ねこmm。 さんの感想・評価
4.4
育朗とスミレの奇妙な冒険 【ねこ's満足度:70pts】
とある組織によって生み出された恐るべき生物兵器『バオー』。
不運にもその実験台となってしまった少年と、彼と行動を共にする少女の姿を描いた物語です。
原作は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの荒木飛呂彦。
バオーのデザイン、動き、技のアイデア、ネーミング、演出からセリフのひとつひとつまで……。
わずか50分弱のOVAにも拘わらず、いたるところに同作の源泉を垣間見ることができました。
最大の見どころはやはりアクションシーン。
錚々たるスタッフにより手掛けられた作画は、今観ても十分楽しめるレベルです。
(若かりし頃の新房昭之氏も参加)
そしてなにより”バオー”の格好良さ。当時から荒木先生のセンスは抜群だったようです。
強いて難をあげるなら、バオーがあまりにも強く全体的にやや薄味にみえてしまうところ。
尺の都合上、原作からカットされたシーンや登場人物が多かったのがその原因だと思います。
しかし、それらを差し引いても、独特な”荒木ワールド”を堪能するのには十分な作品。
当時打ち切りの憂き目に遭った原作ですが、今でも尚時代の先を行く先生の才能には脱帽です。