セメント さんの感想・評価
3.8
アイヤー
"男心は男でなければ"
"分かるもんかよ、ねぇ、あんた"
この作品、ちょっと特殊な形で売り出されていて、一応全5話ということになってるんですが、まとめるのが難しいんですよね。
原作は鶴田謙二さんの短編SF漫画で、括りとして全部「Spirit of Wonder」と呼んで良いのでしょう。
ただ「チャイナさんシリーズ」と「少年科學倶楽部」は世界観は同じながら大きく物語を異にしていて、この二つは別作品と捉えた方が良いのかも知れません。
「チャイナさんシリーズ」でアニメ化されているのは「チャイナさんの憂鬱」、「チャイナさんの縮小」、「チャイナさんの惑星」、「チャイナさんの盃」の4つ。
それぞれビデオの時間がバラバラで、「チャイナさんの憂鬱」と「少年科學倶楽部」は1時間くらいあるんですが他は10分程度だったりします。
1992年に売り出されたOVA「チャイナさんの憂鬱」と2001年のOVA「少年科學倶楽部」、「チャイナさんの縮小」、「チャイナさんの惑星」、これらを全て収録してさらに新作「チャイナさんの盃」も追加されたDVD-BOXが2004年に発売されています。
このサイトでも「Spirit of Wonder」と「Spirit of Wonder チャイナさんの憂鬱」を分けているようですが、こっちの方でまとめて書きます。
ということで大きく分けて「チャイナさんシリーズ」と「少年科學倶楽部」の二つに分けて備忘をば。
「チャイナさんシリーズ」に関しては、月を破壊する「憂鬱」、チャイナさんが小さくなる「縮小」、火星を破壊しそうになる「惑星」、追憶の「盃」とあって、どれも安定感がありますね。
チャイナさんを初め、博士やジムのキャラが立ってますから、4作とも見ていて心地良い内容でした。
「少年科學倶楽部」はチャイナさんと直接な繋がりはなく登場人物も大幅に変わるのですが、これも浪漫溢れる話で楽しいです。
夢を追い続けるおっさん達の姿には心動かされるものがありました、物語の構成も凝っていて引き込まれましたね。
SFには従来の"Science Fiction"の意味合いと手塚治虫さんの提唱する"すこしふしぎ"の意味合いがあると思ってるのですが、本作は二つの意味が限りなく接近したところにあったと私は捉えていて。
日常から非日常への跳躍が自然に描かれているなぁと勝手に感心しています。
声優は日高のり子さんの独壇場です、チャイナさんを演じていますね。
ただ、少し後になって発売された「盃」でのチャイナさんは演技の感じが違うというか、キャラを忘れてるんじゃないの?と思うくらいの別人感はありましたw
「少年科學倶楽部」のEDは印象深いですね、「Born to dream」。
合衆国の行進曲のような曲調で、テロップを見たところ日本人が作詞・作曲してるようでしたが、洋楽っぽいアニソンでした。
「縮小」の小さくなったチャイナさんは可愛かったですね、メイド服がよく似合ってました。
誰が付けたか、蒸留酒だからスピリット、驚きの味だからスピリットオブワンダー。
天回で出すお酒の名前から来てるんですよね、本作のタイトルって。