中村 隆太郎(なかむら りゅうたろう、1955年4月15日 - 2013年6月29日)は、アニメーション監督、演出家。
作風
きわめて高密度な画面作りと、虚実の境目を突くようなリアリティが特徴。その分作品が演出よりの構成を持つため、単純なストーリーテリングを求める向きには理解しにくい作風といえる。監督作では実験的な映像演出も目立つが、むしろ突出した映像感覚を持つ職人演出家としての評価が極めて高い。
全体に好き嫌いの分かれる傾向が強く(宮沢賢治関連を除く)、原作付きの場合それが顕著である。特に『サクラ大戦TV』は、生々しい大正の闇を描いた江戸川乱歩のような作品で、広井・あかほりラインがもつ華やかなネアカさと好対照となっている。
重度のMacユーザーで、コンピュータへの理解力は業界でも屈指。作品にもそれが反映されており、中村作品に登場するコンピュータ画面は説得力に満ちており、特にlainにおいては他のスタッフの趣味も含めそれが極端なほどに反映されている。
経歴
マッドハウスで作画を手がけた後、1986年にフリーの演出家になる。
この時期に出崎統の影響を強く受け、原作改変・独特の映像感覚などはそれによるところが大きい。
1994年『グスコーブドリの伝記』で監督デビュー。『レジェンド・オブ・クリスタニア』を除き、一般的な知名度がないに等しい作品ばかりに関わっていたため、非常にマイナーな存在だった。1998年にカルトアニメ『serial experiments lain』を監督し、一躍脚光を浴びる。
2013年6月29日、膵臓癌のため死去。
監督作品
ちびねこトムの大冒険(1990年)※未公開。後にCSで放映
グスコーブドリの伝記(1994年)
ユンカース・カム・ヒア メモリーズ・オブ・ユー(1994年)※佐藤順一監督の劇場版とは別のもの
賢治のトランク 双子の星(1995年)
はじまりの冒険者たち レジェンド・オブ・クリスタニア(1995年)
serial experiments lain(1998年)
COLORFUL(1999年)
サクラ大戦TV(2000年)
キノの旅(2003年)
REC(2006年)
劇場版 キノの旅 the Beautiful World 病気の国―For You―(2007年)
神霊狩/GHOST HOUND (2007年)
ゲームのアニメパート
ポポロクロイス物語(1996年)
NOeL3(1998年)
ブレス オブ ファイアIV (2000年)
参加作品
家なき子(1977年、原画・動画)
ベルサイユのばら(1979年、原画)
劇場版 エースをねらえ!(1979年、原画)
あしたのジョー2(1980年、原画)
ハイスクール!奇面組(1985年、絵コンテ)
あんみつ姫(1986年、絵コンテ・演出)
ワンダービートS(1986年、絵コンテ・演出)
11人いる!(1986年、絵コンテ)
機動警察パトレイバー(1988年、演出)
エースをねらえ!2(1988年、絵コンテ)
ほしのゆうえんち(1989年、キャラクターデザイン・絵コンテ)
ロビンフットの大冒険(1990年、絵コンテ)
機甲警察メタルジャック(1991年、絵コンテ)
ルパン三世 ナポレオンの辞書を奪え(1991年、絵コンテ)
Reporter Blues(1991年、絵コンテ・演出)
宇宙の騎士テッカマンブレード(1992年、絵コンテ)
白雪姫の伝説(1994年、絵コンテ)
キャプテン翼J(1994年、絵コンテ)
魔法使いTai!(1999年、絵コンテ・演出)
モンスターファーム〜円盤石の秘密〜(1999年、絵コンテ)
FF:U 〜ファイナルファンタジー:アンリミテッド〜(2001年、絵コンテ・演出)
七人のナナ(2002年、絵コンテ・演出)
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(2002年、絵コンテ・演出)
ですぺら(アニメージュにて2009年7月号より連載、安倍吉俊・小中千昭との共同制作)
(wikipediaより抜粋)
個人的に初めてお目にかかった作品は『グスコーブドリの伝記』
りんたろう監督版のレビューにも書きましたが原作を真摯に受け止めた直球な作品にも関わらず、ネリの回顧録というオリジナルの構成に落とし込んでるのがとても上手く、中村監督版こそが真の意味で『ブドリのアニメ化』に成功していると思ってます
そっからのlain
これはただただ衝撃的で・・・夜中に一人で観るのが怖くてタマランかったですねぇ(でも観ちゃうんですが
そしてお気に入りの棚にも入れてる『WOWOW版 キノの旅』
この作品は確実にオイラの人生感に影響を与えてます
月夜にパースエイダーを抜き差しするキノの姿をBGMも無しに淡々と描いたときの空気感なんかホントかっこよかったですし、原作の短編に脚色して内容膨らませるのも上手かったです
なによりも、ラノベ系の作品群を大概の場合で軽視してしまう悪癖はこの作品が基準のせいです(笑)
ご冥福をお祈りします
中村隆太郎さん、serial experiments lainの監督だったんですね。
lain程の衝撃に満ちた作品は、これからもそうそう出てくる事は無いと思います。
中村監督のアニメーションはlainしか拝見していないですが、良い作品をありがとうございました。
お悔やみ申し上げます。