東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価
4.1
Success of the Black Cat Part1
BD Boxの特典OVAで上下巻で1話となっています。
上下巻とも約5分で全部で10分程度の物語。
主役はD機関の入居する建物付近を縄張りにしている野良の黒猫。
Production I.G,の作品だけあって猫の描写や戦前の街並みの描写が俊逸です。
本編はハードボイルドなスパイ物語で好き嫌いがあるでしょうけど、この作品は猫が主役のマイルド路線ですので、猫好きの方にもお勧めです。
{netabare}内容は偶然魚屋に来ていたD機関のメンバーが買った魚を追ってヨルが建物に忍び込みます。建物の浸入のときヨルはドジって一度窓から落ちますけど、落ちたところに塗料の缶を持った問題の人物達が・・伏線。
建物内をうろちょろしていたところ、追っていた人物が魚を捌いているところに偶然遭遇。
男はヨルに魚を与えます。
D機関の存在を潰したい参謀本部武藤大佐の指示で、D機関を嵌めるためにダイナマイトを仕掛けて事件を起こす陰謀を、忠犬ならぬ忠猫ヨルが魚の恩返しで活躍し失敗に終わるお話。
上巻の最初はまるでトムとジェリーです(笑)
好奇心旺盛なヨルの行動と、武藤の部下の不審な行動を調査していたD機関の工作が偶然にもシンクロします。
最初のドジっぷりとは好対照な「これで借りは返したぜ」ヨルの決めゼリフが一仕事終えた男のようなクールな貫禄がとても印象に残りました。{/netabare}
戦前の東京都下で好奇心旺盛に暮らすヨルのドジで好奇心旺盛な行動がレトロな街並みに映え、ほんのりと癒されます。