takumi@ さんの感想・評価
3.6
1964年 手塚治虫氏の実験的アニメ
1964年に制作された作品で、
手塚治虫氏の14作くらいある実験アニメの中の1つ。
「めもりい」なんてひらがなだと、かわいい萌えキャラでも登場しそうで
別ジャンルのアニメをイメージしそうだが、この作品はぜんぜんそんな内容じゃなく。
記憶と想い出の違いというものを、真正面から切り込んでいく。
とはいっても堅苦しいわけではなく、このテーマからどれだけ視覚的に面白く伝えるか、
ってことに手塚氏が挑戦したかったんだなと。
まず特徴的なのが語り口。
なんとなく、某製薬会社のCMみたいな雰囲気なので、
聞きやすさもあるし、どこかコミカルな感じでもあり。
手塚氏、漫画家だけでなく医学者という側面もお持ちなので、思えば納得なのだった。
それから実写を交えた映像は遊び心がいっぱい。
キャラデザも、なるたけ笑わせようっていうのが伝わってきた。
たった5分40秒という短い時間の中、コンパクトにまとまっていて
少し長いCMを見ているような感覚だった。