1962年度に放送されたアニメ映画一覧 6

あにこれの全ユーザーが1962年度に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月18日の時点で一番の1962年度に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

73.1 1 1962年度アニメランキング1位
101匹わんちゃん(アニメ映画)

1962年7月21日
★★★★☆ 4.0 (14)
90人が棚に入れました
トレスマシン、つまり手書きの動画をセルにコピーすることで作画を楽にする、今では当たり前の方法を採用することで、制作が可能となった、101匹ものダルメシアン犬の物語。作曲家ロジャーに飼われる犬のポンゴは、心優しいアニタという女性を主人に引き合わせる。そして、自分もちゃっかり、アニタの愛犬パディータと仲良しになり、15匹の仔犬をもうけるが、アニタの知り合いで毛皮フェチのクルエラに誘拐されてしまい、さあ大変。二匹の親犬は苦労の末、人里はなれた別荘に、他の84匹の仔犬と一緒に捕らえられた15匹を見つけ出す。総勢101匹となった彼らは、黒ぶちのお団子となって白い雪原を逃げ回る。15匹の見分けもつかないのに、他の84匹のキャラクタの描き分けなんかされたひにゃ気が狂ったろうなぁ。子供たちの嫌いなクルエラは、今となれば愛すべき悪役。彼女のテーマ“Cruella De Ville"も、ロカビリー歌謡(?)の名曲です。96年にはなんと実写版リメイク「101」が作られた。

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ディズニーヴィラン(悪役)であって、イーヴィル(悪党)ではない

ディズニープラスで「101匹わんちゃん」の実写スピンオフ「クルエラ」を観て思ったのですが、ディズニーヴィランは「悪役」であって、「悪党」ではないんですよね。

日本人の感覚からすると同じように聞こえますが、「悪役」と「悪党」は似ても似つかないほどの違いがあります。

「眠れる森の美女」のマレフィセントも、「リトルマーメイド」のアースラ、そして「101匹わんちゃん」のクルエラも、特に最近はディズニーが率先してキャラクターを変えている気がします。

使い捨てされるようなキャラクターではなく、深堀することによって視聴者の愛着を湧かそうとしているみたいですが、

個人的にはワーナーのDCコミックのハーレークインやポイズンアイヴィーのように悪党として描いてもらったほうが、非常にスッキリするんですが。。。

人気キャラクターの宿命というやつかもしれません。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

63.6 2 1962年度アニメランキング2位
ある街角の物語(アニメ映画)

1962年11月5日
★★★★☆ 3.4 (13)
54人が棚に入れました
 手塚治虫の設立した虫プロダクションの記念すべき第1作目。セリフなどは一切なく、音楽と映像のみの演出で構成されている。手塚の代表作「鉄腕アトム」などの大ヒットTVアニメーション群とは一風違った、手塚治虫の実験アニメーション群のさきがけとなった。物語はとある国の大きなプラタナスのある街角の風景からはじまる。少女とクマのぬいぐるみ、同じアパートに住むねずみの一家、街灯といじわるな蛾、ヴァイオリンを演奏する青年とピアノを弾く少女の2枚のポスターなどそれぞれの織りなすドラマが進行していく。やがて街角には戦争の靴音が響きはじめる。独裁者のポスターが壁一面に貼りつけられ、平和な街は戦争に巻き込まれてしまう。爆弾の雨が降り、街角は戦禍でボロボロの焼け野原になってしまうのだが…。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

手塚治虫氏の第1作目の作品

あらすじは、そこまで書くか!?ってほどすごく詳しく
あにこれのあらすじ欄に書かれてしまってる(汗)

この作品、戦争の傷跡をわずかながらまだ残していた時代の
1962年に制作された、手塚治虫氏の第1作というだけでも、
すごく価値があるものだと思う。
レトロ感あふれる音楽と、ヨーロッパ的な街並み。
ある秋の日から物語は始まり、街に棲みつくすべての生き物たちや、
壁に貼られた数々のポスターまでもがイキイキと楽しそうで、
ねずみの様子などからは「トムとジェリー」を彷彿させたりと表情豊か。
しかしそんな時間もつかの間、不穏な音楽と足音によって風景は一変。

そしてその瞬間、この作品の根底にある深いテーマに気づかされるのだ。

観ていれば当然それが何を意味するかわかるのだけれど、
途中で流れる葬送行進曲にはドキッとさせられた。

全編通してセリフはなく、さまざまな音楽と映像だけの約40分。
街角での出来事の喜怒哀楽を見せつつ、最終的には強烈なメッセージが投げかけられる。

ガレキの中で芽を出した植物たちや、クマのぬいぐるみが
持ち主である少女の手によって戻っていくとき、それはとても象徴的で、
哀しみを感じながら、心のどこかで安堵している自分がいて。

この作品は、物語よりも、感情を訴えるアニメだと確信した。
だから多くを語らないでおこうと思う。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 30

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

色んな想いがこもった素敵な出会いのお話。

これ、40分ほどの短編作品なのですが、どんな大作映画よりも心に訴えかけてくる美しさを感じました。

驚くべきはあの『鉄腕アトム』と同時期に手塚治虫先生自身によって制作されたということです。しかもこちらは白黒ではなくカラーで、色鮮やかな美術を堪能できます。


さてお話しの方は、ある街の一角で巻き起こる幾つもの物語を俯瞰的に捉えた不思議な雰囲気となっています。


「一人の女の子と一匹のねずみのお話」
「ポスターに描かれた青年バイオリニストと少女ピアニストのお話」
「消えかけの街灯とそれに群がる一匹の蛾のお話」
など・・・


字面だけ見るとすごく地味に感じられます(笑)

でもそれを魅力的に見せてしまうのがこのアニメーションの凄さです。
言葉では上手く伝えられない、伝わらない感性の部分に直接訴えかけてくる映像美こそアニメーションたる意義を感じます。

台詞は一切なく、絵画のようなデザインのキャラクター達が演劇のように振る舞います。BGMはオーケストラの静かな演奏のみです。

ポスターの中の人や街灯など本来生き物ではない物体にも生命を吹き込む映像と音楽が、街の中で一体化していて雰囲気に呑まれてしまいます。

時代も相まってレトロな作風となっていますので、そこが気にならなければ間違いなくハマります。


手塚先生が手がけた実験的なアニメーションの数々は普遍的な価値観を有していると思います。
その中でも「ある街角の物語」は、文化や人の豊かさを強く感じさせてくれました。




…そう言えばクレジットの原画スタッフの中に‘杉井儀三郎’の名前が。杉井ギザブローさんの本名だそうで、知って驚きました。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 9
ネタバレ

まりす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

生命は感情(ワルツ)と共にある

セリフが全く無く、映像と音楽のみで話が進んでいく。
作中の街並みはどこぞの絵画のように描かれています。
輪郭線を排しているのは動くキャラクターだけではなく、
背景もそうですし、ポスターでも極力抑えられています。

手塚プロのホームページには「ストーリー」ではなく
「感情」を語っているとの記載がありますが、確かにそんな感じがします。
この作品の内容を人に言って聞かせるのは困難だからです。

感情の主体は人間だけでなく、ネズミの子供、ポスターの人物たち、
プラタナスの木 等々。
それぞれが感情を表現しています。

中でも「愛」や「恋」といった人間の感情の中でも最も強いものを
表現した「青年バイオリニストのポスター」と「美少女ピアニストのポスター」
の物語は特に印象的でした。
{netabare}
主要キャラクターの中で、死んだ(≒この世から消えた)のは、
この組み合わせだけです。
その最後は、爆撃を受けてポスター2枚が上方に吹き飛ばされ、
風に流されながらもポスター達はワルツを踊るかのように舞っていく。
暫くして2枚のポスターは燃え始め、そのまま空の彼方に消えていく。

最初、「スタッフは戦争は純粋な恋心ですら燃やし尽くしてしまう」
という意味合いでこのシーンを入れたのだと思っていましたが、
2回目の視聴であることに気付きました。
はじめ燃えていたのは「青年バイオリニストのポスター」だけだったのです。
「美少女ピアニストのポスター」は、彼と風に舞い、踊ったために引火しました。

相手と共に消えることを選ぶ。
燃える地上の中空で 孤独に舞う2枚のポスターは お互い抜きでは
居られなかったのでしょう。
(私も暗い宇宙で好きな女性と二人きりの孤独なら、同じことをするかも知れません。)
{/netabare}

いくら生あるものが打ちのめされても、新たな感情の発芽は必ず起きる。
打ちのめすことの無意味さを説くのではなく、
我々の世界は常に感情と共にある。 そんなことを示された気がします。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

計測不能 3 1962年度アニメランキング3位
おす(アニメ映画)

1962年11月5日
★★★★☆ 3.7 (5)
20人が棚に入れました
 虫プロが制作した、人間の男(オス)と女の駆け引きを主題にした約3分の短編アニメ。 暗闇にスポットライトが当たり、一人の若者がそこに座り込んでいるのがわかる。どうやら恋に悩んでいるようだ。そんな彼に、自分の方は彼女とイチャイチャしているオスネコが、あれこれと意見をぼやく。ネコも人間も彼女を求めて寂しがるのはいっしょなのに、どうして人間の方に限って、俺たちネコみたいに簡単にくっついたりしないのか、と。 テレビアニメ『鉄腕アトム』の第1話、先行お披露目上映会用が決定したのち、虫プロの方向性の多彩感をアピールするため、急遽企画制作された添えもの作品。そういう制作事情もあって、スポットライトが部分的に闇をくりぬく手法を活用し、なるべく作画面積も動きも少ない技法で見せている。ある意味では「動かないアニメ」に挑戦した作品ともいえる。

計測不能 3 1962年度アニメランキング3位
アラビアンナイト・シンドバッドの冒険(アニメ映画)

1962年7月12日
★★★★★ 4.1 (3)
20人が棚に入れました
ラサールの若者シンドバッドと少年アリは、海への憧れから輸送船ボルダー号に密航をする。途中、密航を発見されるも、勇気と行動力を船長に気に入られ、正式に見習い船乗りとして働く事になった。ボルダー号がバーレーンの港に入った時、上陸したシンドバッド達は、仲間の一人、アブダラの歌ったデタラメな唄のことから王宮に呼ばれることになる。その国の王様は宝物なら何でも欲しがり、大臣は卑怯な手で権力をつかもうとしていたからだ。歌の宝物を差し出せなかったシンドバッド達は地下牢に捕らえられてしまう。しかし、サミール姫はシンドバッド達を気の毒に思い、牢から逃す。姫は悪大臣から求婚されており、それから逃れるために、自分も一緒に連れていってもらいたかったのだ。シンドバッドは船長に頼み込んで、以前ラサールの港に流れ着いた老船乗りに聞いた、五色に輝く宝石の島へ船を向かわせることにした。

声優・キャラクター
木下秀雄、黒柳徹子、滝口順平

計測不能 3 1962年度アニメランキング3位
おとぎの世界旅行(アニメ映画)

1962年8月25日
★★★★★ 5.0 (1)
11人が棚に入れました
 人気漫画家・横山隆一のアニメスタジオ、おとぎぷろによる、劇場公開作品の第三弾。 自家製の蒸気自動車ヨサコイ号で世界を回る、ソーラン老人とオサケ青年。その目的は、世界中でマンガ映画を巡回上映することだ。途中の村で、悪人の皮革屋にコキ使われていたチョイナ少年を助けて仲間に加えたソーランたち。彼らはアフリカ、中国、そして日本からアメリカへと世界をかけ巡りながら、その国その国の人々に楽しいマンガ映画を見せて回るが……。 7本の劇中短編アニメを擁する、半ばオムニバス作品。1960年には完成していたが、上映時間の関係で7本のうち5本をカットする形でようやく1962年に公開された。おとぎプロの最後の劇場アニメでもある。

計測不能 3 1962年度アニメランキング3位
たのしい文明史鉄ものがたり(アニメ映画)

1962年4月22日
★★★★★ 5.0 (1)
10人が棚に入れました
台所で仲間たちと楽しく暮らしていたカンヅメの缶ぼうやは、ある日ついに空き缶になって捨てられてしまう。やがてぼうやは、鉄と人類の歴史についての夢を見る。山火事で溶けて流れ出した鉄は、冷えて固まった所を人間に発見される。鉄は刃物や機械に姿を変え、文明を発展させていく……。目を覚ましたぼうやは、製鉄所に運ばれ、新しい鉄材として生まれ変わるのだった。産業PR映画を発表してきた鋼材倶楽部の企画により制作されたアニメ。アニメの実製作は東映動画が担当し、フリーの前田一が演出を担当。この前田と東映動画CM部の市野正二ほかが作画を担当している。また当時入社3年目の高畑 勲が制作進行・演出助手を担当している。
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