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「この世界の片隅に(アニメ映画)」

総合得点
82.9
感想・評価
698
棚に入れた
3086
ランキング
342
★★★★★ 4.2 (698)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.0
キャラ
4.2

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この世界の片隅にの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

えくいてぃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

過去の大変な経験を今の世代の人にも伝えてくれる大事な作品。

今の日本からは考えられないと思うけど、
でもこれが現実だった世代があるのですよね。。
{netabare}
親が決めた嫁ぎ先へ嫁いで、
大事な人が戦争に連れて行かれても
ホントは寂しいはずなのにネガティブな言葉は一言も言わずに見送って、
夜中に突然空襲警報で防空壕に逃げ込んだり、
火事が起ればみんなで助け合って消化して、
そのへんの道端に不発弾が落ちてて爆発に巻き込まれたり、
それでも前を向いて必死に生きていくって・・
{/netabare}
この全てがほんの70余年前のことって、すごい世代だなぁ~~
って改めて思ったの。

投稿 : 2018/06/13
閲覧 : 289
サンキュー:

12

ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

失ってばかりでは「この世界の片隅に」とはでてこない

簡単に感想で。

スズと日常
幼少時代、スズの家族は
父母に加え、兄、妹や、祖母に囲まれていました。
祖母はスズの優しさに気付いたり。嫁ぐ前に色々を教えてくれたりと、
家族的暖かさを感じました。

そして北條の家に嫁いだ後は、優しい夫、優しい義父母、気難しい義姉とその子供と暮らしていきます。
一人よそ者感のような物を感じつつも、色々な事を覚えて、色々な節約術を使い戦時中の困窮を乗りこえていこうとするその姿に、陰鬱な雰囲気が無く、見やすかったです。

その中でも、戦争の後半、もしくは戦後で、片腕と義姉の子を失いつつも、たくましく生きていこうとするスズと家族の家族愛のようなものがとても輝いてましたね。


スズと恋人

幼少時代にスズに対して水原が好意を抱き、
スズも水原の事を好きで、でも伝えられない思いというのが、
子供っぽさ、もしくは青春っぽさがあって甘酸っぱい恋とはこんな感じでしょうか。(水原=鷺で、スズ片手喪失後の呉の空襲でみた鷺、スズの絵でも描かれる鷺ですが、各自で考えたほうが面白いかな)

嫁いだ先の周作さんは、奥手なのか、繊細なのか、あまりスズと打ち解けることが出来ませんでしたが、
水原が北條家に来たときに初めてスズとケンカし、水原に嫉妬してしまうあたりから、
少しずつ夫婦っぽくなっていく二人の関係がとても素敵なんですよね。


スズと戦争

戦争に全く関わりの無かったスズの幼少時代、
嫁いでから徐々にスズと戦争の距離が縮まっていき、
奪うときはあっという間にスズから大切なものを奪っていったように思えます。
スズと戦争の関係の中で、スズの心がどう変化していったかを見たことが
この作品を楽しめた理由になると思います。

まとめ

戦時下という特殊な環境下で、一人の少女が女性になり、妻となり、その中で得たものと喪失したものがたくさんあり、その時の喜びであったりとか悲しさであったりとか、その時々のスズの変化や感情を丁寧に描いた作品でした。
私はそういうものをみてスズの命、人生のきらめきのような物を感じました。
戦争という舞台でのスズの人生のきらめきを描く話であり、スズの人生を通して戦争を語るという話ではあってほしくない気がするのです。


蛇足ですが・・・家を失った人を思い出した後に、北條家に燃夷弾が落ちたときにスズが消そうとしたのがスズの疑問の答えなのかな。

投稿 : 2018/06/07
閲覧 : 381
サンキュー:

67

ネタバレ

あぱぱ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

実録 この世界の片隅に

視聴回数 5回くらい

世の中に反響を与えた有名な作品。戦争と生きるメッセージが刻まれています。

私の住まいは、この舞台になったところの目と鼻の先にあります。

子供の頃から馴染んでいたせいか、作中の防空壕や、将棋板のように走っている道の風景、山の勾配へ狭い路地に並ぶ住宅など、作品の中で描写されている情景がごく当たり前のように目に浮かびます。

実体験で言えば、防空壕の中はひんやりと冷たくて、奥に入っていけば外の音も聞こえなくなり、太陽の光も射してこない絶望的な気分にさせる空間になっています。人が掘った穴なので安全性もなく、いつ崩れて生き埋めになってもおかしくない場所。むき出しの地肌で、作品のような添え木は無かったです。
(今では封鎖されたり、埋められたりして入れません)
作品の描写で空襲のたびに防空壕へ非難する場面を見ると、私が感じた以上に恐怖と絶望に毎日怯えながら生きていたのだと感じます。

小学生の頃でしたが、7月1日に空襲追悼のために黙祷をする時間と、戦争について学ぶ時間がありました。

{netabare}空襲でスズさんが手を無くしてしまいますが、実際にそういう傷を残した人たちも身近で見てきました。
(両足がない人、両目が潰れてしまった人、喉がやられて声が出せなくなった人など)
そんな境遇になってしまった人たちも、スズさんと同じように精一杯行き続けています。{/netabare}

{netabare}物語中では語られていないですが、実際にあったお話です。
度重なる空襲で持病と空爆で生きるのが精一杯だった方がいました。
その家族の人たちは治療することもできず、苦しむ家族の姿を見続けるのが辛く、苦しむ本人のために穴を掘って生き埋めにして家族を殺すようなこともあったとのことです。{/netabare}

作品全体のイメージは地味な感じに受けますが、食へのありがたさや、生きていくための心の糧(絵を描く)など、平和な時代であっても大切にしていきたい内容が含まれています。

声優のキャストたちの演技も忠実で驚かされます。
広島弁と呉弁は若干イントネーションや語尾など違いがあります。この細かい部分を聞き分けるのは困難ですが、私が聴いた限りでは上手に表現されています。

2度と起こしてはいけない戦争の悲惨さを知るテーマとは別に、辛いことがあっても前向きに生き続けていく気持ちを大切にしたいという方に視聴していただきたいです。

映像で描写されるより、現実はそれ以上に悲惨です。体や心に傷を残して今日も生き続けています。

投稿 : 2018/05/28
閲覧 : 319
サンキュー:

20

ネタバレ

midmid さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

心がジェットコースター

戦争映画はアカン。何ともやるせない気持ちになる。

とても素晴らしい作品でした。登場人物も魅力的だしこの時代背景にした日常パートはコミカルに描かれていてとても面白かったです。
しかし戦争映画。そんな日常も戦争の悲惨さで一転して登場人物達が苦しむ様は見ていてとても辛かったです。
視聴には覚悟が要るかと思います。

投稿 : 2018/05/01
閲覧 : 206
サンキュー:

8

ネタバレ

タマランチ会長 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

戦争の影が平和な日常を少しずつ蝕んでいく 後世に伝えられるべき戦争映画の金字塔

貧しくも平和な少女時代から、少しずつ戦争の影がのぞきこんできます。
配給が減り、野草を積み、防空壕を作り、闇市ではインプレ、連日の空襲警報…8月6日がカウントダウンで近づいてくると、すずさんの呑気さと対比され、ドキドキしてしまいます。
 はるみちゃんと一緒に右手をふっとばされてからは、もう観てるこっちも笑うに笑えんようになってしまいました。もうここからは、吐き気がするほど悲しくて観てられないくらいになります。
 すっかりネガティブ思考になってしまった私としては、最後に拾った女の子にしても、爆心地で被爆して、一晩母親の死体と過ごしたのですから、すずさんの妹と同じように原爆症で長くは生きられないのではないかと思うと、エンディングの束の間の幸せもより悲しくなってしまいました。
 胸に突き刺さるようなせつなさは、心底戦争って嫌だと思わされる作品でした。薄っぺらい反戦映画とは一線を隔します。ほたるの墓と隔年で夏休みに地上波で放送すべきです。

日常の描写だけでなく、空襲の迫力もリアルで、本当に怖い。淡々と描くから空気感まで伝わってきます。マイマイ新子を見たことがある人なら、この監督にお金を出したいという気持ちが分かるし、お金を出しておつりがくるくらいのものを見せてもらえたと思います。知っていれば私もお金出したかった…。

上記は映画館で1回視聴、日本映画専門チャンネルで見直してからの感想です。

投稿 : 2018/03/24
閲覧 : 262
サンキュー:

17

ネタバレ

合気道 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

日本アニメの宝の一つでしょう。

原作漫画の画風をリスペクトした上での素晴らしい動画美です。
そして声優陣の表現力の高さが加わっっています(能年玲奈さん)。
観終えた後でも思い出させてしまう数々の名シーン。
”あの戦争で日本に何があったのか? その上での今の平成があるのだよ!”
というテーマを、年齢関係なくダイレクトに伝えてくれる、
火垂るの墓と同水準の映画と評します。

投稿 : 2018/01/02
閲覧 : 206
サンキュー:

12

ネタバレ

BZ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

戦争の描き方

庶民の生活から戦争を描いた名作ですね。
オープニングの音楽最高です。

投稿 : 2017/12/11
閲覧 : 201
サンキュー:

5

ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

何を語ろう・・。

この作品のレビューはなかなか書けませんでした。思うところがいろいろありまして、筆が進まなかったのです・・・。
で、あらためて皆さんのレビューを読んでみて、やはり、まとめておくべきかなと思いました。

この作品のレビューはどれをとってみても、真摯に、一生懸命に書かれてありました。作品についてもそうですが、なにより、戦争と平和について、きちんとした考察がされているし、思いを巡らしてみえるし、すずさんらに思いを寄せているのがありありと伝わってきました。
それはきっと、作品自体に、観る人の心を揺さぶる魅力や内容があるということですよね。

実は、高齢になる母にぜひ観てもらいたいなと思って、一緒に映画館に観に行ったのですが、鑑賞後の母の感想が「あんなふうだったな~。みんな大変だったよ。」と、これだけでした。

実際に戦争を体験してきた人たちは、一人一人の体験は違うのだけれども、共通しているのは「それが普通だった。当たり前だった。みんな同じだった。ことさらに語ることでもなく、アピールすることでもない。」ということです。

この作品。すずさんはたしかに主人公だし、フィクションのひとつとして観ていていいのですが、72年前、たしかにそこにいただろうすずさんにとっては、真実のノンフィクションだし、呉にまで届いた爆風も、広島を焼き尽くした炎も、すべて事実なのですね。

スクリーンを通じて伝わってくる真実と事実、戦争を体験した当事者が語る真実と事実、それぞれに確かな歴史があります。

その歴史から何を学び、未来に向けてどのような「価値観」を作って、何を選択し、どう行動をしていくのがいいのか。未来の子どもたちに、どのような責任を果たすべきなのか。

すずさんが体験した、ささやかな喜びと、深い悲しみと耐え難い悔しさに、どんな形でも、真摯に向き合わなきゃならないなと思いました。

いや、本当。この作品、ほんわか、ゆるり調だったね〜で終わらせては済まされない価値がありますね。
私の日本人としてのアイデンティティの根幹に、時限爆弾を仕掛けられてしまったような感じになってしまいました。

その爆弾の正体を、覗き見たくて、私は今年、呉と広島に行ってきました。呉には、海上自衛隊の基地があり、艦船が何隻も係留されていました。観光船で呉港艦船巡りをし、ヤマトミュージアムに入り、港を見下ろす山にも足を延ばしました。広島市内では、原爆ドームや平和記念公園、資料館も見て回りました。
G.Wでしたので、大きなお祭りが開催されていました。たくさんの道行く人が、生き生きとした表情でお祭りを楽しんでいました。もしかしたら、その中にすずさんがいたのかも。そう思うと、スクリーンにいた可愛らしいすずさんがお祭りを楽しんでいるようにも思えて、ふと笑みがこぼれてしまいました。

広島や呉の街並みは、すっかり変わったのでしょうが、第2次世界大戦を生き抜いてきた方たちには、変えられない、変えがたい価値観や手放せない人生観があるかもしれません。
そう思うと、スクリーンに蘇ったすずさんの当時の笑い顏や泣き顔に、何だか分かったようなつもりで、観終わることは、正直、なかなか心苦しいものを感じます。

戦争をくぐってきた方たちのその知見、体験、生き様はリスペクトする必要があるでしょう。
もし、すずさんが生きていたら92歳でしょうか。

私は、この作品に、親和性を感じながらも、同時に違和感も持ちました。

親和性は、作品の視点が徹底した庶民目線だからでしょう。たぶん。
知らなくて、知らされていなくて、それでも済んでしまう日常。
見なくても、気づかなくても、声を上げなくても、流れていく暮らし。
何だか、怖いくらい今の私のようです。
この作品のもつパワー。すごい親和性です。

違和感のほうは、私が学校で学んできたデータとの違いでしょうか。憲法の前文を丸暗記し、9条は一字一句間違えずに書くことができました。はだしのゲンを通読し、戦争被災者や傷痍軍人さんを街中の商店街で普通に目にしていました。
「戦争は人には害悪で、悲惨なもの。再び繰り返してはならないもの」という強烈なインプットがありました。自分の目で見たものがすべての事実である少年時代、それが私の戦争の追体験でした。

だからでしょうか。すずさんの日常に描かれている風景や暮らしや人情のなかに、ひたひたと迫ってくる戦争の影響がまとわりついておらず、当時のさまざまな実相が今ひとつ伝わってこないのです。

それが、不思議なのです。

単に、私個人のバイアスとの違和感だとも考えましたが、若い世代とのバイアスには違和感なくコネクトするのでしょうか。

すずさんらは、厳に、大日本帝国憲法による臣民としての存在。
ついに、民主主義に出会えなかったすずさんらの不幸な結末。
とてつもなく大きく、とてつもなく深い喪失感。
すずさんの不幸を、不幸として声を出すことさえ憚 ( はばか ) られる国家統制。

その実相が、ダイレクトに伝わってこないこの作品。それが私の違和感なのですが・・。

でも、「この世界の片隅で見つけてくれてありがとう」と言うすずさんの、ささやかな幸せの、とてつもない、計り知れないほどの重みを、観た人は皆、感じ取り、胸にとどめているようです。
それは、私にとっては望外の喜びです。

長文を最後までお読みくださってありがとうございます。

この作品が、皆に愛されますように。

投稿 : 2017/10/28
閲覧 : 441
サンキュー:

50

ネタバレ

esso-neo さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ありがとうね、この世界の片隅にーーーーー

何が有難うだよ こっちがサンキューって言いたいよ

やっぱ流用するとつまんねえな。言わずと知れた2016最後に現れた傑作。もはやレビューを書く意味すら感じられない。ロクでもない物を空からばら撒かれながら、失い、それでもどういうわけか前に進める前向きな話だった。
実に単調にやってるのにそれでも合点がいくのは作られた絵には幻想も写実もあるからなのかな。ほーらな3Dだけなんて限界がすぐそこに出てくるのさ。

日本で戦争を取り扱えばやれ被害だの鬼畜米英だのを聴くハメになって耳にタコでも出来そうな気もするが、宣伝の段階からまるでその心配はないなと思えなかったら見ていなかっただろう。よく見る気になったな俺も。・・・思えばPVだけで泣きそうになっていたような気もする。
戦争、過去実際にあった時代を使った作品ではあるがこの話きっとこれから起こりうる事として見ても、じつは遜色ないのかもねぇ

投稿 : 2017/10/01
閲覧 : 267
サンキュー:

15

ネタバレ

明石 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

傑作でした。

戦争ものっていうと「火垂るの墓」みたいな観るのにものすごくエネルギーを使うものが多かった気がする。

しかし、この作品はあくまで すずさんの日常を徹して描写しているため気構えず、手軽に観ることができる。
ありふれた、かけがえのない毎日を丁寧に描写していくことで戦争によって突然それが壊されることの恐怖、やるせなさを痛感させられる。

お嫁に来た次の日、朝ごはんの支度をするシーン、玉音放送後、今まで抑えていた気持ちが溢れだし慟哭するシーン、終盤、孤児になってしまった女の子が母親の腕とすずさんの無くなった右腕を重ね、すがるように強く抱き締めるシーン。忘れられない場面がいっぱいある。

繰り返し観たいと思う映画でした。

投稿 : 2017/09/22
閲覧 : 213
サンキュー:

8

ネタバレ

aqua さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

生きる

「生きる」
ただこの言葉に尽きます。

戦時下の人間がただただ生きている。
たったそれだけ。

忘れられない思いもあれば、何もないところから育んだ愛情もある。
主体性のない人生と言われればそうかもしれないが、多くの方の人生は周囲の環境に左右されてしまう。
それは普遍的な事であり、そんな現実を前にしてどれだけ希望を持てるのか。
死にたくなる世界を真正面から見つめて、受け止める。
それでも生きることを捨てないでいられるのか。

主人公のこの後の人生が素晴らしいものであるとは想像できません。
恐らくその後も苦労したのだろうという事が容易に予想できる。


今作は単純な反戦映画ではなく、実際戦時下の人生はこうだったのだろうなという事を感じる。
それこそが反戦へのメッセージになり、そういった意味では一部の方にいい評価はされないでしょう。
そしてそれは盲目的な反戦を叫ぶなという意味では正しいのだとおもいます。

しかしながら、それでも子供たちに見せたい映画だと思います。

投稿 : 2017/08/30
閲覧 : 185
サンキュー:

12

ネタバレ

岬ヶ丘 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

時代や人に、真摯に向き合う

原作未読。

突然ですが、私の出身は広島県。思い返せば小学生の頃は毎年、夏休み中にも関わらず特別登校して平和学習をしていた。そしてその学習の一環が「アニメ」だった。上映されるアニメは年によって違ったが、基本的に広島への原子爆弾の投下の悲惨さ、あるいは二度と戦争の惨禍を繰り返さない旨のものだった。作品のテーマ性や映像的に過激な演出が、幼い私に一種のトラウマを植え付けるのには十分なクオリティーだった。思い返せば、戦争アニメは私にとってアニメーションの大きな原点だった。

前置きが長くなったが、本作は大きく「戦争」という題材をアニメーションで表現するという、商業的・エンターテインメント性の観点から見ると、難しい試みに挑戦している。それがメディアや数々の賞で評価されることは素直に素晴らしいことだと感じる。

お話について。物語の本筋は追いかけていけるが、序盤からやや駆け足で作品の世界に入っていくのにやや時間がかかった。原作は未読なのだが、恐らく原作を最大限生かし、可能な限り忠実に再現しようとする監督の思いがあったからだと思う。はじめはそのリズムに慣れなかったが、中盤以降、軽快かつ穏やかで、ユーモア溢れる作品の速度についていけるようになった。
後半は大切な姪っ子が亡くなりすずも大切な右手を失うなど、重苦しい雰囲気もあった。この一連のシーンは映像・音声的にも色々な演出で畳みかけてくるので、映画館で鑑賞できてよかったと思う反面、いたたまれない気持ちだった。

作画に関しては柔らかで温かみを感じる独特のキャラクター像が世界観とマッチし、戦争という重たいテーマにも馴染んでいたと思う。ただ全体的に顔つきなどが幼いので、特にすずは最初から最後まで子供の印象で、キャラクターの画から感じる時間の経過というものはあまり感じられなかった。

またお芝居はとにかくすず役の、のんさんの好演が光った。地元の人間からしても違和感のない広島弁。それも最近アニメなどでよく聞かれる、形式化されたコテコテの方言ではなく、きちんと生きた方言だったと思う。のんさんについては若手の人気女優さんという認識しかなかったが、素晴らしいお芝居をする方なのだなと認識を改めた。
音楽面もテーマに合わせて曲が用意されており、透明感あふれる柔らかな声色が作品を彩ってくれたと思う。


作品を通して大きな視点で「反戦争」、「平和」のメッセージを訴えるというよりも、市井の視点から柔らかく緩やかな形で戦争という時代の一側面を丁寧に表現している、という印象を受けた。
激戦地で戦う兵隊の姿でもなく、戦艦や戦闘機のアクション溢れる激しい戦闘でもない。あくまでも戦争という激動の時代の前後を懸命に生きたすず達の日々の営みに特化している点が本作の大きな特徴。そちらのほうがかえって、戦況の悪化や戦争によってあっけなく失われる尊い命の価値をより一層浮き彫りにしていると感じた。

本作で最も強く感じたのは、アニメ製作者の原作者への強いリスペクトや、当時の時代、そしてそこに生きた人に対する最大限の敬意と真摯さ。戦時下の広島・呉の風景・風俗・言葉など歴史的・文化的な側面からも価値も高い作品だと思う。自分の知らないもう一つの広島が、この世界にはあった。

作品のエンドロール。幸せそうなすずさんの笑顔を見て、ふと幼い私の中にあった戦争アニメへのトラウマが完全ではないが少し払拭された、そんな気がした。

投稿 : 2017/07/08
閲覧 : 212
サンキュー:

24

ネタバレ

りっとん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良かったです

戦争の悲惨さ、なんでもない日常の尊さ、人間関係の大切さを思い知らされるとてもいい作品でした。今となっては非日常だけど、あれが日常だった時代に、些細な幸せを味わいながら生活する姿はとても感動するし、今の生活の有り難みがとてもわかりました。

投稿 : 2017/03/01
閲覧 : 196
サンキュー:

4

ネタバレ

ハヤブサ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

子孫への遺産

観終わった満足度で言えば、「聲の形」や「傷物語」程ではなかった‥けれど、この作品は面白い面白くないではなく、観ておく必要がある特殊なものだと思いました。どういう評価したら良いのかが難しい‥「教科書とは、面白いとかではなく必要なもの」的なものを感じたので‥この作品を世に送り出した方々には感謝申し上げます。
‥戦時中をたくましく生き抜くすずさんのストーリー。この作品の中で伝わってきたのが「たくましく生き抜く」「生きてるだけでもうけもん」「生きててよかった」‥の様な、生きている事への感謝が伝わってきました。悲惨さだけでなく、これからを生きていく人へ対してのエールを残している点と、小学生でも観れるレベルまでグロさを控えめにしてある点では、今まで観てきた戦争アニメの中では1番かなと思います。これを小学校の授業中に流しても問題ない‥むしろ早めに流れて欲しいと思います。更にベストなのが、おじいちゃんかおばあちゃんとその孫でこの作品に触れることなのではないカナ‥と思いました。
壮絶な体験をされた先人達に感謝し、学び、その体験を糧にしていく‥それはこれまでもこれからも大切な事だと思います。その意味でこの作品は、観ておく必要がある作品だと思います。
余談ですが、私は歴史モノ(特に戦国と幕末)が好きで、先人達の歴史にはいつも感動させられてますが、この作品も楽しむというよりは‥戦争を通じて、改めて生きているという事を「学ぶ」という色が強めのモノを感じました。

(Blackレビュー)裏を返せば、DVD視聴でもよかったかな。

投稿 : 2017/02/17
閲覧 : 225
サンキュー:

27

ネタバレ

ねじまき さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

普通である素晴らしさ

戦争映画など悲観的なテーマは割と苦手なのですがそれを感じさせない、とても普通に戦時中を描いたすごい作品でした。
また出てくるキャラクターが魅了的ではあるのですがやはり普通で不思議なほど作品の中に自分も入り込んだような感覚を覚えます。
こういう感覚は初めてだったので素直にすごい作品でした。
月並みですがこれこそぜひ多くの方に観て欲しい映画だと思います。

投稿 : 2017/01/19
閲覧 : 218
サンキュー:

6

ネタバレ

kurosuke40 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

流し流され生き行く私たちに

原作未読。

戦時前後の時代の、市井の生活をすずさんの視点から淡々と描いた作品。
あたたかいデフォルメのレタッチで描かれているものの、その実、生活感は生々しく、脚本は地に着いた出来栄えで、実際に戦中の生活を描いたよう。

負のイメージの強い時代の生活を描いた作品だけど、私は率直に羨ましいなと思ったかな。監督曰く「居場所」の物語らしく、それほどとち狂った感想でもなさそうだ。

すずは受け身な女性で、自分で決断をするのは苦手だ。当時としては珍しくもないことだけど、人生の伴侶も自分で決めたわけではない。嫌なら断れば良いと言われても、断ることもなく、かといって自分から選ぶこともしない。ただただ流れに身を任せて選択が決まっていく。広島という彼女の実家を去ったのも、嫁にもらわれたからで、彼女は自分の意思で自身の居場所を選び去ったわけではない。

一方で対照的なのは径子だ。彼女は夫を自分で決めるなど自分の意思で決定を行える女性だ。良いと思ったものを自分で選び、良いと思ったことを行う。傍から見ると空気読めないような行動も起こすけど、その分しっかりと責任と肝が座っている。すずさんが嫁いできてすぐの頃、「広島に帰らないのかい?」といびったのは、径子のスタンスが分かると「成り行きではなく、ここに残るかどうか自分で決めろ」という含意や嫌われ役を務めてすずさんが決定できる機会を与えてくれたようにも思えますね。生き方に限っていえば、すずさんが「世界の片隅に」なら、径子は「世界の中心に」かな。

すずさんからしたら成り行きという形で北條家の一員として生活が始まる。と同時に時代は戦中であり、戦争は少しずつ生活を蝕んでいく。あたかも「本当に大事なものは何か」を探る思考実験のように。
配給が少なくなってきたり、すずさんが絵を描けなくなっていく環境の中で、衣食住や性に関する描写が丁寧に描かれ、ところどころハプニングや笑いが起きつつ、日々を1つ1つ積み重ねていく。それは、戦争が日々の延長線上にわからないように少しずつ忍び込んできているという恐ろしさと同時に、そんな過酷な環境の中でも心地良く生きていけるヒントを与えてくれているように思う。

しかし、戦争はまだ終わらない。
戦争の火花は遂にすずさんを捉え、すずさんは右手を失う。
すずさんにとって右手は人生の相棒だった。思えばあの場面もあの場面もどの場面もすずさんは右手で絵を描いて、問題を解決し、人と触れ合い、自分の心を描写していた。右手を失うのはちょうどこれまでの、そしてこれからの生き方を奪われたようなものだった。

それでも周りの人々は彼女に「良かった」と言う。「良かったって何が良かったの?」
誰も彼女の心に寄り添ってくれないものだから、すずさんは「人の気も知らないで」と燻ってしまう。
これはすずさんにとって右手は彼女の大きな部分を占めていたが、他の人にとって右手はあくまで彼女の小さな部分という認識の齟齬によるものだ。すずさんにとって右手がどれだけ大事なものであったのか、逆に言えばすずさんは右手を失った自分に残る価値を過小評価していて、他の人が残りカスの存在の自分を評価することを認められないし、イライラしている。私のことは私が一番知っているはずなのに、何を勝手に評価して言っているんだろう、と。他の人からしたらすずさんが居てくれているだけでいいんだけどね。
ここでの適切な対応の1つのは、彼女にとって右手を失うことは死んだも同然だったんだねと受け止めた上で、彼女の評価軸ではなく、私の評価として、〇〇ができるから、〇〇という役割を担っているからとか関係なく、ただ居てくれるだけで良いんだよと伝えることだったと思う。(私だったらすずさんが妹さんをどう思っているからかから説得するかな。)ここらへんは『フルハウス』の「ステフのいたずら」を思い出しますね。
追記:すずさんの心についてはまだ微妙にずれている気がするので、ここらへんは話し合って調整かな。

私がこの作品で学んだのは、こういうの(居てくれているだけで良い)というのは、こっちからちゃんと言葉として伝えないといけないんだな、ということ。もちろん態度や行動も伴ってないといけないけど。こっちから情報開示しないと決してすずさん側だけでは「居てくれているだけで良い」と思われていると結論付けることは不可能だから。すずさん側から質問するにしても返答が体面的な回答か真意かどうか結局判断できないし、なによりこっ恥ずかしいし。

作中で伝える役割を担ったのは径子でしたね。むしろ「居てもいいんだよ」という言葉だけですずさんを引き止めれたのは径子以外にはいなかったように思えます。というのも北條父母は優しすぎて重荷だと思ってても言いそうだし、夫も嫁としてもらった責任から言いそうで、それは本当に居てくれているだけで良いと思っているの?と思えてしまえるから。一方で径子は上述の性格と晴美の死による軋轢とすずさんの生活の面倒を見ている負荷から、一番「出てけ」と言いそうな立場にあるんですよね。その径子が「居場所にしていいんだよ」と言ってくれたからこそ、すずさんは北條家を「居場所」にしてもいいんだと思い直したんだと思います。伝わったんだと思います。

私が試聴直後羨ましいなと浮かんできたのは、私もすずさんと同じように流れ流され生きてきたけど、すずさんにはちゃんと居場所があるからかなと思ってたけど、どちらかというと居場所を認められたから、の方が近いかもしれない。すずさんが北條家から出ていこうとしたように、私は居ても良い場所を出てきた気がするから。


ご精読ありがとうございました。


・戦争と玉音放送について
{netabare} ふと視点を変えると、この作品の伝える恐ろしいところは、戦争がただの思考実験ではなく、実際に起こったことであるということで、戦争は生活の困窮だけでなく、人の心まで蝕んでいたことがよくわかる。
すずさんの右手や晴美を失ったとき、心の支えになったのは、国のためにしょうがない、みんなも同じように失っているししょうがないという全体主義や功利主義的な理由で、個人の辛くて悲しい感情は全体の都合により押しつぶされている。
玉音放送はちょうどその全体主義や功利主義的な理由さえも彼女たちから奪った出来事なんだね。全体主義的な理由だとしても心の支えは簡単に捨てられるものじゃないから、すずさんは「はぁお前今更何言ってんの?」と自暴自棄的にキレるし、本当に理由がなくなったと分かると、どうして失う必要があったのか、何のために失う必要があったのかと押しとどめていた感情が湧き出てくる。失ったものが大きい人ほど、せき止めていたことが大きい人ほど玉音放送のダメージは大きい。玉音放送は歴史的事実になるわけやね。 {/netabare}


蛇足
{netabare} すずさんの心の中に新しい居場所が出来たタイミングに広島に原爆を落とすのは、やりすぎな感じはするけど、居場所が1つではなくなった程度の意図という解釈で問題ないのだろうか。原爆ということが色々と解釈を広げやすすぎてワカラン。 {/netabare}

投稿 : 2017/01/15
閲覧 : 280
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タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

語り継いでいくべき戦中・戦後の日本。

18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、
1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へと
お嫁にやって来る。
呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、
軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と
謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の
妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、
その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。
隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、
すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、
衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、
毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、
遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった
小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも
夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くす
ほどの数の艦載機による空襲にさらされ、
すずさんが大切にしていたものが失われていく。
それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。
(公式より)

というお話。

原作は漫画で、第13回メディア芸術祭マンガ部門
優秀賞など、数々の賞を受賞しています。
そして、クラウドファンディングで制作が決まった
という経緯も話題になりました。

さて、映画本編はというと、なんとも不思議な
雰囲気の作品でした。なんというか、ふわっと
したストーリー展開で、深刻な出来事もサラッと
俯瞰で追っているような感じ。
ただ、それが浅いという印象ではないんです。
作品全体を通した、どこか妙に冷めた視点で
描かれていて、それが観ている人にグサグサと
トゲを刺していくような…

こう書いてしまうと、う~ん、ちょっと違うかな
という気もするし、でも傑作なのは間違いないです。
確かに、こういう世界が昭和10年代にありました、
ということは感じられるのではないかと。
公式サイトの「100年先にも愛され続ける映画が、
ここに誕生しました。」というのは、大袈裟ではなく
本当にそう思います。そして、これは語り継がれて
いかなければならない日本の歴史でもあると思いました。

投稿 : 2017/01/09
閲覧 : 220
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10

ネタバレ

おみや さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

それでも明日はやってくる

あらすじはあにこれので、おk

戦争が描かれる作品の中では、ちょいと異色ですね。
なんせ主人公が「すず」さん、主婦です。

このすずさん、のんびりしている性格で正直イラッ!っとする
場面もありました。(来た道忘れて迷子になったりってお子様
ですかね?)

ただこの性格で戦中の中で日々を送っていく訳ですから、作品の
雰囲気がのほほんとしていて笑える部分も多々ありました。
(それとすずさんの趣味が絵を描くことなんですが抜群に上手くて、
彼女の性格がよくわかるねぇ、、って感じでした。それがあだとなる
場面もあったりして。w)

それでも戦争が激しくなってくると、すずさんのいる呉にも空襲が
なんどもやってきます。
この描写がすごいです!(めちゃリアル)観ていてふっと思いましたもん。

ある日いきなり目の前に飛行機あらわれてダダダダダダッ!って
本当にあったことなんだけど、、、しゃれにならんわ!

戦争が終わった時にすず自身、それとまわりを含めて失われたもの
はいくつもありましたが、それでも生き残った以上明日はやってきます。
それにここへ至るまでに強くなった部分のすずも見ることが出来ます。

最後に孤児になった少女との出会いがあるんですが、ここは1人で
観たかった。めちゃくちゃガマンしたもん。でなきゃ声出して大泣き
してたわ。w


とにかく良い作品でした。悲壮より希望って感じの作品です。

投稿 : 2017/01/08
閲覧 : 305
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25

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※アニをた獣医師() さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

自分はどの世界の片隅にいるのか?

この世界の片隅、という意味を考えさせられた。自分も今生きているこの世界の片隅にいる、すずさんたちは、戦争というなか、その中で片隅の場所を生きていたんだ…

この作品をみて、前半は日常の生活、ほのぼのとしたところや、笑ってしまうところ、すずさんの成長と、嫁ぎにいってからの家族とのかかわり合い、そういうのがメインだったと思う。しゅうさくとの出合い、すずが北條家の人たちと関係を深めながら、日常の笑えるところ、笑顔は人を幸せにするという言葉が身にしみてわかった。

一変して、戦争が身近になってしまったすず…それでも自分の居場所である北條家の家族として、皆を支えていく。すずさんのドジで抜けているところはあるけど、そんな頑張りが皆を笑顔にする!すずさんはもうこの家族にはいなくてはならない存在となっていた。
そしてすずさんは再び哲と出会う。しゅうさくはそれを察したのか、やきもちもやいてたんだろうね♪ すずさんと哲が話せる時間を作った。哲は自分の行動が、すずさんを追い詰めたんじゃないか、とおもっていたが、すずさんはこれが自分の素直な気持ちだと、しゅうさくが大好きだと‼ あー、2828しちゃいますね♪ そのあと、しゅうさくはすずさんが普段見せない顔を哲に見せていたことでやきもちを(笑) あー、かわいすぎて禿げる!1122ですね♪

そして、また一変、すずさんの後悔、それはほん一瞬のことだった、自分が反対に手を繋いでいれば…もう少し早く気づいていれば…そばに隠れる場所があったら…そんな思いの中、はるみの死が自分のせいだと思ってしまう…そしてすずさんの右手、絵を描いてきた手、はるみを撫でていた手…それを失ってしまう…
もうこの場所で自分のできることはないんじゃないか?もう広島に戻るべきなんじゃないか?そう自問自答する…だがそんな中でも、しゅうさくはすずさんのことを愛し、そばにいてほしかったんだろう。何があっても、しゅうさくはすずさんを手放したくなかったんだろう、最愛の人を!すずさんは戻ろうとしていた、だが本心ではなく、自分をここにいさせてほしかった。哲がいっていた、「お前は変わらんでくれよ」
その言葉はすずさんの支えになっていた。広島に原子爆弾がおとされ、すずさんはどうしようもない気持ちになる、だがすずさんにできることは、その場所にいくことではない、すずさんには、もう居場所ができてしまったから…
そして終戦、すずさんは、今までなんのために頑張ったのか…皆の死は、どうすればよいのか、苦悩する、どうしようもなくなる…
だが、すずさんは踏み出さなければならない、すずさんはしゅうさくと新たな一歩を踏み出していくんだ!



すずさんとしゅうさくとのキスシーンとか、もうほんと禿げるよね! あー、ラブラブラーブ! 僕が式場建てます!

すずさんは、こうして、またいろんな人と出会いながら、みんなと暮らしていくんです! あー、これ続編みたいぞぉ♪やるんだっけ? はよはよ!

何度もみて理解を深めたいと思える作品でした!ありがとうございます!

投稿 : 2016/12/30
閲覧 : 298
サンキュー:

19

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

非戦闘員の戦争

広島出身の女の子が呉の家に嫁ぐ。のんびり、おっとりと流されるままに生きる。

やがて戦争の色が濃くなる。食料の配給が少なくなる中、工夫してしぶとく生活を続ける。

そんなある日、空襲後の不発弾が爆発。夫の姉の子どもが死に、自身は右手を失くす。

子どもの死と、自分の生存。右手の喪失による絵が描けなくなったことが彼女を追い詰めた。

終戦のときに主人公は憤る。普段おっとりしているので、よほどだったのだろう。

左手も両足もある。まだ戦えると。最後まで戦うのではなかったのかと。

戦う以外の生活の戦いと。彼らから比べた軍の理不尽さ、無責任さが何とも言えないと感じた。

投稿 : 2016/12/27
閲覧 : 165
ネタバレ

フローズン さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

言葉にできない余韻がある

・原作未読
・ツイッターでフォローしている方々が非常におすすめしており、どうしても見に行きたくなり見てきました 恐るべき口コミの力・・

・エンターテイメント性はそこまで高くなく、テンションの高低さもあまりないまったりとした映画(テンポは割りと速いが気づかされない)
・しかしその分見ているこちら側に刻み付けてくる力はかなり大きく、言葉にできない余韻がある

・広島・呉を舞台とし、昭和初期~終戦までを描いた今作は戦争映画といえば戦争映画であるが、大事なのはそこで暮らして生活を送っている、力を持たない市井の人々
・主人公すずは、ぼんやりとしていて感情を大きく表現しないし、全体の雰囲気も優しいのでこちらまでぼーっとしてしまいそうだが、それでも随所にごまかせない「エグさ」を見て取れてしまう
・戦争はよくないとか、庶民は悲惨だ、とかそんなのはすでに当たり前の話として「じゃあどうするのか」「この状況をどう思う」と受け手に淡々とパスを渡してくる感覚だった
・当然、登場人物は死ぬし、不幸になる。しかし悲惨さを『火垂るの墓』のようにくっきりと浮き彫りにさせない分、感情の落としどころを自分で見つけなくてはならない
・玉音放送の後、北条のお母さんが「明日も明後日もあるんだから」とお米を全て出し切らないシーンで、自分はかなり勇気付けられました。当たり前のことだけど、そういうことなんだと


・作画は、原作を大事にしている分独特だが、すぐになれる
・背景も写実的ではないが、かなり綺麗。枚数も相当ある
・ぎょっとしてしまうような場面でもこの雰囲気のおかげで衝撃が和らいでいるのは、アニメならではだと思うし、嫌な「気」を感じない
・すずのにへら顔はタイミングによってはたまに狂気を感じるときもあったが(笑)

・主演声優の のん もキャラにマッチした声質と演技でかなりよかった
癒し成分高いです 関係ないけどクレジットで堂々と「 の ん 」って表示されるのちょっとウケますよね

・またこれ男性と女性によっても見る視点、感情移入の仕方が絶対違うので、自分の想像し得ない感銘を受けられている方ともぜひ話をしてみたくなります
・悲しいような前向きになるようなへこむような、ズドンとくるようなふわっとしている様なつかみどころがないっちゃない作品だけど見てよかったです

投稿 : 2016/12/15
閲覧 : 250
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25

ネタバレ

ハトポッポ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

人生史上最高の映画

人生で映画をみたなかで、一番良かったといっても嘘じゃない映画でした。

投稿 : 2016/12/06
閲覧 : 219
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7

ネタバレ

ぶたどん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

多様な角度で終始考えさせられる作品

クラウドファンディングで制作まで駆けつけた優秀な作品。
声優への活路を見出した能年玲奈「のん」の名演技。

この映画を見るまでに、把握していたこの映画絵の評判はこの2つ。
相当面白い作品、のんの演技が素晴らしいという先入観から、
この映画を拝見させていただきました。

作品評価を見て頂けたら解って頂けると思いますが、
本当に注文をつける隙もない完成度の高い作品でした。
のんさん含め、全演者さんによる訛りの表現力
絵を動かす演出よりも、
色彩や多様な表現を駆使したことで生まれた激動の戦時中描写
事細かに描かれる戦時中の生活感や世相
個人的に今年のアニメ映画で一番メッセージ性の強い作品でした。

戦時中の悲惨さを、
主人公持ち前の明るさで緩和されている部分も多少ありますが、
起こることは結構エグいことが多いため
中盤から終盤にかけては手に汗握る作品で、
ただ憂鬱な作品で収まらない!スリリング且つ考えさせられる名作でした。

中には、戦時中の苦悩を映し出されているからといって、
これを反戦映画と片付けてしまうのには勿体無いので、一見の価値有り。
「君の名は」のようなキラキラで輝かしいものはありませんが、
色眼鏡無しで向き合うことが出来れば、心象に残る傑作です。
片渕須直監督とのんさんのこれからに目が離せない!

投稿 : 2016/12/02
閲覧 : 234
サンキュー:

13

ネタバレ

おにや さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

みんな見てほしい作品です。

どちらかというと小6くらいに学校で見てほしい作品だと思う。面白いというより、戦争のひどさみたいなの伝える作品に見えるので。

投稿 : 2016/11/29
閲覧 : 171
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4

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STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2016年の劇場公開アニメは当たりが多い

 端的に言うと主人公であるすずの目を通して見た戦前・戦中・戦後といった感じ。
 この時代の庶民の暮らしぶりを描いた作品はドラマなどでよくあったが(個人的には昔の
NHKの朝ドラに多かった印象)、ここまで綿密な描写は無かったような気がする。
 ここで生きてくるのはすずの受身な性格で、自ら道を切り開いていくタイプではないために、
逆にあるがままを素直に見ており、この時代というものを客観的に描くのに役立っているように
思えた。
 次第に暗い世相になっていく中、それでも明るいエピソードが随所に盛り込まれているところ
などはいかにも庶民の生活といった感じでリアリティを感じる。
 ただ、随所随所に年月が表示されるのだが、後代に生きる自分らには昭和20年8月に何が
起きたかは知っているわけで、この年月表示が進むにつれて時限爆弾のカウンターが進んでいく
ような怖さを感じてしまう。

 空襲を始めとする描写はかなり恐ろしくも怖い。
 個人的にはミリタリー好きの人間であるため、普段は兵器や戦史のような部分に目が向いて
しまうが、やはりこういう部分を忘れてはいけないなと改めて痛感した。
 こういったシーンではすずの絵を描くのが好きだという部分が効を奏しており、写実的描写
だけではなく、絵画的描写になっている部分があるのが印象的。これはすずの心象的映像なの
だろうが、感情をも映像にすることである意味、単なる写実的映像よりリアリティを感じる
部分でもあった。こういう演出は実写だと難しそうでアニメの特性をうまく活かしたものだと
思う。
 この空襲ですずも右手と姪を失ってしまう。この展開自体、かなりショッキングなもの
だったが、日々を生きていくためにこの悲しみに浸りきる余裕さえないという状況がより
大変さを感じさせるものだった。

 そして、広島に原爆が落ちるが、思いの外淡々とした感じで描かれる。
 原爆の恐ろしさを伝えるという意味では、広島の地獄絵図を描写する演出もありだった
かもしれないが、本作はすずの見た感じた世界であり、近いとは言え、広島市外の人間の感覚は
こういったものなのだろうと、ここでもリアリティを感じてしまった。

 終戦に関してはすずの生々しい感情が見られるが、ここで感じられるのが「負けて悔しい」と
いうこと。
 現代の作品では「戦争が終わって良かった」という感情に終始している作品がほとんどだが、
この時代に生きた人間としてすずのような感情を抱く者がいたとしてもおかしくない。
 軍人以外も日々の生活において戦っていたのだと改めて思った。

 戦後もまだまだ大変な時代が続くわけだが、それでも前を向いて生きていく、すずや身の
回りの人達、それ以外の多くの市井の人々も含めた強さ、たくましさを感じた。

 キャスティングに関して本職の声優主体の中、主役のすずを畑違いののん氏が担当
しているが、すずののんびりした性格にマッチしており、かなり良かった。

 それにしても「君の名は。」、「聲の形」に本作と、今年はテレビシリーズを受けてではない
劇場公開アニメの当たりが多い年だなあと思ってしまった。

投稿 : 2016/11/28
閲覧 : 246
サンキュー:

19

ネタバレ

しゅう さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良作でしたが…

柔らかいタッチで描かれており非常にノスタルジックなアニメ。当時の風景も事細やかに描かれており素晴らしかったです。主人公すずの物資制限の中ひたむきな生活や前向きな感情、周りの人間達の受け入れるしかない現実に心打たれました。

でも聲の形と同じく非常に良い作品なのに
上映館少なすぎですよね…採算取れないからかな?
近くで観れるとこないので片道1時間かけて行きましたよ^^;
観た後、何も残らない映画達より
こういったアニメや映画が増える事を切に願います。

投稿 : 2016/11/24
閲覧 : 237
サンキュー:

14

アニメガタリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/08/08
閲覧 : 1

かなまり さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/07/23
閲覧 : 1

はっとり さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/07/15
閲覧 : 1

hiw さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/06/26
閲覧 : 1
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この世界の片隅にのストーリー・あらすじ

18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。(アニメ映画『この世界の片隅に』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2016年11月12日
制作会社
MAPPA

声優・キャラクター

のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、牛山茂、新谷真弓、澁谷天外

スタッフ

原作:こうの史代、 監督:片渕須直、企画:丸山正雄、脚本:片渕須直、監督補・画面構成:浦谷千恵、キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典、音楽:コトリンゴ、プロデューサー:真木太郎、製作統括:GENCO

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