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「この世界の片隅に(アニメ映画)」

総合得点
82.9
感想・評価
699
棚に入れた
3101
ランキング
347
★★★★★ 4.2 (699)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.0
キャラ
4.2

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この世界の片隅にの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

歴史と創作表現。

【概要】

アニメーション制作:MAPPA
2016年11月12日に公開された129分間の劇場アニメ。
原作は、『漫画アクション』に連載されていた漫画作品。原作者は、こうの史代。
監督は片渕須直。

【あらすじ】

広島市江波(えば)地区で生まれ育った浦野すずは、絵を描くのが上手なぼんやりした少女。
戦時中の1943年(昭和18年)12月。すずに、知らない男性との縁談が舞い込む。

相手は、すずの4つ歳上で大日本帝国海軍の一大拠点である呉鎮守府に勤める書記官の北條周作。
周作は生真面目な好青年であり、『ええ話じゃったけ』と父母の判断にて、
すずの預かり知らぬところで縁談が成立してしまう。

翌1944年(昭和19年)2月に呉の北條家にて、身内だけのささやかな祝言が行われる。
それは、すずが18歳の出来事であった。そそっかしく失敗しながらも北條家の嫁として、
そして、呉の上長ノ木町(かみながのきちょう)のひとりとして、すずは受け入れられていく。

これは、ひとりの女性の目線からの戦時中の日常の物語であり、すず本人は憶えていないが、
幼少期の広島市内での周作との出会いのエピソードから映画は始まる。

【感想】

終戦から78年が経ち戦時中に大人であった世代は既に殆どが鬼籍に入ってしまった昨今、
当時を実体験で語れる人間が数少なくなっていますね。

『この世界の片隅に』では序盤に、幼少期のすずさんが広島市を訪れて、
今では平和公園になっている当時広島市の最大の繁華街だった中島本町を描写。
クリスマスセールの賑わい、往来の人々を描くことで、
明るく平和だった戦前の日本の印象づけ。

物語の中で戦時下に時代が移るのですが、人間の本質は昭和も平成も令和も簡単には変わらない。
政治的な目線をなるべく入れずに、明るく穏やかに生きようとした普通の人々の日常が、
意図的にだらだらと描かれています。

従来、日本人が抱いている戦争や軍隊に対する負のイメージは、
戦後教育によって培われてたものでありまして、
特に、史観に白紙な状態の子供への戦時に対する歴史認識の刷り込みには、
学校の図書室に必ずある『はだしのゲン』の作者の中沢啓治の漫画の影響が大きいかと。

(週刊少年ジャンプ)→(左派系オピニオン雑誌)→(日本共産党機関誌)→(日教組機関紙)

と、掲載誌を転々としており、どこの学校の図書室にも開架してあった事情は、
幼い子供が知らぬことばかり。中沢啓治の漫画から受けるイメージとしては、

日本中に洗脳されたガチガチの軍国主義のイデオロギーが蔓延していて、
憲兵が常に民衆に目を光らせていて隣組同士で監視された息苦しい社会。
平和主義者は『非国民め!』と暴行を受けて家族が村八分に遭う。
そして、共産党員がジャスティス。

・軍部と資本家が結託して勝手に引き起こした戦争で、庶民は巻き添え。
・大本営発表に騙されて戦争に浮かれてる庶民も共犯者。
・軍隊はただの人殺しであり、侵略して『三光作戦』で悪逆非道を尽くしたと、
 今では作り話が定説となっている中国側のプロパガンダを垂れ流し。
・天皇批判。

あれは、もうちっと分別がついた年齢に達してカウンターになる書籍と並行して読まないと、
何も知らない子供を洗脳する絵巻ですよね。

↓↓↓

「あの貧相な つらをした、じいさんの 天皇 今上裕仁を 神様として ありがたがり 
デタラメの 皇国史観を 信じきった女も大バカ なんよ…」

「首をおもしろ半分に切り落としたり、銃剣術の的にしたり、妊婦の腹を切りさいて、
中の赤ん坊を引っ張り出したり、
女性の●●の中に一升ビンがどれだけ入るかたたきこんで骨盤をくだいて殺したり」

「わしゃ日本が三光作戦という 殺しつくし 奪いつくし 焼きつくすで ありとあらゆる
残酷なことを同じアジア人にやっていた事実を知ったときはヘドが出たわい」

「その数千万人の人間の命を平気でとることを許した天皇をわしゃ許さんわい」
「いまだに戦争責任をとらずに ふんぞりかえっとる天皇を わしゃ許さんわいっ」

「君が代なんかだれが歌うもんかクソクラエじゃ」「君が代なんかっ 国歌じゃないわいっ」

「日本の植民地にされたわしら朝鮮人はむりやりに日本につれてこられて、
はたらかされたり戦場へ兵士としてかりだされています・・・
戦争のためにどんなに朝鮮人がいためつけられ苦しんでいるか」

「天皇は戦争を起こし日本中の街やこの広島や長崎をピカで焼け野原にし、
わしのとうちゃんや数えきれない人を殺し、いまも苦しめている戦争の責任者じゃないか」
「天皇はおわびに米でもわしにもってきやがれバーカ」

↑↑↑

思えば、エキセントリックで偏った政治的主張を盛り込みまくった『はだしのゲン』を、
そのまま鵜呑みにして左派の大人になってしまった層が中高年に根強いですね。

思想に染まりきって自衛隊を人殺しの暴力装置と批判し、
自衛隊員が国民の目の前で温かい食事を摂ることにすら我慢できないクレーマーと化し、
更には皇室解体を声高に叫ぶ市民運動家の苗床のひとつに平和運動がなっています。

“反戦平和主義”も純然たる願いや市民感情というよりも、
先鋭化した市民運動家の居場所づくりになってる側面が強いかと。

その反動があるのでしょうか、
ネットの普及で玉石混交の多角的な情報が入手しやすくなり、
その中から選別した記事を読んで目が覚めた!と“ネット右翼”に転向する者もいます。

「軍国主義者」と「国民」との対立を日本人の心理に根付かせたのは、

「War Guilt Information Program」(通称:WGIP)

と呼ばれるGHQの占領政策であり、
アメリカの日本の都市群に対する無差別爆撃や原子爆弾への投下に対する、
“国民の怒りの矛先”をアメリカから逸らす狙い。日本が誤った戦争を起こした報復で、
日本が苦しんだのも負けたのも“愚かな軍部”に騙されて日本が暴走したせいだという、
“自虐史観”にどっぷり浸かっている、
日本人はそこから脱却するべきだと右派論客が主張していますね。

対立する思想による論争が活発になった今を見るに左派史観が常識だと信じられていた昭和から、
大きく時代が変わったなと思うところがあります。

創作は創作であり、史実をベースにフィクションで昔を語る場合は論調は筆者の匙加減次第であり、
一定の思想を込めるということはフィルター越しの物語であります。

歴史を語るにしても、後の時代からは何とでも言える!ということがあり、
例えば大河ドラマなんか現代基準の愛とか平和主義思想と言った価値観を、
戦国時代に持ち込んで押し付ける話が少なくはありませんね。

戦国時代であれ先の戦争であれ、情緒面はともかくとしても、
歴史ものに後世に発達した思想に基づいたプロパガンダを持ち込むのは、
嘘くささと説教くささの添加物であり、
思考誘導装置としての作り話であることを理解しなくてはならないと思います。

一方でこのアニメでは、穏やかに過ごしていたい市井の人々が、
時代に流されながらも目の前の生活を守って生きようとしている話に終始。
善悪の観念やイデオロギー主張のわざとらしさを徹底的に抜いて、
戦時下で起こった様々な出来事を淡々と現象として描いていくことで、
ドキュメンタリータッチになっています。
ドラマとして、主人公のすずさんの葛藤や悲しみの要素が存在するのを忘れてはいけませんが。

殊更に軍国主義を主張しない普通の人々の日常に空襲や原子爆弾という史実を組み込むことによって、
かえって視聴者がより戦争の恐ろしさと日常が奪われていくことの無常さを、
考えさせられる内容になっています。その上で、あるがままの現実を何とか受け入れて、
明日へ明日へと命をつないでいこうとする、地に足をつけて生きていく人間の逞しさに、
ホロリと来るものがあります。

イデオロギーたっぷりの話よりも登場人物にスムーズに感情移入が出来たり、
戦争について一人一人の自由な考えが持てる内容になっているところに、
昭和的な戦争への史観とは異なる切り口で映画が作られた時代の変化を考えさせられました。

例外的に、原作3巻の昭和20年の8月15日。すずさんの言い回しが市民団体の主張みたいで、
違和感があったのですが、片淵監督の解釈で中身が大差なくても言い回しを変えたこと。
あくまでも、すずさんがノンポリの市井の人であることを徹底した上で、
社会構造の理不尽な部分への怒りを吐き出させたのは個人的には良い判断だと思いました。
原作と言い回しが違うことに不満を覚えるネット評論も存在しますけどね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2023/08/12
閲覧 : 723
サンキュー:

77

ネタバレ

藤真 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5
物語 : 1.5 作画 : 1.5 声優 : 1.5 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

あくまでファンタジー

・主人公の女性が苦手

・終始方言で会話するため、字幕が無いと何を喋っているのかわからない。意味がわかったとしても内容に集中できない。これは大きなマイナス点。

・旦那の計らいで、幼馴染みの男と二人きりで一晩を過ごすシーンがあるのだが、制作者は夫婦や男女というものを舐めていると思う。

投稿 : 2023/02/21
閲覧 : 193
サンキュー:

3

ネタバレ

マーティ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ありがとう。この世界の片隅に私を見つけてくれて。

 2回目の視聴を終えましたが、、、かなり良かったです。最初のレビューを全部消して書き直します。

 1回目のときあまり面白く思わなかったのは、やはり前半ですかね。前半はゆったりしてたし、アニメというよりはドラマっぽかったので、前半で眠くなってそのままずるずる引きずったのだと思います。あと個人的に声優さんの声が眠気を誘いやすい、ゆったりしてたのもあるのかもしれません。

 しかし、再視聴してみて思ったのは、戦争によって温かい日常が無慈悲に奪われてしまうということ。これまでの日常は積み上げるのに時間がかかりますが、壊れるのは一瞬であり、これまで積み上げてきたもの、愛する人たちを一瞬で全てが崩れてしまうというのは、見てて辛かったです。僕も作中で空襲の警報がなり初めてから、緊張しっぱなしでした。

 主人公であるすずとその家族たちは、食事もままならず、防空壕に逃げたり、またのんの兄や義理の姉の夫と娘を失う一方、そんな中でも笑いあったり食事を囲むなどする姿に希望が持てました。

 非常に良かったのですが、ただ見ててわからない所が。最初と最後に出てきたあの熊みたいな男はなんだったのか、天井から出てきた子どもはなんなのか、場面の背景がよくわからない所があったので、解説などをみて補おうと思います。

 これにて感想を終わります。ここまで読んでくださりありがとうございました。

投稿 : 2022/05/10
閲覧 : 458
サンキュー:

39

ネタバレ

にゃん^^ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

よかった。。

公式のあらすじ
{netabare}
18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。


(年表があるから、気になったら公式HPものぞいてみてね☆彡
https://konosekai.jp/timeline/)
{/netabare}



感想
{netabare}
--------------------キリトリ線--------------------


絵が好きでいつもちょっとボーってした感じの少女がお嫁に行って
そこで戦争がきびしくなってって。。ってゆうおはなし


前半は
きつい人もいるけど、いい人たちにかこまれて
主人公のすずがほわほわしたまますごす日常系ってゆう感じで

後半は
毎日のように何度も空襲警報があって
ちょっとずつ暗くなってく感じかな?

さいごは
みんな大事な人とか物、体の1部とかなくなったけど
でも、さいごは戦争が終わってよかった☆
ってゆうおはなしだと思った。。



感想だけど
はじめはほのぼの日常系アニメみたいで
キャラデザも2頭身とかじゃないけど顔がちょっと大きめで
やさしい感じでよかった☆


こわい、鬼いさんとかいたみたいだけどよく分からなかったし
だんな(周作)さんのきついお姉さん(径子)も
ツンデレに近い感じでちゃんとすずのこと心配してくれてる
ってゆうのが分かって、お嫁に行っても大事にされてるみたいでよかった☆


にゃんはすずのことうらやましかった。。
ちょっときつい人はいるけどみんないい人で。。

戦争でいつも警報がなったり、攻撃をうけてみんな疲れてったけど
にゃんの小学校とか中学校のころってイジメとかで
いつもビクビクしてたから、ああゆうのってよく分かるけど
みんなで助け合えたらビクビクもそんなにこわくないんじゃないかな?って

にゃんはそのころいつも
学校がなくなったらとか、死ねたらいいのにって考えてたから
すずが右手と径子さんの娘の春美ちゃんを助けれなくって
径子さんから責められたりしておかしくなってったところとかよく分かる。。

爆弾の破片が飛んで家が焼けそうになったとき
そのままにしようかってちょっと思った気もちも
にゃんも小学校のとき、学校がなくなったらって思って
学校にマッチを持ってったことがあるからよく分かる。。

でも、すずにはいいだんなさんがいたから
その人の帰ってくる家はここだって思って家を守ろうって気が変わったから
イヤだなって思っても、大事にしてくれる人がいるってうらやましいな
って思った。。


哲さんが家に来たとき、だんなさんが
「あなたをここには泊められない」からって倉庫の2階に泊めたとき
にゃんは哲さんが夜這いに来るの心配してるのかな?って思ったら
すずを哲さんのへやに行かせた周作さんの気もちがよく分からなかった。。

でも、あとで2人で夫婦ゲンカになったとき
だんなさんは哲さんがすずの初恋の相手だって気がついて
もうすぐ死にに行く哲さんに
奥さんを貸してもいいって思ったのかな?って

それを知ったすずは
そのころはだんなさんのことが哲さんより好きになってたから
おこったみたい。。

その辺からにゃんは見ててなみだがにじんできて
2人のケンカ見ながらちょっと笑っちゃったけど
2人が話せるようになってきたうれし泣きだったのかよく分からなかった^^


でも、晴美ちゃんを守れなかったときから
なみだが止まらなくなっちゃった。。

飛行機から撃たれて逃げるところで周作さんに助けられて
よかった☆って思ったのに広島に帰るって言いだして
だんなさんはよくしてくれるのに帰るって。。
2人の気もちが伝わってきて悲しかった。。


でも、ホントに帰ろうってしたら
径子さんがやさしくしてくれてあやまってくれて。。

「すずさんの居場所はここでもええし
くだらん気がねはなしに、自分で決め。。」って。。
それですずが「やっぱりここに、おらんしてもらえますか?」
って言ったとき、こんどはうれし泣きが止まらなかった

でも、そのとき空がピカって光ったの見て
あ。。きっと広島に原爆が落ちたんだなって
そのまま悲し涙になっちゃった。。


それから終戦ですずが
「最後まで戦うんじゃなかったんか!!」って泣きさけぶところとか
もうなみだ止まらない。。


でも、みんなで電気つけてごはん食べれるようになって
よかった☆って思った。。

死んだ人がいっぱいいて
食べるものもあんまりなくって
みんなボロボロだけどよかった☆って。。


真白いご飯を見てよろこぶみんなを見て
また泣いちゃった。。

にゃんの家ではあんまりおいしくないのに
パパママがわざと健康のためって言って五穀米とか食べてるけど
そっちの方が白いご飯より高い^^

85年くらい前は白いご飯がごちそうだったってすごい不思議。。

塩がないから海の水がごちそうとか
ゴミの入ってる残飯ご飯を食べておいしいとか
にゃんってすごいぜいたくしてるなぁ。。って


すずが実家に帰って妹だけ生きのこったとか
みんなが誰かをさがしてるとか
ずっとじわーっってしたまんま。。


さいごはだんなさんといっしょにあの橋の上で。。

2人がはじめて会ったのってこの橋の上。。
って言ったとき通りすぎたのはすずをさらおうってしたバケモノ?

だんなさんにも見えたみたいで
すずと周作さんがはじめて会ったのって
あの人さらいのバケモノのカゴの中だったんだね。。

今はワニが顔を出してたけど
死んだお兄さんだったのかな?


あと、さいごのほうで哲さんが海のほうを見てたけど
すずは気がつかないで通りすぎてった。。

あの哲さんって英霊かまぼろしで
ほんとは戦争に行って死んじゃってたんじゃないかな?って


それから親をなくした子どもがすずのところに来るおはなしは
見てて悲しいってゆうか苦しかった。。

親が死んだの分かってなくってずっとつきそってて
誰もそれまで気がつかなかったのかな?。。って

でも、自分の子どもがたおれてても顔がくずれてて気がつかないくらいだから
戦争のあとってみんな自分のことでせいいっぱいだったのかな?

でも、自分の子どもが死んじゃった人とかもいたんじゃないのかな?
あの子は晴美ちゃんの代わりに幸せになれたらいいな☆彡



にゃんもいつも1人で帰ったりするときはボーってしてたから
何となくすずに近いのかも?

いない人が見えたりすることがたまにあるし

小学校のときは
ランドセルのうしろにつけて歩いてたはずの給食袋がなくなってて
学校までの道を何度もさがしたけどなくっておこられちゃった。。

でも、次の日、学校に行ったら机の横にぶら下がっててビックリ!?

その日は雨がふって道はドロだらけだったから
誰かがひろって置いといてくれたんだったら汚れてるはずだけど袋はきれいで

でも、たしかにかばんにつけて歩いてたときうしろで袋が
ブラブラゆれてた感覚をおぼえてるからすごくフシギだった。。

だから、すずが人さらいのバケモノとか座敷わらしを見たってゆうの
なんだか分かるな^^


ただ、広島弁がよく分からなかったり、大事なところがぬけてるみたいで
闇市の帰りに親切にしてもらった人(リン)が
おはなしの中にはそのときしか出てないのに
すずがなんども思い出したりしたこととか

すずに子どもができたって思ったのに
いつまでたっても生まれなかったけどどうなったのかな?とか
よく分からないところが多かった。。


でも、感想書くのにウィキペディアを見たら原作の情報がのってて
それを読んだらいろいろ分かってよかった☆

それで、また映画、見直したらちゃんと伏線みたいなのがあったから
たぶん、アニメの完全版ができたら入るんだって思う☆彡
そっちも見てみたいな☆彡



さいごに。。

戦争、イヤだなって思ってる人どうしで争ってたりするのって悲しいよね。。

みんなが戦争反対って思ったら戦争がなくなるといいんだけど
戦争反対の人どうしが戦争を止めるためって言って戦ってたら
けっきょくいっしょだって思う。。


にゃんはほかの国がおそってきたら逃げる。。
逃げれなくなったら殺されるか
もし、戦えって言われたら死ぬまで断食しようかな?って思ってる


でも、守るために戦うってゆう人のこと、まちがってるなんて言わないし
攻撃される前にこっちから攻撃しようってゆう人がいても
まちがってるなんて言わない。。

だって、にゃんはまちがえてばっかりで
正しいって思ったことがまちがってたことなんかいつものことだから
にゃんはほかの人がまちがってるなんて言えない。。

ただ、戦争ってイヤだなって思うから
自分だったらおそわれたら逃げるだけ。。
どこかの国が日本を侵略しても戦わない。。


そしたら早く戦争が終わって、また新しい日常がはじまるだけ。。

そのときはたくさんの人が殺されてて、食べるものがないかも?
日本語だって使えなくなってるかも?

でも、きっとみんな「早く戦争が終わってよかった☆」って言って
新しい日常をはじめるんじゃないかな。。

戦えば戦うだけムダに人が死んで
家とか畑とかもなくなって
ふつうの人がくるしい思いするだけだって思うから。。


このおはなしって
そうゆうこと言いたかったんじゃないのかな?って

{/netabare}

投稿 : 2022/03/01
閲覧 : 591
サンキュー:

83

ネタバレ

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

“記憶”を“記録する”ということ

別に“とあるスピンオフされた会社”のCMではない。

戦争の記憶を映像化(記録)する難しさである。

すずさんの記憶は曖昧だ。
そして何より、彼女が思い描く風景が上書きする現実は、実に楽し気なものに見える。
苦痛や不条理といった現実と、彼女の実感の狭間には、人間の特権である妄想というオブラートが挟まれ、その境目は曖昧なものとなる。
曖昧こそが前を向く推進剤となり、それこそが、人の心のリアルな姿なのであろう。
連続し、揺らぎ続ける世界。
“すずさん”の実感に嘘はないと思う。
幼馴染みと描いた海を跳ねる兎波に重なるのは、時が過ぎ、爆撃を受ける呉の軍港である。
高射砲の榴弾が炸裂し、絵筆で散らしたように空を染めるさまを美しいと感じるのである。
しかし現実は、彼女の心である“この世界の片隅”から、“鬼の遠眼鏡”を通して観察し続けることを許してくれない。
それは着実に彼女の心を侵食してゆくのである。
その過程がとてもリアルだ。
山向こうから湧き上がる“かなとこ雲”。
防空壕での一瞬の暗闇。
目隠しされた軍港脇の一本道の閉塞感。
収束焼夷弾が降り注ぎ、
そして、山向こうに再び…。

ひたすら一人称視点で語られる世界が見事であった。

ただ一つの違和感を除けば、である。
あの日、八月十五日を境にして、“すずさん”の目線は消えてしまうのだ。
そして、観察者を観測する記録者(制作者)の目線が取って代わることになる。
本来は勤めて寡黙であるべき存在のはずのそれが、唐突に、“すずさん”の口を借りて語り始めるのである。
それは、観るものそれぞれが感じ取るべきものが声高に叫ばれる危うさであり、必然的に作為が、もっと言うなら嘘が生まれ、ただのプロパガンダに成り果ててしまうかもしれない際どさである。

戦争を“真正面から”扱う難しさを感じるのである。

投稿 : 2022/02/04
閲覧 : 293
サンキュー:

22

ネタバレ

やん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

天才のん

この役にのんを当てた片渕須直監督は天才としかいいようがありません。
エキサイティングでワクワクドキドキ興奮するエンタメではありませんが、女性は本質的に男より強い、というのがわかる面白いお話でした。一般人にとって遠い話だった戦争が徐々に近づいてくる緊迫感は子どもたちにもぜひ見てほしい映画です。

投稿 : 2021/10/12
閲覧 : 284
サンキュー:

10

ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ただただ過酷すぎた時代としか言えない

やっとアマプラで視聴、受賞で話題になった頃は見ていず、DVD録画したものも長いこと見ずにいました。高畑監督の「火垂るの墓」と同系列の作品ということで、きっと胸にずっしりと来ると思っていたので、今まで敬遠していました。見てよかったとは思います。しかし見て楽しい作品ではなかったので、できれば忘れたいと言ったら怒られるでしょうか。それぐらい、メルヘンタッチな作画と相反して、非常に重い作品でした。

物語は広島に住む海苔加工業者の家に育ったすずが、乞われて嫁いだ先の呉市での嫁ぎ先の生活が描かれていきます。いわば見合い結婚みたいな話です。すずは絵を描くことが得意ですが、それで身を立てることはできません。あくまで一家庭の主婦として、嫁ぎ先で日々尽くしていきます。しかし嫁いだ主人の姉の娘を不注意で不発弾で亡くしてしまい、自身も絵を描く右手を失ってしまいます。それで実家に帰ろうかとしていたら、広島も原爆でやられてしまいます。それまでも呉市は悲惨な空爆で犠牲になっていました。焼け跡で玉音放送を聞き、激しく涙するすず。しかし終戦後、亡くした姪のような原爆犠牲孤児の少女を拾い、連れ帰り育てることにします。

あらすじを今書きましたが、かなりの忍耐を強いられる作品です。表面上はしかし、すずの声優ののんさんののんびりとした演技のナレーションが入るので、淡々と話を追っていくことになります。戦争の理不尽さ、当時の耐久性活の悲惨さが克明に描かれ、現代に生きる人間は圧倒されることになります。もちろん贅沢な現代生活について、罪悪感を感じるようになるのは、「火垂るの墓」と同様です。もちろんそういった描写に私も郷愁は感じることはありました。出てくる病院の建物やロケーションなどは、私が一番最初に入学した古い小学校の横の、旧日本陸軍の火薬庫だったという施設のものとよく似ていました。私などは、それを知っている世代だという事で、この作品をまだ実感を持って理解できる世代の一人だということです。

義援金を集めてまで製作された本作は、何も言うことのできないほど立派な意志によるものです。このような作品が作られたことは非常に素晴らしいことですが、なるたけ早く、過去の遺産であるような世の中にしていかなければいけないと思いました。戦争の根絶は無理であっても、このような社会態勢への後退は、決してあってはいけない事です。末筆になりましたが、自然描写や当時の事物や背景の描き方は、本当に素晴らしかったと思います。これだけの資料を集め、当時の記憶をよみがえらせることは、並大抵の苦労ではなかったと思います。

投稿 : 2021/06/11
閲覧 : 241
サンキュー:

10

ネタバレ

haruto さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

2回目2021.3.7

2回目2021.3.7

投稿 : 2021/03/07
閲覧 : 180
サンキュー:

0

ネタバレ

因果 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

悲しくて悲しくて、とてもやりきれない

面白いタイトルを捻り出せなかったのは、私自身の語彙不足というのもあるが、それほどまでにこの作品があらゆる一般的な、凡俗的な形容を拒むほどに素晴らしい作品だったからだ。

舞台は太平洋戦争真っ最中の広島県呉市。主人公のすずが、激化する戦争に日常を少しずつ奪われながらも、夫である周作の家で精一杯生きる様子が描かれる。

ほとんどの戦争映画というのは、基本的に二種類に分けられる。一つは「戦争賛美」で、もう一つは「反戦」である。

前者としてよく挙げられるのが『永遠のゼロ』。どのレビューサイトを覗いても「特攻を美化している」とか「平和ボケした戦争賛美映画」といった感想で埋め尽くされている。私は政治的にはニュートラルな立場でいようと努めているが、そんな私からしても実際そういう感じはした。

後者としてよく挙げられるのは『ジョニーは戦場へ行った』や『ランボー』だ。どちらの映画もアプローチは違えど、明確に戦争反対を謳っている。

両者は政治思想的には全く相対するものだが、ある部分において共通している。それは、単なるプロパガンダ映画と化す場合が多いということである。

私が戦争映画というジャンルにあまり手を付けていないのもこれによる部分が大きい。賛美でも反対でも、どっちにせよ、どうしても制作側の「こうなればよかった」「こうなるべきだ」といった強い思想が見え透けてしまい、登場人物たちのセリフが単なる製作者側の意図の代弁にしか聞こえなくなってしまうことが多い。こうなってしまうと途端に萎えてしまう。受け手に直接「どう?これ面白いでしょ?」なんてわざとらしく語りかけてしまう作品は見ていてキツイものがある。

その点において『片隅』は本当にスゴイ作品であった。

この映画の登場人物は、誰一人として代弁を行わない。一人ひとりがみなそれぞれの自我を持っているのだ。事実、この映画には本当にありとあらゆる考えを持った人間が登場する。戦火の高まりに翻弄されながらも自分のペースでゆったり生きる主人公すずをはじめ、普段は寡黙な軍人だが妻であるすずを誰よりも愛している周作、サバサバした性格で、すずのマイペースすぎる正確に手を焼く周作の姉の径子、闇市での買い物中に家路を見失ったすずとひょんなことから仲良くなった遊郭の遊女リンや、すずが船舶をスケッチしていたのを「間諜行為」としてわざわざ家まで咎めに来る憲兵など・・・それぞれがそれぞれの哲学に従って生きているのが窺える。これは、なるべく思想を同ベクトル統一したがるプロパガンダ的戦争映画には決してみられないものである。

とはいえこの映画にも、反戦映画のように「戦争は嫌だねぇ」といったセリフが登場する。しかし、そのセリフの根底にあるのは、紛れもなくその本人自身の気持ちであり、決して製作者の恣意などではない。だから、多少政治的とも取れる発言が登場しても、上記のプロパガンダ的映画を見ている時のような気持ちの悪さは微塵も感じない。

このように、『片隅』の真価は、ざっくり言ってしまえば、登場人物に「言わされてる感」が全くないことにあるのだ。こんな純潔な作品は他に見たことがない。

そして、完璧なまでに純潔だからこそ―「思想」というフィルターを介さないからこそ―本来的な、ありのままの意味での「戦争」の悲惨さがひしひしと伝わってくるのである。

戦争の激化に伴い徐々に奪われていく日常、それに抗い健気に生き続ける人々、それでも終わりの見えない死と隣り合わせの毎日、少しずつ失われていく、大切なもの、ひと。

終盤、私はこみ上げてくる涙を抑えるので精一杯であった。誰かの思惑の上に成り立つ偽りの悲劇などではない、正真正銘に本物の戦争の悲しみがそこにはあった。「悲しくて、悲しくて、とてもやりきれない」と嘆くコトリンゴの挿入歌は私の胸を強く締め付けた。

戦争映画のある意味宿命として存在していたプロパガンダ性を乗り越え、「戦争」の悲惨さを真正面から描き切った『片隅』は、これから先も、老若男女問わず見ることができる戦争映画としてアニメ映画界、いや、映画界に燦然と輝き続けるだろう。

まだ見ていない方、殊に戦争系はちょっと・・・と思っている方にこそ見て欲しい。世紀の大傑作である。

投稿 : 2021/02/07
閲覧 : 279
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17

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うーは さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

少し辛いけど、感動できる

前々から見たいと思ってたのですが、絵が少し昔ぽくて好みではなくなかなか見れずにいました。
ですが、見始めてしまえば絵はむしろ愛らしく、その古さや柔らかさが逆に主人公のおっとりとした印象にとてもマッチしているなという感想に変わっていきました。

内容に関して
時代背景と舞台は、第二次世界大戦の終戦間近の広島及び呉を描いています。
昔の日本らしい風習や、考え方などがとても感じられ、これがたった100年弱前の話とはとても思えないくらい現代とは変わっている部分が多いなと強く思いました。

演出にはこだわりを感じるところが多く、作り手の伝えたいことはこういった部分だったりするのかなと色々想像が捗ります。

もちろん、時代背景と場所からどのような展開になるかと言う部分はある程度推察できますが、たくさんの登場人物や比較的速い展開、そしてふんわりとした作品の雰囲気から思わず戦争中であることを忘れてしまいました。

物語の終盤に近づくにつれ、少しずつ戦争とはなんたるか、と言うものを思い知らされていきます。
その中で、揺れ動いていく主人公の気持ちや考えに心が強く揺さぶられました。

正しさなんて何もわからないし、そんなものはないのかもしれないけれど、ただひたむきに生きる人間の美しさと言うものに触れられる。そんな作品になってる気がします。
評価は5です。

投稿 : 2020/12/22
閲覧 : 141
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7

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ねっち さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

正直点数なんてつけたくない

まず初めに、僕の中でこの作品よりおもしろい作品はないと思います。ていうかこの作品に対しておもしろいとかいう表現は陳腐です。このレビューを見てくださっている方でこの作品を見た事がない、という方はこんなレビューなんぞ見ずに今すぐこの世界の片隅にを見てきてください。
この作品のジャンルは「日常もの」です。たまたま戦争のある時代に生まれたなんでもない普通の女の子の日常を描いた作品です。そもそも僕は戦争を題材にしているというだけで見る気が失せてしまうほど戦争を描いた作品に抵抗があります。この作品も例外ではありませんでした。
見る前までは。
戦争だからといって常に不幸で陰鬱な空気ではありません。彼女たちはふとしたことで笑うし、たわいのない会話もします。この作品は戦争というものを感じさせないのです。しかし、中盤あたりから戦争というものが徐々に、ほんとうに徐々に現実味を帯びてくるのです。そしてすずさんは、小さな女の子と自分の右腕を失くしてしまいます。簡単に。そこからは皆さんも知っているとおりの結末を迎えます。広島と長崎に原爆が投下され、日本は敗戦します。すずさんは大切な家族を亡くしてしまいます。それでも、それでも彼女たちは生きてゆかないといけないのです。
この作品を見終わって、僕は久しぶりに虚無感を感じました。この作品を噛み砕こうと思っても噛み砕けないのです。頭の中で整理できない。飲み込めないのです。
この作品を超えるアニメが今後あるんだろうか、、、

投稿 : 2020/10/31
閲覧 : 314
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19

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もぐもぐ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

日常アニメです

すずさんの日常が非常に面白くて、エピソード1つ取っても、人物の人柄が伝わってくるのがよかったです。水原くんの代わりに絵を描いてあげる話(オチが秀逸)、すずさんと周作さんの微妙な距離感、水原くんとの再会、妊娠を勘違いする話、径子さんとのあれこれ。本当に戦時中にあった日常の一コマなのかもしれないと思わせる内容の数々。
当時の日本って意外と裕福だったんだなと思いましたが、生活の工夫など勉強になることも多かったです。
うちのばあちゃんは、芋をふかして飢えをしのいでいたと言っていました。今でも当時の話をよくしてもらっています。

実体験を語れる人が少なくなった今だからこそ、一庶民から見えた戦争という切り口はとても重要なもの。
映像からすずさんの体験が、言葉が、そして気持ちが伝わってきます。史料的な価値の高い創作です。
家を壊されたすずさんの悔しくてたまらない表情が、どうしても忘れられません。起こったことは仕方がないでは済まされない、起こってからでは何もかもが遅い。だから時代が変わっても、平和な日常だけは変わらないでいってほしいと思います。
それにしても、人間関係に翻弄されるのはいつの時代も同じなのかもしれませんね。

投稿 : 2020/09/18
閲覧 : 205
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キウイ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

良い作品です。好きは好きです。

この映画のセリフでいちばん記憶に残っているのは天皇陛下の玉音放送を聞いたあとの、主人公のすずさんの「そんなん覚悟の上じゃないんかね?最後のひとりまで戦うんじゃなかったんかね?いまここへまだ五人も居るのに!まだ左手も両足も残っとるのに!! うちはこんなん納得できん!!!」でした。
このセリフを聞いたとき、今までそんなこと考えたこともないくせになんとなく「あ〜あ、、、言っちゃったよ‥」と思いました。

「この世界の片隅に」が上映された2016年は、他に「シン・ゴジラ」と「君の名は」が上映されました。はっきり言って大豊作な年でした。特撮が好きというのもありますが。

ただ「シン・ゴジラ」が日本アカデミー賞で主要賞を総なめにしたときの会場の微妙な空気といったらいたたまれずにテレビのスイッチを切る勢いでして個人的にはそれからというもの民放放送をほとんど見ないまま今日に至っています。
しかし一方では内心「シン・ゴジラ」が日本アカデミー賞総なめはないなぁというような感覚も持っておりました(でもシン・ゴジラ以外に目立つ実写なかったしとも思ったり。ぐるぐると‥)シン・ゴジラは横においといてもこの2016年を最後に何かが終わったような気がします。もしかしたら「戦後」かもしれません。

すずさんの当たり前の日常‥雑草など金がかからない食材を使っての工夫をこらしたレシピや、着物をもんぺにリメイクするなど今で言うところのリメイク倹約主婦ぶりや、新婚の夫とのキスシーンは今とまったく通ずる感覚で、うおー!感情移入するー!じゃなくって、なんだか疲れました。
戦時中を身近に感じたくない。もっとチャラチャラ生きたかったのに2016年を転機に何かが変わりました。もちろん映画のせいではなく映画は時代の雰囲気を掬い上げて作品になっただけなんでしょうけどね。
この作品は個人的には一回観ればもう十分ですが、フランクにフリースタイルに一度は観てみることをオススメします。みんなどう感じるんだろう。

投稿 : 2020/09/17
閲覧 : 268
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22

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たま。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ネトウヨ史観

話題作だったので視聴。
メキシコでも大ヒットだったらしい。

第二次世界大戦中の広島市の近くの呉市のお嫁さんすずさんの生活を描いています。ただ内容は、原作者か監督がゼロ戦購入したりするくらいネトウヨらしく、戦争礼賛。
憲兵に、スパイ容疑で捕まった時も笑い事で済ませてたり、ご飯も楽しく豊かにお食事だったり、現実のものとは恐らく少しかけ離れていそう・・・。
フィクションの戦争チックなものとしては、面白かったです・・・。

NHKでも『この世界の片隅に』の特集を組んでましたが、焼夷弾のナパーム材でお風呂沸かしてたとかとんでもメッセージが流されてて、戦後75年ですし、日本は戦争の悲惨さを忘れたいんでしょうね。ほっとなエピソードになってましたし・・・。

フィクションの戦争ちっくなものとしても、笑いあり涙あり面白かったです・・・。

投稿 : 2020/09/05
閲覧 : 267
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11

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森可成 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

点数つけたらこうなるけど、そういう作品じゃない

「この世界の片隅に」
は戦争を描いた映画ですが
いわゆる「戦争映画」ではありません。
いわゆる「反戦映画」でもありません。
そんな概念で規定できる作品ではありません。

家事ばかりをしながらも
いつもにこにこ過ごす
若奥さんの、すずさん。
そしてその家族の日常生活を
丹念に追っていくことに
注力しています。

でも、そこに戦争はどんどん
影響を及ぼしてきます。

ご飯を作り、洗濯をしている人たちの
上に爆弾は容赦なく落ちてきます。

普通の人たちの普通の生活の中に
戦争は割り込んでくるのです。


私は残酷なシーン、ショッキングなシーンで
戦争の悲惨さを訴えかけること自体は悪くないと思います。

ですが、それってミクロ的と言いますか、
亡くなったり、怪我をされた個人に対する哀悼や同情で
終わってしまうことが往々にしてあるのではないか、
とも思ってしまうのです。

究極的には命を失うことが一番恐ろしいという考え方も
あるとは思うのですが、
私は、今そこにある生活、家族、友人がどうなってしまうか
の方が恐ろしいと思ってしまいます。

本作は正にそこをドンピシャで描いている作品です。

日常の生活を丁寧に描いているからこそ、
戦争の残酷さと理不尽さが際立ち、
さらに、日常のかけがえなさが浮かび上がる。


すずさん達家族は多くのものを戦争でなくしましたが、
得たものもありました。

原作で「どこにでもある愛」という言葉が出てきます。
本作のラストシーンに正に象徴されている通り、
元々とても優しい人でしたが、
すずさんは、出会った人を更に慈しむ心境を得たのでしょう。

何があっても日常は続いていく、
すずさんの様にどんな時も朗らかに
その中で皆が他者を慈しむ心があったら、
それはどんなに素晴らしいことでしょう。

もう一度言いたい。
「この世界の片隅に」
は戦争を描いた映画ですが
いわゆる「戦争映画」ではありません。
いわゆる「反戦映画」でもありません。
そんな概念で規定できる作品ではありません。

投稿 : 2020/05/30
閲覧 : 396
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37

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カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

これは,日常

物語は昭和10年ころの広島から始まります。

主人公は,今でいうかなり天然で空想好きな普通の少女。

昭和19年2月に相手の苗字もよく覚えていないうちに,結婚し呉に嫁ぎます。

物語は一貫して何気ない日常を描写していきます。

主人公の天然ぶり,夫婦の愛情,家族とのふれあい,戦時中の物資が少ない中での生活・・・

シーンの変わり目に日付が表示されます。

カウントダウンのように・・・

刻々と昭和20年8月6日に向かって時間は進みます。


{netabare}と思っていたら

昭和20年6月22日(違うかも)こちらの心の準備ができないままに,

主人公は不発弾(?)の爆発に巻き込まれ一緒に歩いていた姪と右腕を失います・・・まさに不意にそれまでの平和とはいえないまでも,当たり前の日常が崩れ去ります。まさに戦時中多くの人はそうやって当たり前の日常を奪われていったのでしょう。

そして,8月6日が訪れ・・・{/netabare}

8月15日を迎え

時間は流れ続けます

これは,昭和初期広島に生まれた女性の青春時代の日常を描いたアニメーションなのでしょう。

そして,この作品のエンドロールには外国人スタッフも名前を連ね,多くの国々でこの作品が公開され評価された今の時代を大切にしなければと改めて感じました。しかし,世界にはまだまだ平和とはかけ離れた日常を送っている地域があることも忘れてはいけないことだと思います。

投稿 : 2019/11/30
閲覧 : 287
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22

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

戦争のお話

この映画の魅力は
戦時中の話ですが、ひたすら悲しみ哀愁ある話ってだけではなく
そんな中でも必死にいきてる日常系であることが魅力的なんだとおもいます!

こんな辛い中でも必死に頑張って生きてるんだなあって。。

2016年の映画激戦区の中でもトップクラスの作品

投稿 : 2019/09/02
閲覧 : 184
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MuraBustan さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

名作

美しくて、悲しい。

投稿 : 2019/08/24
閲覧 : 286
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15

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大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

戦時の風景をただ淡々と描くだけの作品。それが美しい。

戦時中にはきっとどこにでもいたごく普通の少女が、ごく普通に結婚して、そして戦争という時代を駆け抜けた、きっとごく普通のお話。
ただそれを、こうもしっかりと描写したことで感動が生まれるのでしょうか。
とても美しい作品でした。素晴らしい。

戦争の辛さ、悲惨さは間違いなく戦争のもたらす悲劇です。でも、戦時でもみんな助け合い、たくましく生きていたのですよね。

とても感動的な素晴らしい物語でした。

投稿 : 2019/08/13
閲覧 : 183
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11

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teji さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

かなり よかった 

かなり よかった 見ごたえあった・・
しかし 色々 考えさせられる 作品だった 
評価高いのもうなずける

投稿 : 2019/08/05
閲覧 : 210
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8

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

良い夫婦。

ステキな家族やな〜。
義姉も辛い立場やのに、すずちゃんにどこにおってもいいって言ってくれたの、めっちゃ感動したよ。
何もない時代に工夫して楽しく暮らそうとした人たち。見習いたいなぁ。本当に必要なものって、案外少ない。

投稿 : 2019/08/04
閲覧 : 171
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アルジャーノン さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

戦争という切り口に見る、人生の一側面

第二次戦争、広島の、人々の生活にスポットを当てた映画です。

戦争映画は凄惨な描写が多く苦手ですが
Amazonプライムで観れるようになったのと、
上映中から評判が良さそうな印象だったので、視聴に至りました。


<戦争について>
まず、主人公のすずがおっとりして全体として人間性が柔らかいので、
戦争映画にしては平和で、物資がない中も強くたくましく楽しく生きる様はとても引き込まれます。
ただし、戦争が終戦に近づくにつれて、戦争の生々しい、恐ろしい描写が出てくるようになるので、怖かったです。
そこはきちんと身構えておくべきでした。
(グロイ描写自体はかなり控えてあります)
しかし、戦争の凄惨さ、恐怖を一国民からの視点で伝えており、そこは評価されるべき所なのだと感じました。


<すずについて>
おっとり、あまり難しいことは考えてない優しい性格なので、
戦時中のイメージがかなり柔らかなものに変わりました。
声優ののん(能年玲奈)さんの声がすごく合っています。
少女期の出会いが、嫁いだ後の人生にもかかわってきます。
ただ、すずに完全な清廉潔白なものを求めるのは違うのかな、と思います。
これが当時のリアルな人生の一つなのだと、そう思います。
知らない人に嫁いでいきなり知らない土地、知らない家族に囲まれていても、戦争に巻き込まれても、強くたくましく、優しく生きていてすごいと思いました。
小姑との関わりも好きでした。
小姑の娘との事件も、すずだから二人とも乗り越えたんだと感じました。
ラストもすずの優しさがよく出てて良かった。


<全体について>
すずの特技である、スケッチが物語の描写に重要な役割を果たしていたと思います。
作画も、すずのスケッチがそのまま動いているような、優しいタッチで見やすいです。
この映画を観て、戦争という切り口では様々な一側面が切り取られ、様々な人間の人生があるのだと教えられました。

涙なしには見れませんでした。
最後には、観てよかった、怖い部分もあったけど。それを乗り越えて幸せなような気持ちになりました。

投稿 : 2019/07/24
閲覧 : 269
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15

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HIRO さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

片渕須直監督のこの作品への熱い思いで火傷しちゃった(笑)。

こうの史代の同名漫画を原作とする片渕須直監督の2016年11月12日に公開されたアニメ映画です。

第二次世界大戦中の最中、広島市江波から呉に18歳で嫁いだ主人公すずの目を通し、戦時下で食料の調達もままならない苦しい状況にあっても生きる目的を失わず工夫を凝らして心豊かに生きる物語です。

 戦時中の結婚制度が男性の嫁にほしいという一言と家同士の話し合いだけで決まってしまい。女性の気持ちは考慮されていなくなおかつ嫁は家事を行う事と後継ぎを生む存在でしかなかったことがこと細かく描かれていて周作の姉、黒村晴美から家事でできないダメ嫁扱いを受けているシーンなどは、この時代の女性の扱いを「実家に帰ればいいのに・・・」と正直思ってしまった。すず自体も自分が妹より器量がわるいと認識していて誰よりも早く起き誰よりも遅く寝る姿に思わず涙ぐんでしまった。

 戦争が最も弱い立場の女性や子供を傷つけ、人の心までも殺してしまう残酷な行為であることを改めて認識させられました。又主人公すずの生命力に勇気づけられました。

 この作品は、片渕須直監督がこうの史代の同名漫画に惚れ込み映画化をする為に企画を映画製作会社に持ち込むが、「地味すぎる」、「ヒットの要素が見当たらない」という理由でスポンサーが見つからず、クラウドファンディングによって作られた作品ですが、結果は動員210万人累計興収27億円で2019年4月2日時点で上映中のロングランとなりました(笑)また19年12月に30分追加した『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が上映予定。

主人公すす(のん)について:片渕須直監督はNHKの朝ドラ「あまちゃん」を観ていて主人公すすを能年玲奈に依頼すると決めていたがスタッフはレプロエンタテインメントと独立問題で揉めていた能年玲奈にすることに反対したが片渕須直監督はのんしか考えてなかったとのちに語っています。のんは決して器用な女優ではないが、作品にのめり込むタイプでセリフの情景が理解できないと片渕須直監督に何度も確認したそうです。今ではすずはのん以外に考えられない(笑)

音楽:コトリンゴさんのやさしい歌声がすずの日常ととてもマッチしてました。オープニングテーマ「悲しくてやりきれない」40年代のフォークソングが原曲ですが、ベストマッチです。主題歌「みぎてのうた」、エンディングテーマ「たんぽぽ」もよかった。

データ:
出演:のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、澁谷天外
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
企画:丸山正雄
監督補・画面構成:浦谷千恵
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎
製作統括:GENCO
アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル
(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
公式サイト:konosekai.jp

投稿 : 2019/06/12
閲覧 : 281
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19

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たかぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ぜひ一度は見てほしい

漫画が原作だが、これはぜひアニメで、CMなしで一気に見てほしい。
戦争の恐ろしさが、等速で迫ってくるから。

すずさんを中心に、ゆったりと心地よく進む日常。
目にも優しい色合いと、美しい呉の自然。
テレビもケータイもない、素朴な人の生活リズムがそのまま感じられる。
戦争中でも、戦場ではない銃後の生活は、きっとこんな感じだったのだろう。

急に、普段眺めている山の向こうから、数えきれないほどの敵機が襲い来る。
姪が爆弾によって亡くなる。
広島に原爆が落ちる。

途切れずに進む時間の中で、これらのことが等速で淡々と過ぎていく。
それだけに戦争の恐ろしさが染みてくるし、「自分がこの立場だったら」と考えさせられる。

投稿 : 2019/05/20
閲覧 : 220
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ジャスティン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

今まで見た映画やアニメを通して一番素晴らしい作品

【視聴きっかけ】
実は、現在アニメを見ることが減ってきた感じもあったり
次回見たい作品がレンタル系だったのでその間に何か見れる
作品がないかなあと探していたときに
この神作を思い出しました。

見ていない時は「日本アニメーション関係の映画かあ」と思いながら
見ていましたw(そう思っていた俺自身を殴りたいです)

この神作を選ぶのに結構時間がかかってしまい、
「もうこの神作を見てしまって良いのだろうか?」と必死考えた結果
今回視聴することになりました。

【感想】
簡単にいうと 素晴らしいかったでは素晴らしすぎたが正しい

■世界観に圧倒
まずはこれ!実はたぐえんさんの動画でこの作品は紹介されていたので
あらすじ程度は知っている感じでしたが、実際にPVとか見ていなかったので
見た瞬間から衝撃的な世界観に引き込まれました。

理由としては、建物や道具関係そして、すずたちの喋り方が完全に
昔に戻れされたので、これは昔の話なんだ!と理解が出来ている

■1時間後から驚きの展開が!
実は最初の展開としてはすずがまだ幼い頃の話の展開で
どういう風に暮らしていて、どんな絵を描いていたのか?など
私生活の一部を少しずつ紹介していく感じでした。
このシーンを見ているからこそ中盤からの追い上げが素晴らしい
流石に私もこの幼い頃の話だけだったらここまで高く評価はしないですね

そう全ては1時間後あたりに起きる 戦争期間 です

幼い頃はまだ戦争に入る前というか、戦争になりそうだから
若い男性は兵として訓練に行っていました。

ですが、中盤からは本当の戦争。私たちが歴史の教科書で
学んだことがこの作品で全て描かれる。

戦争中の私生活を私の思っているより過酷でした。
無理やり起こされて、ずっと警報がなっていて
うるさい戦闘機が空で音が聞こえて
防空壕の中に逃げる。

もう本当にそのままに再現されている。

CLANNAD after story やKanon グリザイアの果実 しか
まだ泣いたことがなかったが、この作品は泣けたので是非見ていない方は是非

■良かった とは?
すずは「良かった」という言葉に違和感を抱いていましたね。
良かった?何が?と・・・

そう良かったことではない。
そもそも戦争を起こされた国が悪いのか・・・
相手側が悪いのか、訳の分からない世界ですよね

みんなが幸せになるってどんな辛いものを実感したような感じする
それだけ争わないと解決しないものなのか。

現代の私たちからすると戦争なんて体験もしたことないし、
平和ぼけをずっとしてきている。
そんな私たちが生きていくためには、どうするべきかを
本当によく考えさせられた。

今の時期に見れて本当に良かったと思います。

投稿 : 2019/05/17
閲覧 : 351
サンキュー:

28

ネタバレ

しゅりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

家族の顔が見たくなるアニメ

2016年11月公開のこの映画は現在はほぼ単館上映にはなりましたが
2019年5月も劇場公開を続けており先日連続上映900日を超えたようです。
それでもお客さんが入っていることが凄まじい。

監督:片渕須直さんは「マイマイ新子と千年の魔法」などの劇場アニメ
「BLACK LAGOON」などのTVアニメやゲーム:エースコンバット4や5、7の
脚本など様々なお仕事をされている方です。


物語は戦前の広島、江波に暮らす少女、浦野すずが
呉で生まれ育った北條周作という青年と出会い、嫁入りして
日常を過ごしていくものです。
嫁入りの時点で太平洋戦争がはじまっている時世ですので
戦争の中の日常が焦点になっていきます。


本作の秀でた点を一つ言うとその緻密な設定があります。
それは主要登場人物やモブのキャラなどを含めた
登場キャラクターの人物像から当時の街並み、文化、
描かれる各日付の天候や出来事まで、2016年までの間に
聞き込みや資料から確認ができる事実を可能な限り
物語に盛り込んで描かれているようであるということです。

そうした事実を盛り込んだ物語が淡いタッチの作画、
コトリンゴさんの優しい楽曲と自然な広島の方言の演技とで
日常の尊さを感じさせながら史実の凄まじい説得力を持って描かれます。
本編は笑顔で観ることができる部分もありますが、
戦争が進む中で人々の暮らしがどんどん困難に、悲惨になっていく様が
大きなギャップを持って描かれます。
特に昭和20年の物語はとても重く視聴には覚悟が必要です。


最後まで視聴すると本当に悲しい気分にもなりますが、
それだからこそ家族で笑って生きていくことが
どれだけ大切かということを感じずにはいられませんでした。
2016年の公開当時にはじめて映画館に観に行った時には
早く家族の顔が見たくて家路を急いだことをよく覚えています。


太平洋戦争が当時を暮らした人々にとってどんな物だったか、
それを感じることができる点において学校の教材にしてもよい
説得力を持ったアニメですので、戦争の時代の物語に
大きな抵抗のない方には一度観てほしい名作と断言できます。

今後こうの史代さんの原作にあったエピソードを足した
長尺版が公開されるとのことですので、
長尺版の公開前にはまた見返してみたいですね。

投稿 : 2019/05/01
閲覧 : 198
サンキュー:

9

ネタバレ

時計仕掛けのりんご さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 2.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

一億玉砕という日常をどう生きるか

原作未読です。


太平洋戦争の始まる辺りから終戦後までを、ある女性の目線で扱った話。
ただ彼女は学生時代に嫁ぐため、主婦でもあるが、まだ少女でもある。

確認するなら、天皇陛下は現人神であり、大日本帝国に敗北はなく、西洋社会に対して大東亜共栄圏を築き、世界平和を実現するという正義の為に戦いに臨んでいる。
この時代に生きる人々にとってこれらも事実、そういう目線でもあるだろう。



歴史的に見れば当然非常に大きな変動期に違いない。

だが物語はそれも単なる日常の一部に過ぎないとばかり、物資の窮乏していく中、それらを工夫で補っていく様も、笑顔を絶やさず生活にいそしむ様も、コメディーチックに描いている。
大声で笑うほどでもないが、基本を外さない、チャップリンやドリフを想起させるような、見るものを選ばない古典的・普遍的なネタだ。
防空壕を掘り進めていく所なども、まるで子供が秘密基地でも作っているかのよう。


そんな主人公が感情をあらわにするのは、連れ歩いていた幼い姪っ子と右手を爆弾で吹き飛ばされたときから。
ここを境に抽象的な描写が混ざりはじめ、主人公の気が迷走する様子がみてとれる。
加えてここを境に幾つかの伏線が回収されており、物語的にもターニングポイントなのだろう。


ただ、敗戦の玉音放送を聞いた際、他の人は戦況を察し、やはりね、仕方ないよねぇといったリアクションであるのに対し、彼女だけは最後の一人まで戦うんじゃなかったのかと激高し、一人号泣する場面は引っかかった。
戦争が終わって落ち着きを取り戻した後、「この先ずっとウチは笑顔の入れ物ですけ」というセリフがあったので、そのために一度突き落として泣かせておく必要があったのかなと感じた。
ほぼ唯一違和感を覚えたシーンである。それだけにしては唐突なエピソードだとも思えるので、他にもっともな解釈があるのかも知れないし、見解の分かれるところかと思う。
しかし、終戦後は米軍から配給を貰って、その美味しさに満面の笑みを浮かべたりとか普通にしているので、やはりこの場面だけがどうしても浮いて見えてしまう。



映画を見終わってから。

耳に残るのは、主人公すずの可愛らしい中にコロコロとした愛嬌があり、過酷な戦争の中にあってもなにか楽しげにすら聴こえる声。これは素晴らしい。この演技だけでこの映画は傑作と言っていいくらい。

その他の印象としては、「戦争映画」なのに泣かせどころとかがない事。
クライマックスはどこかと問われても、「ハテ?」と考えてしまう。
時代背景に比べてドラマ性を敢えて希薄にし、その分日常を丁寧に拾っているようだ。
前半のショートコントが続くような話の進め方が微笑ましければ、そこはそのまま笑って楽しんでいればいいと思う。

爆撃にあったのを境に前半後半が分かれることや、几帳面な伏線と回収の作業が目につくのは記号的、という印象を受けたかも知れない。
しかし記号的と解釈して見るのも正解だと思う。

冒頭で述べたような、時代性による様々な目線全てを、実感として登場人物たちと共有するのは戦争経験者でも無い限り不可能だ。
大体原作者や映画監督からして戦争世代ではないので意味がない。

今の日本で戦争を扱うのは難しく、記号的に理解するしかないのではないか。鬼畜米英と殺しあうのが当然の時代とか、戦車に竹やりで立ち向かうとかいう時代を理解しようとするのに、記号的回路なしには捉えきれないのはむしろ当たり前だろう。
私自身、戦争経験者から話を聞いたことくらいはあるが、話し手の口調と自分の理解に大きな隔たりを感じざるを得なかった。
そこで無理に背伸びするより、引いたところから等身大の日常として描いた事で、より一般に伝わりやすくなっていると思う。
むしろ変に銃撃戦とかやったところで、サバゲーファンが喜ぶだけなんじゃないだろうか。


更に言えば、私はこの映画に「戦争映画」「反戦映画」という印象は受けなかった。
主人公が一日一日を笑顔で埋めていこうとする様に対し、条件として過酷な戦時中を背景にすることでその態度を際立たせる狙いだったのではと思う。

だからこそ終戦後の「この先ずっとウチは笑顔の入れ物ですけ」というセリフには重きがあり、玉音放送を聞いた時の唐突に思える愛国心の発露が、その比重においてそれほど等価なのかと捉え、そう解釈した。




最後にもうひとつ、蛇足かも知れませんが。

実は観終わって耳に残った声はもう一つある。但し耳障りなものとして。
映画が始まってまもなく、タイトルのバックに少し流れていた、
「悲しくて悲しくてとてもやり切れない」という、何か救いようのない切ない歌だ。
私のような一見さんには、これからどんな悲惨な話が始まるのかと構えさせてくれる。
内容と対比させると、主人公が笑顔を絶やさず生き抜こうとしている姿をあざ笑うかの様にも響きかねない。その後のコメディー調の描写とも合致しない。というかまるで逆にも感じられる。
これは特に深い意味のない演出上のミスではないかと思い、ここまで触れなかった。
些細なことと個人的には感じたが、これはあくまでこのアニメ映画についてのレビューなので、気になったポイントにはやはり触れておく。


まあしかし映画監督の仕事というのはなかなか大変なものである。
そのせいもあり、立場もあるので、わがままでないと通らない位だ。

だから、
原作者がどれほど協力的であろうと、出来上がった映画はあくまで自分の作品である。
自らの表現であるので、原作者名などはテロップに数秒乗せるだけでいい。
世間一般にもこの先ずっと自分の作品として残る。
原作をただ忠実に映像化しようなどとは微塵も考えていない。
そこかしこで自分なりのカラーが出せていなければ納得しない。

最低限この程度の事はどの監督にも言えるだろう。
人によっては更に自己主張が強くなる。

このBGMが誰の仕事かは知らないが、監督の作品なのだから彼の主張と受け取って構わないだろう。
有名な歌なのでその点オープニングに使うには便利なのかも知れないが、やはり本編とは相容れない。
おそらくこの辺の表現は、原作と映画との間での齟齬が現れためではないか推測する。読んでもいない原作に肩入れするのもなんだが、終わりまで観て、ここは映像化にあたっての一貫性の欠如かと感じた。

投稿 : 2018/11/25
閲覧 : 291
サンキュー:

11

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土偶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

すずさん、こんにちは

この作品は、すずさんのお話です。
まず、すずさんが居て、たまたま戦争が重なったのです。

なので、戦争反対!や、平和って素晴らしい!みたいな宗教くさい話はありません。

映画が始まり、すずさんが登場、知らず知らずのうちにすずさんに引き込まれ、終わりにはすずさんと友人になれた感覚を覚える。そんな作品でした。

投稿 : 2018/10/03
閲覧 : 212
サンキュー:

7

ネタバレ

Jun さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

終戦関連の話はきらいでも見てしまう、疲れる

できるだけ精一杯、天然主人公を利用して、ポジティブになるようがんばってる。それがまたつらい。日本の第二次大戦は基本バッドエンドの物語なので、のどかな田舎がでてきてもフラッグにしか見えない。スッキリしないし疲れる。わかっていても、この根性と天然に会いたくて見てしまう。暴力によって破滅しなかった、人間として生きる姿勢を見るために。

投稿 : 2018/09/01
閲覧 : 337
サンキュー:

20

ネタバレ

TimuTimu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

この物語も歴史の中の片隅でしかない

元来の戦争アニメは感動ポルノめいた作品ばかりでしたが、この作品はタイトル通り、戦時中の日常を描いたものだと思いました。私自身戦争を体験したことが無いのでよくわかりませんが、戦時中による日常で言うと信憑性があるのがこの作品です。


視聴者を飽きさせない演出や当時の細かな生活風景、少し頭を使ったギャグなど工夫がされているのは目に見えるほど分かりやすくしてくれています。

ただ、のんさんと小野大輔が初めて対話するシーンはさすがに耳が歪むくらい違和感があり、とても気持ち悪かったのは覚えています。
そこさえ慣れれば十分楽しめる作品ではないでしょうか。

投稿 : 2018/08/12
閲覧 : 273
サンキュー:

7

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この世界の片隅にのストーリー・あらすじ

18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。(アニメ映画『この世界の片隅に』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2016年11月12日
制作会社
MAPPA

声優・キャラクター

のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、牛山茂、新谷真弓、澁谷天外

スタッフ

原作:こうの史代、 監督:片渕須直、企画:丸山正雄、脚本:片渕須直、監督補・画面構成:浦谷千恵、キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典、音楽:コトリンゴ、プロデューサー:真木太郎、製作統括:GENCO

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