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「この世界の片隅に(アニメ映画)」

総合得点
83.0
感想・評価
702
棚に入れた
3113
ランキング
344
★★★★★ 4.2 (702)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.0
キャラ
4.2

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この世界の片隅にの感想・評価はどうでしたか?

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

この悶える苦しさは、明日も続くのか

こうの史代さんのマンガを原作にした劇場版アニメ。
昭和18年12月、広島市から呉に嫁いだ「北條すず(旧姓:浦野)」が主役です。
日付からピンときた方はご明察の通り、太平洋戦争末期、原爆投下直前の広島が舞台です。
原爆投下直前の広島が舞台というと、終戦記念日に見せられる、人がドロドロ溶ける安物のホラー映画みたいなアレを思い浮かべる諸氏もいると思いますが、そういう描写はほとんどなく、日本の広島県の呉の、のどかなあるお家で、世界の情勢に揺れ動かされながらただ過ごしていた、ありふれた一家の物語となっています。

「浦野すず」は、ぼんやりしたところがあるが絵が達者で想像力が豊かな少女でした。
戦争が日々激化する中、家族と日常を過ごしてきたすずでしたが、18歳になったある日、呉から縁談の話が来ます。
流されるまま見知らぬ青年「北條周作」と祝言をあげたすずは、北條に入って、呉で新しい生活を始める、という展開です。
すず役の声優は役者ののんさんです。
本職の声優ではないですが声に違和感はなく、とてもあっていたと思います。
また、すず役以外は基本的に声優が演じていて、話題集め目的で徒に芸能人を起用しなかったのも個人的には良かったと思いました。

時代考証がしっかりしていて、その頃の人々の暮らしや想いが、のんびりとしたすずの行動を通して伝わってきます。
以前は普通に買うことができたチョコレートやキャラメルが、贅沢品として入手困難になり、兄も夫も戦争に取られ、配給も乏しくなり生活が困窮していく中で夜中も空襲警報に起こされ、爆弾に怯えながらもなんとか耐えて生きていこうとする人々の力を感じました。
ただ、語られるのは悲しみの連続で、すずは 「こまったのう」 なんてのんきなことを言っているのですが、本当に悲惨だということが感じられました。
描かれているのは、大本営や作戦行動中の兵隊ではない、非戦闘員からみた戦争の姿です。
正直、思想的なものは感じますが、本作で描かれた人間の姿も多くの人を巻き込んだ戦争の物語の一つとして起こりうる内容と思いました。

呉というと、もちろん鎮守府なわけで、そういうわけで戦艦もたくさん出てきます。
周作の姉の娘が戦艦好きという設定で、帰還した艦隊の名前を教えてくれる場面があり、そのあたりは、少年心くすぐられました。
戦争は悲惨だけど、軍艦がかっこいいのは別問題ですね。
特に呉で整備を受け、呉に編入した、重巡洋艦・青葉のシーンが多く、印象的です。
鎮守府内部については描かれませんが、歴史戦争アニメとして見てもおもしろいと思います。

素晴らしい作品でした。
実は、2回観ましたが、不思議と2回めの方が泣けました。
展開を知っていて、また回避できないことも知っているからなのかもしれないです。
同じように、爆弾が落とされる前の、明日を信じて疑わない人々の生活を見せられても、悲しむことしかできないのだろうなと思います。
今を生きる我々は、過去に学び未来を考えないといけないのだろうなと、そういう気持ちにさせてくれる作品でした。

投稿 : 2021/03/07
閲覧 : 240
サンキュー:

17

ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2回目2021.3.7

2回目2021.3.7

投稿 : 2021/03/07
閲覧 : 189
サンキュー:

0

ネタバレ

因果 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

悲しくて悲しくて、とてもやりきれない

面白いタイトルを捻り出せなかったのは、私自身の語彙不足というのもあるが、それほどまでにこの作品があらゆる一般的な、凡俗的な形容を拒むほどに素晴らしい作品だったからだ。

舞台は太平洋戦争真っ最中の広島県呉市。主人公のすずが、激化する戦争に日常を少しずつ奪われながらも、夫である周作の家で精一杯生きる様子が描かれる。

ほとんどの戦争映画というのは、基本的に二種類に分けられる。一つは「戦争賛美」で、もう一つは「反戦」である。

前者としてよく挙げられるのが『永遠のゼロ』。どのレビューサイトを覗いても「特攻を美化している」とか「平和ボケした戦争賛美映画」といった感想で埋め尽くされている。私は政治的にはニュートラルな立場でいようと努めているが、そんな私からしても実際そういう感じはした。

後者としてよく挙げられるのは『ジョニーは戦場へ行った』や『ランボー』だ。どちらの映画もアプローチは違えど、明確に戦争反対を謳っている。

両者は政治思想的には全く相対するものだが、ある部分において共通している。それは、単なるプロパガンダ映画と化す場合が多いということである。

私が戦争映画というジャンルにあまり手を付けていないのもこれによる部分が大きい。賛美でも反対でも、どっちにせよ、どうしても制作側の「こうなればよかった」「こうなるべきだ」といった強い思想が見え透けてしまい、登場人物たちのセリフが単なる製作者側の意図の代弁にしか聞こえなくなってしまうことが多い。こうなってしまうと途端に萎えてしまう。受け手に直接「どう?これ面白いでしょ?」なんてわざとらしく語りかけてしまう作品は見ていてキツイものがある。

その点において『片隅』は本当にスゴイ作品であった。

この映画の登場人物は、誰一人として代弁を行わない。一人ひとりがみなそれぞれの自我を持っているのだ。事実、この映画には本当にありとあらゆる考えを持った人間が登場する。戦火の高まりに翻弄されながらも自分のペースでゆったり生きる主人公すずをはじめ、普段は寡黙な軍人だが妻であるすずを誰よりも愛している周作、サバサバした性格で、すずのマイペースすぎる正確に手を焼く周作の姉の径子、闇市での買い物中に家路を見失ったすずとひょんなことから仲良くなった遊郭の遊女リンや、すずが船舶をスケッチしていたのを「間諜行為」としてわざわざ家まで咎めに来る憲兵など・・・それぞれがそれぞれの哲学に従って生きているのが窺える。これは、なるべく思想を同ベクトル統一したがるプロパガンダ的戦争映画には決してみられないものである。

とはいえこの映画にも、反戦映画のように「戦争は嫌だねぇ」といったセリフが登場する。しかし、そのセリフの根底にあるのは、紛れもなくその本人自身の気持ちであり、決して製作者の恣意などではない。だから、多少政治的とも取れる発言が登場しても、上記のプロパガンダ的映画を見ている時のような気持ちの悪さは微塵も感じない。

このように、『片隅』の真価は、ざっくり言ってしまえば、登場人物に「言わされてる感」が全くないことにあるのだ。こんな純潔な作品は他に見たことがない。

そして、完璧なまでに純潔だからこそ―「思想」というフィルターを介さないからこそ―本来的な、ありのままの意味での「戦争」の悲惨さがひしひしと伝わってくるのである。

戦争の激化に伴い徐々に奪われていく日常、それに抗い健気に生き続ける人々、それでも終わりの見えない死と隣り合わせの毎日、少しずつ失われていく、大切なもの、ひと。

終盤、私はこみ上げてくる涙を抑えるので精一杯であった。誰かの思惑の上に成り立つ偽りの悲劇などではない、正真正銘に本物の戦争の悲しみがそこにはあった。「悲しくて、悲しくて、とてもやりきれない」と嘆くコトリンゴの挿入歌は私の胸を強く締め付けた。

戦争映画のある意味宿命として存在していたプロパガンダ性を乗り越え、「戦争」の悲惨さを真正面から描き切った『片隅』は、これから先も、老若男女問わず見ることができる戦争映画としてアニメ映画界、いや、映画界に燦然と輝き続けるだろう。

まだ見ていない方、殊に戦争系はちょっと・・・と思っている方にこそ見て欲しい。世紀の大傑作である。

投稿 : 2021/02/07
閲覧 : 288
サンキュー:

17

ネタバレ

うーは さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

少し辛いけど、感動できる

前々から見たいと思ってたのですが、絵が少し昔ぽくて好みではなくなかなか見れずにいました。
ですが、見始めてしまえば絵はむしろ愛らしく、その古さや柔らかさが逆に主人公のおっとりとした印象にとてもマッチしているなという感想に変わっていきました。

内容に関して
時代背景と舞台は、第二次世界大戦の終戦間近の広島及び呉を描いています。
昔の日本らしい風習や、考え方などがとても感じられ、これがたった100年弱前の話とはとても思えないくらい現代とは変わっている部分が多いなと強く思いました。

演出にはこだわりを感じるところが多く、作り手の伝えたいことはこういった部分だったりするのかなと色々想像が捗ります。

もちろん、時代背景と場所からどのような展開になるかと言う部分はある程度推察できますが、たくさんの登場人物や比較的速い展開、そしてふんわりとした作品の雰囲気から思わず戦争中であることを忘れてしまいました。

物語の終盤に近づくにつれ、少しずつ戦争とはなんたるか、と言うものを思い知らされていきます。
その中で、揺れ動いていく主人公の気持ちや考えに心が強く揺さぶられました。

正しさなんて何もわからないし、そんなものはないのかもしれないけれど、ただひたむきに生きる人間の美しさと言うものに触れられる。そんな作品になってる気がします。
評価は5です。

投稿 : 2020/12/22
閲覧 : 149
サンキュー:

7

ルー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

アニメ映画の完成形

こういう言葉はあまり使いたくないが
日本人なら見るべき作品だと思う

戦争については小学生の時に散々習ったと思うし、また広島や長崎での平和学習をきっかけにトラウマになった者も少なからずいるだろう

そして、戦争を題材にしたアニメといえば火垂るの墓やはだしのゲンが有名であるが、それでもまたトラウマを植え付けられ、戦争の悲惨さを学んだ方も多くおられるのではないだろうか

あらかじめ断っておくと、私はそれらの作品や教育について否定するつもりは全くない

しかし、私はそれらによって悪い意味で日本人が戦争に関心がなくなってしまったのではないかと考えている

というのも、この作品をすすめても誰にも見てもらえなかったのだ
その理由は、この作品が戦争を題材にした映画だからである

戦争は悲しくて暗いものである
そして、それを題材にした作品というのは見たくないのが人間の心理だろう

されど、この世界の片隅にという作品は戦争がテーマであるのにも関わらずとても見やすいのである

それは見てもらったら分かるが、導入からしばらくの間は、質の高い日常アニメなのだ

すずさんを取り巻く環境は変わるものの昭和の時代をただ暮らしていく
その暮らしは生活感溢れるもので、誰もが共感できることである

その歴史系日常アニメの世界に、片渕監督とMAPPAの融合によって描かれたぬるぬると動く作画によって、まるでそこにいるかのような感覚を抱くことができる
そして、すずさんの庶民的な声と現実的な行動によって、ますます感情移入することができるのだ

ここまで土台がしっかりとしたアニメは戦争映画以外でもなかなか見当たらないだろう

その世界に戦争が少しずつ段階を踏んで侵食していく

その様子がとてもリアルに感じられて、どこか他人事に感じられた戦争が身近に迫っていくのだ

そこが従来の戦争作品と違うところであろう
これ以上はネタバレし過ぎてしまうので書かないが、絶対に見て損はしないし、見終わって嫌な気持ちになることもない

しかし、戦争について、日々の生活についてより深い気持ちで接することにはなるだろう

この作品を見て、呉や広島に訪れた者は多くいたと思う
私もその一人だ
その訪れた理由、それは昔そこで何があったのか現地に行って肌で確かめてみたかったからだ
つまり、それは戦争を忌避する行動ではなく、積極的に知ろうという行動なのである

火垂るの墓やはだしのゲンのように、暗い気持ちになって、戦争に関するものを忌避するような感覚に至ることはないのだ

無関心であることは時により多くの犠牲を出してしまうものだ
それはルワンダ虐殺で実際にあったことだし、現在でもお隣の国で特定の人種に対して酷い人権侵害が行われてるという事実を日本人の大半は知っているだろうか
直近では、アゼルバイジャンとアルメニアの間で戦争があったが、どれほどの人が関心を持ったであろう

この世界の片隅には戦争の理不尽さ、そしてその理不尽な暴力をどう考えるのかがテーマの一つにある

人はみな暗いものを避けたがるが、時には直視しなければいけない現実もあるのではないだろうか

この作品を見て様々なことを自分の感性で感じてほしい

投稿 : 2020/12/18
閲覧 : 277
サンキュー:

7

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

とても。。とても良かった

 
「君の名は。」「聲の形」と観て来て、正直この作品を観る予定はありませんでした。

でもマスコミや友人の情報を見たり聞いたりするにつけ気になって観てみました。

結果、観て良かった。。本当に。

まったく最近と来たらどんなにアニメ映画に驚かされる事やら。

昭和のノスタルジックあり、恋あり、涙と笑いあり、そしてせつなさ、幸福感あり。。

東日本大震災以降、日常や当たり前の生活の大切さを感じるようになり、この映画の戦禍と3.11の被災経験が若干重なりましたが、
自然の災害とは違い人間の力でこのような状況を、しかも国家というレベルで引き起こしてしまう戦争というものの恐ろしさを感じずにはいられませんでした。
でもそんな戦禍の中でも元気に楽しく人生をまっとうしようとする主人公や登場人物たちを愛さずにはいられません。

作画もストーリーも声優も、全てが素晴らしかったです。

この作品を世に出して下さった全ての関係者に、本当にありがとう、と伝えたい。
 

投稿 : 2020/11/19
閲覧 : 417
サンキュー:

30

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

昭和20年、広島・呉。わたしは、ここで生きている。

この作品の原作は未読ですが上映された当時、のんさんが主人公に起用されたことなどで話題になっていたので作品の存在自体は知っていましたが、中々機会が合わず今回ようやく視聴することができました。


18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。
呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、
世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。
隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、
衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、
すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、
すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。


公式HPの「ものがたり」を引用させて頂きました。

戦時中のごく一般的でありふれた家庭における生活が描かれています。
決して豊かとは言えないつつましい生活ながらも、その家庭ならではの笑顔が溢れていました。
当時は隣近所との付き合いも深く、「困ったときはお互い様」的な空気が浸透していたのが作品を通して窺えます。
戦況が落ち込んでも変わらない関係性が保てていた古き良き時代だったと思います。

こういう話題はこれまで数多く取り上げられてきましたがが、この作品で個人的に新しい視点だと感じたのは、一般人の戦争に対する思いです。
昼夜を問わず鳴り続けた空襲警報に気力・体力共に奪われ、この呪縛から早く逃れたいと思っていた人は大勢いると思います。

配給物資がだんだん減っていく中、モノが何もない状況でも耐え続けたのは日本に勝ってほしいと願っていたから…
ですが、戦局が絶望的になってきたと国民が気付き始めたのは、やはり本土決戦に移行してからでしょう。
「一億玉砕」や「進め一億火の玉だ」などのスローガンは当時の国民の目にどう映っていたのでしょう…

それでも、必死で戦っていた国民がいることを決して忘れてはいけないと思いました。
特別なことは何もしていません…そもそも一般人に出来ることなんて限られていますから、特別なことは何もする必要はないんです。
規律を守り、慎ましいながらも日々を生き抜いていく…
これだって立派に戦っていると言えると思います。

日本の敗戦を伝える玉音放送の受け止め方は人それぞれで正解も間違いもありません。
だからすずさんの言動に、戦争の日々を過ごしてきた日本人の気概を感じた気がします。

そして戦争は人々から大切なモノを奪い去っていきます。
家族、恋人、仲間、友達、そして居場所…
掌から零れ落ちるのは一瞬です。

上映時間は約130分、アニメーション制作はMAPPAさんで、数々の受賞歴を持つ作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
私はしっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2020/11/08
閲覧 : 261
サンキュー:

31

ネタバレ

ねっち さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

正直点数なんてつけたくない

まず初めに、僕の中でこの作品よりおもしろい作品はないと思います。ていうかこの作品に対しておもしろいとかいう表現は陳腐です。このレビューを見てくださっている方でこの作品を見た事がない、という方はこんなレビューなんぞ見ずに今すぐこの世界の片隅にを見てきてください。
この作品のジャンルは「日常もの」です。たまたま戦争のある時代に生まれたなんでもない普通の女の子の日常を描いた作品です。そもそも僕は戦争を題材にしているというだけで見る気が失せてしまうほど戦争を描いた作品に抵抗があります。この作品も例外ではありませんでした。
見る前までは。
戦争だからといって常に不幸で陰鬱な空気ではありません。彼女たちはふとしたことで笑うし、たわいのない会話もします。この作品は戦争というものを感じさせないのです。しかし、中盤あたりから戦争というものが徐々に、ほんとうに徐々に現実味を帯びてくるのです。そしてすずさんは、小さな女の子と自分の右腕を失くしてしまいます。簡単に。そこからは皆さんも知っているとおりの結末を迎えます。広島と長崎に原爆が投下され、日本は敗戦します。すずさんは大切な家族を亡くしてしまいます。それでも、それでも彼女たちは生きてゆかないといけないのです。
この作品を見終わって、僕は久しぶりに虚無感を感じました。この作品を噛み砕こうと思っても噛み砕けないのです。頭の中で整理できない。飲み込めないのです。
この作品を超えるアニメが今後あるんだろうか、、、

投稿 : 2020/10/31
閲覧 : 321
サンキュー:

19

ネタバレ

もぐもぐ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

日常アニメです

すずさんの日常が非常に面白くて、エピソード1つ取っても、人物の人柄が伝わってくるのがよかったです。水原くんの代わりに絵を描いてあげる話(オチが秀逸)、すずさんと周作さんの微妙な距離感、水原くんとの再会、妊娠を勘違いする話、径子さんとのあれこれ。本当に戦時中にあった日常の一コマなのかもしれないと思わせる内容の数々。
当時の日本って意外と裕福だったんだなと思いましたが、生活の工夫など勉強になることも多かったです。
うちのばあちゃんは、芋をふかして飢えをしのいでいたと言っていました。今でも当時の話をよくしてもらっています。

実体験を語れる人が少なくなった今だからこそ、一庶民から見えた戦争という切り口はとても重要なもの。
映像からすずさんの体験が、言葉が、そして気持ちが伝わってきます。史料的な価値の高い創作です。
家を壊されたすずさんの悔しくてたまらない表情が、どうしても忘れられません。起こったことは仕方がないでは済まされない、起こってからでは何もかもが遅い。だから時代が変わっても、平和な日常だけは変わらないでいってほしいと思います。
それにしても、人間関係に翻弄されるのはいつの時代も同じなのかもしれませんね。

投稿 : 2020/09/18
閲覧 : 214
サンキュー:

11

ネタバレ

キウイ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

良い作品です。好きは好きです。

この映画のセリフでいちばん記憶に残っているのは天皇陛下の玉音放送を聞いたあとの、主人公のすずさんの「そんなん覚悟の上じゃないんかね?最後のひとりまで戦うんじゃなかったんかね?いまここへまだ五人も居るのに!まだ左手も両足も残っとるのに!! うちはこんなん納得できん!!!」でした。
このセリフを聞いたとき、今までそんなこと考えたこともないくせになんとなく「あ〜あ、、、言っちゃったよ‥」と思いました。

「この世界の片隅に」が上映された2016年は、他に「シン・ゴジラ」と「君の名は」が上映されました。はっきり言って大豊作な年でした。特撮が好きというのもありますが。

ただ「シン・ゴジラ」が日本アカデミー賞で主要賞を総なめにしたときの会場の微妙な空気といったらいたたまれずにテレビのスイッチを切る勢いでして個人的にはそれからというもの民放放送をほとんど見ないまま今日に至っています。
しかし一方では内心「シン・ゴジラ」が日本アカデミー賞総なめはないなぁというような感覚も持っておりました(でもシン・ゴジラ以外に目立つ実写なかったしとも思ったり。ぐるぐると‥)シン・ゴジラは横においといてもこの2016年を最後に何かが終わったような気がします。もしかしたら「戦後」かもしれません。

すずさんの当たり前の日常‥雑草など金がかからない食材を使っての工夫をこらしたレシピや、着物をもんぺにリメイクするなど今で言うところのリメイク倹約主婦ぶりや、新婚の夫とのキスシーンは今とまったく通ずる感覚で、うおー!感情移入するー!じゃなくって、なんだか疲れました。
戦時中を身近に感じたくない。もっとチャラチャラ生きたかったのに2016年を転機に何かが変わりました。もちろん映画のせいではなく映画は時代の雰囲気を掬い上げて作品になっただけなんでしょうけどね。
この作品は個人的には一回観ればもう十分ですが、フランクにフリースタイルに一度は観てみることをオススメします。みんなどう感じるんだろう。

投稿 : 2020/09/17
閲覧 : 278
サンキュー:

22

PeachFly さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

ひとまずの判定…「もしかしたらもう1回くらい観るかも」

具体的な感想はまた後日…という事で、判定のみupさせていただきます。


<<PeachFlyの「また観るかな~」判定>> : 2

0:途中で挫折、 
1:もう観ない、
2:もしかしたらもう1回くらい観るかも、
3:たぶんもう1回は観るかな、
4:もう2~3回は観るつもり、
5:ベスト10に入る逸品!。きっとこの後何回も観ることでしょう^^

投稿 : 2020/09/13
閲覧 : 216
サンキュー:

5

ネタバレ

たま。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ネトウヨ史観

話題作だったので視聴。
メキシコでも大ヒットだったらしい。

第二次世界大戦中の広島市の近くの呉市のお嫁さんすずさんの生活を描いています。ただ内容は、原作者か監督がゼロ戦購入したりするくらいネトウヨらしく、戦争礼賛。
憲兵に、スパイ容疑で捕まった時も笑い事で済ませてたり、ご飯も楽しく豊かにお食事だったり、現実のものとは恐らく少しかけ離れていそう・・・。
フィクションの戦争チックなものとしては、面白かったです・・・。

NHKでも『この世界の片隅に』の特集を組んでましたが、焼夷弾のナパーム材でお風呂沸かしてたとかとんでもメッセージが流されてて、戦後75年ですし、日本は戦争の悲惨さを忘れたいんでしょうね。ほっとなエピソードになってましたし・・・。

フィクションの戦争ちっくなものとしても、笑いあり涙あり面白かったです・・・。

投稿 : 2020/09/05
閲覧 : 278
サンキュー:

11

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

この世界の片隅に

この時代の事を考えるだけで胸が痛くなる。
どれだけ贅沢で、どれだけ恵まれた時代に生きているのかと痛感する。
戦争を経験した沢山の人たちにもそれぞれに人生があってどんなに厳しい状況においても日々の生活の中に幸せを感じる瞬間があった。
そこがこの映画の見どころでもあると思うし、戦争の悲惨さを伝えるだけではない人間味が滲み出ている作品だと思った。

投稿 : 2020/08/09
閲覧 : 224

ahirunoko さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

庶民の生活に突然突き付けてくる戦時中の容赦ない現実を見事に描写した子供たちに観てほしい名作

火垂るの墓とは違う視点の戦争描写作品。
淡々と描かれる太平洋戦争時の一般人の日常を丁寧に描写していると思う。
昭和初期のまきでの風呂焚きや炊事や水道が引かれていない山間部の井戸の水くみなどリアルだと思う(自分は作中ほどの体験ないが、6歳までマキで風呂沸かしていた)それも見どころかな。

だんだんと厳しくなる残酷な現実でも受け入れ生きていくしかないが、前向いて生きていく力って…すごいなぁ!と思う。

キレイ事ではなく実際そうだったから今があるのだし。
強さを見習わないとね(^^;)

総評はタイトルの通り、これ見ても戦争したいですか?

投稿 : 2020/06/27
閲覧 : 301
サンキュー:

18

ネタバレ

森可成 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

点数つけたらこうなるけど、そういう作品じゃない

「この世界の片隅に」
は戦争を描いた映画ですが
いわゆる「戦争映画」ではありません。
いわゆる「反戦映画」でもありません。
そんな概念で規定できる作品ではありません。

家事ばかりをしながらも
いつもにこにこ過ごす
若奥さんの、すずさん。
そしてその家族の日常生活を
丹念に追っていくことに
注力しています。

でも、そこに戦争はどんどん
影響を及ぼしてきます。

ご飯を作り、洗濯をしている人たちの
上に爆弾は容赦なく落ちてきます。

普通の人たちの普通の生活の中に
戦争は割り込んでくるのです。


私は残酷なシーン、ショッキングなシーンで
戦争の悲惨さを訴えかけること自体は悪くないと思います。

ですが、それってミクロ的と言いますか、
亡くなったり、怪我をされた個人に対する哀悼や同情で
終わってしまうことが往々にしてあるのではないか、
とも思ってしまうのです。

究極的には命を失うことが一番恐ろしいという考え方も
あるとは思うのですが、
私は、今そこにある生活、家族、友人がどうなってしまうか
の方が恐ろしいと思ってしまいます。

本作は正にそこをドンピシャで描いている作品です。

日常の生活を丁寧に描いているからこそ、
戦争の残酷さと理不尽さが際立ち、
さらに、日常のかけがえなさが浮かび上がる。


すずさん達家族は多くのものを戦争でなくしましたが、
得たものもありました。

原作で「どこにでもある愛」という言葉が出てきます。
本作のラストシーンに正に象徴されている通り、
元々とても優しい人でしたが、
すずさんは、出会った人を更に慈しむ心境を得たのでしょう。

何があっても日常は続いていく、
すずさんの様にどんな時も朗らかに
その中で皆が他者を慈しむ心があったら、
それはどんなに素晴らしいことでしょう。

もう一度言いたい。
「この世界の片隅に」
は戦争を描いた映画ですが
いわゆる「戦争映画」ではありません。
いわゆる「反戦映画」でもありません。
そんな概念で規定できる作品ではありません。

投稿 : 2020/05/30
閲覧 : 403
サンキュー:

37

筒井筒 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

再び、劇場で見たい

平和な街からの始まり。なにが始まるのかなと思っていると、
呉ということで、広島とわかる。
わかると、初めから最後まで泣き通しの方もいただろう。

そして、主人公の怒りややりきれなさを言葉で切実に表現するという方法に、最もわかりやすく感情を伝える手段として、言葉を選んだ。頭をよぎる生の声だ。敢えて、そうした超人的精神爆発を表現に盛り込んだことを高く評価したい。

画の雰囲気もいいんだよね。キャラクターも。
公開が、人気作品の陰から始まっても、それなりの評価を受けたのはすごいことだと、最近、改めて思った。

いろんな世界の片隅を見たいという意欲に、大いに期待したい。

投稿 : 2020/02/24
閲覧 : 266
サンキュー:

18

鬼猿 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

素晴らしかった。

俺はもちろん戦争を知らない。
でも先代の人達が戦争を経験しての今(国の発展等々)がある。
戦争は絶対にしてほしくはない。でも今もなお世界のどこかで戦争は起きてる。
そんな時でもこの作品のように恋をする。他にも赤ちゃんが産まれて、誰かが死んで、誰かが笑って、誰かが泣く。
先代の人達への感謝を忘れちゃいかん。
すずも浦野家も北條家も素敵な人ばかり。家族は何にも変えられない宝。
皆さんも現在・明日には何が起こるかわからない。家族や友達は大切にしていきましょう。
戦争は嫌い。むしろ好きな人はいないか。人間の手で人の日常を取っちゃダメだ。
みんなが笑って暮らせる世界を心から願ってます。

投稿 : 2020/02/09
閲覧 : 254
サンキュー:

8

lostmemory さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

世界の片隅でも自分の居場所があればいい

もう年末も近いから断言していいかなと思う
個人的に今年のアニメ映画最高傑作間違い無し!
まさかこんなダークホースが急に来るとは
思わなかった。

内容は一切控える。何の知識も無くこの作品を
見て欲しいから。そして多くのことを考えて
欲しいとも思う。特に若い人は何かを感じ取って
欲しいなあ…

※2019/12/28追記
多くの人がこの作品を見てくれて多くの人が感想を
書いてくれたのは嬉しい。感性は人それぞれなので
どういう感想だろうが別に良いが、この度今作で
足りなかった部分を完全に補った完全版が再度映画化
されるということで、改めて少しだけ。

戦争という言葉に引っ張られないこと。そのうえで
この作品のタイトルの意味をよく考えて欲しい。
いつの時代でも人々は自分の居場所を求める。
言い方を変えればどんな時代でも自分の居場所が
あれば生きていける。それを今作はしっかり描いて
いるのは見た人なら分かるはずだ。

今の時代はどうだろう?私から言わせれば多くの人々が
自分の居場所が見つからず悩んでいるように見える。
居場所が見つからなければ生きていくのは難しい。

今作のすずさんは厳しい時代を生きながらも自分の
居場所を見つけた。これを読んでいるあなたは自分の
居場所がちゃんとありますか?

投稿 : 2020/01/02
閲覧 : 338
サンキュー:

19

gm560 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 1.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

絵はきらいじゃない

友人がどうしてもと勧めるので
視聴しましたが、
やはりこの時代の作品は暗い気持ちになるので
苦手です。

はだしのげんのようなトラウマになるような
怖さはなく、ほっとするような作画と
やさしい声優の声はよいとは思います。

投稿 : 2019/12/31
閲覧 : 311
サンキュー:

4

バニラコーク さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

これも日常だった。

淡々とした印象。
これも日常だったのだ。
戦争を知らない世代の自分。
いや、今や戦争を知らない世代が大多数。
こう言う日常もあったのだと、これが普通の日々だったこと
忘れてはいけないのだろう。
きちんと語り継がれていかなくてはいけない。
嘘偽りなくこう言う時代があったのだと。
二度と過ちをおかさぬよう。
平穏な日々を安穏と過ごせる事に感謝。
これも日常だったのだ。
これが日常だったのだ。
たくさんの人の目に映って欲しいアニメ。
眼をそらすことなく
何でも良いから感じて欲しい。
うまく言えないけど
このアニメに携わった人々に感謝したい。

投稿 : 2019/12/11
閲覧 : 248
サンキュー:

14

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

劣化版はだしのゲン。

戦争に対するメッセージに悲痛さがなく、きれいごとで全て済ませている。戦争映画はこんな綺麗な作品じゃない。ユーモアもセンスも強い訴えかけもない、まさしく、はだしのゲンの劣化コピー。

投稿 : 2019/12/09
閲覧 : 238

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

夫婦愛、家族愛からの視点

原作漫画:こうの文代氏
監督・脚本:片渕須直氏

気張らぬ風景の奥深さ、戦争の音と日常の鼓動の対比も
劇場の大画面と良音響で驚き映えますね。

混沌とした時代でも人は日常を積重ね生きて行く。

気構えさせない作風ながら広く深く細かな洞察からなる創り込みは片渕須直氏らしさ溢れるアニメーション映画と相成り、

情報量の多い作品、
観る方の視点により捉え方は変わって良いと思う。

投稿 : 2019/12/09
閲覧 : 447
サンキュー:

43

竜児 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

2018年1月21日視聴 83点。

Amazonで視聴。

投稿 : 2019/12/01
閲覧 : 222
サンキュー:

2

ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

これは,日常

物語は昭和10年ころの広島から始まります。

主人公は,今でいうかなり天然で空想好きな普通の少女。

昭和19年2月に相手の苗字もよく覚えていないうちに,結婚し呉に嫁ぎます。

物語は一貫して何気ない日常を描写していきます。

主人公の天然ぶり,夫婦の愛情,家族とのふれあい,戦時中の物資が少ない中での生活・・・

シーンの変わり目に日付が表示されます。

カウントダウンのように・・・

刻々と昭和20年8月6日に向かって時間は進みます。


{netabare}と思っていたら

昭和20年6月22日(違うかも)こちらの心の準備ができないままに,

主人公は不発弾(?)の爆発に巻き込まれ一緒に歩いていた姪と右腕を失います・・・まさに不意にそれまでの平和とはいえないまでも,当たり前の日常が崩れ去ります。まさに戦時中多くの人はそうやって当たり前の日常を奪われていったのでしょう。

そして,8月6日が訪れ・・・{/netabare}

8月15日を迎え

時間は流れ続けます

これは,昭和初期広島に生まれた女性の青春時代の日常を描いたアニメーションなのでしょう。

そして,この作品のエンドロールには外国人スタッフも名前を連ね,多くの国々でこの作品が公開され評価された今の時代を大切にしなければと改めて感じました。しかし,世界にはまだまだ平和とはかけ離れた日常を送っている地域があることも忘れてはいけないことだと思います。

投稿 : 2019/11/30
閲覧 : 297
サンキュー:

22

ぎゃん (・ワ・) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

オススメと言うより一人でも多くの人に見てもらいたいアニメ

アタシの愛する広島とそのお隣の呉が舞台のお話です。
時代は昭和初期。

今までの戦争物のアニメは暗く、重たく、理不尽を並べた物が多かったですが、この作品は戦時中の日常を切り取るという新しい手法で始まります。戦争に入る前はそこそこ物が溢れてたり、江波や草津で海苔を作ってたり(今では考えられない)当時の一般市民の生活レベルをうかがい知ることができました。
あと当時の広島の町並みが映像化されてるのはアタシ的にうれしかったです。今でも変わってない場所も少しありました^^聖地って言うのかな?
広島より呉のほうが栄えてたのにも驚きました。(これも今では考えられない・・・って言ったら呉の人間に怒られそう)

後半になるにつれ戦争は激化していきます。戦争のアニメなので悲しかったり、重かったり、衝撃的なシーンはあります。それでも強く生きようとするすずさんに何度も感動しました。アタシもすずさんのような強い人間にならにゃあいけんと思ってます。

主人公のすずさんの声がのんさん(能年玲奈)なのですが、正直最初は広島人でも声優でもないのに務まるワケがないとナメてました。さーせん、ハマリ役でした。正直最近の広島人の女の子より上手い広島弁でした。(市内育ちの若い子は広島弁をようしゃべれん奴もそこそこおる)
ただのんさんを起用したことによりキー局メディアではほとんど取り上げてもらえなかったのは少し悲しかったです。こういう作品こそ普段アニメを見ない人にも見てもらいたかったです。

日常のお話が7~8割を締めているので戦争物は苦手だって方にもオススメです。と言うかそういう方にこそ見てもらいたいアニメです。
残り2~3割でも戦争の悲惨さ、凄惨さ、無意味さは十分伝わります。

戦争は小さな日常でさえもすべて奪っていきます。戦争なんていらない。。
この世から戦争がなくなって欲しいという思いをここに綴らせてもらいます。

余談
このアニメを見て広島・呉に興味を持たれた方はぜひ来てみてください。アニメの町並みとはだいぶ変わってしもーたけどええ街ですよ~^^

投稿 : 2019/11/21
閲覧 : 287
サンキュー:

19

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

薄れる史実、伝えて行かなけばならない事実

本作ですが、戦争と言うよりは戦時中を題材にした作品です。

主人公視点で、嫁いで行く最中、開戦から終戦へ物語は進行して行き、広島を拠点に扱っている以上、覚悟を持って物語の終盤を迎える必要は有りますが、人々の日常における暮らしの変化して行く様が良く描かれているのと、のんさんの好演は光る物を感じました。敢えて起伏を激しく取らない流れがより一層心に染み渡ります。

戦争について語ると長くなるので省きますが、戦後多大なる悲しみや絶望感を抱いた状況から人力を尽くして復興を進めた男性の方々、多くの子供を育てて暮らし方を伝授した女性の方々、この世代の方々のお陰で今の平和ボケしてはいますが、普段から自由に娯楽を楽しめる環境を頂いた事に感謝の念を持ちます。
私的ですが、鑑賞後ふと祖母を思い出し、子供の頃良く聞いた戦時中の話しなど、今となってはもっと色んな事を伝えたかったのか?又こちらも聞きたい想いにさせて頂き、以上の事からも私の感じるところとして、本当に素晴らしい作品だと思います。

投稿 : 2019/09/17
閲覧 : 345

tomledoru さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

70年

戦後約70年,戦争時代と比べ物にならないほど変わったのは,価値観だと思います。

公(おおやけ)や国や社会が個人よりも優先した世の中で,でも,人々は精一杯を生きていたのです。

若い人ほど,70年前の世界は理解に苦しむか,異世界のように感じるかもしれませんが,フィクションでありながら,当時の現実の重さを感じることでしょう。

今はお金にちょっと余裕があれば,個人の自由も満喫できますが,他人を思いやる心や治安については心の貧しさも同時に,はびこってしまった時代になってしまいました。

たった70年でこんなに変わった日本ですが,日本人が公に無関心になってきた今から考えると,70年後の時代はまた戦争の地獄に陥っているかもしれません。

どう考えても,世の中は「戦争」のできる国へと突き進んでいることに,人々の油断があるように思えてなりません。

投稿 : 2019/09/13
閲覧 : 284
サンキュー:

13

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

映画史上に残る大傑作

とにかく凄い映画を観た!という感想しか出てきません

淡々と当時の日常を描いているだけで前半はクスッと笑える描写もあるのに
後半はいきなり恐怖のどん底に叩き落されました

観終わった後はただ呆然とするだけで
エンドロールで微かな希望が見て取れるのが救いでした

感情を煽る描写は殆ど無いんです
ただ事実を本当に淡々と描いているだけなんです
それなのに何なんでしょうねこの言葉で表現できない感情の渦は
そこに描かれているすべてのことに心えぐられるとでも言いましょうか・・・

何れにせよ色んな衝撃が強すぎて悲しくても泣くことすら出来ませんでした
現代の平凡な日常がいかに贅沢で幸せな事か感じずにはいられません

当時の生活の資料的価値の観点から見ても重要な作品じゃないでしょうか

すず演じるのんの演技にも驚愕しましたし
言えるのは「観ないと損をする映画」ということだけです

アニメの枠だけでは括れない後世に伝えるべき素晴らしい作品です

投稿 : 2019/09/05
閲覧 : 284
ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

戦争のお話

この映画の魅力は
戦時中の話ですが、ひたすら悲しみ哀愁ある話ってだけではなく
そんな中でも必死にいきてる日常系であることが魅力的なんだとおもいます!

こんな辛い中でも必死に頑張って生きてるんだなあって。。

2016年の映画激戦区の中でもトップクラスの作品

投稿 : 2019/09/02
閲覧 : 190
ネタバレ

MuraBustan さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

名作

美しくて、悲しい。

投稿 : 2019/08/24
閲覧 : 291
サンキュー:

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この世界の片隅にのストーリー・あらすじ

18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。(アニメ映画『この世界の片隅に』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2016年11月12日
制作会社
MAPPA

声優・キャラクター

のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、牛山茂、新谷真弓、澁谷天外

スタッフ

原作:こうの史代、 監督:片渕須直、企画:丸山正雄、脚本:片渕須直、監督補・画面構成:浦谷千恵、キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典、音楽:コトリンゴ、プロデューサー:真木太郎、製作統括:GENCO

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