ウェスタンガール さんの感想・評価
4.5
ヒルダとエルフと鐘の音と
最近海外アニメにハマっている。
特にファンタジーやアドベンチャー物には、各年代層や様々なパーソナリティの鑑賞に耐えることを前提とした(?)作品が数多く存在し、私のようにガラパゴス化したジャンクヘッドの持ち主には、時に眩しく、新鮮に感じられ、童心に帰るというか、混雑し、混濁した感情をデトックス、そしてリセットするには丁度良い癒しを提供してくれているのである。
“ヒルダの冒険”である。
原作の『HILDA』は、イギリスの漫画家であるルーク・ピアソンが、スカンジナビアの民間伝承とムーミンからインスピレーションを受けて書いたグラフィックノベルであり、児童書という枠を超えて、大人の鑑賞にも耐える内容を持って、世界中に多くのファンを獲得している作品。
アニメ化に当たっても、相応のハードルがあったに違いないはず。
しかしそこは、さすがのカートゥーンの伝統技というべきか、適度なスピード感と絶妙な会話の間がクセになる作品に仕上がっている。
何よりヒルダ役、抜群の存在感と演技力の持ち主、ベラ・ラムジーちゃんが素晴らしい。
『ゲーム・オブ・スローンズ』では、勇敢にして聡明、信義を尊ぶ男前な若き領主、リアナ・モーモントで俳優デビューを飾った彼女(彼の方が良いかな)である。
まさに適役である。
ここでタイトルを回収させて頂く。
金子みすゞの詩、『わたしと小鳥とすずと』
の一節。
「みんなちがって、みんないい」
暮らしにリズムと秩序をもたらす“鐘の音”が人間社会を象徴するものであるとするなら、その対極にある妖精たち、そして、いわゆる問題児のヒルダ、それぞれが共鳴し合うのである。
そんなヒルダをずっと応援し続けたい。
心からそう感じさせてくれる作品だ。
(独り言、あるいは勝手連的布教活動)
“あにこれ”未掲載にして、私的ベスト“海外アニメ”(暫定)
『シーラとプリンセス戦士』
キャラデザが秀逸、何といってもキャトラ!
『キポとワンダービーストの冒険』
シーラのグリマーもだったが、キポ役
“福原カレン”さんの演技力!
そして、カプサイシンの取り過ぎは友人を
無くすという教訓(半島の友人より)を得る。
『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』
BBC制作のリメイク、感動作だ。
『リベレーター: 勝利へ、地獄の行軍500日』
トリオスコープを使用した作品で、ある意味
実写を超えた映像表現。