメ界の中では特異な作品だと思います。

 しかし、絵がいいなあ…なんなんでしょう?すごすぎ。で、EDはYOASOBIなんですね。歌詞はちゃんと撫子の成長と変化のこと歌ってるみたいですね…よく聞き取れないですけど。{/netabare}


3話 ここにきて最高の映像でした。思春期「気分」の描写が良い回でした。

{netabare} やばいです。映像がすごすぎて見入ってしまいました。1話もすごかったですけど、3話は格別です。特に前半が素晴らしかったかな。作画がいいといわれる作品は沢山ありますが、映像としてここまで人を引き付けるセンスには脱帽するしかありません。OPももちろんすごかったです。それと音響も細部にわたって工夫があるようです。

 この作品、含意はあまりないですけど「気分」はあるんですよね。思春期の気分、中学生の孤独、親との関係性。それがそれぞれの実体験と合わさると含意に似たものができる感じでしょうか。本作は成長という題材をちりばめていますがそこに解答がないのは、この作品における化物の位置づけそのままです。

 その気分を共有できる老倉との会話も良かったですが、本当に綺麗なキャラデザだなあと思います。記号としての美人のキャラはいくらでも見てきましたが、普通に絵として美人だと思える数少ないキャラです(私はツインテール時代が好きですけど)。

 いや、面白い。最高です。映像もテンポも演出も内容も何もかもがいいです。すごいとしか言いようがないです。 {/netabare}


4話 今回は見るべきところがなかったかな。

{netabare} 今週はちょっと映像的には見せ場がなかったかなあ。逆撫子の襲撃シーンくらいでしょうか。いや、もちろんレベルが高いのはわかりますが、3話がすごすぎました。来週以降の「ため」でしょうか。

 面白さもちょっとだけ中だるみの回でした。コロナにかかって咳をしながら見たせいかもしれませんけど。次回話が大きく動くでしょうから映像、展開の両面で期待です。{/netabare}


5話 超人気シリーズ故の贅沢で稀有なキャラの掘り下げ。

{netabare} 冒頭の方の絵画的な画面が美しかったです。手ブラの撫子の群衆もちょっと驚きました。

 まあ、そういう視覚的な面がすごいのは1話からずっとなんですけど、話が面白いですねえ。化物語シリーズは含意がないと思ってましたが、今回は結構成長課題を乗っけてきましたね。ただ、それが本作では特殊で、人気シリーズ故に物語内でストーリーとして見せた撫子の顔が本当にある、という点です。

 撫子は特に心に闇を抱えている分、非常にいろんな話の主役となりました。そこを逆手にとってここまでのキャラの総括に仕上げてきたのは、本当に素晴らしいと思います。超人気シリーズだからこその贅沢で稀有な話ですね。{/netabare}


6話 負けヒロインの再生の物語。本当に面白くて素晴らしい内容・映像でした。

{netabare} 1人のキャラの再生の物語をよくぞここまで、丁寧に面白く描きました。素晴らしいと思います。「負けヒロイン」のその後に続く物語に普段あまり目を向けませんが、彼女たちにも成長がちゃんとあります。そして、次の恋愛に向けて再スタートを切ります。

 少し強引なハッピーエンドではありますが、それは1つの事をやりきることと、自分の反省をしっかりする。そして、過去に見切りをつける。これがあるから、受け入れられます。

 しかも、2話~5話の間、たった1人の内面と成長をほぼ数名の登場人物だけで描き切りました。その構造で、まさに自分で自分を見つめなおす物語になっていました。
 作品の内容も素晴らしかったですが、少ない登場人物でこれだけ面白く飽きさせない作品に仕上げたのもまた素晴らしいです。{/netabare}


7話 日常と心の闇の構造でないので、キスショットの話は面白くない。

{netabare} この話を見てこの物語シリーズの何がつまらないか、やっとわかりました。キスショットの物語が面白くないんですね。
 私は「傷物語」のレビューは結構ボロクソに書きました。映画3本にまとめたこと、色合いなどなど。ですがそのいら立ちはキスショットの物語に対する反発のような気がします。

 物語シリーズにおいて、他の女子キャラと化者の物語は日常の中で、自分の心の歪みと周囲の人間の軋轢が生み出す闇のような存在です。それが助かるのは自分でしかないといことだと思います。

 ところが、キスショットの話って、設定なんですよね。キャラ造形に後から付け足したのも不満ですが、少なくとも物語シリーズにおける怪異の在り方とまったくかけ離れています。新規の奇異なキャラを登場させてまさに茶番劇を繰り返すしかなくなってしまいます。

 そこが私には面白くないんだと思います。6話までと比較して評価は残念ながらかなり落ちるだろうなあ、という気がします。撫子の成長を感じさせる物語と違って過去の話ですし。
 不思議なのは原作者はしつこくキスショットの話を書きたがっているのなぜでしょうか? {/netabare}


8話 このパートはストーリーもキャラも美術もセリフも嫌い。2話で区切りがついて良かったですが…

{netabare} さて、キスショットの過去の設定のための設定のような、寓話とは似て非なる言葉遊び。本当にキスショットの昔話は話は面白くないです。

 スーサイドマスターから見た場合は、何か読みとれるものがあるかもしれません。死を無駄にしない、喰うことと愛することは同じ…いろいろ感じるものがあるかも…いや、やっぱり言葉遊びも良いところです。しかも、キスショットがらみだとキレがないです。やっぱりダメです。本当に面白くない。いかにも後付けの設定の説明が嫌いです。

 このまま後半がこの話だったら切るつもりでしたが、7,8話で終わり見たいですね。この先どうなるかです。現代でスーサイドとキスショットの話が続くのか。まあ、現代劇で他のキャラがかかわってくるなら、面白さも期待できなくはなさそうです。ですが、できれば違うキャラで展開してほしいなあ。{/netabare}


9話 神原と阿良々木の安定感。話も面白い。演出は手抜き?

{netabare} ロリキャラ(撫子含む)じゃないとスタッフのやる気が無くなるのでしょうか。前半の演出の豪華さがないのはは不満点です。

 冒頭スーサイドが出来てきてちょっとがっかりしましたが、結果的に話は面白かったです。暗号のところが冗長でしたけどね。新キャラがですぎで、感情移入という点で心配でしたが、神原と阿良々木が出てきたので、その点はいつも面白さが出ていました。

 なかなか、いいんじゃないでしょうかね。やっぱり撫子のところほどじゃないですけど。{/netabare}


10話 ロリ大集合も忍と八九寺はなあ…斧乃木ちゃんが必要な理由がわかります。

{netabare} いつものロリキャラが大集合である意味ほっとするような展開ですが、やっぱりキスショット関係の話は興味もてないなあ。実は八九寺も形骸化してしまい、パタンギャグとしてもパワーが落ちてるかなという気がします。斧乃木ちゃんが必要な理由がわかります。この子は無表情設定で強引ですけど何をしてもギャグになります。

 それはそうと7つの奥義って刀物語の奴ですね。そういうメタギャグはもう古いかなという気もします。作品数がありすぎて全員の共通認識じゃないですからね。

 あとEDについて触れてませんでしたが、私は曲そのものの出来がいいし、化物語シリーズに合っているので悪くないと思います。珍しくアニメのクオリティが付いてきてない気がします。{/netabare}


11話 会話劇を演出で魅せる手法の限界かな?

{netabare} 最近、アニメ作品の情報量について考えているのですが、この作品って妖怪が出て事件が起きてバトル的な展開とならない限り、完全な言葉遊びなんですよね。特に言葉遊びが激しいのが忍のパートだと思います。その会話劇は1次元の情報です。だからこそ演出で魅せないと本作は成立しないのですが、さすがに演出はすごいとは思うのの、シャフト新房演出は、過去に見たことがあるものの変化形でしかありません。つまり、視聴者を引き付けるには圧倒的に情報量が不十分な気がします。

 今のOPを見れば、昔のサスペンス劇場のオマージュとしてよくできているのはわかりますが、ウエルメイドというのが、見飽きているというのと同じ意味になってしまっています。

 やっぱり、物語がないと作品にはなりません。その物語が後半は薄味すぎます。{/netabare}


13話 なんと14話がある!というのが一番の驚きでした。

 ずっと単調な会話劇が展開しているだけですね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ぴーすぴーす

シャフト制作。

阿良々木暦の物語は無事終了するも、
彼に救われた少女たちにまつわる、
いくつかの前日譚、後日談が語られる。

公式発表では愚物語、撫物語、業物語、
そして大学生編である忍物語とある。

開幕は付喪神の童女、斧乃木余接による、
永久の怪異しでの鳥についての観察報告、
つまり阿良々木月火の日常の監視である。

{netabare}彼女はしでの鳥の現世での姿であり、
あらゆる傷を癒すがゆえに何も学ばない。
肉体のみならず、心の傷まで癒すがゆえに、
人生を省みる必要もなく学ばないのである。{/netabare}

超ド級にやっかいなキャラである。

多彩な映像表現と音楽、
相変わらず楽しくて安心しました。

最終話視聴追記。
終幕は女子高生ミイラ化事件の顛末、
{netabare}バスケ部員の心の闇が吸血鬼を呼び寄せたのか、
万死の吸血鬼スーサイドマスターも登場し、
キスショットとの因縁も語られる。

怪異にはそれにふさわしい理由がある、
少女の青春の迷いが悲劇を生んだのである。{/netabare}

個性溢れる面々の喜劇にして悲劇、
そこが物語シリーズの魅力なのでしょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

化物たちのオフ会

オフ会なのにオンラインオンリィとはこれ如何に…。
課金せずに文句垂れる不届者は誰だ!
気になりだすとポップアップ広告並にイライラが募る訳だが、内容は何処までも化物語の世界からはみ出すことはない。
それどころか、記号化された街並みや風景は、初期の作品のテイストを踏襲、さらに洗練されシンプルに。一足飛びに、彼女たちが息づき、取り残されたネバーランドに迷い込み、その一挙手一投足から目が離せなくなる。
お見事である。
                (2024/08/24)

デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター

聞き取れなかったので、うっかり調べていたら、
『どうやら、またネタバレを喰らってしまったらしい』
要は、遅れて参加のマスターさんは免疫がなかったということでして…
必死が仇となっての決死行でありました。
拡散は万死に値する訳でして、この辺りでお開きに…

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

67.7 18 2024年夏(7月~9月)アニメランキング18位
義妹生活(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (148)
409人が棚に入れました
高校生・浅村悠太は父・太一の再婚をきっかけに、同い年の少女・綾瀬沙季とその母・亜季子と一つ屋根の下で暮らしていくこととなる。 互いに両親の不仲と離婚を経験しているがゆえに、男女関係に慎重な価値観の二人は、義理の兄妹として適切な距離感を保とうと約束する。 「私はあなたに何も期待しないから、あなたも私に何も期待しないでほしいの」 考えを述べあい、すり合わせを重ねることで、互いを理解していく悠太と沙季。 新たな生活に居心地の良さを感じはじめた時、二人の関係はゆっくりと、しかし確実に、変化をはじめて………… これは、いつか恋に至るかもしれない物語。 “他人”が“家族”へ、そしてその先へ。 少しずつ変わりゆく日々を映す、恋愛生活物語。

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

やたら描写が細かい。それが雰囲気づくりに貢献していて面白さも感じる

1話感想 3.1 なんか独特な変なテンポというか雰囲気が。悪くはないですが…

うーん、何でしょうねこれ。

いや、主人公はまあまあ共感できます。
初対面の相手にやたら横柄だったり馴れ馴れしかったりする男主人公は多いですが、最初はちゃんと丁寧で、相手の希望をちゃんと聞いて砕けた口調にするなど、悪くないです。

義妹も別に過剰にツンがきついわけでもなく、むしろ自然な、急に異性が同じ家にいたら普通に警戒するレベルで普通です。

というわけで、2人の対応は決して不自然ではなく自然な感じで悪くないとは思いました。

…でも、なんですかね? 独特な変な空気感といいますか。テンポというか、なんか変。
なんか良くわからない演出が… 最後の電気はなんですかね? あれはわかりやすく意味不明な描写でしたが、それまでもなんとなく空気が、ちょっと変というか。

独特な変な空気感があって、ちょっとなんか…。
なんだろう? 嫌だってわけでも無いんですが、何でこうなのかな? と引っかかるような… でも別に嫌ってほどではないんですけどね。

後は作画も全体的にちょっと微妙なのが残念なところ。
いやあくまで微妙でひどいってことは無いんですが。
でも途中崩れていきそうかなぁ。

いやコメントが難しいですが… 正直変です。
違和感があるってのは何か狙いがあるというか、単に出来が悪いんじゃないかな…。

でも変なセンスというのは決してダメダメではなく、何だこりゃ、と人目を引く部分もあるので…
ま、クオリティの割には、ちょっとは見たいと思えました。

でもクオリティが低いのは確かなので… 見るかどうかは考えます。

2話感想 3.6
こちらで他の方の感想を読んで違和感の正体に気づきました。

本作は、描写がやたら細かいのですね。

人間というのは多数無駄な動きがあって、実際には色々なことをやっています。
しかしアニメというのは些細な動きを書いたらその分作画コストがかかります。
だから些細な、本題に関わらない無駄な動作は一切省いて、ストーリーの進行に必要な描写だけを行うのが、当然だと思っていました。

なのに本作は些細な描写を、やたら細かく描いているのですね。
普通なら描かない、省略するような描写が多数あるから、『何か変』という違和感すら覚えたのでした。
アニメの文脈に慣れすぎていたせいですね。気づかず恥ずかしい…。

とはいえ、その無駄な多数の描写が雰囲気作りに役には立っている面はあると思います。

気付いたことで、本作に対する興味がぐっと増してきました。
視聴継続したいと思います。

全話感想
まあなんといいますか、独特な空気感、テンポ感のある作品でしたね。
内容としては具体的にどうというわけでもないのですが、なんとなく独特な空気があってそれが物珍しくて興味を惹かれました。
まあ面白かったかといわれればうーんってな感じなんですが。

しかし途中にあった妹が兄に身体を売る的な話はなんだったんでしょうね。
いやそれ自体は良い展開なのですが、結局未遂で終わるんですが、さらっと流すには重すぎるような。
注意して終わりで良いんでしょうかね。
まあ未熟な高校生、間違えることもあるってそんなものかもしれませんが。

とにかく、こういう空気、テンポはあまり見ない、という点で希少な作品ではあったと思います。希少というのはありふれているよりはよほど良いので、ちょっと評価対象です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

キャラ全員が同じ人みたいな印象。終わってみれば演出が不快です。

 最後まで見られたのでその点は評価してもいいかなと思います。で、評価ですが本作で気になったのは2点。演出に内容(心理)が伴っていない気がしたのと、1人の独白をずっと聞いているような印象です。特に演出については作品を正確に読み取らせようという姿勢ではなく、ミステリアスなイメージ作りでしかなく正直これはどうよ?と思います。

 あのサイコロの目というか点字みたいなサインが何だったのかも私は読みとれていませんでした。沙季は音楽を聴いている=心を閉ざしている、現国が分からない=人の心が読めないという自閉症的な感じはしたものの、それがストーリーとリンクしているだろうか、突然悠太と同じアルバイトに面接に行ったり髪を切る衝動と結びつくだろうか、完璧主義と行動は言行不一致ではないだろうかなどと考えてしまいました。
 また、ジェンダー云々の発言も彼女の何を意図していれたセリフなのかはわかりますが、彼女を形作っている情報とか知識とはそぐわない気もしました。まして母親の水商売を旧父に対して論理的に擁護する立場ですからね。

 で、最後にギブアンドテイクかあ…人に聞くのが正しい勉強法でもないし、この辺はまだ沙季が幼く何もわかっていないと言いたいのか、物語としての主張なのかもよくわかりませんでした。

 最後の悠太の語りで結末はまとまった気もしますが、悠太と沙季がなぜ惹かれあったのかがやっぱり読み取れませんでした。同じ時間同じ空間を過ごしたからというには短すぎる気もするし、同類の親近感なのか、ルッキズムなのか、相手の弱さが愛おしいのか、家族という障壁が燃え上がらせたのか。その辺がよくわからない…というか、沙季も悠太も口で説明しかしてない気がしました。言葉と内面の不一致があってこそのラブストーリーだと思うのですが。そこがこの後、破局する物語ならわかるんですけど現状では保留という感じですね。

 一番気になったのが、この作品ってキャラの価値観の相対化ができていない気がします。やっぱり1人の人間が考えた道徳や恋愛観、社会、家族、男女などの一つの視点で見た世界観の中で、男女を配置して原作者の代弁あるいはコマとしてキャラが説明しているだけに見えました。大人の意見が大人に聞こえない、変わった人間設定の人間が変わっていない。准教授のところが顕著でしたが、やっぱり全部1人の口から出たセリフをキャラだけ変えて説明されているような印象が、特に後半では感じました。

 恋愛ものとしては「隣の〇〇」的なものの一種かな、という印象です。これは「都合の良く美少女と突然同居したら?」という作品です。原作をある程度読んだのでその印象は間違っていないと思います。演出の妙で心理劇のような印象を作ったのは、制作陣の上手さでしょうね。この作品をよくここまでもったいぶって作ったと思います。ただ、それは視聴者を裏切ったことにもなる気がします。

 テーマとして家族とは何か?も全く描けておらず、障害と義務としてしか機能していませんでした。そして障害としても低すぎるでしょう。それは父母を全く描けていないからだと思います。演出で重い感じを出していますが、雰囲気だけの演出はストーリーの邪魔にしかなりませんので、その点は一番頭にきています。

 なお、最終回の作画って結構崩れてました?別の作品かなと思うようなところがありましたが。

 点数はストーリーとキャラは2.0。演出はだましに近い気がするので作画に入れて1.5…ですが前半の作画は良かったので2.5にします。無音を使ったのはよかったので音楽は3.5にします。





11話までと原作4巻まで読んでのレビュー

 この原作の評価は、1人が考えた想像上の会話を聞かされている…という感じでした。「ゆっくり動画」の魔理沙と霊夢と言えばいいんでしょうか。情報や主義主張を語るだけでなく、一応プレゼンテーションとして会話劇にするという感じです。スマホでアフェリエイト狙いの冗長なブログとかとも共通しています。

 つまり、キャラが活き活きしていない気がします…というと情緒的すぎますかね。キャラが「ゆっくり」と同じように作者1人の言いたいことを代弁している様子が透けて見えるといえばいいんでしょうか。
 その印象の証拠として准教授が分かりやすかったですね。准教授と女子高生の会話への流れ、出会いすべて不自然です。なにか説明の場面を無理無理つくるために、ぽっと登場させたキャラであることが見え見えというべきでしょうか。
 で、准教授との会話が特に顕著なんですけど、知識人である大人と高校生の会話に見えないんですよね。「ちょっと勉強したんですけど聞いてもらえますか?」という説明を会話風にされている気分です。驚きも感動もない一般人の主義主張です。
 それを単に問答形式に2つの人間に分けただけで、会話にキャラ造形が透けてきません。言葉にバックグラウンドが感じられません。つまり作品のキャラがキャラ化できていないといえばいいんでしょうか。

 で、アニメなんですけど、恐らく監督か演出かわかりませんが、そこはちゃんと見抜いたんでしょう。軽くなりすぎる。キャラが活きない。だから、悠太の方の1人称を3人称の視点にして、意味深長な演出で心情がある風な演出にしたんだと思います。そうすると「深いかも?」という錯覚になるんだと思います。私もそうでした。

 義理の妹、兄を好きになる。それだけならアダルトコミックと変わりません。どんなテーマが入れられるか?ですが、うーん…ちょっと父母の言動といい、准教授といい「私の考えた主義主張」的な浅さがあるかなあ…やっぱり家族を解体させて、改めて付き合うとか何かが無いとなあという気がしました。原作評に近くなってしまいましたが、こんな感じでしょうか。

 一応もう1話でしょうから、12話を見て修正点があれば追記します。









1話 見てると息苦しくなりますが、それが2人の気分なんでしょう。

{netabare}  見てるだけで息苦しくなりますね。それが2人の気分を表していて、つまり演出意図だと思いますので、その点ではうまく描けていると思います。ちょっと主人公・ヒロインの言動が理に走りすぎかも、と思わなくはないです。今のところまだまだ原作者がキャラに乗り切れてないかな、という部分でしょう。

 ヒロインの目の中が賑やかすぎるのがちょっと違和感を感じますし、キャラデザは可愛いし作画もいいですが、正直「最近のラブコメヒロイン」のバリエーションでしかありません。その点で言っても記号的です。
 ここから感情が表現されて、作者の描きたいことが見えてきて、キャラの裏がみえてくるかどうかですね。そう…思いっきりドロドロして欲しいです。

 この時間競合する作品がないので、ちょっと見てみようかなと思います。作品がどう展開するか気になるので、3話までは確認して継続するかどうかでしょう。{/netabare}


2話 え、これは考察しろって言ってる?最後の方のあのシーンは何?

{netabare} あれ、何か超能力的なものがあるの?最後の方は何?雨が降るのが分かるというのと何か意味がかかっている?という感じでの最後でしたね。

 正直言えば全部セリフで説明してくれるので、せっかくいい雰囲気なのにちょっともったいないかなと思います。2人の距離がいきなり近すぎるのも若干不自然です。

 まあ、売りがどうのこうのというのは作品を重くする常套手段なので、うまく描かないとチープになるなあ、とは思います。見た目の問題も完璧に綺麗にするというのは、女性心理としては創作の中では意外性はありません。独立志向、家庭が嫌で独り立ちを急ぐ少女に普通にありそうです。

 が、何か仕掛けがあるならそこは作品の本質じゃないのでしょうか。あの壊れたイヤホンについて何か考察しろ?ということでOK?まあ、気になりますね。これは見ちゃう奴かな?{/netabare}


3話 面白いし雰囲気いいですが、全部セリフで説明しちゃった?それはどうなの?

{netabare} 2話の最後のトラックのシーンの意味がつかみかねていますが、タイムリープ的なものでなく、心ここにあらずだったのか、周囲が見えていないというアナロジーなのか。完璧であろうとしても実は隙があるとも読み取れます。

 通常、日付が丁寧に表示される作品は、推理ものかタイムリープものが多いので、その線で見てみましたが、3話の後半だと追想のためのタイムスタンプでしかないということみたいですね?

 会話のとき音声にエコーがかかったときは、ちょっとSF的なものを妄想しましたが、道路橋の下のシーンということだけでしょうか。印象的にはなりました。
 
 そして、その後半の追想の内容なんですけど、私は全く反対にとらえていたので意外でした。息苦しい家族生活とわかりすぎるほど自分のことがわかる義理の兄。拒絶のためのいい子だと思ってしまいました。それがジェンダー論と完璧な行動と容姿を保つ沙季のハリネズミのトゲ(つまりATイールド)だと思っていましたので。

 ですが、逆でした。想像よりも浅い方に行ったかなと思わなくはないです。ただ、ジェンダー論とかミソジニーとかその辺をどう使ってくるかです。ステレオタイプ的な見方で申し訳ないんですけど、この性格造形って、元父となんかあった?と思わなくはないです。そこまで鎧をまとうための完璧主義になるって…何かあったんじゃない?ということです。

 一方で、ジェンダーで男女の決めつけを嫌がるのに、母親の水商売を職業として受け入れるし、容姿を「女として」完璧にするところに矛盾は感じますけど。

 結構面白いし、雰囲気も独特のものを作っているし、方向性が分かるようでわからないのもなかなか良いですが、ヒロインの内面をあの形で見せるのはあまりよくないなあ…いわゆる「創作物」で一番大事なのはそこ…内面や感情の動きを説明しないで感じ取らせることではないかな、と。

 もうちょっとストーリーと演出で見せてほしいかも…ただ、ちょっとズルイですけど、沙季の叙述トリックかも…ちょっといくらなんでも説明しすぎですよね?もう1段奥に何かあることを期待して視聴継続ですね。

 そうそう、悠太の性格の裏にあるものがもっとドロドロしてそうですけどね。でも、やっぱり男にはあんまり興味がないかな。実はゲイでしたとか?むしろ女でした…もあり得そうですけど小説じゃないからそれはズルイか。 {/netabare}


4話 気になるのは音とイヤホン。なぜ、沙季のシーンだとBGMが消える?

{netabare} ヒロインのアウトラインが見えてこないです。思ったことを言うという性格でしたっけ?他人の気持ちが分からないということでアスペルガーなんでしょうか。イヤホンは音に過敏なのでしょうか?だから、トラックに気が付かないほどイヤホンから音楽を鳴らしていた?

 にしては悠太に対する距離の詰め方が急だなあというのと、新生活への適応力が高いなあということです。友人を連れてきたり、自分から裸で押し倒しかけるようなのってキャラがぶれている気がします。

 2重人格…ということではないと思いますが、結構不自然な感覚が強いです。沙季のシーンだとBGMが消えるので聴覚障害なのかな?とも思いましたが、横を向いて会話しているシーンがあるのでちょっと違います。先輩からもらった曲は多分意味が違うのでしょう。ここを見ると共感覚とかサヴァン症候群とかの可能性も考えてしまいますが、まあ、答えはわかりませんがやっぱり気になるのは音とイヤホンですよね。

 それと悠太が高額バイトを探しているという状況がイマイチ納得がいきません。自分でも探さないのはなぜでしたっけ?1か月も放置していたの?

 なお、現国のテストの点の取り方は気持ちが分かるかどうかじゃあありません。気持ちが分からないという状況に対して、あくまで読解力だしテスト上の技術だという指導が必要な気がします。沙季は人の気持ちがわからない、とエピソードで説明したいのはわかりますけどね。

 演出で気になったのが、冒頭に近い部分でソファに座っていた沙季が立ち上が手ふらふらと悠太に近づいてゼロ距離で「現代文を教えて」という行動がちょっと性格造形的にも良くわかりません。そういう娘でしたっけ?また、完璧主義なのに事前に対策をとっていない理由もわかりませんでした。

 一見、深い内面を描いているように見えますが、どうも全体…というよりヒロイン沙季の性格造形がチグハグしている気がします。やっぱりここが2重人格とか、何か別のものがあると「おお」となるのですが。

 文句ばっかりいってますが、沙季をどう描きたいのか?という点に興味があります。OPなどを見ると「子供のころ」というのも何かのキーになってそうですし。一体どんな物語にしたいのかが気になりますし、ちょっと楽しみです。{/netabare}


5話 なんか変なフラグが立ちました?あまり方向性が見えませんねえ…

{netabare} 先輩の告白については、偶然映画と自分の置かれた状況が一致したととる取り方と、どこかに連れて行ってほしいというおねだりの両方が考えられます。演出から判断すると不穏な方な気もしますが、この作品は辛気臭い演出が多いのでわかりません。そこは保留しますがいずれにせよなんらかのフラグが立ちましたね。

 それから悠太って、父親と同じように女性恐怖症だった…というか父親は克服したから結婚したんでしょうけど。わざわざ3話のあのシーンを入れたってことは彼は女性嫌悪か少なくとも女性が苦手という意味でとっていました。

 それなのに女性の先輩とレイトショー=デートに行くんだ…というのが意外でした。矛盾にも見えますが、どう理解すればいいのでしょうか?

 話の方向性が見えないですね。どうなって行くのでしょう?

 それと追試の対策には新しい参考書もましてや本も必要ありません。学校の教科書と参考書と小テスト・配布物を見直しましょう。{/netabare}


6話 最後の点字みたいなの何?もともと沙季は正常な人に見えませんが…

{netabare} 距離を近づけるだけだとイマイチかなという気はします。やはり沙季にもう1段何かの秘密がないと話としては成立しません。

 兄悠太の心の移りとか変化が少々急で不自然なように見えるのは、沙季の描写が少々作りすぎな気がするからかな、とも思います。

 幼少のころの思い出らしきものの心象風景と音・イヤホンの使い方から何か読み解けないかとは思ったりしますが、別にこのまま見てればいいかなとも思います。
 と、思ったら、最後の瞬間の点字のようなのは何?一応点字表をみると「め」が六個の点で「っ」が左中央に1個の点(付け焼刃で調べました)なので、「めっ」に読めますが本当でしょうか?

 目が見えない、耳が聞こえない…どちらも描写から判断するとちょっと不自然なんですけど、沙季がどうも視聴覚あるいは心理的に何かの異常がないとちょっと不自然な描写なんですよね。その辺どうなんでしょう。

 もうここまできたら、このままダラダライメージだけで終わらせても作品になるような気がしますけどね。文学的に作りすぎましたね。文学ということは、正直この作品は恋愛が成就するとお話にならないと思います。義理の兄妹故に悲恋で終わらないと正直今までの積み上げが無駄になると思います。折り返しにきましたので今後ですね。{/netabare}


7話 一番いやな予感がする話の展開になってきました。だとしたら馬鹿にされた気分。

{netabare} 前半の沙季のモノローグは全カットでいいです。本屋のバイトの面接のシーンその他でそんなのは読み取れます。それと最後の一言も。

 正直、義妹と結ばれるだけの話なら、もういいかなと思ってきました。なぜ、高額バイトを欲したのか?人の心がなぜ読み取れないのか?意味深な演出や記号はなんなのか。そういうのが、単なる「雰囲気づくり」の可能性がでてきました。

 だとしたら、こんなに馬鹿にした話はありません。思わせぶりな心象風景やらエピソードやら入れておいて、意味がないというのはあってはいけません。それは視聴者に対する裏切りです。
 さらに、全部説明してしかも「嫉妬」まで単語にするってなんなんでしょう?本屋の先輩の話はどうするの?

 うーん、あと1話チェックします。もし、義妹と結ばれてチャンチャンならこんなバカにした話はありません。最後「妹」をとるならドラマですけど。{/netabare}


8話 悠太の気持ちが見えないのが結論に活かされるかですけど…なんかなあ…

{netabare} うーん…1話の「相手に期待しない」を今更持ち出しますか。なんていうんでしょう雰囲気は作っているんですけど…
 すでに沙季は2回にわたり心情を日記で吐露する場面があったので、視聴者視点としては、悠太の戸惑いというか四苦八苦に乗れないんですけど、その辺物語としてどうなんでしょう?

 沙季が頑張りすぎている…ように見えないのもちょっと何が描きたいのかわかりづらいポイントです。視聴者からは悠太が頑張りすぎているようにしか見えないと思うのですが。

 沙季がヤキモチを隠すために反発しているだけなら、こんなダラダラ場面を見せることはないです。ビーフシチュー=悠太ってことを言いたいために1話かけたということ?
 演出や言動で内面を推し量る描きかたを沙季についてはしていないので8話は本当に茶番に見えてしまいます。
 一方で、言葉ではなく、過去の沙季から今の沙季につながる心情の変化が読み取れないんですよね。

 考えられるのは、悠太が沙季をどう見ているかだけは視聴者に隠しているポイントです。沙季の気持ちに反して悠太にとってはやっぱり家族だ、という物語なら今描いているのが目くらましとして機能するのでわからなくはないですけど。

 どうする気なんでしょう?本屋の先輩はどうするの?栞を拾ってくれた女の子は何?物語ならそういうところを放置してはいけません。それが悠太を描くのに役立たなければ物語になりません。

 結末をどう描くかは気になりますが、最後がっかりさせないでほしい。沙季の気持ちに反して悲恋なら成立すると思います。お願いですから安っぽいハッピーエンドだけは勘弁してください。

 そうそう、白河三兎氏の『私を知らないで』が……以下この小説のネタバレなのでを気を付けを。結構ストーリーの根幹です…{netabare}義理の姉弟になる悲恋です。恋愛感情がなかった幼さで、不幸だった女の子を救うために義理の姉弟になる話です。あとから恋愛感情に気が付きますがその女の子は主人公の友人と結婚します。 {/netabare}この結末が素晴らしかったのでどうしても比較してしまいます。{/netabare}


9話 居心地の悪い家族ゲームと恋愛に似た醜悪な何かを見せられている気分。

{netabare} 沙季が悠太に恋愛感情を抱いているという風に見えますが、私には理解できません。作品を通じてその描写をしている感じがまったくありません。あるとすれば、日記ポエムです。もちろん説明的な表現はありますけどね。それは心情の変化の描写ではありません。昔の家族から今の家族に移って、沙季は何が変化したのか?何故変化したのかさっぱりわかりません。

 それが悠太の行動とかやさしさだとしたら、笑ってしまいます。悠太は家族を演じているにすぎないように表現しているからです。偽物の悠太に惚れた気持ちが本物であっては恋愛物語にはなりません。

 まあ、何となく途中から演出と雰囲気は凝っている風ですけどありきたりな話になるのかな、と思っていたらやっぱりそうなんでしょうか。だとすれば昭和の少女漫画でしかありません。演出や場面が、心情の変化とリンクしていないならそれは不要な尺のばしでしかありません。高額バイトはなんだったの?

 居心地の悪い家族ゲームも何のために描いたのか。人間関係が崩壊する場面を描かなくていいのか。義理の母親に裏の顔はないのか。このままではキャラが全員、記号どころかコマに見えます。

 悠太からみた義理の母の気持ち悪さが感じられるので形だけの家族ゲームの総括をするか、父親のせいで男を信じられない沙季の恋愛感情が偽物であるとか、そういうものを期待しているのですが、どうもそういう感じじゃない感じです。

 正直このままくっつくなら「俺ガイル」で陽乃が言っていた醜悪な何かでしかない気がします。徹底的な破壊がどこかにないと、偽物の恋愛感情になるというところまで行きつかなければ、男女の性欲を否定した冒頭の話が単に純愛風味にするための言い訳になってしまいます。だったら、あそこで1回やってしまった方がまだ自然なストーリーでした。

 性的なものも描かない、家族ゲームも総括しない、悠太の裏も見せない、沙季の依存というか幼さ故の完璧主義の果ての身近ですませる恋愛で終わるのでしょうか?

 うーん、なんというか…だらだらずっと日記ポエムで恋愛感情を描写しているつもりなら、もういいかなという気がしてきました。9話ですから微妙ですけど、あと3、4話ですよね?うーん…思っていた100分の1くらい浅いなあ…

 まあ、すこし1話から振り返ってみて私の考え違いがないかチェックすべきかもしれませんが…あのかったるい演出に似たものが単なる雰囲気づくりなら時間の無駄ですからね。何とも… {/netabare}



9話まで中断時レビュー
「意味深長っぽい演出に騙された気分です。「義妹がいることとは?」の心情描写が薄すぎ」

原作1巻を読みました。本作を見ていて感じた違和感、主人公の視点はどう考えればいいのかがわからない理由がわかりました。1人称の小説を(神の視点ではなく悠太カメラの)3人称にしたんですね。そこが謎めいた演出につながって独特の雰囲気になったと。

 原作を読んだ印象は、キャラに実在感がなく、理屈をずっとしゃべっているだけに見えました。1巻が短くて夜這い的なところまででした。その先も入手してしまっているので読むかもしれませんが、今のところどうしようかなという感じです。

「お互い期待しない」のに「高額バイトを探して」と沙季が依頼する部分が代表ですが、いきなりお互いが干渉しあうんですよね。「期待しない」と「金で済ませる」をつなげれば、ドライな関係でいようということかもしれませんけど。

 ただ、完璧主義な人間がこういう言動をするのかなという違和感がやっぱり特に沙季側にあります。身体を売るなら売るで割り切って一人でさっさとやるでしょう。母がバーテンダーとはいえ夜職に理解があるなら「期待しない」義理兄に相談はしないし、まして身内に身体を売るなどという発想にはならないでしょう。
 ジェンダー論を勉強してそこにも完璧であろうとするなら、家父長制に反対すると思います。そして、母の再婚に抵抗しないところでジェンダー・フェミニズムの勉強も中途半端なんだと思います。英語の勉強=自立の準備という思考が安易です。悠太の身売り反対の理屈なんて正直言えばガキのたわごとで、童貞の妄想でしかないです。

 結果、自立というのが甘えにしか見えないです。単純に考えればあとわずかで18歳です。そこから独立するのに高額バイトで準備とか必要ないです。その沙季の甘えが描きたい部分かもしれませんが、それは読み手の妄想で表現されている部分からは読み取れません。沙季がどうやって変化していくのかが日記だけです。3人称にするならそこを丁寧に描いてほしいし、原作の弱いところなので補強しても良かったと思います。

 そして、じゃあ、本作が悠太のことが描けているかといえば、やっぱり聖人というか「僕の考えた理想のすごいキャラを形にしました」的な存在な気がします。この点は原作の方が義妹がいる戸惑いは描けていると思います。そう、義妹がいる戸惑い…どうやってふるまうかの思考ですね。これは1人称ならではです。
 これがあるので原作はまあまあ読めます。会話は説明くさいですけどね。本作は「義妹生活」のテーマであるだろう肝心な「義妹がいることとは?」がぽかっと欠落している気がします。ですので、原作勢は楽しめてもアニメ勢だと何が描きたいのかわからなくなっています。

 また、両親も本作よりかなりライトなノリでこの2人については家族問題の視点はほぼないといっていいでしょう。あとででるかもしれませんけど。

 いずれにせよ、本作に興味をもった演出のやり方ですけどそこに意味性はなく、意味深長に描いていますが単なる雰囲気だと判断しました。沙季の心情を丁寧にすくって音楽や場面が考えられているかと言えば、私はそうなっていないと思います。

 後付けで原作を読んだので余計頭にくるんだと思います。逆なら評価は変わるかもしれませんけど。
 たぶん買ってしまった原作を読んでしまいますのでレビューはこれくらいにして、結末後に追記するかもしれませんが、9話までですと正直期待外れもいいところでした。全部説明してしまっているラノベ故に、文学っぽい演出で心情を表現したいという意図はわからなくはないですが、演出意図に込められているものがほとんど読み取れません。その薄さ故に終わったときに1クールのアニメ作品として成立するかは微妙な気がします。結末は確認します。

 ただ、これは私の印象ですが、悪くとれば原作の1巻1巻の短さをカバーするために演出で引き延ばしたようにも見えました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

タイパ重視のこのご時世に・・・ある意味挑戦的な作品

【レビューNo.148】(初回登録:2024/10/20)
YouTube漫画原作で2024年作品。全12話。
ここのレビューでも散見されますが、タイトルからすると
「コメディ色の強いご都合主義のいつものやつ」
って思いますよね(笑)
リアタイで視聴していた時は「切るほどでもないが・・・」でダラダラ完走
したって感じでしたが、見返すと意外と悪くない作品だったかも。


(ストーリー)
「”義理の兄(妹)”はただの他人だ」
高校2年生・浅村悠太は父親の突然の再婚により、義妹となった派手な見た目
の同学年の綾瀬沙季と出会う。
2人は
・前の両親の不仲を見てきたために共に男女関係に慎重になっている
・今の両親に心配をかけて家庭を壊したくない
という思いから、都度”擦り合わせ”を行い、「適切な距離感」を保つことを
約束しあうのだった。


(評 価)
・タイパ重視のこのご時世に・・・ある意味挑戦的な作品
 同クールに70本程度放映されるのが当たり前となったこのご時世、それこそ
 3話切りどころか1話切りされる恐れもある訳で
 ・序盤からテンポよく畳みかけたり、キャッチーな展開をブチ込む
 ・目を見張る映像美やヌルヌル動く作画など
 最後まで視聴してもらうために各作品も頑張っているようで。
 しかし本作はこのタイパ重視の今の風潮に逆行したような、ある意味挑戦的
 な作品だったのかなっと。

 特徴的なのは作画のカメラアングルですね。
 本作の悠太と沙季の会話劇(擦り合わせ等)なのですが、同じような引きの
 画がメインになっているんですよね。
 イメージ的には家に仕掛けられた隠しカメラで覗き見や観察するみたいな。
 この定点的な視点で、2人のやりとりから距離感等が変わっていく様を淡々
 と積み重ねていくという何とも地味な作品ではあります。
 色調も抑え気味ではありますし。

 その辺りの制作陣の意図に気付けば面白みもでてくるのですが、私もリアタ
 イ時は半分脳死で観てたので微妙な作品だなっと。
 たまたま見返す機会があったので、再視聴したらそういうことかと評価を改
 めたのですが、このご時世になかなか思い切ったことやってるよなっと。


・セリフ回しのセンスがちょっと合わなかった
 個人的に初見で没入できなかったのは、沙季に好印象を抱けなかったのが大
 きいと思います。
 最初の悠太との会話が
 {netabare}「そのユーモア、話し方、表情どれにも強い熱を感じない。~(中略)~
  私はあなたには何も期待しないから~(中略)~この意味あなたなら正確
  に理解できるよね。」{/netabare}
 これがラブコメ感あるツンデレなら可愛げもありますが、初っ端から地雷臭
 のする女だなっと。
 その後も
 {netabare}「こういう”擦り合わせ”ができるの地味に助かる。」{/netabare}
 とか何かと「面倒臭い女」という印象が序盤で定着しちゃったんですよね。
 この辺りは悠太のセリフ回しにも引っ掛かるところがあり、どうも原作者と
 の相性が悪いみたいですね。

 また作品の性格上モノローグが多いのも、「面倒臭い女」と感じる一因の
 ように思いますね。
 あとギャルの恰好をしているのは「社会を渡っていくための武装モード」
 とかいう謎理論も何なんだと。


・義兄妹の恋愛模様は・・・
 こういう題材を扱っていれば当然「義兄妹の恋愛」というのは避けて通れず、
 というかそれがメインだったりするわけで・・・
 本作も上述のように地味な積み重ねから、現時点での2人の”擦り合わせ”を
 描いて終わります。
 作品を通じて感じたのは、「2人の温度感」的なもの描きたかったのではと。
 はじめはぎこちなさがあり低温だったものが、徐々に温度が上がっていき、
 最後は触れ合って2人の体温で終わるみたいな。
 感覚的には「ピュアラブストーリー」というより
 ・「俺は本物が欲しい!」(by比企谷八幡/俺ガイル)
 という人の関係性の根源的なものを描きたかったのかなとも感じましたね。

 ただ総じて理屈っぽさが鼻につき、個人的にはあまり好みな描き方ではなかっ
 たかな。


率直なところ初見ではあまり刺さらなかったものの、腰を据えて見返してみれば
いろいろ気づきのある作品だったかなっと。
ただこれだけアニメが大量に制作される時代ですからね。
序盤からしっかり視聴者の心を掴む工夫がないと、せっかくのよさも伝わらない
のでは?とも思いました。
あと2人の会話劇以外のエピソードとか全体的に弱いのかなあ。


OP『天使たちの歌/fhána』
・OPから作品への期待感を高めるfhánaのこの安定感よ!
ED『水槽のブランコ/Kitri』
・これは作品の余韻をきれいに昇華してくれる良曲

 
(追 記)
これを言っちゃうと身も蓋もないのですが、両親も子供が高2なんだからこんな
微妙な時期に再婚せずに、高校卒業まで待てなかったんかいっと。
コメディ強めの作品ならそのドタバタ劇も笑って許せますが、シリアス度が高い
本作だと、その辺が引っ掛かってきたかな。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

67.2 19 2024年夏(7月~9月)アニメランキング19位
俺は全てを【パリイ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (194)
500人が棚に入れました
「小説家になろう」年間総合ランキングで1位を獲得した人気タイトルが、待望のTVアニメ化! 世界をめぐり、怪物と戦い、人々を守る。 そんな冒険者に憧れる少年・ノールに下されたのは、「全てにおいて、一切の才能がない」 という残酷な判定だった。 でも才能がないなら、誰よりも努力すればいい! 身につけた最低スキル──攻撃を弾く【パリイ】を十数年もの間ひたすら磨き続け、ついには千の剣を弾けるように成長する。 しかし、どれほど極めても最低スキルだけでは冒険者にはなれず、ノールはいつの間にか世界最強クラスの力を手にしながらもそれを自覚することもなく、街の雑用をこなす日々をおくっていた。 そんなある日、魔物に襲われている王女・リーンを偶然助けたことで、ノールの運命の歯車は思わぬ方向へと回り出す……! ──これは、謙虚な無自覚最強男が、磨き抜いた最底辺スキル【パリイ】で、強者を薙ぎ倒していく物語。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

7話 失速しました。付け足し、引き延ばし、テンプレ化の匂い。撤退します。

2話 出来の悪さに逆説的な面白さを感じます。狙ったのなら大したもの。

{netabare} 試しに見た初回の母親の埋葬のシーンで、子供だから小さな石の墓しか作れないのかなあとか、父親の墓と二つならんでいるところとかで、少しジーンときたのでこれは見てみようかなと思いました。

 いや、もう清々しいくらいの「俺なんかやっちゃいました?」系ですね。牛って…もはやギャグですね。見るのやめかけましたが、2話のサブタイトルが「謝礼をパリィ」って…もう見るしかないですね。

 突っ込みどころは数知れず。多分一番のポイントは、才能がないとか言われてたのにその特訓で強くなるんだ…しかも、パリィがなぜ得意になるのかわかりません。せめて、もっと紐が長くて攻撃したら自分に戻ってくるように見せたほうが説得力はあると思います。

 ただ、匂いとして、原作者が真面目な話を意図しているなら申し訳ないんですけど、出来の悪さ故に逆説的な面白い可能性を感じます。タイトルに逆勘違いとあるので、そこを意図的に狙ったなら大したものです。
 突っ込みになってしまうと本当に申し訳ないんですけど、その楽しみ方はできそうです。この作品はニコニコが無くて本当にもったいない。非常に盛り上がるでしょう。

 ただ、キャラ萌えができるかもというポテンシャルは…ちょっとだけ感じます。あのお姫様が残念王女なんでしょうか?
 それとOPの作画は良かったです。音楽は転調が昔のアニソンの感じで、懐かしい曲調でした。{/netabare}



3話 やっぱり出落ちかなあ…無自覚があまり笑いに効いていないかな。

{netabare} 前半の槍の男とのシーンが長すぎてちょっと退屈でした。最後にとってつけたようなギャグがありましたけど。

 そして、どぶさらいをした剣でピザとか鉄板焼きとかやるな、という話ですけど、これはギャグなの?
 で、プチファイヤ云々は技(魔法?スキル?)は最小のものしか覚えられないけど、それが強力という解釈でOK?もし、ただ、そこはやりすぎるとパリィじゃなくなるしなあ。

 うーん、微妙かなあ。出落ちな気もしてきました。勘違いギャグもさほど面白くはないし…次で判断かなあ、同じ感じなら断念ですね。{/netabare}


4話 絶対飽きるだろうなあと思いながら、視聴継続。微妙で奇妙な面白さ。

{netabare} 面白くない、と4話で言い切りたかったのですが、微妙に面白いです。話の構造で帝国?みたいなところの仕掛けとその対応という部分と、E級冒険者の無自覚バトルが上手くかみ合って、全体として見られる話になっています。

 牛の次はゴブリンで、ちょっとわざとらしい展開ですが、そこがこの作品の売りになっていくのでしょう。

 パリィ設定いる?という突っ込みはさておいて、本当に奇妙なバランスの上で、面白い方にちょっと傾いている感じの作品です。絶対途中で飽きるだろうなあ、と思いながらもとりあえず継続視聴します。 {/netabare}


5話 主人公の強さの説得力以外は面白い話。冒頭の説明ではわからなかったです。

{netabare} 本作は、冒頭のノールの修業時代の成果というか強くなり方がもうちょっと上手に描けていればすっきり話に入れたのに、という気がします。そこの描き方が読み取れなかったので、剣をぶら下げた修行だけで強くなったと思っていました。
 途中、最年少で全部を修行した、みたいな説明はあったものの、それはものすごい強いことの説明ではないし。あの低級の魔法しか操れないけど、ものすごく威力がある的なことも説明が中途半端だし。

 その辺が上手く描けていれば、もっともっと人を引き付けたのではないかと思います。2重性の活かし方は下手ですが、話そのものは国そのものの攻防に絡む話でギルド云々だけで終わらず、スケールが大きくて面白いです。

 1話、2話はあまり集中して見てなかった気がするのであとで彼のキャラ造形はもう一度確認してみます。{/netabare}


6話 毒の後付け設定はいいとして、面白さが維持できるかどうかですね。

{netabare}「薬屋のひとりごと」勇者バージョンですねえ…後付けのひどい設定ですけど、これで主人公に関しては完全にギャグで行くという宣言でしょう。

 それと「パリイパリイ」って口で言っているだけで、普通に攻撃してるじゃん、という気もします。そもそも魔族の子の設定も悲惨を絵にかいてアニメにしただけのテンプレを恥ずかしげもなくやっていますし。

 無自覚系については出落ちなので工夫が必要なのはもちろんですけど、裏で流れるストーリーに興味が持てるかどうかが肝心かな、と思います。その点ではまあまあなんですけど、ちょっとずつ期待値が下がっている気もします。1クールは見られる気がしますが、ちょっとギリギリかなあ…7,8話で飽きるかも。{/netabare}


7話 失速しました。付け足し、引き延ばし、テンプレ化の匂い。撤退します。

 急激な失速感。やはり飽きましたね。出落ちというほどではないですが、ラノベでいうと1巻は面白かったんだけど…という感じでしょうか。

 なろう系の弱点ですけど、やっぱりゴールイメージを考えないで設定とキャラ造形で書き始めるので、途中からどんどん付け足し、引き延ばし、テンプレ化、新キャラだよりになる典型例に陥りそうです。バトルは無駄に長いし、パリィが意味をなさないし、国の危機も戦略的な仕掛けを期待したのですが、結局「伝説のドラゴン」でしたし。

 ということでここで中断します。まあまあでしたが、興味が持続しません。作画は…うーん、異世界で慣れていると普通に感じますが、止め絵ばかりでアニメ作品としてはどうかなあ、とい水準でしょう。

 評価はパリィ設定とキャラ造形は工夫したのでストーリーとキャラに加点しておきます。平均3.2点。ただ、それは前半までの評価ですから、平均3を下回るだろうなという気はします。
 主観的には100点満点で55点。他のジャンルならギリギリ継続しているかもという感じです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

描写が丁寧で主人公を好きになれる良いなろう系

1話感想 3.9
なろう系なので警戒して見てみましたが…。

これは出来が良い作品ですね。
描写がしっかり丁寧です。

主人公のチートもしっかり努力を積み上げたもので、これはあまりムカつかない。
決して絶対的ではなく、もちろんチートなんですが、剣が折れそうでやばい、とかピンチの演出もしっかりしていました。

一話でじっくり主人公を描いてくれて、冒険者に対する憧れを抱いてそれを追い求めて、でもまともなスキルが無いからと叶えられず…。
といった描写が丁寧で、まあある程度は納得できました。

いやパリィだけでもタンク役なら十分だし、何でそんなに頑なに冒険者として認めないのかは意味不明だとも思いましたが。

ここは普通の冒険者のタンクのスキルも見せておけば良かったですね。
普通のタンクは味方全員にバリアを貼れて、剣も矢も跳ね返せて、これくらいできないと冒険者にはなれないんだよ、とか言われてから、
この普通のタンクがミノタウロスに一撃でバリアを割られてぶっ殺されたのに、主人公の地味なパリィで逆転する流れが欲しかったかな。
まあもっと良くするならこの方が良い、とは思いましたが、本作も十分悪くは無かったです。

ヒロイン何で逃げてないの? とも思いましたが、あれは光で拘束されていたんですね。ちょっとわかりにくかったです。
ミノタウロス君魔法使えたんか? だったら何で主人公には使わなかったのか。
いや兵士達は拘束されていなかったから、威圧系のスキルとかで心が弱い相手だけ構想するスキルとかですかね? でも威圧であんな光りますかね? 魔法っぽいんですが。
魔法を受けているなら、味方の魔法使いが裏切ってヒロインを殺そうとしていて、そいつはもう逃げてたって感じ? いや何で死ぬまで見届けないの。ちょっと事情が良くわかりませんでしたが…。

まあ細かなツッコミどころはあれど、主人公を好きになって応援できた、という長所の前では全てが些事です。
頑張れおっさん。

作画は結構良くないですかね。いい感じです。
ヒロインも殆どでてきていないですが可愛らしかったですし。

これは視聴継続。良いなろう系が来てくれるのは嬉しいですね。
…いや悪いなろう系が来るのがおかしいと思いますが。

全話感想
なかなか良かったと思います。
作画は良好で逆勘違い系主人公が楽しく良い作品でした。
リーンは可愛かったですね。

自分が優秀なことに気づかない逆勘違い主人公は下手すると嫌味なのですが、不自然さはもちろんありますし。
でも基本コメディタッチにすることで、嫌味が抜けてぐっと見やすくなっていました。

エロ系はエロけりゃそれで良いんだよ、となるように、コメディだから硬いこと言うな、という空気になるわけですね。

危機感を煽って主人公が万事解決、という流れはワンパターンで、あまり長続きすると飽きが来そうですが1クールなら丁度良い感じだったと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2
ネタバレ

ヤマナ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

無自覚最強系障害者主人公。

初見評価
魔法と剣の世界でまともなスキルを覚えることができなかった主人公。
努力して基礎的なスキルを強くして無自覚系最強アニメ。
作画などは平均的だけどストーリーが二番煎じどころの話じゃなくインパクトに欠ける。

5話まで視聴
とにかく主人公を無自覚最強にしたいがために主人公が障害でもあるのかって程、自分の気持を伝えられない空気が読めない。
お礼します、と言われて普通の人はあそこまでかたくなに断らない。
明らかに目上の立場で年上の人にため口であんな態度で喋らない。
主人公が自分の成り立ちを説明したらほとんどすべての誤解が解けるのに突拍子いもない解釈で話を広げる。
性格や思考が普通とはかけ離れている。

だから、一つの特技を何年も一人で鍛え続けることができたのかな。
もしかすると、障害のある主人公が一つの才能を磨き続けそれが開花し周りに認められるって物語なのかな。
だとしたら、分かりづらい。

9話まで視聴
なるほどギャグアニメかな?
物語は、 {netabare}
1話、牛をパリィ
2話、謝礼を、、、
3話、弟子入り、、、
4話、ゴブリン、、、
5話、カエル、、、
6話、猛毒、、、
7話、死人
8話、竜 {/netabare}
サブタイトルにすべて書かれてるので読むだけでOK。
主人公の鈍感はやはり現実では障害と診断されるレベルに、人の気持が分からない、周りの空気が読めない、状況判断ができない。
障害者のサクセスストーリーならもっとわかりやすく表現してほしい。

主人公を置いといても突っ込みどころが多く途中からギャグアニメとしてとらえた。
いやギャグアニメに失礼か、駄作ランキングに入るであろう作品。
このまま駄作を完走してほしい。
あでも、無駄に作画はいい。

最終話まで視聴 
ちゃんと完走した!えらい!
上記の通り。でも綺麗に終わったからそこはよかったかな。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

66.9 20 2024年夏(7月~9月)アニメランキング20位
NieR:Automata Ver1.1a 第2クール(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (95)
222人が棚に入れました
西暦5012年。 突如地球へと飛来してきた<エイリアン>と、彼らが生み出した<機械生命体>により、人類は絶滅の危機に陥った。 月へと逃げのびた僅かな人類は、地球奪還のため、<アンドロイド>の兵士を用いた反攻作戦を開始。 しかし無限に増殖し続ける<機械生命体>を前に、戦いは膠着状態に陥る。 人類は最終兵器として、新型のアンドロイド<ヨルハ>部隊を地球へ派遣。 新たに地球へと派遣された<2B>は先行調査員の<9S>と合流し、任務にあたるが、その最中で、数々の不可解な現象に遭遇し……。 これは人類のために戦い続ける、命なき<アンドロイド>の物語――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

2Bの脚…それだけかな?意外性が全くない結末に徒労感も…

 大げさな話だった割に「まあそうだよね」という結論でした。SF的なセンスオブワンダーはほぼなく、テーマ性もどこか中途半端でした。機械生命とは何か、人類のアナロジーとしての機械、アンドロイドとは何か。そういうものは言葉で言っているだけで、ストーリーとして見るべきところはないです。
 1期の12話で説明(はされてないけど文字を読めば書いてあった)通りの設定で、最後が付け加わっただけです。付け加えは単なる付け加えであって、そこは正直なんとでもなります。

 宗教とか男女とかありそうでしたけど、そこは消化不良というかなんというか。2Bが実はEタイプでしたとかどうでもいいですし。
 あの2体のボットが新しいアダムとイブになって同じことを繰り返すという意味にもとれますけどね。それだと「マトリックス」です。

 うーん、ゲームだとマルティエンディングの果てに何かを見出す気分になるのかもしれませんけど、現状アニメの範囲ですと2Bの脚が良かった…という以上のものはないかな。読みとれていないかもしれませんが、私が1平均的な視聴者だとしたらそんなものです。そこは制作側の責任です。

 作画とアクション、やっぱり2Bの脚で2クール見ましたが、いまちょっと徒労感があります。楽しんだことは楽しんだので全否定ではないですけどね。ただ、2Bの出番を最後のほうで減らしたのも大きなマイナスでした。

 石川由依さんの声にちょっとはまったので声優は高めでいいでしょう。作画の水準は高水準です。ただなあ…視聴後の満足度が低いなあ…




1話 映像と雰囲気だけでも見る価値はあり。最後にはある程度説明してほしいかな。

{netabare} ああ…これは面白そうですね。1クールよりも謎かけがいい感じです。E型ですか。そして…という感じでした。SFアニメだなあというワクワク感がたまりません。

 そして、やっぱり2Bは造形としては素晴らしいです。相変わらず美しい。そして全体でいっても、映像と雰囲気だけでも見る価値がある気がします。ただ、1クール目はそれで終わった感じもありますので、2クール目でどこまで説明してくれるのでしょう?余韻や不明点が残ってもいいですが、最後にはある程度説明してほしいかな。 {/netabare}


2話 大きな話の構造が見えないストレスが結構大きくなってきたかも。

{netabare} 1つのエピソードとして2話は迫力もあるし起こっている現象はわかります。それと9SというかSシリーズとBシリーズのペアリングに恋愛あるいは性愛的な何かがあるようです。このクールって9Sからの視点になっていますし、1期の後半から9Sは2Bに執着しているのでその辺がどうなるかです。

 一方大きな話の構造として、あの地上レジスタンスが1期からずっと継続している割に話に断絶感もあって、パラレルワールドなのか繰り返しなのかわかりませんが、何か仕掛けがありそうです。

 結局、人類はもういないのか…そしてあの赤い女性は一体なんなのか。そういうヒントがあまりにもないのがちょっとストレスですね。1期のA2とかアダムとイブもまだ関係ありそうですね。SF的にどういう形で収束するのかは想像できなくはないですが、まだまだ材料が足りなさすぎですね。赤い女性が超越者的なAIでした…みたいなありふれた結論じゃなければいいのですが。

 面白いですが、話が見えないストレスが結構大きくなってきました。考察すると見えてくるものがあるんでしょうか? {/netabare}


3話 世界観は平凡。作品の価値はそのヒントがちゃんと隠されていたかどうか。

{netabare} 説明…というかヒントがないのがストレスでしたが、いきなり全部説明しちゃいましたね。人類云々というのは1期の初期で何となくそうだろうな、と思っていた内容でした。逆に言えばそういう要素をヒントとしてどこかに仕込んでいたかと言われると、わかりません。SF的なテンプレというだけです。

 実はサーバー内でリープしていた…という結末も考えていましたが、そこは地上で死ぬとデータが基地に戻るというのを繰り返していた、ということでよろしいでそうか。ボディがどういう風に供給されているのかわかりづらいですが、そこは設定で何とでもなりそうです。1期のノイズとデータ同期が伏線だといわれるとまあ、そうなのか…と思いますけど。

 男女2人で生き延びるということは、アダムとイブのような結末になるのでしょうか。1期にもいましたし。機械生命体の意図あるいは月面に残ったサーバー上の遺伝子情報、そして9S、2B…あとA2ですね。新しい人類を見せてくれるのか絶滅エンドなのか。

 マトリックス的にまた同じゲームが始まる…ただし、2Bと9Sでアップデートされているというエンドも考えられます。その連鎖を断ち切るとか。あるいは今度は2人が機械生命体の立ち位置に立つとか。まあ、そこはどうにでもなるでしょう。

 この作品の価値は、哲学的とかテーマ性よりもゲーム原作ということもあり、全部見直したときに、ヒントがちゃんとちりばめられていて考察できるかどうかだと思います。主にED後の寸劇の使い方だと思いますが、そこをさぼると、あー面白かったで終わってしまいます。{/netabare}


4話 結末が楽しみになってきました。

{netabare}  9Sを処分し続ける中で2Bは恋愛に近いものを持ったと解釈すればいいんでしょうか?それをA2が引き継いだ、と。A2と9Sが再び出会うと何が始まるのか。敵の機械生命体はどうなるのか。そのあたり結末をどう用意しているのか楽しみになってきました。今季見る作品の整理もついてきそうなので、一回見直してみましょうか。

 あまり考察する感じでもないですが、一応ヒントは探してみようかなと思います。{/netabare}


5話 男がいない世界?過去の世界だと思いますが、それが進化の意味?

{netabare} 以前より感情を持たない(持ってはいけない?)はずのヨルハ部隊2B、9Sなどが強い感情表現をしていました。さらに今回の極端な性格造形ですね。

 そして地上の部隊の再登場。これは1期の3話くらいまで見ればループしている感じはあったので意外ではないと思います。ただ、ループの仕方が理屈で言えばパラレルワールドかAIの内部のバーチャル空間でしかありえなさそうな感じです。
 もちろん、同じ個体を再生・再生産して同じような場所を用意するということもできるでしょうが、これはちょっと見せ方がアンフェアな気もします。

 今回9SをはじめS型の機体が出てなかった、というより男性型の機体が出てこなかったので、過去の女型だけだと上手くいかず、進化のために男女のエアリングでという結論は含まれるだろうなとは思います。地上部隊にも1クール目にはいて今回は男はいなかったですよね?

 話の見せ方は上手いし面白いです。5話も体感であっという間でした。しかし、まだまだSFとしては既存の発想の範囲な感じです。どこまで深味を見せてくれるのか。ぜひ視聴者の上を行ってやられた」と思わずつぶやいてしまうくらいの何かを見せてほしいですね。{/netabare}


6話 話が飛び飛びで1クール目から見直さないとよくわかりません。

{netabare} 話が飛び飛び…というかどこが連続しているのかわからないので、ちょっと理解しづらいところがありますが、A2何もの?って1クール目を見ればわかるんでしたっけ?最後の方で何かあったような…2号とか言われていましたよね。

 もう種明かしフェイズになっているとは思うので、少し整理したいですね。残念ながら1クール目のレビューが適当であまり深くメモしてませんでした。1クール目からポチポチ見直しますか…

 感情表現とか髪がなぜ伸びるの?とか、治療ってどういう行為をしているのか見せないのはなぜ?とか、血が赤いのはなぜ?って、考えていくと、ヨルハ=人間なんですけどね。フィルターとか記憶の移し替えとか言われるとよくわかりません。 {/netabare}


7話 話と画面は繰り返し。2Bいない。謎の種まきが機能していないのでは?

{netabare}  VSロボット軍団ということで盛り上がってきました…と言いたいところですけど現在面白さ半減です。もったいぶって最後のカタルシス狙いはいいんですけど、あの塔に入って真実を知るになるのでしょうか?

 それにしては、同じような展開の繰り返しになって飽きてきました。絵柄的にも1期で見たような場面しか登場しないし。目新しいものを見せてくれないので視覚的にも刺激がありません。

 なにより2Bがヒロインだっただけに登場しないのはダメですね。ヒロインで見る作品ではないと思っていましたが、思いのほか2Bパワーは強かったのかも。

 うーん、いろんなエピソードを考察させる取り組みなんでしょうけど、1話1話が面白くないと成立しません。それがこの6,7話では失敗しています。謎の種まきをしてきたのでしょうけど、2クールでやる深さや仕掛けだったかここにきてちょっと疑問に感じてしまいました。{/netabare}


8話 [A]~[Z]でならべれば考察できるかな、と思ってたら違いました。

{netabare} もうおしまいに近づいているので、真面目に考察するなら[A]~[Z]で並べ替えるんだろうなと思ったんですけどちょっと違うんですよね。

 1期の12話の[A]では9Sが機械生命体と統合されるシーンとか、最後の方に月の人類に空の荷物を送っているとかありました。英語のウインドがたくさんあらわれて、ざっと読むと3400年で生き返らせる計画をしたけど、4200年あたりで人類が絶滅して、アンドロイドにそれがばれてやる気がなくなったので、モーラル(やる気)のために精神性を持たせたヨルハを作った、みたいなことが書いてあります。西暦5012年に生命体が地球侵略となっていますので、ここから嘘が始まっているということでしょう。
 8話で種明かしがありましたが、要するにヨルハ=機械生命体ということですから、これが重要回なんだと思います。あの2人のウイルス的なおねーさんも話のつながりのヒントにはなります。

 そのほか、話の系統がいくつかあって、1つ目が[B]が1期1話11945年3月10日第243次降下作戦となっています。で、この話は2期1話の[V]に続くようです。なので、ABC順ではない感じなんですよね。

 2つ目が、[D]はA2が地上部隊に拾われる話です。2期5話[J]は11941年12月8日の話です。この話はどうやら日付的に[L]1期の6話に続くみたいなんですよね。この段階で2B→A2に記憶が引き継がれている印象です。ただ、A2V2B戦もあるので、そこも時系列で拾う必要がありそうです。
 それと実は2BはEシリーズだったみたいなのもあったので、どうなんでしょう?

 3つ目がアダムとイブ系統の話ですね。[F]の降下作戦からのウイルスに犯されて云々につながる話です。2つめの系統と連続性があるのかどうか。

 こういうのを組み合わせていけば考察はできるのかもしれませんが、登場人物の造形が同じで面倒すぎてやっていません。最後のマルチエンディングに注目すればいいのかもしれませんが。{/netabare}


9話 もうよくわからないので、最後まで見ます。

 ということで、レビューは見終わったらします。




 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

怒涛の展開!これからどうするのかな?全滅エンドでした…。

 最終話(12話通算24話)まで観ました。2024.09.29

 ゲシュタルト計画!2Bは処刑モデル!赤毛双子ロボ子の役割は?ヨルハ部隊の目的とは?思念体が出てきて、こにゃにゃちわ〜!謎の塔は月を狙ったりする砲台だよ〜!

 色々ぶっ込んできてるけど、全て放棄かな?はいー!その通りでございましま。私はこういう視聴者に解釈をぶん投げるオチは好きではありません。エヴァンゲリオンで散々やられましたからね。スゲ〜意味深なラストのかと思っていたら、結局大風呂敷を畳めねぇだけじゃね〜かと言う…。

 落とせない物語は、クリエイターにとって敗北なのでは?取り敢えず全滅エンドでお茶を濁すのは、昭和のアニメじゃあないんだからさぁ…。

 まぁ…、機械生命体は新世界へ旅立ち、2Bと9Sは地球のアダムとイブにでもなったのかもしれませんが、それだと陳腐すぎます。後はゲームをやってね!と言うことでしょう。

 2Bのパンチラを沢山観れたので良かった!サイコーだ!と評価するしかありません。ゲーム販促アニメに多くを期待しては駄目ですね。
………………………………………………………………………

 9話(通算21話)まで観ました。2024.09.09

 A2は2Bの尻拭い的な役目を与えられた様です。特に話に関係無いまま、今までの登場人物達は、バリバリ全滅していきます。

 しかも、犯人はウィルスって…。絶対的な悪役を出したくないから、この様な展開にしているんでしょうが、カタルシスが足らずに気が滅入ります。

 A2は裸に近い格好ですが、やはり2Bのパンチラが無いと物足りません。闇落ちした9Sも、どうでも良い感じしかしません。

 結局、大風呂敷を畳むのに皆殺しにするのか…。何かつまんねー展開だなぁと、つくづく思います。所詮全員ロボなので、全滅しても、あまり悲しく無いのもいけません。

 ラスト、納得の行く結末があるのか?そこのみ気になります。
………………………………………………………………………
 3話(通算15話)まで観ました。2024.07.25

 1期のアダムとイブは何だったのか?位の激しい戦闘が続きます。人類(ヨルハ部隊)と機械生命体の最終決戦です。

 ヨルハ側は衛星兵器とかバンバン使いますが、ロボット三等兵の群れみたいな機械生命体側も善戦します。

 機械生命体側は、ステゴロ特攻物量作戦しか戦略が無いのかと思ったら、電脳戦で優位に立ってくるとか、ヨルハ側のセキュリティのザルっぷりが目立ちます。

 おかげで、2Bと9S以外は、割と雑に退場してしまいます。1期から観ていて、割と馴染みのキャラ達だったのにね…。

 実はヨルハ側が侵略してきた宇宙人なのでは!?と、言うミスリードも無く、3話で現状が明らかになりますが、あまり意外性もありませんでした。

 1期から、戦いが茶番っぽかったですが、これからどうするょうか?オチがあるのかとても気になります。

 2Bがパンチラしながら戦うのを楽しむ以上の展開が無く、物語が死に体になりそうですが、風呂敷を畳めるのかとても楽しみです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

過酷な運命の果てにアンドロイドたちは救われるのか?

『ニーア オートマタ』(NieR:Automata)の原作ゲームは、プラチナゲームズ開発、スクウェア・エニックス販売のアクションRPG。
アニメ2期は全12話(2024年)。1期から制作体制に変更はなく、監督は『ブレンド・S』の益山亮司。シリーズ構成は、ニーアシリーズの生みの親であるヨコオタロウと、本作の監督である益山亮司。制作は、『86』、『リコリスリコイル』などのA-1 Pictures。
(2024.10.18投稿 11.7 追記)

本作は、アニメで補完されている情報もあるので、ゲーム『ドラッグオンドラグーン』から続くゲームクリエイター・ヨコオタロウ氏が描く世界の集大成という感じの作りになっています。

本作の内容がよくわからなくても、ある程度楽しめるとは思うのですが…
ヨコオさんは、「シナリオについては製作者の与える答えを鵜呑みにするのではなく、ユーザー自身が想像して答えを見つけて欲しい」と過去に発言しているので、これでもかなり親切に作ったつもりなんじゃないでしょうかね(笑)

というわけで、自分なりの考えをまとめてみたので、私と同じように1回観ただけでは何かすっきりしないという方がいましたら、お付き合いいただければ幸いです(※できるだけ資料などに当たっていますが、考察が含まれているので間違いがあるかもしれません)。


【「ヨルハ計画」の真相(※核心的なネタバレを含みます。)】
{netabare}本作と世界観を共有する前作ゲーム『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』で、人類を滅ぼす不治の病から人類を救うため、人を魂と身体に分け、その病の根絶後に人類を復活させる「ゲシュタルト計画」が立てられます。この計画の管理者として本作にも登場するデボルとポポル型アンドロイドが作られます。しかし、この計画は失敗し、人類は滅亡します(※第22話Aパートの内容。なお、これがデボルとポポルの「原罪」。)。そして、地球上にはアンドロイドのみが残されることになります。
 
人類滅亡の事実は一部のアンドロイドのみが知る極秘事項とされましたが、そこにエイリアンが突如襲来し、エイリアンが生み出した機械生命体と人類の忘れ形見であるアンドロイドによる戦争が開始されます。しかし、護るべき人類が既に滅亡しているという噂が次第に広まり、アンドロイドの士気は低下します(※この状態で、この戦争は数千年以上続くのですが、終わらなかった理由は、機械生命体の目的が「敵を倒す」ことに設定されていて、敵をせん滅してしまうと目的を果たせなくなってしまうから(※自我・意識がないので命令に盲目的)。ちなみに、エイリアンは、ヨルハ計画が実行される少し前の「数百年前」にアダム曰く「植物由来のつまらない奴ら」という理由で、学習進化の過程で「感情・意識」を獲得した機械生命体によって滅ぼされています。)

この状況を打破するために立案されたのが「当初のヨルハ計画」でした。「当初のヨルハ計画」は、とあるバンカーで対機械生命体の決戦兵器であるヨルハ機体の開発を担当したアンドロイドのジニアによって発案されます。
その内容は、開発中のヨルハ機体を「人類は月面に退避して生き延びている」というブラフとして利用し、人類滅亡の噂を知ったアンドロイドの士気を向上させるという計画でした。もっとも、ヨルハ機体は、ヨルハ機体から次世代モデルへの移行が決まった段階で、計画の証拠隠滅のために全て破棄される予定でした(※ヨルハ部隊の衣装が黒を基調とするのは喪服をイメージしているから。なお、ホワイト司令官は非ヨルハ機体)。そこで、ジニアは、当初から破棄予定のヨルハ機体に自分と同じAIを使うことに抵抗を感じ、ヨルハ機体のコア(ブラックボックス)として敵である機械生命体のコアを使うことにします(ちなみに、ジニアの声優は、人類会議、ポッド042と同じ安元洋貴さんです。)。

しかし、ジニアは、真相が公になった場合のリスクが高すぎると考え計画を破棄。ところが、ジニアがヨルハ機体のプロトタイプとして既に開発していた九号(9Sのプロトタイプ)が、自分のコアが機械生命体と同じコアであることを知ってアイデンティティ・クライシスになり(※九号は昔から「勘のいいガキ」だったよう(笑))、ジニアや他のプロトタイプを殺害し、「当初のヨルハ計画」の内容を自ら改変した「ヨルハ計画」を強行します(※「ヨルハ計画」という名称自体は九号がつけたようです。)。ちなみに、この後、たまたまバンカー外にいた二号(2Bのプロトタイプ)によって九号は殺されます(第23話で若干の描写あり)。

さて、九号が改変した内容とは、「生き延びていた人類」(人類会議)という神の存在と、後ろ暗い出自を持つヨルハ機体に「人類のための殉教者」という名誉を与えるため、「バンカーに仕掛けられたバックドアが一定時間の経過で開放され、ヨルハ部隊はバックドアから侵入した機械生命体に壊滅させられる」という筋書きを加えたことでした。

また、9Sがヨルハ計画の秘密に気づいてしまうなら、初めからヨルハ計画に組み込まなければいい(計画の邪魔になる9Sの生産を止めればいい)と思うわけですが、計画の秘密に気付いた9Sが2Bに殺されることも「ヨルハ計画」に組み込まれていたようです(第22話)。したがって、九号は、ヨルハ計画の遂行中、二号に殺され続けることで自ら立てた計画によって生じる罪に対する贖罪を果たそうとしていたのではないかと考えられます。

ちなみに、1期第4話で、人類会議が機械生命体の特殊個体である「アダムとイヴ」もヨルハ計画に組み込まれていると言っています(※機械生命体にとって、アンドロイドは自己の学習進化を促す存在のため、アンドロイドにわざと苦難などの刺激を与えて、その反応から学習しようとしています(楽しんでいる節あり(笑))。なお、第23話で、機械生命体ネットワーク内の概念人格である「二人の赤い少女」は、アンドロイドとの生存競争を通じて更なる学習進化を続けよう派(月面の人類サーバー破壊派)と、アンドロイドは自分たちの生存を脅かす危険な存在なので争いをやめ宇宙に旅立って新たな可能性を求めよう派(箱舟打ち上げ派)に仲間割れをしています。)。


というわけで、「ヨルハ計画」の真相は、9Sのプロトタイプである九号によってヨルハ部隊の壊滅までが初めから仕組まれていたということになります。したがって、9Sと九号は記憶の連続性がないので同一人格ではないのですが、これが9Sの「ヨルハ計画」から生まれた「原罪」になります(もっとも、直接の責任は九号にあるので、「君の呪い」と表現されているのかも。)。

また、2B(本当は処刑タイプ2E)は、プロトタイプである二号のときから「大切なモノ(九号)を壊し続ける」という「ヨルハ計画」から生まれた「原罪」(「私の罪」)を負うことになります。ちなみに、二号と九号はプロトタイプの時から仲が良かったようです。{/netabare}


【過酷な運命の果てにアンドロイドたちは救われるのか?―キリスト教的「原罪」と実存主義―(※考察)】
{netabare}2期のエンディングでは、ヨルハ計画の進行管理をしていたはずのポッド042と153の反乱によって、9S、2B、A2は生き残ります。

したがって、「ヨルハ計画」は、ヨルハ機体の全滅が前提なので、失敗したことになります。そうすると、「原罪」といえば、キリスト教の旧約聖書にある蛇に唆されて禁断の果実を食べてしまい楽園を追放されたアダムとイヴの話が想起されますが、9Sと2Bは「ヨルハ計画」から生じていた「原罪」から解放されたことになります。

また、ヨルハ計画の根本原因で人類の敵である機械生命体は、箱舟にのって宇宙に旅立ってしまったので地球にはもういません。加えて、9Sたちは、人類の滅亡を知っているので創造主である人類からも解放され、完全な自由を獲得したことになります。

もっとも、ポッド042と153は、完全に自由になったはずの9Sたちを生き返らせたとしても、9Sたちが今までと同じことを繰り返すのではないかと心配しています(※例えば、創造主を失ってもジニアのようにそのことをあえて受け入れなかったり、一部の機械生命体がしていたように新たな「神」を創り出したりすれば「ヨルハ計画」と同じことが繰り返されることになります。)。

ここでポイントになりそうなのが、ヨルハ機体のコアは、機械生命体と同じものであったということです(※ヨルハ機体の意識構造は、他のアンドロイドと異なって、機械生命体と同じ)。そうすると、アニメで機械生命体が今まで何をしてきたかが鍵になってきます。

特に1期第7話で、アダムが「実存は本質に先立つ」という無神論的実存主義を唱えたフランスの哲学者サルトルの言葉を引用しています。アニメでは、「予め決められモノによってではなく、一瞬一瞬の生き方、自らの存在によって人間は作り上げられていく」ということだと説明されています。

より単純にいうと、「自分の生きる目的」(本質)は、創造主や神によって生まれる前から予め決められているのではなく、「誕生」(実存)した後に自分で決めるということです(※創造主から予め与えられたアンドロイドの目的は、機械生命体を倒すことだったので、機械生命体と創造主がいない今、自分たちアンドロイドだけで「生きる目的」を決める必要があるということ。)。

また、実存主義は、教科書的な説明として「個としての人間の立場を強調し、孤独、不安、絶望、苦悩の中に生きる「この私」を探求する思想的立場」とされます。

ヨコオさんの趣味もあるとは思いますが(笑)、今までヨルハ部隊が過酷な扱いを受けてきたのは、これから孤独、不安、絶望、苦悩の中に生きる「この私」を探求するためであったとはいえそうです(※1期でアダムがやたら死にたがっていた理由は、同じ実存主義哲学者であるハイデガーの「人間は死の可能性と向き合うことで真の自己に目覚める」(死への存在)を意識していたためだと考えられます。)。

そうすると、物語とはいえ、あれだけアンドロイドたちをいじめ抜いてきたんですから(笑)、これまでの艱難辛苦が決して無意味ではなく、創造主や神に頼ることなく自力で9Sたちが生きる目的を見つけるために必要であったということになりそうです。

もっとも、冒頭でポッド042は「全ての存在は滅びるようにデザインされている。生と死を繰り返す螺旋に彼らは囚われ続けている。だが、その輪廻の中であがくことが生きるという意味なのだ。」と言っています(※ラストシーンでポッド153が「彼ら」を「我々」に変えているので、ポッドたちにも感情が芽生えたのでしょう。ちなみに、実存主義哲学者であるニーチェは、「この世界は意味や目的がなく虚無なる生の永遠の繰り返しである。意味や目的のない不合理をあえて引き受けて力強く生きるべきだ。」と言っています。)。
また、サルトルは、「人間は自由の刑に処されている」、つまり、人は自由であるがゆえに、誰も頼りにせず、自分で物事を選択し決定しなければならないので、「孤独」だとも言っています。

したがって、アンドロイドたちの未来も、人間と同じように決して一筋縄ではいかないのかもしれません。しかし、自由を手に入れてしまったがゆえに孤独なはずの9Sの隣には、今まで一緒に過ごした「光の記憶」を持つ2Bがいるということが救いなのかもしれませんね。


【追記(2024.11.7)】
本作は、上にあげたところ以外でもサルトルと契約結婚をしていた「ボーヴォワール」と同名の機械生命体が1期の廃墟の遊園地に出てくるなど、実存主義哲学との関連性が深い作品になっています。

実存主義は、産業革命後、機械文明が発達して大衆社会が到来し、人間が機械化・平均化された存在、つまり、「没個性的で平均化された人」になっているという問題意識が背景にあります。

したがって、正に機械である機械生命体や命令に盲目的なアンドロイドたちは、存在とは何かなど考えずに日常の出来事に心を奪われて生きている現代人のメタファーという意味もありそうです。{/netabare}


【ラストシーンに登場するカバンを持った女性は誰?】
{netabare}ラストシーンで突然出てくる女性は、シリーズを通じて登場する「アコール」という武器商人で、世界の歴史が新たな分岐をする際、その分岐を観測するために出現する存在のようです。

つまり、彼女の登場は、これまでの歴史とは違う新しい世界線が誕生した象徴みたいなものなので、暗に生き残った9Sたちが今までと違う歴史を作ることに成功したことを示唆しているのだと考えられます。{/netabare}


【アンドロイドの歪んだ愛情?(※考察)】
{netabare}本作では、9Sが2Bを刀で何度も突き刺しているシーンがあります。また、ゲーム内で、9Sがアダムに「お前にも意思が…欲求があるんだろう」と問われ、9Sの隠された本心として「僕は、2Bを〇×したい」という言葉が出てきます。
この〇×には、9Sの行動からして「殺」が入ると思われます(※別の作品では、「犯したい」、「殺したい」、「壊したい」が入るという言及があります。)。
しかし、これは、人類的な発想だと「愛したい」だと思うんですよ。また、アンドロイドにとって生殖活動は意味がないので、雌雄の区別にも意味がなく、アンドロイドたちは(機械生命体も)、終始、「恋人」ではなく「家族」が欲しいと言っています。

これについては、ゲーム内サブクエストであるジャッカスの研究で、アンドロイドの存在目的が機械生命体を破壊することであるため、その本能は破壊衝動であり、人類を含む地球上の生物の存在目的が種の保存であるため、その本能は性的欲求である。
それゆえ、アンドロイドは、人類の性的欲求を破壊衝動に置き換えて理解している可能性があるというジャッカスの考察があります。

したがって、9Sには、人類とは違ったアンドロイドとしての歪んだ愛情があるようです。

もっとも、ここからは余談ですが、そうだとすると、「ヨルハ計画」の遂行中に、九号が二号によって殺され続けるようにしたことは、贖罪ではない可能性が出てきます(個体差として9Sだけが持つ感情だとすれば矛盾しないですが…)。また、2Bは9Sを殺すことを嫌がっているので、この愛情表現がアンドロイド一般のものなのかはわかりません。{/netabare}


【音楽】
オープニングは、LiSAが歌う「ブラックボックス」。
作詞・作曲は秋田ひろむ(amazarashi)。歌詞にある「流星を見た 引力に似た感情の落下」とは、感情を持つことを禁止されたアンドロイド的な涙の表現なのでしょうか。この表現はヤバすぎる(笑)

エンディングは、GEMS COMPANYによる「灰ト祈リ」。
作詞はヨコオタロウ。{netabare}9Sの記憶領域に存在する2Bの記憶のようです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

66.7 21 2024年夏(7月~9月)アニメランキング21位
先輩はおとこのこ(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (99)
272人が棚に入れました
男だけど可愛いものが大好きで、女の子の姿で高校生活を送る“男の娘”・花岡まこと。 ある日の放課後、まことは、“女の子だと勘違いしたまま”の後輩女子・蒼井咲に告白をされる。 「実は自分は男の子なのだ」と打ち明け、告白を断るまこと。 しかしまことの予想に反し、咲はあきらめるどころか、「男女両方の先輩が楽しめる」とテンションアップ! さらに、「私が先輩の初恋の人になってみせます」と宣言して……。 可愛いものが大好きな、まこと。 まことに恋をする、元気いっぱいの後輩・咲。 まことを近くで見守り続けてきた、幼馴染の竜二。 3人の、恋と友情と、成長の物語がはじまる――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

5話 話が拠れている感じ。感情・内面・関係性に納得感がありません。

1話 それほど深くない、設定どまりの気もします。期待しすぎたかな?

{netabare} 思っていたよりもライトな雰囲気でした。この話の見どころである「関係性」に意外性がるのか?と言われるとそうでもない気がします。

 性自認ではなく女装癖だとすると、男性の社会的役割につかれていることからの逃避としての変身願望とか、可愛いものへのあこがれとか、性的な倒錯とか理由は様々な様ですが、そこをどこまで前提条件としてキャラづくりしているかで、主人公の言動のリアリティが生まれる気がします。

 別に物語でそこを描かなくてもいいですが、その理由なしになんとなく女装だと主人公の心理とかキャラがブレブレになると思います。そこ、でしょうね。ただ、その点で心配なのがサキですね。何が彼女の気持ちを主人公に向かわせたのかですが、思春期の女子によくある疑似的な同性思慕…性に対する忌避とか潔癖とかそういうことからきているのなら男とわかれば対象から外れる気もするのですが、そこがよくわかりません。

 そこから考えて、何となくそれほど深い話ではなく、設定の面白さだけなのかな、と思わなくはないです。今時ですから興味あるテーマで期待しましたが、現状ではそれほどかな?切ろうか迷いましたが、最後の着替えのシーンに何か思惑がありそうですので、まあ、3話くらい様子見ですね。

 なお、作画は…動かないですね。止め絵、クローズアップとデフォルメを多用してますし…それほど作画に力は入っていない気がします。そこもちょっと期待が薄い理由です。{/netabare}


2話 くじらさんは何者?母親が結構な毒親で話としてはいい流れです。

{netabare} なるほど…男性性を強要する母親がいましたか…ならこの展開は理解できます。そして、最後のシーンへと。これは結構ドロドロきそうで期待が持てます。

 3人の関係性にもうちょっと緊張感が欲しい気もしますが、その辺は後からでしょうか。むしろ今週は母親との関係性の説明回でした。あのプレハブの素性は今週は説明なかったですし、いろいろ継続して話が深掘りされるのでしょうか。

「くじら」というアーティストの歌がOPEDで起用されている上に、作中でくじらのぬいぐるみが出てくるのは何か意味があるのでしょうか?魚と哺乳類の間…どちらでもないという意味とか?あるいはこのアーティストがトランスジェンダーの人とか?{/netabare}


3話 今日の話だと子供ゆえの不安定、自分勝手な振舞いと見てしまいそう。

{netabare} 女になりたいことと女装が好きなことは違う気がするのですが、どうなんでしょう?あるいは性の嗜好は?性指向は?

 咲に対する告白はどうなのでしょう?少なくとも誠実とは言えない気がするのですが。そして、咲も相手の姿かたちが変わると、嫌になってしまうのでしょうか?
 また、パーティーに誘ってくれた女の子を放り出して行くのは、男の子として最悪の行為です。
 これが「スーツが借り物」の意味にどうつながってくるかです。まだ子供であるということか、男性であることが借り物であるのか。

 どうも友達である竜二からの想いには応える雰囲気がないので、少なくとも性嗜好・指向はバイではなく、ストレートですよね。

 母親の苦悩、父親の折衷案…どちらも親としてはまともだと思います。なんとなく話の大きな構造は面白い視点だなあ、と思ったのに、少々表面的に話が流れて行きました。それぞれの人間に視線を向けないのは子供の証拠です。主人公まことの葛藤が、対母親しかないんですよね。その辺が今後描かれるのでしょうか?自分のアイデンティティの問題として向き合っていないので、少々浅さを感じてしまうのでしょうか?

 これが服装の趣味(らしさ、としてジェンダー論的な決めつけの問題ととってもいいですけど)、性自認、性指向、性嗜好の4つの観点からどう話が展開するんでしょう?その辺がお話のためのお話だと、期待外れです。{/netabare}


4話 咲の描き方が良くわからない。感情は自然に各話で繋がっているのでしょうか?

{netabare} 竜二の「まことが本当は女の子だったらよかったのに」発言をどうとらえるかです。竜二がゲイで女の子だったら好きにならずに友達でいられたという意味でしょうか。作中では女の子とイチャイチャしていても何も思わないという表現でした。しかし素直にとると「本当の女子なら好きにならなかった」と取れます。モノローグですので嘘はないと思います。

 で、今回4話で男の恰好の湯上りのまことにときめいていますので、これだと竜二は性嗜好・指向がホモセクシャル、ゲイということでしょう。竜二の表現は一貫性がある気がします。

 そして、竜二の妹小夏の登場ですね。この子が咲はまことが好きと明言した一方、後半で「本当に好きなのか?」と疑問を呈しました。そして最後の不穏な感じです。ここです。男がやはり好きではなく女のまことが好き、ホモセクシャル、レズということでしょう。ただ、その割に男の裸を見て鼻血だしてるじゃん、という気もします。

 ちょっと今回の表現が錯綜していましたので、特に咲の感情が読み取りづらかったです。ここにおそらくドラマが入ってくるのでしょう。クジラモチーフも相変わらずですので、やっぱり何かあるのでしょうか。

 単話ごとの連続性が良くわからなくなりつつありますが、どうなんでしょう?上手く綺麗に感情表現が自然に繋がっているのでしょうか。{/netabare}


5話 話が拠れている感じ。感情・内面・関係性に納得感がありません。

 何が描きたいのか理解できなくなってきました。まことの女装問題は一旦置いておいて、今度は咲の問題になるということでしょうか。で、咲は家族の関係で八方美人の性格になって、好き嫌いが感情的に理解できないということでしょうか。

 なんとなくですけど、話として途中から方向展開したように見えます。三角形を作るにはまこと→咲、咲→竜二、竜二→まことの構造に無理やりもっていったのかなと。くじらをやけに強調するなあとは思っていましたが、まったく上手く使えてないんですよね。大きさだけの問題なんでしょうか。

 まあ、連載あるあるですけど、1話から追ってみるとそれぞれのキャラの感情がやっぱり不連続な気がします。ちょっと期待外れ感が大きいですね。

 一旦、中止します。ラブコメというよりラブストーリーで感情に乗れない、内面が見えない、描きたい人間関係に納得感がない、というのはちょっと期待が持てません。




 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

まこと君とは一体何だったのか?トランスジェンダー的な問題をギャグに落とし込むのは、やはり無理がある…。

 最終話(12話)まで観ました。2024.10.03

 8話あたりから咲はめでたく空気になりました。母親と義母(咲の婆ちゃん)との間に確執があり、家族が微妙な感じなのですが、そんなん珍しくもありません。高校生にもなって、何を言ってんのか!

 咲が空気になったのは、まことのせいでもあります。結局まことは何者なのかが、上手く描けていないため、周りの人物達もボヤケてしまっています。

 性自認は男性?女性?性指向は?竜二と付き合ってみたり、咲に手を出そうとしたり、バイセクシャルなの?

 まことは、高校生活の最初の方で、女性として生活しており、男だとバレて女子コミュニティから排除された描写がありましたが、女子生徒を危険にさらした高校の責任はどうするんでしょう?高校を騙して女の子として入学したの?高校は実は男の子でしたで、そのまま在籍させるの?猥褻目的で女性に化けていた可能性もありますよね?恐らく、こんな簡単な話では済まないと思います。

 まことの祖父が出てきたりしますが、この人も性自認や性指向が謎です。可愛いもの好きで化粧したり女装したりしますが、趣味レベルなの?

 このアニメは、非常に色々なモノから逃げています。ヤバくて、描写出来ないなら、そもそも題材に選ばなければ良かったのです。

 まことは高校生なので、トランス女性になるとかそういった話はまだ無い様です。まことの性的対象が不明なのも、未熟な高校生だから!で逃げています。まことは結局、トランスジェンダーなのかさえ怪しいです。

 実に換骨奪胎したアニメです。原作もそうなのかもしれませんが、端から覚悟が足りていません。昨今のLGBTQを巡る社会情勢や議論等をつまみ食いしただけの、社会問題ファッションアニメでしか無かった様です。

 好きな物を好きでいたい!まことが結論として言っていることは魔法少女マジカルデストロイヤーズのオタクヒーローと同レベルの浅さを感じました。

 母親も、「息子がアブノーマルだったとは、こういうことだ!」と叫びながら、ランバ・ラルなみにガラスを突き破って自爆するくらいの気概が欲しかったです。

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 4話まで観ました。2024.27.30

 どうも、デフォルメパートで分かり易い感情表現(興奮して鼻血を出したりするテンプレ表現)を多用するせいで、LGBTQに寄り添った意識高い系アニメとは、一概に言えない感じがします。

 まこと君がトランスジェンダーなのは間違いなさそうですが、性自認と性的な嗜好がボヤかされているので、単なる女装好きっぽくも見えます。

 私は自分と可愛い物が大好き!女は可愛い!私は可愛いので女装したい!三段論法的な邪悪さも感じます。

 また、まこと君は性的に中性的で、美少年兼美少女なので親友の竜二も単純にゲイと言うわけではなさそうです。

 まこと、咲、竜二の関係も、咲がドチビの性的に未成熟な少女として描かれているので、三角関係が成立しておらず、まこと君の性的魅力(フェロモン)に惹きつけられている蟲2匹といった関係性です。

 物語が進展して、竜二が咲を意識する展開になれば、話は変わっていきそうです。そうはならないかな?

 何となく敷居が高そうでしたが、まぁ、深いことは考えずに気楽に観ても大丈夫そうです。

 しかし…まこと君、トイレやシャワーはどうしてるんでしょうね?高校にはトランスジェンダー専用のがあるんでしょうが、外ではどうしているのか?その辺も曖昧にしています。

 お馴染みの新宿二丁目のゲイ達は、見た目が邪悪で禍々しい連中です。醜男が女装して醜女になっていると、警戒されるのに、美少年兼美少女だと許されるんか?

 この作品に通底するルッキズム臭は、キャラクターがアニメとして動くと更に強調されますね。咲の反応でもそうですが、見た目が良ければ女子風呂、女子更衣室等々に入ってきてもラッキースケべでOK!的な…。

 咲も別に深いキャラではなく、単なる面食いでメス犬ムーブをかますビッチに見えなくもないのが残念です。

 ガワだけでなく、キャラクターの掘り下げがもっとあることに期待しています。

 特に咲は吶喊色ボケアスペの変態娘にしか見えないので、今後のキャラクターとしての成長に期待大です。

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  3話追記 2024.07.29

 4話をレビューする前に、昭和の知識で誤ったレビューを更新しなければなりません。

 まこと君と蒼井咲が衣装を交換することに対する違和感は、私のファッションセンスが古いから感じる可能性はもちろん否定出来ません。服飾の専門家ではありませんので、認識の限界はあります。

 しかし、ユニセックスやフリーサイズというのは、そんなに万能な概念ではありません。

 男女兼用の衣服は、身体の線を出さないワイドシルエットが中心の様です。これは、民族衣装的な発想です。これなら、少ない資源で色々な体形の使用者に適用出来ます。

 しかし、作中で咲の着用しているドレスは、どう考えてもワイドシルエットではありません。身体の線を強調するデザインっぽいです。

 また、フリーサイズと言っても、まこと君はバスケで活躍出来る位の身体能力を持っている描写がありました。おそらく、身長も人並みにあるのでしょう。

 バスケは身長依存スポーツです。NBAでは2メートルでも低身長と言われている昨今、日本の高校生が授業でやっているバスケであっても、活躍出来るなら平均身長以下とは考えにくいでしょう。まこと君はチビのヒョロガリではありません。

 さらに、竜二は咲をちびっ子と呼んでいます。男性はあまり女性をチビとは認識しないのですが(男性より基本的に身長が低いから)それでもちびっ子と称しているのだから、女性の中でも小さい個体なのでしょう。

 そんな性差も体格差もある個体同士が着衣の交換が出来るとは思えません。

 また、オシャレの基本は身体のサイズに合ったものを着用することにあります。着用出来れば良いというものではありません。

 サイズが合っていなければ、チャップリンの生み出したキャラクター、小さな放浪者の様なギャグキャラになります。

 このキャラは、一応、紳士のスタイルだけど、靴もズボンもブカブカ、上着はピチピチの何かおかしい人物、道化の極みとして、今でも世界中で愛されています。

 当然、そんな描写は作中にありませんので、すさまじい個体差があっても似合う衣服を咲は着用していたことになります。

 こんなオーパーツみたいなのが、実在するんでしょうか?車が空を飛び、メタンが吹き出す軟弱地盤の地獄の大地にカジノや万博会場が作れる今の技術力なら、ラフォーレ原宿付近には実在しているのかもしれませんが…。

 しかも、咲は逃げ上手の若様の諏訪頼重ばりに未来を拾って先輩とドレスを交換することを予知して備えていたんでしょうか?

 普通は自分のドレスを他人(しかも男)が着るなんて想定しないはずですが?

 しかも、ユニセックスの難しい点は、チャップリンを引き合いに出すまでも無く、男女兼用でどちらにも合う、ダサくならないデザインを追求しなければならない点にあります。

 そのため、普通の衣服よりデザイン料が上乗せされ、値段が高くなりがちです。咲はワザワザそんなのを用意してたなんて、もはや出演するアニメを間違っています。

 アベンジャーズに日本代表のサイキッカーとして登場した方が、活躍出来ます。スーサイド・スクワッドでも良いですね。

 で、なければ咲は極虎一家の枢斬暗屯子さんみたいにワイルドセクシー系女子なんでしょうね。この辺が少女漫画的なルッキズムなんだよ!小柄な可愛い系女子が舐めんじゃね〜!(# ゚Д゚)

 レビューはあくまで作品に対する個人的な見解であり、本来的に正解や誤りはありません。レビューアーがそう感じたら、そうなのです。

 作品に対する愛は理解しますが、過度な擁護は自由な感想
の表明を萎縮させ、結果的に作品の魅力を減じる結果となるでしょう。

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 3話まで観ました。2024.07.24

 ラストは違和感を感じます。性自認は各自の自由だとしても、肉体は言うことを聞きません。

 感動的な海岸でのラストシーンですが、現実ではギャグになります。先輩は絶対に蒼井咲のドレスを着ることは出来ません。

 どんなに華奢な男性でも、肉体はドッペルイクスとは違います。赤ん坊の頃から男子は肩幅があって、逆三角のフォルムのため、どんなにビッグサイズの女性モノ衣装でも、第二次性徴以降は肩が入りません。

 蒼井咲がラッキーシモノビッチみたいに肩幅1メートル超えの女子高校生なら話は別ですが、あり得ない描写に、所詮はこの程度、少女漫画的なルッキズムなのか…と感じます。

 精神と肉体との折り合いがつかない状態が悲劇なのです。現実味が薄いのはフィクションなので仕方ないですが、過度の期待は禁物の様です。

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 2話まで観ました。2024.07.18

 なかなかコミカルで面白い雰囲気はあります。主人公につきまとう後輩の蒼井咲も、一線を越えた嫌がらせはしてこない、わきまえた女子ですし、親友の大我竜二も良い青年です。

 2話では、3人で遊びに行ったりするのですが、なんか良い感じです。

 ただ…、肝心なのはこれからですね。主人公はこれからどんどん男になっていきます。私も経験ありますが、自分でもわかるんですよ…。男として肉体が完成していくのが…。

 私はトランスジェンダーではないので、筋肉がゴリゴリついていく自分の肉体がとても愛おしかったですが、主人公にとってはどうなんでしょう?

 また、親友と後輩は所詮他人なので、ジェンダー規範を逸脱した主人公に好意的ですが、これから関係を深めていくと、主人公の母親みたいに闇堕ちするのでは?

 これからどうなるのか、とても楽しみです。

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 初回観てのレビューです。2024.07.06

 コミカルな感じで、ギャグとしては中々面白そうです。ただ、虎の尾を踏む危険性があります。

 後輩は、モラトリアム期女子に発病しがちなライト百合っぽいですが、先輩はガチのトランスジェンダーの様です。

 多様性への理解が進んだとは言え、女装して登校するのはかなりのプレッシャーです。周りのノーマル達がどんな酷いことをしてくるか分かりません。単なる二重人格のサイコパスや女装趣味で片付けられる問題ではありません。

 最近、会社同僚の女性社員が男性になりました。胸と子宮を手術で除去し、男性ホルモンを投与してやっと、裁判所に性別変更を認められたそうです。

 この方は地方出身なんですが、上京して初めてカミングアウトしたそうです。他人に基本的に関心を示さない東京じゃないと、場合によってはトランスジェンダーは死を意味します。

 肉体が男性ならリンチ、女性なら輪姦される危険が高いそうてす。性的、社会的に世間様から期待される役割から離脱する人間を田舎の地域社会は許しません。

 男性支配の強い社会だからなのか、田舎の同調圧力なのか不明ですが、LGBTQが普通に生きられる地域は日本でも限られています。

 我が社でも、一部の幹部が扱いに困ると嫌がってひと悶着ありました。一応、先進的な取り組みをしている事業所っつーことになっているにも関わらずですよ…。

 ふたなり男の娘AV をライトにした様な、ちょっとエッチな感じの作品にする気なのかもしれませんが、危険すぎます。

 こんな地雷を上手くアニメ化出来るのか?すごく気にはなります。

 注 最初のレビュー時は、性同一性障害と記述しましたが、否定的なニュアンスがあるので、トランスジェンダーに修正しました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

ヤマナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

リアルな心情や環境が刺さる。

初見評価
最近多いジェンダーレス作品。
割と軽い雰囲気の作品かな?
自分も学生時代同性を好きになった事あるけど、少し距離が近いだけでホモホモ騒ぎになり、親に同性愛って人がいるんだってーとそれとなく言うと「キモ」と一蹴されたことがある。性別関係なく人のことを愛せるってとても素敵な事と思ってた当時は人格否定されたようで傷ついた記憶がある。
だから主人公の気持ちがよくわかる。俺もこんな美形だったら女装してたと思う。

9話まで視聴
男だけど女性的な主人公、男だけどそんな主人公が好きな友達、女で主人公のことを好きだと思うけど好きがわからない後輩。
それぞれが相手のことを思い動くからすれ違いも起きて、、、。
それに合わせて、それぞれの家庭環境が見えてきて少しずつ重くなっていく。

友達の家庭はおそらく平均的な家庭。
主人公の家はお母さんがヒステリックで不安定。
後輩の家がかわいそう。
自分も小学生の頃、父は「子供はいらない」と女を作って出て行って、母はヒステリック系で日々育て方を間違えただの産まなければよかっただの言われ突然数日帰ってこなかったり怒鳴るは物を投げるはで中々苦労したほうだと思う。
家庭って選んで生まれれないし、事あるごとに普通の家庭だったらなって悲しくなる気持ちよくわかる、家族が味方じゃないと思った時の孤独感はとても辛かった。でも、一番つらいのはそんな親でも自分にとっては家族で憎いんだけどどこか信じて期待してしまうそしてまた裏切られて自己嫌悪。
いっそのこと他人と思えたら楽なのにって何ども思った。
そんなしんりがリアルに描かれてると思う。
けどなんか、ホントはいいお母さん風で閉めようとしてるけど身勝手な親は許せない。

自分語りが多くなってしまうけどそれくらい現実的な設定で自分と重ねてみてしまう。
蒼井ちゃんのこの経験は無駄にならないきっと幸せになると信じたい。

後、残念ポイント。
作画が低予算なりに頑張ってるって感じ。もっと金かけてたら大作だったと思う。あと、ED騒がしい。雰囲気台無し。

最終話まで視聴
最終的にそれぞれの家庭の問題も一歩踏み出すことができ幸せな形で終わることができよかった。ちゃんと区切りよく終わってくれてとても好印象。
主人公とお母さんが歩み寄る展開とかグッとくるよね。
ただ回収できてないことが気になる。
1,結局蒼井ちゃんのお母さんはなんであんな長い間あってあげなかったの?
金に余裕出来たから会いに来たってちょっと都合よくない?また余裕なくなったら捨てるってこと?
貧乏だろうが今の日本ならまともに働いてれば生活はできると思うし、
ましてやおばあちゃん家持ってんならバリバリ働けば三人で生活だってできたんじゃないの?
そこについての説明がほぼなくなんかいい雰囲気って感じでごまかしてた感じ。
2,蒼井ちゃんのお母さんがまことに似てた発言。その設定いる?
なんか見覚えある。(誰なんだろう。)あ、まことに似てる(え、複雑な関係?)って憶測が膨らんだのにそのまま触れることなく終わった。
え、その設定いる?それとも、原作では続きがあるのかな?

もしかしたら、今後明かされていくのかもだけどとりあえず気になった。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

66.4 22 2024年夏(7月~9月)アニメランキング22位
キン肉マン 完璧超人始祖編(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (54)
83人が棚に入れました
宇宙の果てのキン肉星から地球にやって来た王子・キン肉マンは、ダメ超人と人間たちにバカにされ続けてきたが、ひょんなことから出場権を得た世界一の超人を決める大会、超人ワールドカップで奇蹟の優勝、しかも翌年は連覇まで達成! 以降は宇宙の平和を守る正義超人の中心人物となり、この世の支配を目論む悪魔超人、さらには地上からの弱小超人一掃を狙う完璧超人ら、猛威をふるう敵勢力をテリーマンやロビンマスクといった仲間たちとの友情パワーでなんとか退けてきた。 それらの功績を認められ、最後の試練“キン肉星王位争奪サバイバル・マッチ”をも勝ち抜いたキン肉マンは晴れて父から王位を譲り受け、誰もが認めるキン肉星第58代大王に即位! 地球から故郷の星へ帰還。結婚も果たし、8年に渡る闘いの日々に別れを告げた。 それから約1年半後。全宇宙は平和に包まれていたはずであったのだが…!?


声優・キャラクター
キン肉マン:宮野真守
ミートくん:上坂すみれ
テリーマン:小野大輔
ロビンマスク:小西克幸
ウォーズマン:梶裕貴
ラーメンマン:関智一
ブロッケンJr.:笠間淳
ジェロニモ:小野賢章
バッファローマン:安元洋貴
ブラックホール:宮田俊哉
ステカセキング:柿原徹也
スプリングマン:吉野裕行
ミスターカーメン:谷山紀章
アトランティス:間宮康弘
ザ・魔雲天:かぬか光明
アシュラマン:神谷浩史
ネプチューンマン:杉田智和
キン肉真弓/プリンス・カメハメ:神谷明
ストロング・ザ・武道:大塚明夫
マックス・ラジアル:小林親弘
ターボメン:野島健児
ダルメシマン:檜山修之
クラッシュマン:富岡佑介
マーリンマン:尾高慶安
ピークア・ブー:石毛翔弥
委員長:古川登志夫
アナウンサー:太田真一郎

の! さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

本気度が違う

作品を作っているスタッフや声優の熱というものがかなり高い作品という印象です。
キン肉マンの最高傑作と言われているシリーズで基本的にはキン肉マンが好きな人だけで作っているアニメになっているので
キン肉マンが好きな声優の豪華さももちろんですが、ネトフリで全世界に配信するなどグローバルに人気があるなので楽しみしかないです。

キン肉マン完璧超人始祖編を観ましたが、めちゃくちゃアニメーションが綺麗でビックリしました。
それもそのはずで幽遊白書やマクロスフロンティアの作画の方やONE PIECEのアニメーションを担当している方の本気の作画でした。
まだ序盤ですがキン肉マンは戦いのシーンの深みや心を揺さぶるところが魅力なので、これから楽しみです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 0

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

悪魔超人たちの言う「あのお方」とは一体何将軍なんだ!?<63>

悪魔超人のリブートという燃える展開で1期終了。
アニメは細かいところまで行き届いたデキだったけど、必殺技が決まった時の演出があっさり気味だったのが唯一残念。
劇画調止め絵とかマルチアングルで繰り返すとか、そんな昭和アニメ的なのじゃなくてもここがキメ!という強調がほしかった。
原作でも改良阿修羅バスターくらった瞬間のコマではジェロニモの手足がちぎれてるからね、その後なぜか繋がってるけど。
今シリーズの見どころは悪魔超人の仲の良さ。正義超人がちょっと義務感漂ってるぶんステカセ・BHのやりとりとかほんわかしてて良いですね。
1期は裏返すための表の発言に終止したスプリングマンの見せ場は2期か。
細部まで完成度の高いOP/EDも合わせて2期に期待。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

全然キン肉マン通ってこなかった私も楽しめそう。

 宮野さん主演でキン肉マンはどうかと思ったが、思った以上に丁寧に作られてるし、声優さんが好きな人ばかりだから楽しい。


 1話はほぼ回想な話だが、キン肉マン通ってこなかった私でも良かったです。声優さんの力と、ちゃんとレスラーの身体を表現できてるアニメーションの基礎体力がいい。なにより通ってこなかったとはいえ超有名作品だから、なんとなく知ってたあの場面が!な喜びが合った。


 宮野さんはやはり低いボイスじゃないので少し違和感あるけど、流石に上手いからそこまで不満はなかったです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

66.2 23 2024年夏(7月~9月)アニメランキング23位
ダンジョンの中のひと(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (129)
383人が棚に入れました
アントムルグのダンジョンに消えた父を追い、単独で挑み続けてきたシーフの少女クレイ。探索の末、ついに前人未踏の地下9階に到達。そんな矢先にモンスターとの戦闘でダンジョンの壁が崩落! 崩れた壁の中から現れたのは――管理人!? ダンジョンで働くもの達が織り成す、迷宮お仕事ファンタジー。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

キャラ造形と世界観が作り出す独自の視点。非常に面白かったです。

 非常に面白かったです。テーマパーク経営の裏側を独自の視点で描いていたような視点がもちろん面白いのですが、なんといってもキャラ造形が最高でした。
 えてして異世界ものは、可愛い、エロい、性格が良い悪い、俺TUEEEなどが前面にたったキャラが多い中、そういう分かりやすいキャラ造形とは一線を画していました。

 そのキャラ造形が作り出す緊張感と弛緩が素晴らしかったです。スローライフだけでない、経営の厳しさ、人間社会の現実、魔物との価値観の違いなどを上手くストーリーに取り入れていました。

 なんといってもクレイの驚きや発見と途中から視点を共有できる感覚が良かったと思います。3話くらいでかなり面白いことに気が付き、後半はずっと面白かったです。中盤に若干話の展開がない事でダレを感じなくはなかったですが、この作品は面白さを見出すのに時間がかかるからだと思います。その点で、早い段階で切られる可能性もあるかなとも思います。

 結論が見えないのはちょっと残念ですが、この話の構造ですとほとんど気になりませんでした。ベルの孤独とクレイの目標がどうなって行くのか2人の友情の行く末は充分想像で補える範囲です。SF的世界観をもっと解き明かしてほしい気もしますが、先史文明ものですと必ずしもそれが必要ではないです。


 作画について、一見作画が悪いように見えますが、とても良かったです。破綻がないというレベルではなく、会話のときの身体の動き、髪や瞬き、構造の回転、視点の作り方。よくできていたと思います。OPアニメがとても良かったです。
 動きが少ない止め絵のシーンも多いので、一流とはいいませんが、かなりの水準だと思います。ここが私も1話のキャラデザで勘違いしましたが、最終話などは作画の良さがかなり出ていたと思います。

 ながら見とかOPスキップとか一切しませんでした。毎週集中して楽しみながら見られました。行間にあるものが気になるし。エンタメ的な視点と結末がないことでストーリを4.5にします。満点でもいいかもしれないと悩みました。感覚的にも満点じゃないよな、という気もしますし。

 客観的にも主観的にも評価できる作品だと思います。万人受けではないかもしれませんけど。

追記 評価点4.9はちょっと盛りすぎなので、作画を5→4.5、声優5→4、音楽を5→4とします。


1話 作画…原作者可哀そうすぎるだろ、と思ったら今期で1番面白い。

{netabare} dアニメのサムネがあまりに無気力というか、見てもらおうという熱意が感じられなくて、かえって興味がでました。見始めても、期待通り?チープな作画で、原作者可哀そうすぎるだろうと思って見てました。
 ですが、あれ?そういう展開?となりちょっと面白くなって、そして、アレそう来るの?とかなり面白くなりました。

 で、映像も後半に入って気が付いたんですけど、悪くないんですよね。動きとか演出とか構造とかカメラワークとか…要するに見せ方がちゃんと作風とあっていて面白さを引き出していました。で、EDを見ると結構なレベルの作画でした。

 1話だけで言うと、かなり話が面白いです。そして、これからどんな話になっていくんだろう?という期待感があります。主人公は男か女かわかりませんでしたが、女の子でしたね。

 まったく前情報もないし、正直同情心で見始めましたが、話自体はいまのところ今期で一番面白いです。もちろん出オチの可能性もありますが、この設定とキャラ作り、映像作りのセンスから言って、ダークホースになる可能性がありそうです…今のところ。

 なお「金貨8万枚」の人が原作者かと思ったら違いました。ちょっと似てますよね? {/netabare}


2話 思っていたより普通でした。癒し枠としては十分面白いですけど。

{netabare} やっぱり画面は好みです。どこで誰が何をやっているかが分かりやすい見せ方も雰囲気も私が好きなタイプです。

 ただ、2話を見る限り異世界のダンジョンの内部がどう運営されているのか?というメタ的な視点を活かし切れているのか微妙な気はします。宝箱とかダンジョンでなぜクリーチャーがポップアップするのかの説明がありました。そこはなるほどと思いますが、面白さの工夫がイマイチかな、と。もうちょっとエピソードと絡んで話の中で分かってくるような感じだと、もっと感心できるのですが。
 で、ベルは片づけられない女だった…と。

 話は面白いですが、今季NO1というレベルではないかもしれません。普通に面白い感じです。癒し枠かな?ゴーレムとか他のクリーチャーとの絡みでダンジョンの仕組みが説明されていくのでしょう。

 一般的に職場で周囲のレベルに合わせられない人、やり方を赴任後すぐ変える人は、いくら能力があっても職場では困った人となります。なんとなくそういう人を思い出しますが、途中で大失敗とかありそうな導入でした。{/netabare}



3話 かなり面白かったです。たった1つの戦闘を視点を変えて見事にエピソードに仕立てていました。今の転スラ3期と発想の根っこは一緒かな?

{netabare} 2話が思ったより普通と思っていたら、3話はかなり面白かったです。1つの戦闘だけですが、視点を変えてエピソードを展開する工夫は素晴らしいと思います。

 で、ちょっと思ったのが、今ちょうどやっている「転スラ3期」の迷宮…ダンジョンつくりと思想がとても似ています。転スラの中盤で一番面白い部分ですし、その発想はあると思います。
 オマージュだとしてもそれを換骨奪胎して3つの視点に振り分け…冒険者・管理人・魔物の方向性から作品にした発想がいいです。地味だけど新しいものをちゃんと提示できていると思います。もちろん、ダンジョンの設定を考えたいのはみな一緒なので、偶然発想が似ただけかもしれません。

 そして、結構濃いようで薄い感じのヒロインクレイと、薄いようで濃いヒロインベルの取り合わせ見ていて面白いし、いろんな思惑がある魔物とのコミカルな掛け合いと、バトルのかなりシリアスな現実・設定が見事に融合しています。

 楽しみな作品と言えると思います。再視聴しても十分面白そうです。{/netabare}


4話 奇数回が面白くて偶数回は普通、という感じ。

{netabare} ダンジョン運営のほか、父の捜索と強くなるという話がるのがいいのでしょう。面白い回と普通の回の差があって、1,3話が面白い、2,4が普通でした。4話はいろいろ伏線の種まきで終わった印象です。シーフのギルドの話もただ説明を聞いたら終わってしまいました。次回が面白い回だと思いますので期待しておきます。{/netabare}



5話 中途半端で消化不良なのがキャラやダンジョンに深みを与えている。

{netabare} この作品、それぞれのエピソードで明確な解答・結末がないのがいいですね。余韻が残ります。対ドラゴン戦も中途半端な感じで終わることで、この作品の一つの目標であるクレイの階層の踏破の達成に遠回りですが近づいて行っている感があります。

 そして、ちょっと思っていた「全部ベルで良くね?」問題が、いろいろな疑問への伏線になっていたんですね。もちろんランガードとゴーレムがいないと絵的に面白くない、というのはあるんでしょうけど、ベルの出自や性格に通じていました。
 また、少し発想を跳ばすと組織論にもつながります。一人のスーパーマンで運営される組織は継続しない問題ですね。

 中途半端で消化不良な展開が、この作品の持ち味だしそれがキャラ造形にものすごく深みを与えています。今回はちょっとしゃべりすぎ、説明しすぎなくらいでしたけど。やっぱり面白いです。

 そういえば「ランガード」って、声優さんを調べようとネット検索したらちょっとセクシーな映像ばかりでてきました。ストッキングの伝線をお尻と太ももで連動しないようにするための太い線のことだそうで。何か意味があるのでしょうか? {/netabare}


6話 少し話が展開してほしいです。それとベルが活かせてないかも 

{netabare} 相変わらず面白いのですが、この作品に不足しているのはワクワク、ドキドキだなあとあらためて思いました。もちろん死なない設定がそれを減じているのは自覚的だと思います。ただ、11階層到達を目標にしているという大前提が、危険がなければ冒険にならないという矛盾はどうしようもないです。

 中間まで着て、決して失速ではないのですが、何か繰り返し感が出てきました。1話1話は面白いのですが、先に進むとか何かを達成するというのがないので、毎週見る分にはいいでしょうけど、一気見だと評価が変わりそうですね。

 そしてもう1点の欠点が、ベルがすっかしサブキャラ以下になってしまいました。ランガードの方がむしろ活躍している暗いです。もちろんベルが活躍すればチートでしかないとは思いますが、何か縛りとかつけてベルを深掘りしないとベルが活きないなあという気がします。{/netabare}


7話 信用できても信頼できない関係性が上手く面白さにつながっている。

{netabare} クレイから見たベル、ベルから見たクレイというのは以前から相互理解という点で、根本的な部分で少し相容れないような雰囲気はありました。その構造が今回顕在化しましたね。能力は信用しているけど、その人間としてのふるまいが相互の不理解もあって、信頼でききれない感じになっています。
 6話でベルが上手く使いこなせていないと思いましたが、7話は両方から見た相手への不安…特にベルからクレイに対するモヤモヤが上手く面白さとキャラの深さに活かされていました。

 比較的ドライともいえる2人の関係性は、ダンジョン=会社組織のような設定と上手く結びついており、そこがこの作品のいい意味での特異性でしょう。

 ここにきて、面白い話を持ってきたと思います。後半7話がどう活きてくるか楽しみです。 {/netabare}


8話 SFおよびSEのような素養を感じる面白さでした。

{netabare} 初期になんとなくこんな話かな、と思っていた内容そのままのような回でしたね。そして、SF的な設定がほの見えました。背景美術はもちろんですが、ベルの言葉はコマンド入力です。
 この作品の性質上そこに焦点があたる感じではないでしょうが、原作者が裏で何か考えたものがあるのでしょう。
  精霊の正体や魔法のエネルギーをSF化する場合の常套手段ですので、世界の多次元宇宙的な設定も考えていそうなので、もともとSFに造形がある人なんだと思います。

 その上で単純な設計に落ち着くというのは、ビジネスあるあるですね。奇抜で奇異な仕事にならない理由には、どこかで合理的なもの、制限による事情があるものです。
 その単純な制約の結果に、緻密に考えられたような効果を外部から見ると感じてしまうのもあるあるです。

 この発想、システムエンジニア的でもあるので、原作者の方はSEとかプログラマーとか何かその辺の素養がありそうですね。低層階でユーザーが多い場合、開発環境を隣で作るなどもシステム開発的な発想でした。

 ダンジョン・システム的な「系」の裏設定がないと描く方も見る方もモチベーションが続かないので、良かったと思います。{/netabare}


9話 様々なギャップが面白さとして機能しています。そして…百合?

{netabare} 今のところ面白さの安定感ではNO1です。今回が一番面白かったといっても良いでしょう。バトルシーンは迫力ないし、話が始まって3分くらいで結末が分かるような話でしたけど、面白いんですよね。体感10分くらいであっという間でした。

 面白さを言語化するのは難易度が高いのですが、やっぱりクレイのキャラ性かなと思います。彼女の内部の思考と外部のズレが面白いのが一つと、女性であるということが彼女の性格とのギャップとしてコミカルな要素になっているかなと思います。メイド服を着させているところから考えると原作者は自覚的にギャップの面白さを計算しているのでしょう。

 ベルの側は圧倒的な強さが安定感として機能して話が複雑化、深刻化しないという信頼感があるし、こちらはその強さと性格・行動のギャップが面白さになっています。今回の最後のオチのつけ方もどこかとぼけた感じで、深刻さと日常のギャップになっていました。

 そして、なんと百合ですか?そうきましたか…{/netabare}


10話 ここに至ってこの面白さ。秀作と呼べるのではないでしょうか。

{netabare} 緩い話の様で厳しい社会の話なのがいいです。父親を捜すという大きな目的とダンジョン運営というフレーム、そしてベルの謎めいた存在。ベルとクレイのキャラの対比。私は作品としての完成度が高いと思います。10話に至ってまったく飽きが来ません。

「ダンジョン飯」ほど世界観の作りこみはないしハイコンテクストではないですが、話に重層性があって設定がしっかりしてキャラ造形が見事なところが、ちょっと似ているかなと思います。ただ、緩い面白さが独特でそこはダンジョン飯にはない部分でしょう。

 本作は充分秀作だといえると思います。{/netabare}


11話 ルールと命の等価性。ライトな描写に凄みがありました。

 本作はダンジョンに挑戦するリスクと同時にルールという縛りにおいて命の軽さが感じられと同時に、それは命をもってあがなう「必然」のような感覚をものすごく強く感じます。11話の話そのものはありふれた話なんですけど、ルールを守らない人間に対する死刑執行を無感情に行う凄みがありました。

 この描き方が面白いんですよね。命の重さと軽さの両面は、本来異世界もので描かなければならないことです。これが顕著に描けていたのは「ブラックラグーン」ですね。本作においてはかなりライトな絵柄で軽く描いている分、より非情な感じがしました。こういうところが本作の魅力ですね。

 さて、来週最終回ですか。次回予告だと仲良しエンドみたいですね。最後まで描けていれば名作、一応の方向性や区切りまで描けていれば秀作だと思うんですけど…中途半端だとちょっと残念ですね。2期の発表は…ないでしょうねえ…




 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14
ネタバレ

wkr さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

直感的な面白さがもっと欲しかった

https://dungeon-people.com/

原作未読

ちょっと期待してたモノと違ったなあというのが第一の感想です。

内容はダンジョンでお仕事をするというもの。その舞台となるダンジョンの設定がファンタジー要素と現実的な経営学的要素を絡ませていて、周りの理屈がこと細かく作り込まれている点、ゆるふわな見かけに対して意外にも人間の生々しさや狡猾さが要所要所で露わになっているシビアな世界観の構築などが見事でした。ファンタジー設定を活かした視点の仕事内容は面白かったです。

ただ、この作品は世界観を第一に描いている作品なこともあり理論的な面白さが顔を出しています。対してキャラやストーリーのような直感的な面白さや魅力は薄めに感じます。また、世界観周りの作り込みの分、毎話必ずと言っていいほど説明セリフが多いもののキャラの魅力の薄さ、反応もやや型にはまった単調なものだというのも相まって単なる説明に過ぎず、退屈さに繋がっています(日常パートもややそれに近い)。最終的にはキャラの変化が描かれてはいるものの、多数の情報の中にキャラ描写が埋もれてしまっているせいで感覚的には楽しみづらく、魅力があまり持てなかったです。

独特の良さがあるものの、私自身きららみたいなキャラに愛着の湧くような日常系が特に好きなのでこの手の作品は合わなかったみたいです。「ダンジョンの説明書」にタイトル変えたほうが良いんじゃないかな...と思ったり思わなかったり。作品で重点的に描かれている設定や世界観などから面白さを見いだせたら最終回まで楽しめると思います。意外と玄人向けな作品という印象でした


各話の感想
{netabare}
1話
{netabare}無難な導入って感じです。それゆえに出だしは弱いかなとも思いますが、序盤から丁寧にやっていった方が作品としてはいいですね。これからお仕事モノにシフトしていくようです。ダンジョンのお仕事モノ、ということで設定が良いので今後面白くなりそうです。作画も全体的に良くOLMなので今後も安心できます。キャラデザはあっさりし過ぎてモンスターに迫力ないな、と最初は思いましたが、これからまったり寄りなお仕事モノになっていくのだったらこのキャラデザも納得です(まったりかはまだ分かりませんが...)。今回、クレイの死生観が随分あっけらかんとしてたのが印象的でした。そういう世界観なんですかね。日本語が登場するのはあれ?とはなりましたが。
{/netabare}


2話
{netabare}全体的には説明シーン多めで地味な印象の回、でも面白かったです。前半は、ベルがダンジョンを案内する内容でしたが、現実的だけどファンタジーな作業場が見てて楽しかったです。だんだん見えてくるベルの可愛らしい一面もアクセントになってるのであんまり退屈しないです。説明もかなりしっかりしてて、モンスター死んだらどうなるん?っていう気になるところもちゃんと説明してるのが良かったです。後半の内容はお仕事モノらしくなってきます。でもこの辺りは割と普通だとは思います(普通のお仕事モノの仕事要素をダンジョンに置き換えただけみたいな)。宝箱の中身補充とか、仕事内容も意外とアナログなのがシュールでちょっと面白かったです。
今回、鈴代紗弓さんの声がベルによくハマってると思いました。キャラも相まってマジで可愛い!でも作画の質は少し落ちたかな。キャラデザがゆるめなので、よっぽどしゃなきゃ気にならないと思いますが。

冷静に見ると地味なシーンが多いけど設定やキャラが良いから全体的に普通に面白くなってます。アイテムとかモンスター出てきたりとか、こういうファンタジーな要素好きなんですよね、おまけに百合っぽい要素も入ってきたので、このレビューは完全に好み出まくってて参考にならないかもです。一応は今期のダークホース扱いで良いんじゃないでしょうか。早く続きが観たいです。
{/netabare}


3話
{netabare}OPがだんだんハマってきました。アップテンポな曲好きです。

前回地味でしたが、今回ファンタジー設定を活かせてて良かったと思います。モンスターの視点から、という内容が特に面白かったです。バトルシーンはなろう感出てましたけどw 後半は百合っぽくなってました。ベル可愛いです。そして少しクレイの掘り下げもされました。1話で、なぜ死生観があっけらかんとしていたのか掴めた気がします。そのシーンは普段の雰囲気に対してシリアスでしたね。回想で人殺してたのはビビりましたが、ダンジョンというある意味な無法地帯で起こりうる現実的な問題、そういう世界観だからこそのクレイの価値観をしっかり描いたのは良かったと思います。ですが個人的には作風に合ってない気がして引っかかります。
{/netabare}


4話
{netabare}シンプルに面白かった。仲間ができたことを実感するクレイ、あったかかったです。バトルシーンも臨場感があって、クレイの状況判断の心理描写がしっかりしてるので見応えあります。そしてドラゴンが出てきて4話は終了、引きがうまいので続きが観たくなります。
ダンジョンの内部に関わりつつ、段々とわかっていくクレイ父のことやダンジョン周りのこと、クレイの変化が作品の面白みになる部分でしょうか。設定もしっかりしてますし、細かい部分に関しては良く手の行き届いてる印象です。次回も期待します
{/netabare}


5話
{netabare}オリンピックのせいで一週間延期しちゃいましたね。そのオリンピックは色々杜撰で悪評しか聞こえてきませんけどw

ぼちぼちって感じかな。バトルシーン以外はかなり地味だった気がする。
クレイのレベルアップが話の軸に加わるんでしょうか。意外と人情物?
バトルシーンの内面描写がしっかりしてました。3話の内容が活かせていたのが良かったです。ベルちゃん一人で出来るけどしないっていうのが説明されたシーンは現実でも通用する考え方でしょうね。考え方がしっかりしてて経営学アニメでもあるのも良いところです。
でもお仕事物の内容になるとファンタジーとリアルの境界線が曖昧になって、ファンタジーらしい面白さは薄いですね。一応面白いですけど。{/netabare}


6話
{netabare}新キャラが出てきたのは唐突でした。これから話に関わるか知りませんが。
仕事パートやら、内容が現実寄りになると結構地味で少し淡々としてる。その辺りはマンネリ化してきたかな。ベルちゃんも片付け下手とかどうでも良いとこでキャラ立っちゃってるから設定とかを活かしたキャラの立たせ方をして欲しいかも。
でも後半、ダンジョンの内部事情を知ったがゆえの、メタ的視点のダンジョン探索は面白かったです。(サラッと10階クリアしてなかった?) {/netabare}


7話
{netabare}時間なくて観るの忘れてました。

中盤からの悪徳な魔物退治の流れが面白かったです。ゆるいお仕事物に挟まれるシビアな内容は緩急があって良いと思います。魔力云々も意外としっかりクレイのレベルアップに繋がってます。でも今回は世界観設定の説明が多くて少し退屈。説明セリフが多いことでバトルシーンの駆け引きがしっかりしていて濃さが増しているのは良いことですが、いかんせん全体的にみても説明セリフが多めで占めていて話的には一長一短、もう少し説明セリフはカットしてもいいんじゃないかな。魔界の話はあんまり話にも関わらなそうだし。{/netabare}


8話
{netabare}観るの忘れてました。説明が多くて観るの疲れるので...

ダンジョンの作り手の立場に立つ、っていうのが新鮮でした。前半はクレイのメタ的な視点と意外にも浅い作り手(ベル)の思慮の対比がギャグにもなっていて面白かったです。
後半はいつも通り説明が目立ってました。この作品はキャラよりも世界観の魅力を重視してるように思います。その狙い通りしっかり練られた設定で作品の舞台の面白みは増してはいますが、ダンジョンの仕組みを逐一説明するためストーリーの流れが毎回滞って、キャラも微妙に弱いのでその説明シーンは感覚的な面白さには繋がっていない所が悪いところでもあります。今回の後半は説明書をなぞっているようなストーリーになっていた印象です{/netabare}


9話
{netabare}日常系ではベタ?なメイド服!見応えのあるバトル!なろうっぽい展開だったけど本音を言えばこういう直感的なものを求めてた。欲しいのはすごい設定以上に魅力的なキャラ描写なんですよね。今回は2人のキャラが良くでていて素直に楽しめました。王が興味を持つのは唐突に感じましたが、偽名を使うシーンとその後が面白かったです{/netabare}


10話
{netabare}クレイの設定が更に重くなりました。その分ダンジョンに執着する大義名分がよりはっきりしました。

今回はキャラ同士の掛け合い多めで説明も話がダレない程度であくまでキャラ見せの体裁をしていました。今まで説明多めだった描写が今回はキャラ描写との釣り合いがとれているリソース配分なのが良かったです。そして内容自体もクレイ父という物語の中心部分の掘り下げてしっかり必要要素を補いつつクレイの心境の変化に繋げてるのは上手いです。

後半のゴブリンの畑は斬新で面白い設定でした。理屈もちゃんとしてるのがこの作品らしいところ{/netabare}


11話
{netabare}冒険者視点の金髪のキャラの目的がわからなくて混乱しましたが、序盤は冒険者ギルド視点でワンクッション置いてからのダンジョン視点は良かったですね。

以前は仲間同士のいざこざが容認されていた、というのがリアリティに水を差していて違和感ありますが今回の治安維持は特に良かったと思います。悪徳な冒険者もいること、その狡猾な面をしっかり見せていて変に媚びておらず、勧善懲悪な道徳的一面が備わっているのがこの作品の独特の良さになってると思います{/netabare}


12話
{netabare}設定の深掘りは最終回でも安定ですね。ラストシーン、変わったのはクレイだけじゃなくベルもだということがハッキリするのが良かった。百合

ダンジョンというファンタジーと経済的な要素を掛け合わせてる点、意外とシビアな世界観な点は良かったと思います。ただ個人的には期待してたものとちょっと違ったかな...キャラ描写が疎かになっていてキャラへの愛着はあまり湧かないのはう〜ん。掛け合いや展開も少しパターン化しているようにも思いました。毎話単なる情報が多いため、私は最新の話を見る際、前の話をあまり思い出せないということが起きてました。玄人向けな作品だったかもですね。{/netabare} {/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

緩そうな絵柄で意外と緩くない作品の雰囲気が好きでした

最初タイトル見て、出オチのネタアニメだと思いましたw
そんな感じであまり期待しないで見始めて。

1話のアバン。
主人公クレイの父親との特訓の日々、そして父の失踪などの独白から始まる雰囲気があれ?面白そうって感じて。
絵柄はコメディっぽいんですけど、結構グロい表現があったり意外とシリアスだったり。
そんな緩そうな絵柄で意外と緩くない作品の雰囲気が好きでした。

特訓とダンジョン探索以外何も知らないストイックなクレイのキャラが良いです。
ダンジョンの主のベルの理解を超えた言動に、私たち視聴者の代わりにつっこんでくれたりしてるとこもいい。

ベルもかわいい見た目なのに、底が見えない強さがあって、でも孤独で友達を欲しがってたり・・
でも相手によっては容赦がなかったり怖い雰囲気も隠れてたりして・・こちらも面白いキャラでした。

それからダンジョンの運営のあれこれも意外と設定が細かくて、こういう世界観が丁寧なところも好感持てました。

父親には {netabare} 会えないまま終わっちゃいましたけど、原作では再会できているんでしょうか・・{/netabare}

最後に。。
スライムのFAXかわいい♡ 欲しい!
ゴーレムさんたちがかわいい♡ 欲しいw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

66.0 24 2024年夏(7月~9月)アニメランキング24位
杖と剣のウィストリア(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (133)
384人が棚に入れました
原作:大森藤ノ(『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』)×漫画:圧倒的画力!新進気鋭の才能・青井 聖×監督:𠮷原達矢(『チェンソーマン』アクションディレクター)×キャラクターデザイン:小野早香(『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』)×音楽:林ゆうき(『僕のヒーローアカデミア』) 至高の布陣で贈る、杖と剣のハイファンタジー・アクション! 原作ライトノベルがシリーズ累計1,500万部を突破、2023年現在、TVアニメも第5期まで製作が決定している大ヒット作『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の大森藤ノが原作を担当し、気鋭の漫画家、青井 聖の美麗なイラストとともに世界観をダイナミックに描く、“剣と魔法”の学園ファンタジーコミック『杖と剣のウィストリア』。 現在「別冊少年マガジン」にて連載中の話題作が待望のTVアニメ化決定。 一人前の魔導士をめざして魔法学院に入学した少年ウィル。努力家の彼には魔導師として致命的な弱点があった。それは、“魔法がまったく使えない”こと。 同級生や教師から冷たい視線を浴び、時にはくじけそうになりながらも、強い気持ちで邁進していくウィル。杖は使えなくとも剣を執り、魔法至上主義の世界で戦い抜く。自分だけに与えられた力を信じて。そして、大切な人との約束を守るためにーー 監督は𠮷原達矢(『チェンソーマン』アクションディレクター)。原作の要である剣と魔法のバトルをハイクオリティなアクションとして描き出す。 キャラクターデザインおよび総作画監督に小野早香(『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』)。 音楽は林ゆうき(『ハイキュー‼』『僕のヒーローアカデミア』)が担当。制作プロダクションはアクタスとバンダイナムコピクチャーズの共同体制。尖鋭のスタッフが本作のために集結した。 落ちこぼれの少年が剣で魔法に挑む。杖と剣が交わる魔剣譚が今はじまる!

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

この手の物語は、やり尽くした感ありです。

 最終話(12話)まで観ました。2024.09.30

 祝2期決定!しかし、今後の展開に不安もあります。最終話で明らかになりましたが、剣に魔法をエンチャント出来る様です。多分、剣士の技術としてこの世界に存在しているんでしょうね。

 こんなん、主人公が強いに決まってます。これから、他に強い剣士がゴロゴロでてきたら、最初の魔法至上主義的な設定が破綻しそうです。

 強さがインフレしてめちゃくちゃになる系の物語っぽいなぁ〜と思いつつ、2期も楽しみだったりします。願わくは、変な延命引き伸ばしをしないで、サクッと最後までやって欲しいです。
………………………………………………………………………

 10話まで観ました。2024.09.16

 出たよ…。今までの話は全部茶番だったらしいですよ?学園や単位、優等生やら擦っていた部分は全部どうでもよく、学園は無能の溜まり場だった様です。

 で、世界に敵対的な悪の組織が出てきますが、何やねんお前ら…。あまりにも良くある展開にチビリそうです。 

 もう、お腹いっぱいです。まさか2クール目に突入しないよね?初期設定が既に死に体の物語に面白い展開など期待出来ない感じです。
………………………………………………………………………
 7話まで観ました。2024.08.29

 主人公は魔法が使えないけど、肉体がゴイスーなマッシュみたいな出落ちキャラです。他のキャラ達はみんな、主人公を馬鹿にしますが、そもそも前衛としては非常に優秀なのでは?

 魔法が、広範囲の精神破壊攻撃とか、即死効果とか、陰険な呪いとか絵面のエグい陰キャの極みみたいな攻撃方法だったら、物理攻撃系は役に立ちませんが、本作品、冒険活劇なので、魔法も火や水、氷や岩を飛ばすなど、物理攻撃に毛が生えた感じです。

 結局、現代戦で戦車等の機甲部隊が無くならないのと同じです。防御された陣地を占領するには、ミサイルやドローン、空爆等の遠距離攻撃だけでは駄目で、誰かが行って来ないといけないので、防御力の高い機甲部隊が必要なのです。

 いずれ魔法使い達も、魔法防御力の高い装備を持った機甲軍団みたいのに駆逐されそうですね。

 物理攻撃系主人公を活躍させるために、魔法にあまり魅力が無いのは、残念です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

2話 テンプレ作品ですが出来は悪くないです。今見たいと思えませんでした。

1話 魔術学院の劣等生は女たらし。面白いが底は浅い。

{netabare}「魔法科高校の劣等生」の構造ですね。あるいは「マッシュル」の方が似ているかもしれません。一般的な魔法が使えないけど他の理由で強い…力と剣ですね。つまり弱者代表ではなく俺TUEEEの最たるものです。

 強敵と戦いますが「ダンまち」のミノタウルス戦とそっくりなシーンです。もちろん同じ作者なのでパクリではないです。中央の高い塔も「ダンまち」で見た絵です。天然の女たらしなのも、強さを女性のために求めるのも一緒ですね。

 そして、黒猫でキキって大丈夫か?と心配になります。

 という具合に「ダンまち」をベースに、ラノベ・マンガの面白そうなものを集めました…という感じです。

 1話目は面白いですが、寄せ集め感で底の浅さを感じました。そこから先です。初期設定を意識的に模倣から初めて、一つの世界観は作り上げています。面白さを追求するラノベの面白いところのエッセンスを模倣し続ける学園ものにするのか、そこから上手くズラしてゆくのかどちらでしょう。

 原作者は「ダンまち」しかやっていないのでポケットが小さい1発屋で終わるのか、ストーリーテラーとしての才能を見せつけるのか。まあ「ダンまち」一発屋だとしても十分すぎるほど大きな1発ですけどね。

 CGは進化していてほとんど手書きとそん色ないところに近づきつつあります。髪の毛などの揺れものの処理も出来つつあります。その道のりは80%というところでしょう。その点では見るべきところがあります。画面もいいと思います。{/netabare}


2話 テンプレ作品ですが出来は悪くないです。今見たいと思えませんでした。

 ゾルトラーク的な魔法…というより1つの魔法を極めるという考えが出てきました。「フリーレン」とどっちが先かとか面倒で調べてませんが要するに本作はいろんな要素の寄せ集めということです。
 この1つの技を極めるというのは、武術マンガだとそれこそテンプレですから、フリーレンは真似したんだろうなと思います。思いますがそれで作品の価値が減ると考える人は少ないでしょう。

 寄せ集めは悪い事ではありません。テーマ性や文学性を持たせることもできます。驚きもエンタメももちろんです。要は原作者、制作者が何をどうやって表現したいか、どんなキャラを活躍させたいかです。

 本作に関しては「みんなが考える魔術学園もの」「魔法が使えない劣等生の下剋上」をその通りにつくりました、という風に見えます。その後、塔がどう絡むかです。EDを見る限り、あの塔の娘が絡んでくると思います。その展開まではテンプレなのはほぼ確実だと思います。エンタメとしての質は驚きがない点を除けば悪くないと思います。

 塔が絡んだあともどうかですね。天との闘いが始まるのかどうかですが、1クールなら塔までたどり着くのかどうかでしょう。

 結論は慌てて見ることもないかな、という感じました。作画レベルは大したものだし、演出などもそれほど悪いとは思いません。ただ、今季はみなそれぞれ工夫して見どころを作ってきたアニメが多い中、本作は今見たくなるような内容じゃないので、一旦視聴断念して1クール終わった後のレビューや評価で判断します。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

ヤマナ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

マッシュルを子供向け正当ファンタジーにした感じ。

初見評価
魔法絶対至上主義の学校で魔法を使えない主人公が先生にもイジメられ。
才色兼備の同級生だけはなぜか主人公に好意を抱いており。
幼馴染は最強の称号を持つ。
主人公に執着して嫌がらせする同級生。そしてそれを助ける展開。
テンプレの設定にセリフや思考回路までテンプレ。
作画にこだわりは感じるが顔芸が少しウザい。

初めて見たアニメだったら楽しめるかもだけど、新鮮さが今のところなさすぎる。
これからの展開次第。


9話まで視聴
初見評価通り。良くも悪くも王道で子供向けファンタジーって感じ。
戦闘に迫力はあるが魔法や展開、キャラすべてにおいて新鮮味がない。
この作品特有のクセとか個性ってのが感じられない。
新しいアニメを作っていくのは大変だな。
普通によくできてると思うし作画もいいのだけど、新鮮味がないってだけで面白いと感じない。

また話題に上がるようなら見ようかな。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

65.8 25 2024年夏(7月~9月)アニメランキング25位
新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (102)
300人が棚に入れました
“別にいいじゃねぇか……。何歳から新しいこと始めたって!” 最強にして新人のオッサン、冒険者を目指す! 「夢を追うならできるだけ若いうちがいい」 人は皆、そう考える。だが、どうしても諦められない。そんな大人も、どこかにいる――。 10代で冒険者になるのが当たり前の世界で、30歳を過ぎてギルド事務員から冒険者を目指したリック・グラディアートル。 大陸最強の冒険者が集う伝説のパーティ「オリハルコン・フィスト」のメンバーによる想像を絶する訓練の日々を過ごしてきた彼は、新米Fランクながらも最高位であるSランク並みの戦闘力を有していた!? 叶えたい夢を追い続けるアラサー主人公が、なめてかかってくるエリート冒険者を、本人が気付かないうちに鍛え上げられた戦闘力で次々にねじ伏せていく痛快アクションコメディ!

大重 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

ううーん、クソアニメですが面白いクソアニメかどうか…

やりたいことはわかりますがクオリティは残念。
作画が微妙過ぎ。

内容はまあ、結局いつもののバリエーション違いでしかない。
やっていることはいつもの通り、なろうチートものです。

まあ的当てが無いからいつものとは違うというなら、そうですかって感じですが。

ただまあ、一応ギャグな雰囲気があるところは、微妙に笑えないことも無かったかもしれません。

まあ明らかにクソアニメなんですが、笑えるタイプのクソアニメってのもあるんですよ。

決闘したアンジェリカが、なかなか反応が良くてクスッとしそうになったので、もしかしたらちょっとは笑えるのかなーとも。

というわけでちょっとだけ見たい気もしました。

でもまあ、多分切ります。今期も本数多いでしょうし。
暇なら流し見しても良いのですが。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

転生、転移がこれほど重要だとは…。ズラしが上手くいっておりません。そして脳筋体育会系アニメでした。

最終話(12話)まで観ました。2024.09.29

 ワンクールの半分以上やっていた闘技会編もいよいよクライマックス!リックとブロストン先輩が本気で殴り合い、ブロストン先輩も大満足!凄まじい体育会系の脳筋ストーリーでしたが、オチはキレイに決まった様です。

 リック達の今後の目標も定まり、俺達の戦いはこれからエンドでしたが、ワンクール作品としては上手く畳めたと思います。わりと強さ表現が限界突破したので、2期は無くても良い感じです。これ以上の強敵が出現すると、作画崩壊しそうです。

 まぁ、リック達の目的も、宝玉を集めて超強いカイザーをいっちょ討伐するかぁ〜位なので、そんなに興味を湧きません。別に今の所カイザーは人類の脅威にもなってませんしね。

 後、ブロストン先輩は、割と才能だけで産まれた頃から強いので、トカゲ男のギースと何が違うのか良く分かりません。イキッて無い所かな?パーティーのメンバーも修行で強くなったとは思えない面々なので、これ以上続けると、物語が破綻しそうな気もします。

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 9話まで観ました。2024.09.04

 6話からスタートした拳王トーナメントも佳境に入りました!お色気ツッコミ要員のアンジェリカのために、超天才で才能のみで戦うトカゲ男のギースをボコボコにして指導します。

 主人公、もう強さを自覚してるやん…。手加減まで覚えちゃって…。最初のオトボケ振りは何だったのかな?普通の俺tueeeeee!に成り下がっています。

 主人公、努力だ〜とか申しておりますが、チート能力覚醒してましたよね?説得力がありません。始めの変に自分は弱いと勘違いしてる云々の設定は、正直必要ありませんでした。

 アンジェリカ以外のキャラに魅力が全く無いという不思議なアニメですが、ここまで来たら最後まで視聴継続です。
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 4話まで観ました。2024.07.24

 えっ!?タイトル詐欺じゃね?4話で3話までのお話と矛盾する回想をぶっ込んできました。

 他のレビューアー様も指摘されていますが、主人公、特訓のおかげで強くなり、自分の実力を勘違いしているキャラだったはずなのに、ドラゴン倒しちゃったよ…。

 30歳で能力覚醒してたのね…。1話辺りの無知さは何だったのか?出落ちで後の展開を考えてなかったのでしょうか?

 物語の制作において、誠実さを感じさせない展開に、失望させられました。せめて能力覚醒は特訓中にするべきだろ…。

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 3話まで観ました。2024.07.16

 Eランク昇級試験編終了!主人公、Aランクエリートお貴族様を軽く退けました。

 そして、お貴族様に対して強くなるためのアドバイスなんかしちゃいます。これ、全然無自覚系俺ツエエエエ!じゃ無くね?

 主人公、割と性格が悪いんじゃね?と疑問に思いつつ、次回も楽しみです。

 しかし…、主人公はあんなに鍛えた体を見せつける様な格好をしていて、自信が無いとか、何を言っているのか…。

 ボディービルの大会で上位入賞する様な人物が自分はヒョロガリですとか自己紹介する様なもので、嫌味にしか聞こえません。

 どう考えてもオッサンである以前に強いでしょうよ…。みんな、年齢以外に他人を評価すべき基準が無いのかもしれません。視覚情報に頼らないなんて、こんなことじゃモンスターに勝てなくね?
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 初回観てのレビューです。2024.07.05

 なろう無自覚オレtueeeeee!テンプレを転生転移無しでやってみたら?的な作品です。主人公は元ギルドの受付32歳!

 まぁ、これが見事に滑っています。主人公はある意味視聴者の分身なので、親切にいちいち異世界の出来事に驚いてくれますが、あれ?この世界の住人ですよね?

 主人公、異世界で社会人を何年もやってたのに、無知過ぎます。山奥で暮らしていたならともかく、ギルド職員だったのに、冒険者とかの状況を知らな過ぎです。

 なろうの導入としての異世界転生、転移というのは、やはり重要な発明だったんですね。生粋の異世界人なのに、主人公の無知さは違和感を感じます。

 現代日本の現役世代なのに、スマホを見たことが無いとか、キャッシュレスの使い方が分からないとか、日本を旅行中の外国人を見て天狗や鬼がおる〜と驚く様なもんです。

 記憶喪失かムショ帰りかなんかでしょこれ?どう考えてもサイコパスです。元ギルド職員設定いらんでしょ。

 後、2年でここまで強くなるんなら、10代から修行してたら、素手による惑星破壊が可能な位に強くなってね?

 テンプレを少し外してみても別に面白くないと言う…、1話から事故ってますが、これからどうなるのかちょっと気にはなります。十中八九クソアニメでしょうが…。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

saitama さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

昭和の少年漫画にあったようなストーリーだけど、悪くはない。

原作未読。

タイトル通り。

主人公がオッサンであることを除けば、昭和の少年漫画にありそうなストーリー。
嫌いではない。ただ、作画とか描写はレベル低い。
昭和の熱い感じとコメディ要素が嫌いでなければ、最後まで観ていける気がする。

原作を完全に殺したグレンダイザーUと比較しても仕方ないが、
現代アニメの全ての悪要素で作られたクソアニメのグレンダイザーUと比べると
やりたいことは見えるし、作画レベルは低いけど、ちゃんと目指しているものは感じられるので、
こちらには評価点以上の良さは感じる。

多分、これは最後まで見るかな。


◾️最終話まで視聴
うん、これは主人公がオッサンでなかったら、完全に王道路線だったな。
この泥臭い感じとか、今の若い子がみて面白いのだろうか? そこは疑問。
ぶっちゃけ、作画レベルが低いために、この昭和路線を見るなら、
最初から昭和アニメの王道名作を見た方が正解なわけで‥‥。

世代的に最後まで見たけど、視聴者ターゲットが不明な作品だったかも。
まあ、中身自体は悪くないんだけどね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4
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