ユニバーサルスタイル さんの感想・評価
4.6
期待の超新星シュールギャグ
今後の人気如何によっては色々な展望があるということで、改めてエクスメイデンについてしっかりとレビューしていこうと思います。
Webアニメなので、こちらで無料配信してます。
PV↓
http://www.youtube.com/watch?v=S37pm6ay3HQ
Youtube公式ページ↓
http://www.youtube.com/channel/UCfpYA5xlQfoMkO2Qg_4_EZQ
ニコニコ動画公式ページ↓
http://ch.nicovideo.jp/xmaiden
このアニメのあらすじ
{netabare}
突如現れた謎の生命体(フェロウ)の襲来により世界は危機に瀕していた。
そこで人類はフェロウに対抗するため搭乗型フェロウ殲滅兵器「エクスメイデン」を開発し、‘雪村まつり’を長官に据えた秘密基地を設置した。
基地に呼び寄せられた四人の少女‘赤丸純’‘橘葵’‘萩野みどり’‘ヴァンダレイ・ジルミンコ’は、エクスメイデンの搭乗者として選ばれフェロウと闘うことになったが・・・。
{/netabare}
初めこそロボットアニメっぽい、緊迫した雰囲気からの導入ですが、すぐにそんな重い話は吹っ飛んでいくので暗い話や堅い話を想像している方(が万が一いれば)、安心して視聴してください(笑)
このアニメの凄いところは、世界がとても切迫した状況の中で全く動じずマイペースで行動し続けるキャラクターのシュールさ、だと思います。
ゆるい世界でゆるいキャラのゆるいお話という定石を崩して、ハードな世界をゆるいキャラがゆるいお話に変えていってしまうという、変化球な日常系アニメですね。
近い作風の作品で『SOSTV ワルプルギスナイトフィーバー』というWebアニメもあります。
メインキャラは五人。ツッコミに比べボケが多く、かなりのアンバランス加減です。
まず主人公の‘赤丸純’(CV:内田真礼)
主人公らしく、無駄にポジティブ・アグレッシブ。大体初めにボケかますのはこの子で、ムードメーカーでありムードブレイカー。かなりウザいです。
次が唯一のツッコミ役‘橘葵’(CV:飯田友子)
一人はいてくれる貴重な常識人ポジションの女の子で、それ故悲惨な目に遭うこと多し。
見た目は一番まともな‘萩野みどり’(CV:巽悠衣子)
清楚系という言葉が似合う美少女ながら、腹黒で変人の残念な人。
一番目立つがキャラがブレブレな‘ヴァンダレイ・ジルミンコ’(CV:MAKO)
純に似ているけど、それ以上に掴みどころのないキャラ。
そして四人をまとめる長官‘雪村まつり’(CV:矢作沙友里)
ツッコミ兼話のまとめ役で、一番損な役回り。四人に振り回される苦労人。
(全然関係ないですが、時々蔑むように毒舌を吐いたり、思いつきで関西弁で喋る萩野みどりちゃんが一番可愛いと思います。)
序盤はメイン四人のメンバーが打ち解けていない感じを出すためなのか、スタッフ自身がキャラを把握しきれていないのか、区別が付きにくい状態でした。
特にみどりとジルミンは自身のキャラを模索している迷走っぷりにこっちまで不安になります。
4話、5話と話数が進むと段々個性が出てきて、四人の掛け合いに連携が見られて面白くなっていきました。
ボケが強いんですよね、この作品は(笑) 話に被さり気味にボケてきて、突っ込んでも突っ込んでも話が進まないむず痒さを楽しむ感じです。
あと生っぽさというかラジオっぽいノリが多いのも特徴です。これは人によって好き嫌い分かれるかもしれません。「お題」が出たり、アドリブが多かったり、声優さんの技量頼りな印象です。
声優は内田真礼さん、巽悠衣子さん、MAKOさん、飯田友子さん、矢作沙友里さんなど粒ぞろいな面々です。
回によってはエクスメイデンのキャラは崩壊して、完全に素が出てしまっている気がします。笑い方とか演技できてないな、って場面が多々あります(笑)
低予算なので一発録りで、長台詞の途中で噛んだりボケる前に自分で噴き出したりしても修正されず、グダグダ感満載です。ナレーションさえもカミカミのまま流されます。
先駆的なまったり日常系アニメの「gdgd妖精's」や「てさぐれ!部活もの」が好きな方には是非手を出してほしいアニメだと思います。
エクスメイデンが上記の日常系アニメと一線を画するのは、もう一つ本編と別に制作された「居酒屋たまき」の存在ですね。
基地の長官まつりが任務の疲れを癒すため、環はるみの経営する居酒屋たまきにやってくる。
そこで交わされるはるみとまつりの軽快な会話劇・・・と言ってもただ客が愚痴ってるのを女将が受け流してるだけなんですが、これが面白いです(笑)
ここでの新キャラは・・・
‘環はるみ’(CV:本多陽子)
居酒屋たまきの女将。まつりとは昔からの馴染みでよく相談に乗ってくれます。知り合いにも商魂たくましい目ざとさが強み。
‘ヴィルゴ’(CV:田村睦心)
謎の宇宙人の少女。奇抜な見た目と裏腹に、純情で健気な良い子。
‘クロワ’(CV:のだまみ)
姉御肌で面倒見のいい猫。ヴィルゴの悩み相談にも乗ってくれます。
どこか哀愁が漂っていながらしっかり笑わせてくれるのはズバリ脚本の力だと思います。
居酒屋あるあるな細かいネタから、お約束のオチまで。安定して楽しめました。
居酒屋の裏で交わされる、アルバイトの少女ヴィルゴと人の言葉を喋る猫クロワの会話もユニークなシチュエーションだと思います。
コスト的には居酒屋たまきの方が安いと思われますが、こちらの方が面白かったですね。
深夜帯にうってつけな気がするので、是非どこかの局で深夜放送してくれないかなーと思ってます。
このアニメの制作をしているランバートは、主にパチンコ・パチスロの製作を中心としたゲーム会社らしいです。
そして今回が初めてのアニメへの参入ということで、言われてみればエクスメイデンのOPは演出がそれっぽいなと思うところもありました。
映像技術が十分にあることはOPからも分かるので、後は予算の問題ですか。
本編の動きはモーションキャプチャで付けているそうなので不自然さが見られますが、なるべく色々なモーションを駆使しようとしている点は好印象です。
OPの「Nocturne」もED「Forbidden Code」もそれぞれ王道系で燃えます。
居酒屋たまきの劇中歌「しあわせ街道」は中毒性があるのでBGMにぴったりです。
こんなぐらいで・・・後は是非実際に見て確かめてください。お疲れ様でした。