1986年秋(10月~12月)に放送されたTVアニメ動画一覧 11

あにこれの全ユーザーが1986年秋(10月~12月)に放送されたTVアニメ動画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月22日の時点で一番の1986年秋(10月~12月)に放送されたTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

69.6 1 1986年秋(10月~12月)アニメランキング1位
聖闘士星矢[セイントセイヤ](TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (194)
906人が棚に入れました
この世に邪悪がはびこるとき、必ずや現れるという希望の闘士聖闘士(セイント)。その拳は空を切り裂き、蹴りは大地を砕くという。彼らは神話の時代より女神アテナに仕え、武器を嫌うアテナのために素手で敵と戦い、天空に輝く88の星座を守護としてそれを模した聖衣(クロス)と呼ばれる防具を纏う。6年もの厳しい修行を経てアテナの聖闘士となった少年星矢が、同じ境遇の仲間の聖闘士たちとともにこの世に蔓延する邪悪と戦う。

声優・キャラクター
古谷徹、鈴置洋孝、堀川りょう、橋本晃一、堀秀行、潘恵子、山本百合子、宮内幸平、小山茉美
ネタバレ

だわさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

君は、コスモを感じたことがあるか

全117話



聖闘士星矢。聞いたことがないという人はいないんじゃないだろうか。
いわゆるバトルスーツ系のはしりとなった作品だ。
星座に因んだバトルスーツ、所謂クロスを纏い、
物質の根源である原子を砕く力をコスモとし、自分のなかに感じるコスモを燃やして戦う。
強烈な個性とともに熱く描かれたバトルは今も色褪せることは決してないと信じている。
117話は、聖域編・アスガルド編・ポセイドン編と分かれているが、聖域編の中の41~73話の十二宮編が最も人気のある部分であり、
シナリオが完成されている。長すぎて嫌だと思う人でも、ここまででいいからぜひ見て欲しい。
のめり込んだら、自分のように黄道十二星座を丸暗記してしまうかもしれない。
それほど聖闘士星矢の魅力はこの十二宮編に凝縮されてて、
十二宮編の他の話は、全ておまけと言っても過言ではないと思っている。
むしろ、他は十二宮編の人気の亡霊である。続編はことごとく人気に伸び悩み、ことあるごとに十二宮編と比較されてきた。
聖闘士星矢Ωなんかより十二宮編を現在の作画技術でリメイクした方がよっぽど人気がでるんじゃないだろうか。

車田作品として、リングにかけろでも同じことが言えるんだけど、
主人公の力量に対して目の上のたんこぶのようなキャラを作ってるところがいい味を出している。
主人公と仲間の力量をある程度均衡させて描く場合、この目の上のたんこぶ、つまり主人公以外の仲間キャラの強さを主人公より多少上げておく
キャラ構成によって各キャラの成長を分かりやすくしているんじゃないかと思う。
車田さんについてもう少し言えば、上に吹っ飛んで頭から落下する車田作品の派手な演出はもう古典的典型と言ってもいいんじゃないだろうか。
基本バトル演出の礎のひとつになったと思う。
知らない人は、ぜひ見て欲しい。本当に。


十二宮編について↓
原作漫画もテレビアニメもバトルではアクティブな戦いより会話の方が多い。
それでも面白いと感じるのは、キャラの個性を闘う相手に受け止めさせているからだと思う。
キャラの個性に合った宿敵と、双子座ジェミニの二面性をうまく利用した真相とその結末。
これ以上のキャスティングとシナリオは無かったと思う。
現行の星矢Ωの十二宮編にはこのどちらの要素も欠落している。

以下、キャラ設定を生かした魅力的な十二宮対戦カード
{netabare}
星矢 VS アルデバラン・アイオリア
星矢は正義の象徴であり猪突猛進キャラだが、逆に同じ個性を持つ相手をぶつけたカードとなっている。
正義を根性で貫くという主人公らしい戦いをアルデバランの角折りやアイオリアのカシオス登場で味付けしている。
実際、ここで星矢が先に進むことで星矢含めブロンズの正義の前進を視聴者は実感できたんじゃないだろうか。
1秒100発の星矢の流星拳がアイオリアの1秒1億発のライトニングプラズマを凌駕することは頭で理解しやすく、
視聴側も手に汗を握る。

瞬 VS アフロディーテ
美形対決のカードであり、師匠殺しの因縁対決。お互い生身の拳で相手を殴りつけないので距離が埋まらないまま決着がつくのが特徴。
優しい男の娘キャラである瞬が勇猛な兄一輝と最後まで男らしく戦うことを約束した戦いであるところも惹かれるが、
追い詰められることによって発揮される瞬の本来の力の衝撃は十二宮編のどの戦いより驚かされる。
普段大人しいキャラの高い潜在能力というギャップは美形対決を最後まで美しく締めくくった。

紫龍 VS シュラ
流血担当紫龍に、いかにも血流戦になりそうな「いかなるものも切り裂く手刀」をもつシュラを相手としてあてがったカード。
そして、従順に老師の教えを守ってきた誰よりも誠実な紫龍が禁じられた技を使うシナリオは本当に完成されている。
「老師、お許し下さい。この紫龍、老師の戒めを破ります…」の言葉には死以上に優先されるべき目的を果たさんとする意思がうかがい知れる。
その禁じられた技というのも、天に昇っていく自殺技ということろが紫龍らしく、龍らしい。
昇龍となって昇天する姿は美しい。ポセイドン編やハーデス編で明かされるシュラの最後の瞬間に紫龍に託したものも、美しすぎて涙がでる。

氷河 VS カミュ
師弟対決。唯一無二のマザコンキャラ氷河の母が眠る氷海の底の沈没船を深海に突き落としてマザコンからマザーを奪うのは仁義が無い。
氷河がそれでも感謝の心で凍気対決で凍気の真髄に辿り着く過程に感動する。カミュが「その力、信じる者のために使わせてやりたかった」
というのは立場の事情を悔やむばかりである。後にも先にも凍気使いの聖闘士はもう出てこない。
師弟対決が強烈過ぎて氷河VSミロがかすむが、ミロも非常にいいキャラだった。

一輝 VS シャカ
ブロンズで最も神に近い男と対峙できるのは不死鳥だけだっただろう。地獄の果てからも甦る不死鳥のイメージを遺憾なく発揮した。
また、仲間の中で最強の一輝が黄金聖闘士最強クラスを相手にする対戦カードはもうそれだけで感涙もの。
猛々しい一輝のコスモがシャカのコスモを覆い尽くし、十万億土とやらに旅立つ一輝の男らしさと儚さにはロマンが凝縮されている。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 28

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

聖闘士に同じ技は通じない!

といっときながら食らうんだなぁ・・・
一ジャンルを築きあげた伝説の漫画のアニメ版。
以後、俗にファン、メーカーサイドではシュラトなどのフォロワー達を『クロスもの』というジャンルで呼んだ。
ジャンプ漫画らしく原作に追いつくまではおもしろい。
追いついても十二宮編まではなかなか。以後はDBを想像していただければわかるだろう。オリジナルストーリーと回想とバンクでがんばるのだ。ひたすら退屈w。

聖衣『クロス』のデザインが製品化(変形して星座の形になる)のためアニメ版ではぜんぜん違う。本来防御面積が狭いほど階級が低い。主人公たちは一番下っ端。
ファンのクレームのため後にバージョンアップしたものは原作に近い↑のDVDパッケージ写真のタイプへ変更されました。
そんな作品なのに1クールもたたずに商品であるクロスを否定する(正確には傷がついたから脱ぎ捨てる。あと生身の打ち合いが大好きなのだ)紫龍さんにみんな惚れてた。
当時の子供たちはみんなおもちゃの上を脱がせていた。

車田節はアニメでも健在で、みんな上にすっ飛ぶ。
パンチも歩かないでスライド式に相手を突き抜けるのがデフォ。アッパー、拳圧の描写もかっこいい。

現在でも根強く残るのが黄道十二星座、黄金聖闘士(ゴールドセイント)によるカースト制度である。
一番終わってるのは蟹座の人。地位が高いのは射手座、しし座、水瓶座あたり。のちに双子座も。要するにキャラの人気順。

地味にすごいのは聖衣に専門デザイナーがいて同じ変形はひとつとして存在しないこと。
若い方は半分ネタとしてごらんになってください。 
見たら外人に技を当ててみましょう。かなりの高確率で反応してくれます。  


投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ロマン溢れる戦闘アニメ

放送された当時、このアニメはとってもカッコ良くロマンチックな戦闘アニメでした。
このアニメ世代の男性達の間では、「聖闘士星矢は男のロマンだった!」という声をよく耳にしますね。

◆この作品の概要は・・・
ギリシャ神話の星座を基に、女神アテナの化身である少女のもとに聖闘士と呼ばれる5人の少年達が集い邪悪な存在と戦う、ファンタジーバトルアニメです。

◆聖闘士とは・・・
ギリシャ神話の星座の数は88個。
その星座を守護星とする88人の聖闘士が存在します。
それぞれ階級があり下の階級から、青銅聖闘士・白銀聖闘士・黄金聖闘士とあります(厳密には他にも分けられますが)。
そしてその強さは半端ない!
一番最下級の青銅聖闘士でも1秒間に100発以上のパンチを繰り出すことができるマッハの速さで動く事ができます。
最強の強さを誇る黄金聖闘士にいたっては高速(マッハ90万)の動きを・・・。
ビックリするほどスケールの大きすぎる戦士達ですね!!

◆壮大なストーリー
聖闘士の少年達は自分達よりも圧倒的に大きい敵と戦いながら、傷つきながらも成長していき、時には奇跡を起こしながらも敵を打ち破っていきます。
全ては女神アテナのために・・・地上の平和のために・・・。
一昔前の作品なので、今見たらクオリティが低く感じるかもしれない。
でもこのアニメは最高です!

◆星座が覚えられます・・・
そういえばこのアニメのおかげで1月~12月の星座を覚えましたね。
「8月は何座?」って思った時、「デスマスクの次はアイオリアとシャカだったから獅子座か乙女座だな」というふうに(笑)

◆最後に一言・・・
当時は全然感じなかったけど、瞬=「ドラゴンボールのべジータ」という声優図式が今ではビックリですね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

60.0 2 1986年秋(10月~12月)アニメランキング2位
あんみつ姫(TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (25)
132人が棚に入れました
1949~1955年にかけて『少女』に連載された倉金章介の同名コミックをTVアニメ化。舞台は平和なあまから国。殿様・あわのだんごの守のひとり娘、あんみつ姫は、好奇心旺盛なおてんば少女。城での退屈な生活に飽きた姫は、家老やお局にイタズラをしたり、こっそり城下町へ遊びに行くなど自由気ままにやんちゃし放題。そんな彼女の行くところには、いつも大騒動が巻き起こって……。アニメ放送前の1983年には、小泉今日子があんみつ姫を演じた実写ドラマ版も放映。1986~1987年には竹本泉によるリニューアル版コミックが『月刊なかよし』ほか講談社の雑誌に連載された。

声優・キャラクター
小山茉美、神山卓三、京田尚子、八奈見乗児、鈴木れい子、青木菜奈、千葉繁、三田ゆう子、渕崎ゆり子、玄田哲章、富山敬、稀代桜子

計測不能 3 1986年秋(10月~12月)アニメランキング3位
ドテラマン(TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (8)
64人が棚に入れました
日本初の文字放送アニメ番組として日本テレビ系で放映された作品で、ドテラをまとった少年少女の活躍をコミカルに描く冒険活劇ドラマ。小学生の佐藤ハジメと中村マリコは、ドテラを着ることによってドテラマンとドテラピンクに変身することができる。変身によってパワーアップした2人は、巨大な鉛筆や扇子を武器に、鬼次元からやってくる鬼たちとドタバタバトルを繰り広げていくのであった。『タイムボカン』シリーズを彷彿とさせる世界観やキャラクターで人気を博したが、全20話と短命に終わった。音声多重放送番組でもあり、副音声では登場キャラクターのオニゾウのセリフがシーン毎に入るという演出も話題になった。

計測不能 3 1986年秋(10月~12月)アニメランキング3位
戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010(TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (4)
43人が棚に入れました
舞台を2010年の未来に移し、多くのレギュラーを入れ替えた「トランスフォーマー」第2作。1986年に欧米で公開された劇場版の後日談だが、当時の日本ではこの映画そのものが未公開だった。2005年のユニクロン戦争で勝利したサイバトロン戦士だが、謎の第3勢力であるクインテッサ星人が暗躍。エネルギー不足に苦しむデストロン軍団をたきつけてサイバトロンに挑戦してきた。だがクインテッサの真の目的は全トランスフォーマーの撲滅にあった…。

計測不能 3 1986年秋(10月~12月)アニメランキング3位
がんばれ!キッカーズ(TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (5)
41人が棚に入れました
『月刊コロコロコミック』で連載された、ながいのりあきの同名漫画を原作にした少年サッカーアニメ。強豪クラブから転校先の弱小チームに入部したサッカー少年が、ライバルとの試合を通して、ほかの部員たちとともに成長していく姿を描く。明るく元気な熱血少年・大地翔は、少年サッカー界の名門、清水ヶ丘フットボール・クラブから転校先の小学校にある北原キッカーズに入部することに。しかし、キッカーズは公式戦22試合未勝利の弱小チームで、部員たちのやる気もゼロ。見かねた翔は強豪・南陽小サッカークラブに試合を申し込み、試合を受けてもらう条件として、相手のゴールキーパー・上杉との1対1の勝負に挑むことになる。

声優・キャラクター
鈴木富子、伊倉一恵、つかせのりこ、渡辺真砂子、大谷育江、安達忍、高乃麗、頓宮恭子、TARAKO、山田栄子、YOU

はなが天使に… さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

唯一

唯一ハマったサッカーアニメです。

少年時代より実際にサッカーをやってますが
当時、所属していた少年サッカークラブでは
他にもサッカーアニメはあったはずなのに
何故か「キャプテン翼」派と「キッカーズ」派に
二分していました。
もちろん「キャプテン翼」が圧倒的多数でしたけど。。

私は実際やってたからこそ
キャプテン翼のあり得ないシュートやプレーを
どうしても受け入れられず、読むのも観るのも
挫折した記憶があります。
一方、このキッカーズはアニメらしいあり得なさも
多少あるものの、環境、状況は現実と似たようなところもあり
共感しやすかったのを覚えてます。

あとキャプテンをやってたこともあり
GKの本郷くんの泥臭いプレーとキャプテンシーに
憧れていたのも懐かしい思い出です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

計測不能 3 1986年秋(10月~12月)アニメランキング3位
Bugってハニー(TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★☆☆ 3.0 (5)
36人が棚に入れました
1986年にハドソンから発売されたファミコンのアクションゲーム『高橋名人の冒険島』の世界観を元にした、TVアニメ作品。ゲーム世界の有名人・高橋原人の人気をねたんだキュラ大王は、彼を幽閉。そのため、現実世界のゲーム画面から、高橋原人が消えてしまった。ゲーム世界から現れたハチのような女の子・ハニーに高橋原人の救出を依頼されたワンナップやみどりたちは、ゲーム世界へ飛び込んで大冒険を繰り広げていく。主人公・高橋原人のモデルは、当時の子供たちに絶大な人気を博していたファミコンの高橋名人こと高橋利幸氏。主題歌も高橋氏が担当して話題になった。1987年には、このアニメ番組を元にしたファミコン用ソフト『高橋名人のBugってハニー』が発売されている。

計測不能 3 1986年秋(10月~12月)アニメランキング3位
Oh!ファミリー(TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (5)
29人が棚に入れました
舞台はアメリカのカリフォルニア州。ロサンゼルスに住んでいるアンダーソン一家のもとに、ある日パパの隠し子と名乗る少年ジョナサンと飼い犬のアダムが現れる。しかも、この少年の母親がパパの元カノだと知り家族中は大パニック・・・かと思いきや、家族のほとんどが彼を受け入れてしまう。当然パパはショックで寝込んでしまう。そして、一人納得のいかないフィーは彼に対して敵対心をむき出しにする。

計測不能 3 1986年秋(10月~12月)アニメランキング3位
オズの魔法使い(TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (5)
29人が棚に入れました
世代を超えて読み継がれ、何度となく映像化もされているライマン・フランク・ボームの名作冒険ファンタジー「オズ」シリーズのTVアニメ化。ここはカンサス州の農場。少女ドロシーは叔父夫婦とともに平穏な生活を営んでいたが、ある日、愛犬・小犬のトトとともに家ごと大竜巻にさらわれる。彼女が着いたのは、異世界オズの国。故郷に帰りたいと願うドロシーは、知恵を求めるカカシ、心を求めるブリキの木こり、そして勇気を求める臆病なライオンと同道。トトを加えた一行は、どんな願いでも叶えてくれるというオズの大王が住むエメラルドの都を目指すのだった。アニメ制作は、シンエイ動画作品『忍者ハットリくん』などに参加してきたアニメスタジオ・パンメディアが担当。日本アニメーション「世界名作劇場」にも参加したスタッフも集結し、評価の高いアニメ映像を作りだした。一年にわたった番組は、原作シリーズの内、1~3、6巻を下敷きに物語が構成されている。
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

テンプレ異世界ものはどこへ行った?

 このレビューでは、「異世界もの」について考えていきます。
 本題に先立って、このレビューにおける「異世界もの」の定義付けをしておきます。

 現実世界と異世界の両方が登場する異世界ファンタジーは、外観的には次の三つに分類されると思います。
①現実世界から異世界に舞台を移すもの―千と千尋とか。いっぱいある。
②異世界から現実世界に舞台を移すもの―はたらく魔王さまとか。珍しい。
③現実世界と異世界を往復するもの―GATE自衛隊~とか。これも珍しい。
 このうち、このレビューの対象とするのは、①の「現実世界から異世界に舞台を移すもの」です。この形態の異世界ファンタジーを、ここでは「異世界もの」と呼んでいきます。
 「異世界もの」の基本形は、現実世界から始まって異世界に渡り、異世界でなんやかんやあった後に現実世界に帰ってきて即終わり、というものですね。

 で、私が本題として念頭に置いているのは、従来型の「異世界もの」と最近の「異世界もの」のテンプレが違いそうだよねってことです。ただ、そこまで踏み込む気はありませんから、従来型の「異世界もの」の特徴を整理することが目標となります。その特徴というのは、「二つの世界を分断して、対比して、風刺する」構造のことです。
 この対比の部分を中心に「オズの魔法使い(以下オズ)」で確認していきます。


オズの魔法使い(あらすじとテーマ):{netabare}
 「オズ」は、主人公のドロシーが、カカシ・ブリキのきこり・ライオンとともに異世界を旅する「異世界もの」ですね。念のため、あらすじとテーマを併記しておきます。

 異世界へ飛ばされてしまったドロシーは元の世界に帰るための方法を、わらで作られたカカシは本物の脳みそを、心を失くしたきこりは心を、臆病なライオンは勇気を、それぞれが求めて魔法使いのオズに会いに行きます。
 何とかオズに会うことができたのですが、オズは魔法の使えないただのペテン師に過ぎませんでした。ですが、オズから脳みそ・心・勇気をもらったカカシたちは、それが偽物であるにもかかわらず満足してしまいます。
 ドロシーは良い魔女グリンダから、自分の履いている銀の靴が元の世界に帰るための道具だと教えてもらい、無事に元の世界へ帰ることができました。というお話ですね。

 「オズ」は、偽物の脳みそ・心・勇気でも問題なかったことや、ドロシーが求めた帰るための方法が最初に手に入れた銀の靴だったことなどから、「欲しいものは最初から持っているんだ、それに気付かなきゃいけないんだ」というのがテーマとして語られることが多いと思います。
{/netabare}

オズの魔法使い(二つの世界の対比):{netabare}
 では、現実世界と異世界の対比的な関係について話を移します。

 「オズ」は、アメリカのカンザスの街の描写から始まります。ドロシーは孤児で、エムおばさんとヘンリーおじさんに育てられているのですが、ドロシーにはこの二人の姿が生気のない灰色に見えてしまいます。また、太陽の強い日差しのせいで、景色も枯れ落ちた灰色に見えてしまう。ドロシーにとってはすべてが灰色に見える街カンザス。これが「オズ」における現実世界の描写です。
 一方で、オズの国には、すべてが緑色に輝いて見えるエメラルドの街というのが出てきます。エメラルドの街が緑色に見えていたのは、かけていたメガネのレンズが緑色だったから、というオチが付きます。メガネを外せば、普通の街と何も変わらなかったのです。ペテン師のオズによる、単なるトリックだったってことですね。

 で、この二つの描写というのは明確に対比がなされていますよね。灰色のカンザスの街と緑色のエメラルドの街。
 エメラルドの街のエピソードが教えてくれるのは、メガネというフィルターを通していたら、本当のエメラルドの街を見ることは出来ないよ、ってことです。つまり、真実の姿を見たいんだったら、フィルターとなっている先入観や固定観念を捨てないとダメだよ、と言っているんですね。
 これにより、灰色のカンザスの街って本当に灰色だったのかな? 何らかのフィルターがあったせいで灰色に見えていたのかな? という疑問が生じますよね。エメラルドの街と同じように、フィルターを外した上でカンザスの街を見てみなければならないのです。

 「オズ」のエンディングは、異世界の最後でドロシーが養父母への優しさを見せて、帰ったときにエムおばさんが涙を流して歓迎してくれる、というものです。本当のところは、灰色の養父母なんかではなかったのです。
 ドロシーにも何らかのフィルターが存在をしていて、それが目を曇らせていた。このことにドロシー自身が気付かなければいけなかったのです。そして、最後にドロシーがこれに気付くことで、「欲しいものは最初から持っているんだ、それに気付かなきゃいけないんだ」というテーマが再度遡及されるわけですね。

 現実世界のカンザスの街と異世界のエメラルドの街。この二つの世界を使った対比が、ストーリーの中で上手く機能しているのが分かると思います。
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おまけ①ドロシーのフィルター:{netabare}
 ドロシーのフィルターというのは、孤児設定のことです。
 「オズ」は1900年頃の作品なんですけど、当時のアメリカには孤児列車というものがありました。東部で親を亡くした子供たちを、中西部に運ぶための列車ですね。実体はともかくとして、その目的は養子縁組による孤児の支援です。
 おそらく、ドロシーもこの孤児たちの中の一人だったのでしょう。両親との別離を経て、養父母と出会い、見知らぬ土地での生活を始める。このような経験が、ドロシーの灰色の世界を作ってしまったように思います。
 ドロシーの孤児設定については掘り下げられていませんので、時代背景を知らないとちょっと分かりにくいですよね。時代性を写し取った社会風刺の部分なのでしょう。
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従来型の「異世界もの」:{netabare}
 「異世界もの」の特徴は、「二つの世界を分断して、対比して、風刺する」構造である、と述べました。これについての検討をしていきます。

 異世界ファンタジーの中には、指輪物語(ロードオブザリング)のように、「異世界だけを舞台にしたもの」もたくさんありますよね。異世界の面白さだけを追求するのなら、この形態で構わないんです。
 なぜ「異世界もの」が二つの世界を必要としているのかというと、二つの世界で対比を作りたいからなんです。「オズ」を例にするなら、、灰色のカンザスの街と緑色のエメラルドの街ですね。異世界だけを舞台にしている作品では、このような二つの世界を使った対比はできません。
 二つの世界を使った対比の成立、これが「異世界もの」の最大の特徴なんです。

 そして、この対比の成立によって、間接的な風刺をすることが「異世界もの」の目的となっています。
 「異世界もの」では、主として現実世界への風刺が行われています。「オズ」だったら、現実世界を灰色に見てしまうドロシーへの批判であり、また、子供に現実世界を灰色だと認識させてしまう社会への批判でもあります。ただ、この風刺を直接的に行おうとしているわけではないんです。直接的に風刺をしたいのなら、現代劇でやればいいからです。
 直接的に現実世界を風刺せずに、異世界を通じて間接的に現実世界を風刺しようとしている。この間接的な風刺をするために、現実世界とは別の異世界が必要なんですね。

 対比があるから風刺ができて、風刺をするためには対比が必要だ。対比と風刺の関係はこのようになっていて、これらが「異世界もの」の構造における両輪となっているんだと思います。また、これを実現するためには、異なる二つの世界が存在していることを明示する必要がありますよね。このために、分断があるのです。
 これが「異世界もの」が持つ「二つの世界を分断して、対比して、風刺する」構造です。

 テンプレとしては、まず、現実世界が描かれて、次いで、現実世界と分断された異世界へと渡る。そして、異世界の中で現実世界との対比が作られます。最後に、異世界から現実世界へと主題がフィードバックされて、現実世界の風刺が達成される、という感じですね。
 作劇上でで一番大切なのは、最初の現実世界の描写だと思います。ここは起承転結の起の部分に該当しますが、対比元が決定される場所でもあります。ここで、何を対比していくのか、という主題の限定がされています。


 ちなみに、「二つの世界を分断して、対比して、風刺する」構造っていうのは、必ずしも「異世界もの」の専売特許ではありません。分断というのが、異世界でなくとも作れるからです。
 良くあるのが、都会から田舎へ移る、というパターンです。アニメで言ったら、「おおかみこども」や「ばらかもん」みたいなやつです。現実世界と異世界の代わりに、都会と田舎で分断を作っていますよね。この手の作品で、やや都会でもやや田舎でもなく、僻地ともいうべき超田舎に行くのは、より都会との差を浮き彫りにするためなんだと思います。風刺対象の都会を客観視するためには、属性的に大きく異なっているところの方がいいからです。
 日本から外国に行くとか、現代から過去や未来に行くっていうのも同じです。距離的・時間的な分断があれば、「異世界もの」と似たような構造は可能になります。
{/netabare}

おまけ②「千と千尋」:{netabare}
 「オズ」だけがサンプルだと知らない人には分かりづらいかもしれないので、「千と千尋」でもごく簡単にですが確認しておきます。「千と千尋」も、現実世界から始まって異世界に渡り、異世界でなんやかんやあった後に現実世界に帰ってきて即終わり、という流れですから、典型的な「異世界もの」ですよね。

 「千と千尋」の現実世界では、次の二つのことが描写されています。一つ目が、友達との別れである転校です。二つ目が、口うるさいお母さんと車で暴走しちゃうお父さん、という親子関係の不確かさです。

 異世界に渡った先で描かれていたのは、湯屋での新生活と、ブタになってしまった両親ですね。
 千尋は湯屋で仕事体験をしていましたが、これは、友達もおらず、両親の助けも借りられない場所での新生活です。転校も、友達もおらず、両親の助けも借りられない場所での新生活ですから、湯屋での生活というのは転校の疑似体験と同じようなものです。湯屋で自立ができた千尋は、転校先でもきっと大丈夫!ってことですね。
 また、千尋は、多くのブタの中から両親を識別できていました。姿かたちがどうであれ、子供と親の間には根源的な信頼関係があるんだってことです。だから、口うるさいお母さんでも暴走しちゃお父さんでも、大丈夫!なんですね。

 エンディングでは、千尋は異世界での出来事を忘れてしまったように描写されていました。たとえ千尋が、湯屋で自立できていたことや、両親との信頼関係を確認できたことを忘れてしまっていたとしても、それでも大丈夫!なんです。
 これを象徴的に説明したのが、ゼニーバが千尋に託した髪留めですね。ゼニーバは「一度あったことは忘れないものさ、思い出せないだけで」と言っていました。忘れてしまったわけではなく、思い出せていないだけ。
 自立の力も、親子の信頼関係も、思い出せてはいないのかもしれないですけど、忘れることはできないものなんです。それらは、千尋の中に確かに存在しているものです。だから、大丈夫!なんですね。

 この「一度あったことは忘れないものさ、思い出せないだけで」というテーマは、感情的な山場としては、ハクの名前を思い出したところになりますよね。でも、ここは、構造的にはサブエピソードなんだと思います。ここだけ押さえても、「名前を思い出したから、だから何よ?」となってしまいますからね。
 構造的なメインエピソードは、転校先で自立の力を、親子の間で信頼関係を、「千尋がこれから思い出す」という作品上では描かれなかったところのような気がします。ここまで含めて、オープニングで描かれていた現実世界へのアンサーシーンとなるからです。
 「千と千尋」では、現実世界の描写で問題提起をして、異世界を通じてそれが解決できることを描いていたってことですね。実際の解決はされないままに、その可能性だけを見せてエンディングを迎えました。
{/netabare}

雑記:{netabare}
 以前、「千と千尋」のレビューで、「本当は違うことをやりたかったんですけど、こんな内容になっちゃいました」みたいなことを書いたんですけど、本当にやりたかったことってのが、上で書いたことですね。初稿から1年以上経っているんですけど、ここに来てやっと成仏できました。

 あと、前々から思っていたんですけど、個別作品のレビューでは、監督で括ったりジャンルで括ったりっていう横断的な論点ってやりづらいですよね。いやまぁ、やるなって話なんですけど。このレビューも個別作品のレビューと言っていいのかがもう怪しいですもんね。だから、目立たなそうな「オズ」にしたんですけどね。あんまり目立たなければ大丈夫だろうという、世にも安易な発想です。


 最後に、「オズ」を申し訳程度に宣伝して終わます。
 このレビューで書いた「オズ」の話は、全部原作からのものです。アニメは見ていないので分かりませんが、実写映画は原作から改変されているところがボチボチあります。メガネの話もなくなっていますからね。

 でも、灰色のカンザスの街はきちんと表現されています。オープニングとエンディングのカンザスの街は白黒映画として撮っていて、オズの国がカラー映画になっている、という表現です。面白い演出ですよね。
 白黒のシーンを指し込む作品はままありますけど、舞台設定的に使うのは珍しいですよね。アニメ作品で言ったら、「トップをねらえ」がこれに近い演出になるのかな。

 「ユリクマ嵐」では、「オズ」が意図的に引用されていましたね。赤いヒールのかかとを、三回鳴らすってシーンがありました。かかと三回は、「オズ」で使われた現実世界に帰るためのおまじないです。原作は銀の靴で、映画が赤いルビーの靴だから、映画からの引用ですね。

 いわゆる名作はどこで引用されてもおかしくはないですから、見ておいて損はないと思います。今見て面白いってものでもないですけどね。「オズ」は日本ではパブリックドメインになっていますから、比較的見やすいと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

計測不能 3 1986年秋(10月~12月)アニメランキング3位
ハートカクテル(TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (6)
20人が棚に入れました
漫画家わたせせいぞうが『週刊モーニング』で連載した、お洒落な雰囲気の同題コミックをアニメ化。原作が持つ独特の描線やポップな色使いは、アニメでも見事に再現された。熱帯雨林気候のため、蒸し暑い日が続く日本。ボクは本来ならば屋外でビールを飲むべきだろうと思いつつも、冷房の効いている喫茶店でアイスコーヒーを口にしていた。ついに思い立ったボクはカノジョに電話をかけ、二人だけのビアガーデンを開くことが決定。二人ともビールをおいしく飲むため、朝から余分な水分をとらないように注意しつつ、暑い日の夕方を迎えた。会社が終わり、ようやく二人の大切なビアガーデンがオープンする……。本作は金曜日の深夜に放送。一週につき5分のショートストーリーが用意された。アニメの制作は映画『魔女の宅急便』などにも参加しているメルヘン社が担当。作画監督にはベテランアニメーターの高橋信也らも参加していた。

つぼ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

彼と彼女の、今とは少し違った約3分間の純愛ストーリー

※当レビューは、ほぼ初見の方へ向けたレビューとなります、既にご承知の私と同年代の中年諸兄は「ふーん」と流し見下さい、知らない年代の方に是非ご視聴頂きたく私なりに工夫して書いてみました、どうぞご覧下さい



○ ハートカクテルってなんですか?

△ はい、原作は週刊モーニングで連載された、わたせせいぞう著の「ハートカクテル」です、数ページの1話完結で全編オールカラーだったと記憶しています、わたせせいぞう氏によって描かれる、そのあたたかみのあるやわらかな描線とポップな色彩がとても印象的な作品となっています

○ いつ頃の作品なのですか?

△ はい、アニメは日本たばこ(JT)一社単独提供で「タバコ1本分のストーリー」と言うキャッチで86年~88年に放映されました、時間帯は失念してしまいましたが夜間だったように思います

○ どんな作品なのですか?

△ はい、作画からお答えします、わたせせいぞう氏の作画を最大限に活かす為にアニメーションするカットは極力抑えられ、カメラワークの寄りや引きやパーンしたりのカメラワークで氏の描く1枚絵の魅力が際立ちます

△出演は、彼(声:塩沢兼人さん 奥田民義さん)
彼女(声:島津冴子さん 島本須美さん 麻上洋子さん)
一応なんですが奥田民義さんはミュージシャンの奥田民生さんではありません、民義さん曰くよく間違われたそうですので念の為付け加えておきますね(笑)、奥田民義さんはこの作品が初主演作品でした、現在はナレーター業が本職のようで、そのあたたかかつ品のあるさわやかボイスは皆さんも聞けば必ず「あっ!」と出演作を連想されると思います、
また、共演陣も声を聞けば誰しもが気付く有名声優さん達がガッチリ脇を固めストーリーに奥行きを持たせています(ただ30年前の作品ですから当時は若手だったかも知れませんね)

△音楽は、松岡直也、トニーズ・ショウ、島健、三枝成章、とその道のエキスパートでそうそうたる面々です、その彼らがこのアニメの100を越えるエピソードのひとつひとつに曲を付けたのですから、今では考えられないような贅沢な仕様となっています、さすがバブル期制作作品ですね(ほぼ同期には「アキラ」や「オネアミスの翼」がありますからある意味納得です)

△作品の構成はCMを除けば約3分間のショートストーリーでオープニングもエンディングもありません、スッとはじまり余韻を残しつつもサッと終わります、毎1話完結です(カモメがつれてきたカノジョだけは三連作)、彼と彼女のさわやかな恋物語をわたせせいぞう氏の作画、しっかりした声の演技と素晴らしい音楽で魅せてくれます

△バブル期の作品ですからヴィンテージカーや高級ブランドやこだわりある小物は時代感のありますがしっかり登場します、ですが物語自体は素朴であり実直で人物の人柄は何処か朴吶さえ感じられます、これは物語を書いたわたせせいぞう氏の人柄そのものだったのかも知れません

携帯もネットもない、今とは少し違った恋物語です、

この時代に青春期を過ごしたご同輩は再度視聴すれば、胸の内側を擽られるような何ともこそばゆく感じになるかも知れません、時代を知らない若い世代の方はある意味新鮮さ面白みを感じて貰えるのではないか?と期待しています

○ よく喋りますね、疲れませんか?

△ はい、少々興奮気味です、恐縮です

○ 100を越えるエピソードと言う事でしたが、観るのが面倒に感じます

△ はい、大丈夫です、興味を持たれた方の為に選び易いように、いくつか私のお薦めエピソードを挙げておきます、これらは私なりに「これぞハートカクテルです」と言えるものです、

△音楽 トニーズショウ

「一足お先にIslander」
「思い出ワンクッション」
「もうフォークは投げない」
「木馬が歌った日」
「町を出てゆく男」
「オフホワイトのレースのスカーフ」

△音楽 島健

「'84 -夏-」
「カモメが連れてきたカノジョ①」
「秋に向かって」
※モノクロームファンタジーは必聴です
「カモメが連れてきたカノジョ②」
「バイク・サクランボ&イパネマの娘」
カモメが連れてきたカノジョ③
「夜行列車」


△特に「思い出ワンクッション」「カモメがつれてきたカノジョ」「夜行列車」は素晴らしいです、ストーリー・作画・声の演技・音楽が完璧です、絶品です(島健は本当に凄い、音楽素人の私ですが震えるほどの出来です、事実島健の担当したハートカクテルvol.4のサントラはプレミアがついて今なお高値で取引されています)



○ つぼさんはバカですか?

△ どちらかといえば、バカではなくアホです、昔大阪駅構内のガラスの壁に気付かず本気で通過しようと激突した事があります、ちょうどラッシュの時間帯でしたが誰にも笑われずツッコミもされず、ただただ痛いだけで散々だった記憶があります

○ まだ、言いたい事がありますか?

△ はい、とかくバブルが語られる時、功罪の罪の部分だけがクローズアップされますが、潤沢な資金で素晴らしい創作物(作品)がつくられた事、そして夢物語でしかなかった世界最高峰の絵画や装飾品等の本物達を目にする事が出来た事は幸せでした

○ そろそろ、締めて下さい

△ はい、大変長文となりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございます、
もし、これをきっかけにハートカクテルをひとりでも認知して頂けるなら、私はとても嬉しいです

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

とらお さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

あえて紙芝居にする感性

本作品は[つぼさん]のレビューを読みましょう
作品を正しく面白く紹介してとても読みやすいです
絵文字機能あったら乱発しそうなおじさんぽい文構成も好ましい

本作品の基本ストーリーは恋愛のワンシーンを切り取った内容で、
「課長島耕作」のドライな恋愛観がまかり通っています
出会いはスマートで犬と砂浜フリスビーでフィアットで北へ、、、
というトレンディーでくそダサそうな気配ですが、
今見ても結末の余韻、かっこいい
やや鼻につく島耕作よ、これ見て学べ!と感じるほど洒落乙

たしかすっごい深夜アニメで話題性は薄かったですが
コメントではバブルのヤング達の憧れ伝わります
https://m.youtube.com/watch?v=u8ZR-4S9AYk
コメントさんらはどう見てもアニオタの言葉ではないね

塩沢さんも合ってる~
ごくまれにゲスト出演する有名声優も大人ボイスな演技
全話ありそうなチャンネルなので探して下さい

金あるバブル期に紙芝居とは、わかってらっしゃる
見事なわたせせいぞう絵の再現度は最も成功したアニメ化かも?
ぬるぬる動き格段に作画レベルがアップしたOVA版、コレジャナイ
アニメーションが良くなってもダメな場合もあるんです

参考「木枯らしセンティメント」
https://m.youtube.com/watch?v=gheQdppK7Hw

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

80年代――古き良き時代の息吹や恋愛模様を感じてもらいたい/2023/5/4追記

【レビューNo.55】(初回登録:2023/5/3)
コミック原作で1986-88年作品。5分アニメで全78話。
先日旧友から「ハートカクテル カラフル」を録画したDVDが送られてきました。
(この春にNHKで放送されていたらしい)
それを観て「ちょっと違うかな」ってのがあって、軽く本作を見直したのでレビューして
おこうかなっと。

(個人的なハートカクテル史)
・スタートはレコード店(当時はまだレコードが主だった)で松岡直也のCD「ハートカク
 テル Vol.1 」をジャケ買いしたところから。(作中BGM集)
 (余談だがこの当時、この歌詞のない曲だけの音楽は「フュージョン」と分類されていた。
  (正確にはジャズの派生ジャンルらしいけど)
  有名なところでは「カシオペア」「T-SQUARE」「渡辺貞夫」等)
・その後コミックがあることを知りそちらを買い始め、更にアニメが放送されていること
 も知りアニメも見始めた。
 (当時会社の1年研修で寮生活だったので、本当はTV持ち込み禁止&就寝時間だったの
  だが、携帯TVを持っていた友人に借りてこっそり観ていたw)、
 なので、コミック11巻とCD6枚はコンプですね。正直アニメは全部視聴できていない
 ですがw 

(作品情報他)
「つぼさん」が綺麗にまとめてくださっているので、そちらを参照ください。

(評価・追加情報等)
・ある意味(アニメ界)メディアミックス展開の先駆け的な?!
 ・原作は「わたせせいぞう」。「漫画家」というよりは「イラストレーター」として
  の知名度の方が高い感じですかね。名前は知らなくても作品(画)を見れば、誰も
  が「あっ、これか!!」となる位に彼の作品は巷に溢れています。
  作品としては原作が4ページ枠だったので1話が短く、アニメ化すると5分弱だったと。
  ((スポンサーもあるが)その尺が「タバコ1本のストーリー」の名コピーに!)
 ・アニメ的には「つぼさん」の解説通り、わたせせいぞうの世界に、音楽は松岡直也他
  実力派フュージョンアーティストとのコラボという豪華仕様。
  私も詳しくは分からないですが、OP/EDに有名ミュージシャンを起用するケースは昔
  からありますが、当時作中BGMにここまで力を入れている作品って、あってもアニメ
  映画位じゃないと。そしてそれをしっかり「ハートカクテルブランド」で売り出すと
  いう。さすがに今のようなノベライズ化はなかったですが、「コミック」+「音楽」
  +「アニメ」という、(アニメ界)メディアミックス展開の先駆けの部類に入るの
  かなあと勝手に解釈していますw
  (最近TVをほとんど観ないからアレですが、この音楽も結構TV番組の中でBGMで使
   われてたりしてるんだよね)

・深夜アニメとしても先駆け的な?!
 Wikiからですが
 「日本テレビ系列では、1969年放送の『六法やぶれクン』(名古屋テレビ制作)以来、
  17年ぶりに復活した深夜アニメで、日本テレビ制作は初である。」
 らしく、深夜アニメの本格化は1990年代後半かららしいので、やはり先駆け的な存在
 と言えるんでしょうね。まあ深夜アニメといえばエロやグロ表現等、健全な子供が起
 きてる時間に放送できないという規制的な側面もありますが、本作は大人の恋愛モノ
 ということで、その視聴者層に合わせたって感じですね。

・バブル最盛期他80年代の空気感+アメコミ感
 ・バブル最盛期他80年代の空気感
  ・この辺も「つぼさん」の解説通りですが、大人の恋愛モノ(いろいろな恋人たち
   の日常や出会い、別れ、喧嘩等)をメインに、時には軽妙に、時にはほろ苦くと
   いう感じで、短いながらも最後に残る余韻を楽しむって感じですかね。
   また時代的に高級スーツで小洒落たカフェバーでデートという、バブル期の若者
   の憧れを形にした作品も結構見られますね。
   (まあ「トレンディドラマ」の黎明期ともいえる時代でしたからね)
  ・そしてネットや携帯がなかった時代だからこそ成立するエピソードなども、当時
   を感じさせてくれます。
 ・アメコミ感
  あの色彩感覚に溢れた彼の作品を見れば、かなりアメコミから影響受けていること
  は容易に想像がつきますが、実際彼の実家の近くに米軍駐屯所があり、両親の仕事
  柄米兵の出入りが多く、そこに待ち込まれるアメコミを見て育ったそうです。
  なので、描かれてるアイテムもアメリカントイやヘインズのTシャツにリーバイスと
  いったアメリカブランドが多く登場します。
  あの作風だけに、そりゃアメリカブランドの方が映えるのは当然でしょうね。
  なのでエピソード的にも、日本人らしい恋愛を描きつつも、時にアメリカンなノリ
  を感じるところはありますねw

正直アニメとして評価した場合、
「『わたせせいぞう』の世界観を堪能するための豪華な音声、音楽付き紙芝居」
って感が強く、「名作なので皆にオススメ」って感じではないですね。好みがハッキリ
と分かれる作品だと思います。

私も「つぼさん」の考えに近く
・まずは「ハートカクテル」という作品を多くの人に知ってもらいたい。
 ・漫画家としての「わたせせいぞう」の魅力も知ってもらいたい。
  (画だけじゃなく、こういうストーリーの作品も作れるんだぞっと)
 ・またこだわりのBGMも是非聴いてもらいたい。
 ・特に若い方には、古き良き時代の息吹や恋愛模様を感じてもらいたい。
という思いから、レビューを書いてみた次第ですね。

最後に引用を快諾してくださった「つぼさん」に感謝します。
本当にありがとうございました。


(追 記1)
正直アニメに関してはバイアスがかかり、多少辛口気味なところがあります。
・上述の通り、音楽 → コミック → アニメの順で入った
・アニメは紙芝居的であまり動かない
 (コミックとあまり大差なく、アニメーションとしての新鮮さが薄かった)
ということで、ネタバレの上でアニメに入ったので「本当にアニメ化されてるわw」
位の感じで、ちょっと感動が薄いんですよね。
(といいつつ、結構観てたけどw)
初見がアニメからだったら、もっと印象も変わっていただろうなと。

(追 記2)
以前「ReLIFE」のレビューで、「おっさんになってから初めて買ったコミック」って
書いて当然コンプしているのですが、よく考えると人生で初めてコンプしたコミック
は、この「ハートカクテル」だったわw
(調べたら、その後に傑作選が10冊近く出てて、
 「同じ話の使いまわしをどんだけするねんヽ(♯`Д´)ノ」
 ってちょっと興ざめしちゃいましたがw)

(2023/5/4追記)
今日図書館にいったら「東京ラブストーリー」もコンプしてたなって思い出した。
時期的に微妙ですが、こっちはドラマ→コミックだったので、やっぱ本作のコミック
方が先だったなw

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

計測不能 3 1986年秋(10月~12月)アニメランキング3位
ドリモグだァ!!(TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (5)
19人が棚に入れました
『月光仮面』『レインボーマン』など傑作ヒーロー作品の作者として知られる川内康範が提供した原作を元にした、モグラが主人公の異色冒険アニメ。舞台は8世紀のヨーロッパ。領土の拡張をめざすフランク王国は、指導者カール大帝の指示のもと、周辺の国々に侵略戦争を続けていた。戦禍に苦しむ欧州の罪もなき人々。だがそんな被災者の心の支えとなるのは、全ヨーロッパ中の地中を自由に突き進み、困っている人間や動物に支援の手をさしのべるモグラの兄妹ドリモグとハナモグだった! 高い知性を持って人語まで話すドリモグたちは世界中に張り巡らせた地底トンネル「ドリモグロード」を活用。その機動力をフルに活かして、カール大帝やその仲間の妖術師ババールに闘いを挑む。クセの強いヒーロー作品を多数生み出した原作者らしい、ひねったそして夢のある設定のSF冒険アニメ。番組は好評の中で一年間放映され、後半は時代と舞台を変えた第二部(新シリーズ)に移行した。

計測不能 3 1986年秋(10月~12月)アニメランキング3位
ボスコアドベンチャー(TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (3)
16人が棚に入れました
トニー・ウルフ原作の絵本『ボスコの森の住人たち』をもとにした冒険ファンタジー。ボスコワールドにはフォンテーンランドと呼ばれる聖地があり、その谷の中央には命の泉と泉の女王の座があった。フォンテーンランドの女王が女王の座にいる限り、泉は命の水を湧き出し続け、ボスコワールドに生きるすべての生き物に生命力を与える。ところがあるとき、正体不明の魔物スコーピオンがこの泉を奪おうとした。スコーピオンは泉に侵入して女王をさらい、女王の後継者アプリコットまでも手下に捕らえさせる。アプリコットは家来の九官鳥スピークに救出のメッセージを託すことに。やがてそのメッセージを知ったボスコの森の住人たちは、アプリコットを救い出すために飛行船ボスコ号で旅立っていく。

声優・キャラクター
中原茂、石丸博也、山寺宏一、皆口裕子、銀河万丈、はせさん治、緒方賢一、柴田秀勝、吉田理保子、宮内幸平、渡辺菜生子、水倉久美子、日髙のり子
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