ユニバーサルスタイル さんの感想・評価
4.2
和風ファンタジーをモチーフにした異色のロボットアニメ。
2002年に制作された、極めて独特なロボアニメです。
1話15分×28話で通常のアニメに換算すると全14話となります。
OPとEDから分かるように『和』のテイストをイメージした作品で、神話にも似た世界で構築されています。
導入からして意味深なストーリーになっています。
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この作品の持つどれにも真似できないような不思議な雰囲気、両陣営の内外での異質な人間関係、
そして機械というより生体に近いデザインのロボット。
中々登場人物や設定自体は魅かれるものがあります。
ですが、アニメで表現するにはこの作品は少し難しかったようです。
この作品独自の用語が多い上シーン毎の切り替わりが早く、普通に視聴している分には理解が追いつきませんでした。
特に序盤は説明もほぼなく淡々と進んでいくので、各キャラの相関関係や立ち位置も分かりづらく苦労しました。
最初は一旦挫折したのですが、後半(14話、15話辺り)から少しづつ話の核心について説明が加わったので、大分助かりました。公式サイトの用語説明も読むとなお良いです。
複雑なように見えて、実は古来から続く人と人の触れ合い、すれ違い、愛情、嫉妬・・・の渦巻く愛憎劇なんです。そういうものだと解釈すれば、けっこうドラマチックな作品だと思います。
ロウランや主人公の妹・神子上まほろがこの作品のキーキャラクターで、自分のお気に入りキャラでもあります。他のキャラに比べてこの二人の心情描写は多く、とても人情深い印象です。
特に後半のまほろちゃんは必見です。
作画は、この頃独特のCG・デジタル彩色の違和感が気になってしまいます。
音楽は、世界観に合ったオリエンタルな感じのBGMが特徴です。ただ戦闘シーンのBGMだけは・・・正直合ってないと感じました。
主題歌だとEDのいろは詩は必聴です。美しい旋律が感動的です。
声優では、ロウラン役を務めている今野宏美さん、まほろ役の大本眞基子さん、鉄也役の三木眞一郎さん、イテヅキ役の大谷育江さんなど、印象に残る方が多かったです。
一番惹きつけられたのはキャラの面白さと声優さんの演技だったと思います。
以下、自分なりの解釈まとめ↓ネタバレ注意です。
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