ユニバーサルスタイル さんの感想・評価
4.5
たった一人で悪に立ち向かう正義の戦士。
90年代のタツノコリメイク 三部作 '93キャシャーン、'94ガッチャマン、'95ポリマー。
このキャシャーンが最後に見る作品になるのですが、実は新造人間キャシャーンの方は見てないんですよね(笑)
なので、全くキャシャーンを知らない人間の感想です。
ちょっと酷評になってしまったので申し訳ないです。期待の裏返しということでお許しを。
あらすじ↓
{netabare}
アンドロ軍団なるロボット集団が世界征服を果たし、人間は彼らの奴隷として労働させられていた。
しかし人間たちの間には一つの希望があった。それは唯一ロボットに対抗できる力をもった救世主「キャシャーン」の伝説であった。
ある日一人の少女、上月ルナがキャシャーンに扮してアンドロ軍団の工場の一つを強襲するが、逆に捕らえられてしまう。
アンドロ軍団の手によってルナが処刑されようとしたその時、ついに本当の救世主キャシャーンが現れる・・・。
{/netabare}
このアニメ、というかキャシャーンの斬新な所はヒーローが現れる前から既に悪の手によって世界征服がなされてしまっていることです。
それに加えてキャシャーンはアンドロ軍団に立ち向かうため人造人間となっていて、自身が人間なのかロボットなのか苦しむ描写があることです。
これは仮面ライダーやキカイダーに似通った面がありますが、やはり他のヒーローと比べると異端であると思います。
あとお供の犬がロボット犬だったり、白鳥型のロボットと合体したりとか、面白い助っ人が出てきました。
基本的な設定は変わってないとのことなので、原作のキャシャーンが70年代の作品と考えるとどれも先進的な設定です。
キャシャーンの設定やデザインは優秀だと思うのですが、このOVA自体は何とも言い難い出来なのが惜しいところ。
キャシャーンが現れて、アンドロ軍団と闘って、段々傷ついていく中で自身の存在意義・アイデンティティに苦しんで、ヒロイン(ルナ)や母の言葉によって気力を取り戻し、アンドロ軍団の親玉ブライキング・ボスに立ち向かっていく・・・。
みたいな流れです。なんというか、淡々としすぎてて面白みがありませんでした。
終始シリアスな空気で息が詰まりそうになる、徹底した世界は魅力的だっただけに、創意工夫が見られない構成や演出が残念でなりません。
ヒロインもただ「戦うのはもう止めて!」「キャシャーンなんて止めて平和に暮らしましょう!」しか言わないのが昔のヒロインらしいというかなんというか、魅力を感じませんでした。
良い所は・・・まず作画はOVAということもあって綺麗でした。まあ感動するほどもなく、無難に見られると思います。
音楽は本当に素晴らしいと思います。殺伐としたキャシャーンの世界に合ったハードな感じが良いです。
主題歌も影山ヒロノブさんや堀江美都子さんが歌っているので外れなしでした。特に最終話ED、堀江さんが歌う‘IN MY HEART~夢のままで~’は文句なしに素晴らしい!
ガッチャマンは良かったです。ポリマーは・・イマイチでした。そしてこのキャシャーンは・・・・。
もしかしたら新造人間キャシャーンを見ていた方がこのOVAを見たらまた別の感想を抱くかもしれません。
でも個人的にこれは残念なリメイクなのではないかと思ってしまいました。