1947年秋(10月~12月)に放送されたアニメ映画一覧 3

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年代別アニメ一覧

61.9 1 1947年秋(10月~12月)アニメランキング1位
すて猫トラちゃん(アニメ映画)

1947年9月25日
★★★★☆ 3.3 (12)
40人が棚に入れました
 日本漫画映画社から分裂したアニメ作家・政岡憲三と山本善次郎(旧・早苗)が新たに創設した新会社・日本動画社(ニチドウ)の第一作(ただしクレジットは元の所属組織・日本漫画映画社の名前で表記されている)。 捨て猫のトラちゃん。川辺で空腹で泣いている彼にミルクをくれたのは、3匹の猫の母親である三毛猫だった。そのまま三毛猫一家の家族になるトラちゃん。だがお母さんがトラちゃんに優しいので、末娘のミケちゃんが嫉妬。彼女はふてくされて家出してしまう。責任を感じたトラちゃんは、必死にミケちゃんを探すが……。 戦災孤児の続出を主題にした作品。しかし擬人化された猫たちの愛らしさと優しさ、そしてミケちゃんの嫉妬心に託された感情の機微の広がりが実に高い情操効果を上げた、戦後直後の傑作でもある。全編がフルアニメで製作された上、随所にオペレッタ的な演出が採用されて鮮烈な印象を上げているが、政岡たちは製作予算の面でいろいろと苦労したという。

計測不能 2 1947年秋(10月~12月)アニメランキング2位
ムクの木の話(アニメ映画)

1947年9月25日
★★★★★ 5.0 (1)
9人が棚に入れました
一本の老木に訪れる四季の推移を、作曲家・早坂文雄の流麗な劇伴とともに語った作品。 広野に立つのは、一本の年老いたムクの木。秋になり、虫たちの音楽会が彼の孤独をまぎらわす。だがやがて椋鳥が来るようになると、その秋も終焉。鶴の飛来を追うように、悪魔の冬将軍がやってきた。だが日々は巡り、春。暖かい陽光の中で再び椋鳥や虫たちも姿を見せてくれた。こうしてまたムクの木は、平和を満喫しつつ夏を待つ。 東宝教育映画部が自社制作した、本格的アニメ映画第一弾。18世紀の英国詩人シェリーの詩「冬来たりなば春遠からじ」を題材にした作品で、黒沢明作品群で有名な作曲家・早坂文雄が音楽を担当した。ムクの木を主役にしたシネマ・ポエムともいうべきアニメーションで、映画世界社賞を受賞している。

計測不能 2 1947年秋(10月~12月)アニメランキング2位
ちどり(アニメ映画)

1947年9月25日
★★★★★ 5.0 (1)
8人が棚に入れました
東宝教育映画部が制作した、鳥類の生態を観察する映画。実写本編の画面にセルアニメーションを合成する、当時としては斬新な手法が用いられている。 少女が河原で見つけた、そこに産卵された千鳥の卵。さらに少女は不思議なピノキオ人形とも出会い、彼と話をしながら鳥類の親子の愛情に感嘆するのだった。 映画全編の監督は、鳥類の生態写真家として高名で、さらに記録映画監督としても多大な功績を残した下村兼史が担当。セルアニメは本編全体の3分の1ほどで、主にピノキオの描写に使われた。アニメ部分の制作は、戦前のファンタジーコメディアニメの傑作『動絵狐狸の達引』でメイン作画の一人を務めた市野正二が担当。実写とセルアニメの重ね合いにはまだ研究の余地があったが、それでも戦後直後の時期としてはかつてない新鮮な効果を発揮。映画世界社賞を獲得している。
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