けみかけ さんの感想・評価
4.5
「おい!マズイぞ、これは『お助けください、勇者さまぁ』ってパターンに決まってるぅ!」宇宙を股に駆けて山寺ゾロリの冒険活劇ここに極まれりっ!
原ゆたか原作の28年続く児童文学『かいけつゾロリ』シリーズのアニメ最新作
ニチアサが生んだ伝説の一つ(いや、知らない人の為に言いますが本当に伝説的傑作)であるテレビシリーズのスタッフ&キャストで送る原作者書き下ろしストーリーの完全新作60分長篇
ゾロリ役はもちろん山寺宏一
監督は『だ・だ・だ・だいぼうけん!』、『まもるぜ!きょうりゅうのたまご』に引き続き岩崎知子
脚本は岡田麿里、小柳啓伍、和場明子
音楽は田中公平
制作は亜細亜堂&BN Pictures(旧サンライズ第5スタジオ)
海底でお宝探しをしていたゾロリ一味だがイシシとノシシのオナラが爆発し宇宙へ飛ばされる(笑)
ムムーン星と呼ばれる惑星に不時着した一行だったがムムーン星人達は恐ろしい怪獣の鳴き声に毎夜悩まされ寝不足続き
伝説の勇者が現れ怪獣を倒してくれると信じていたところにゾロリ達がやってきたため、彼らを勇者と讃え歓迎する
厄介に感じていたゾロリだが美少女クララにお願いされた上、帰りの宇宙船とお宝の為もあってついつい快諾してしまう
こうしてゾロリ、イシシ、ノシシ、偶然一緒についてきた謎のタコの4人組(?)は怪獣退治に乗り出す
果たしてゾロリは無事に地球へ帰れるのか!?
OPを飾るのはテレビシリーズからお馴染みのテーマソング、「ゼッコーチョー!」
ファンの期待を裏切らない好調な駆け出しです
ゾロリと言えばマドンナの存在を忘れてはいけない
岩崎監督の劇場版だけに限っても、これまで林原めぐみ、水樹奈々といった豪華ゲストが演じてきましたが今作のマドンナのクララにはナント茅野愛衣が選ばれ薄幸そうな美少女を演じています
劇中の“鳴き声”はどう聞いても赤ん坊のソレなのですが、クレジットを読むと金田朋子だったと気付いたり、終盤のキーパーソンである“イケボ”が関智一だったりと声優好きにも楽しめるはず
もちろん劇場版お約束の原ゆたか先生、原京子夫人もカメオ出演しています
ストーリー自体は奇しくも今年の『ドラえもん』と被っていたというか、まんま『ギャラクシークエスト』かよ!と思っていたらクライマックスではまさかの『ゼログラビティ』オマージュ展開でゾロリ先生ホントに死んじゃうじゃ・・・と思ってしまったほどスペクタクルを感じさせてくれました
エンドロールの間も物語は進むが、マキタスポーツが歌う主題歌が思いのほかゾロリの世界観をしんみり大人目線で、尚且つラップ調のダジャレも交えて歌っておりかなり良い一曲になってるのが素晴らしい
エンディングの途中、歴代マドンナの顔が次々と浮かび上がるカットはなんかもう感涙でしたよ、ゾロリ先生!(T_T)