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「ケモノヅメ(TVアニメ動画)」

総合得点
63.8
感想・評価
188
棚に入れた
948
ランキング
4156
★★★★☆ 3.7 (188)
物語
3.8
作画
3.7
声優
3.6
音楽
3.7
キャラ
3.7

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ケモノヅメの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

〜恋の逃避行〜

全13話
湯浅 政明監督作品(四畳半神話大系やクレヨンしんちゃんの監督)
エロティックバイオレンスホラーラブコメディ作品(長いですねw)
キャッチコピーは「愛した男は敵だった。抱いた女は殺人鬼」

AT-Xで放送がありましたので、タイトルに興味があって観てみました。
お話は、食人鬼の女性と食人鬼を倒すための戦闘集団「愧封剣」(きふうけん)の男性が恋に落ち、「愧封剣」の他メンバーに追われる2人の逃避行を描いた作品です。

食人鬼といっても普段は人間と変わりません。興奮すると食人鬼に変身します。このギャップが凄まじいです。

たまに実写が入っていたり、はっとするような美しい背景になったり、結構実験的な作品ですね。

最初は独特の作画とエログロ描写から、合わないと思って観てましたが、徐々に面白くなってきて、結局一気に観てしまいました。

お話は基本1話完結が多いですが、食人鬼対愧封剣という戦いが根底にあり、違った立場の2人の中に相容れない関係をお話ごとにうまく色々な出来事に取り入れられています。

暗い感じがしますが、コメディ要素もうまく取り入れられているので、最初はそれほど重くならないですね。{netabare}(猿師匠には爆笑しましたw){/netabare}

でも終盤はかなり重い展開になり徐々に伏線が回収されていきますが、だんだん切なくなってきました。でも最後はいい終わり方でした。

個性的な作品なので、合わない人も多いかと思いますが、興味があったら観てくださいね。オススメです。

OP 昔の特撮映画のOPを観ているような作画でした。曲もパンチが効いてますね。
ED 胸に突き刺さるようなバラードです。いい曲です。

最後に、北斗の拳のラオウ役などで有名な内海賢二{netabare}(6月にお亡くなりになられた){/netabare}さん、名演技でした。

投稿 : 2013/10/30
閲覧 : 659
サンキュー:

36

ネタバレ

弥月 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ラストに向けての壊れっぷりが気持ちいい

絵は好みのわかれるところ。
わたしは好きな部類だったので観はじめたけど、後半以降「これはヒドい」と思ったシーンもたびたび。
とくに大葉さん。設定が統一されてないよぉ。
それでも日本昔ばなし的な戦闘シーン、色彩設定がとにかくツボで、一挙に観てしまった。

キャラクターも一途で魅力的。

逃避行に陰謀が絡んで、最後に大爆発する。
エロくてグロくてコミカルで、これぞ大人のアニメ。

投稿 : 2013/09/14
閲覧 : 251
サンキュー:

8

笑い男アオイ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

気になるOP!!作画厨はお帰りを

この作品もうOPを受け入れられるかどうかでほぼ決まると思う
参考⇒ttp://www.youtube.com/watch?v=K-31ZnLihRw

食人の業を背負った食人鬼と食人鬼討伐の一族の物語

まず、独特の絵これは見る人を大きくふるいにかけます。
作画はいいんです。こういうものなんです。意図道理に出来てるんです。ただ、それが分からない人が多い。

アニメを語るうえで最近は作画作画と作画の善し悪しも分かってないのに最高水準のキレイな絵以外は作画崩壊とまくし立てるニワカが多くて困りますね。

作画の話は置いといて、内容はバイオレンスとラブロマンスは相性がいい!!という結論が得られるはずです。食人という我々から見ると根源的に忌避したい事象でありながら食人する側の葛藤などもあり
また、討伐する側の葛藤もあり単なる怪物退治作品ではなく
奇妙なニンゲン関係が絡まってくるエンターテイメントに仕上げてくれています。

食材は奇怪なもの料理人は独特のセンスをもっている
出された料理が貴方が気にいるかどうかは個人の主観ですが
こんな料理もあるんだと食わず嫌いせずに完食したら貴方もこの手の料理が好きになるかもしれませんよ!!

普通の料理は飽きた方とニワカ作画厨以外の方にお勧めする作品です。

投稿 : 2013/08/11
閲覧 : 316
サンキュー:

2

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

オットナ向けでしたねー。

オープニング、かっこいいですね。デビッド・リンチの映画みたい。湯浅監督は逃避行を描かせたら天下一品。

オトナ向け。エロや殺傷もそうなんですが、
他人が痛い思いしてるのを乾いたギャグにしてしまう(冒頭の毎回変わる食人鬼の仕業シーン)とか、
風俗や薬、ズルいことやっても流されても「おとなってそんなもんだろ、むくわれないだろ?」って示す退廃的な部分。

そこそこオトナなので楽しめてしまいました。
でも、主人公がバカみたいに実直で汚れなかったから、それに支えられてたのもあるなあ。(リエとややあったけど…)
おさるや探偵など、信用するに足るハートフルなキャラクターが添えられてたのも、よかった。

悪趣味と儚い感傷を行ったり来たり、どちらも純度が高くて。
甘味のあとの塩昆布、希望のち絶望、その後は?
ある意味そんな表現の集大成である湯浅作品に惹かれてしまう。
塩湖の爺婆なんて、希望のち絶望そのものなんですけどねえ。この塩昆布、デカ過ぎませんかてくらい。


{netabare}

怖かったのは、初めの頃の、勧善懲悪をしてるはずの愧封剣、そこに由香が弔問に訪れた際のシーン。皆がハキハキと食事に強引に誘いこみ、穏やかな会話が次第に詰問へと変わるジワジワした流れ。どっちが鬼なんだと。ほわっとした椎名へきるさんの声が追い詰められて上ずるの。

寂れた観覧車での「ねぇー、おさむらいさぁーん」とか、女でもドキドキするような声がいっぱい聞けました。

大葉は最後まで行くとこまで増幅されて、そんなものとの闘い方なんて、サッパリ分からなかった。
実際こうやって、選択肢を拡げると見せかけて狭めて支配している製造業、コマーシャル文句に踊らされて本来必要のないささいなものを膨大に買わされ続けてるのに、気づき方もわからなくなっている方々って、いっぱいいますよね。
{/netabare}

投稿 : 2013/08/03
閲覧 : 270

coldikaros さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

前から思ってたけども

「四畳半神話体系」を初めて見たころからなんとなく思っていたことだけれども、この湯浅監督はたぶんアニメファンとかではないような気がします。
どちらかと言えば、映画的な展開とカタルシスの描き方をしているように感じます。そこにアニメでしか描けないファンタジーか何かのような独特の描写をねじ込んでいる形だと思います。
まぁそんなことは置いておいて、この作品は湯浅監督が初めて監督したTVアニメです。この作品の系譜はどちらかと言えば、次作の「カイバ」よりも、「四畳半神話体系」に受け継がれています。
ですので、「四畳半」が好きな人なら、こちらは正直それなりにエロいしグロいですが、それが大丈夫なら面白く見られるでしょう。軸となるストーリーは至ってシンプルですし。
「カイバ」は彼の作品の中でも異質な、ダークな方面に大きく傾いていて、さらにストーリー性を重んじた作品ですので、あれはまた別物です。
この作品の内容は、簡単に言うと化け物と人間の恋ですね。古くから描かれてきた美女と野獣のスタイルです。まぁ男女逆ではありますが。そこに当然いろんな物事が絡んでくる訳です。
また、この監督さんの作品はその自由な作風ながらも、現実世界と満更かけ離れた世界観ではなく、どこかしらでリンクしているためリアルさを感じることができます。
そんな世界観をあのファンタジーのような絵のタッチで描いていますから、強烈な違和感を覚えますね^^;
まぁそれを狙っている絵なのでしょうが。
おすすめは・・・できないかもしれないですね^^;
初めからこの作品を見るのではなく、「四畳半」や「マインド・ゲーム」などのグロなどのない作品を見てからの方がいいと思います。
他の作品を見たのなら、この作品を見ない手はないでしょう。

投稿 : 2013/05/29
閲覧 : 307
サンキュー:

6

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

あークセあるわぁ

ちょっと敷居が高いです(R-15だし)。観る人選びますね。私は全部観るの苦しみませんでしたけど、合わない人はOP切かもですね。
人間と食人鬼が太古の昔から共存してるという世界。そこで1000年前から食人鬼を狩る家元の長男と食人鬼に生まれた美女の関係を時に可笑しく、特に惨たらしく、時にエロっぽく描いています。…そもそも食人鬼が生まれたのは…。

私のツボ:愛は強欲?

投稿 : 2013/05/12
閲覧 : 226
サンキュー:

4

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

マンネリ打破!!ドロドロ濃厚豚骨スープ作品

■評価
ストーリー:★★★★
作画   :★★★★
声優   :★★★
音楽   :★★★
キャラ  :★★★★

■感想
大まかなストーリーは、町中に潜みひっそりと
人を食らい生き長らえてきた食人鬼が住む世界。
そんな世界で古の時代から代々食人鬼を退治してきた
秘密組織である愧封剣の次期党首(俊彦)が
あろう事か母親似の女食人鬼:由香と恋に落ち
駆け落ちする事から話は進みます。

この作品の特徴は独特の作画と濃厚な人間関係と
エログロ描写となっており、かなりこってりした
作りになっているので、ごちゃごちゃして分からない方は
以下2点に注意して観賞してみると楽しめると思います。
1.俊彦と由香そして弟の一馬と元許嫁の利江で
 繰り広げられる大人の事情が複雑に絡んだ泥沼の
 人間模様(恋模様)
2.先代の愧封剣3羽鴉達の嫉妬と肉欲そして野望に
 まみれた人間模様

この2点を軸として物語は展開し、前半にまかれた
様々な謎が後半にテンポよく全てタネあかしされます。
この流れを理解できればお腹いっぱい楽しめます。

個人的な意見ですが、この作品の悪い点は物語後半で
ラスボス(名前は言いません)がキチガイ過ぎるくらい
ハチャメチャな人格描写である事と、それに翻弄され
すぎている主人公たちの過酷な運命に途中で胸糞わるく
なる事が多々ありました。
(作者の術中にハマってるかな??)
また癒し系や過激なエログロ(内臓見える)が苦手な方は
避けたほうがよいと思います。
私は楽しめましたが、一気見したせいか少し食傷気味…||||

そうじて大人むけ作品で、作者がかなり情熱と
こだわりをもって作り上げた苦味のある作品だと
感じます。汎用作品に飽きたという方にお薦めの
マンネリ破壊作品です!!

投稿 : 2013/04/14
閲覧 : 296
サンキュー:

7

ネタバレ

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

肉欲と愛と B+

一番最初に断らなければいけないこととしては、この作品は絵柄を重んずる人にはお勧めできないということです。最低限、公式HPでキャラクターの絵柄を確認してみてからにしてください。

物語をごく簡単に述べると、食人鬼を狩る「愧封剣」の師範代である桃田俊彦と、食人鬼の上月由香の許されざる愛の行方についてです。公式HPでは「ホラーテイストのバイオレンス・ラブ・コメディ!」と謳っています。

本来なら、この作品について満遍なく述べることができればよいのでしょうが、私の感じたことが少し偏っていると思いますので、どうかご了承下さい。また、読み手によってかなり卑猥と感じるような内容を含みますので、この先のかなりの部分を隠させていただきます。

{netabare}「愛した男は敵だった。抱いた女は殺人鬼。」とあるのをそのまま体現するかのように、濃厚なセックスシーンがあります。非常に生々しくて、いわゆる萌えとはかけ離れていますが、情欲をかきたてるのはむしろこのような描写なのだと感じました。よくあるエロアニメとは一線を画していると思いますので、この点もご注意いただきたいと思います。

この作品では肉欲とボーダーレスなものとしいて愛が描かれているように思えます。何も肉欲を蔑んでいる訳ではありませんし、むしろそこから発展する愛なんて無数にあるように思います。むさぼるように求める愛というのは描こうとしてもなかなか難しいように思いますが、この作品ではそれを直接的に表現しようと試みているので、見る人によっては拒否反応を示す可能性があります。

さらに徹底していると思ったのが、エンディングに花が出てきていることです。花は雄しべと雌しべ、それを護るように花弁があります。これらをそれぞれ、男と女、そしてベッドと置き換えてみるとどうでしょうか。OPがバイオレンスを表したものとすれば、EDはラブを(特にその秘め事の部分を包み隠して)表現したものであると思います。勝手な想像でいやらしいと思われたかもしれませんが、これは私が他でも見かけた隠喩です。{/netabare}

等々・・・私のように余り気にし過ぎなければ、普通にエログロアニメと捉えるでしょうし、それが妥当だと思います。

本作の絵柄は、荒々しいイメージのアクションシーンをより引き立てている反面、グロシーンに余りリアリティを与えずに済んでおり、視聴を容易にする役割を果たしていると思います。ストーリー展開も、最後の方で「んー?」と思う部分もありますが、落とし所はまあ納得できるまとめ方をしていると思います。ちょっと変わった絵柄に惹かれた方はぜひご覧になってください。OPだけでも是非。思わぬ拾い物をするかもしれませんよ。

色々と述べてきましたが、単に私がスケベなだけなので、許してくださいね。

投稿 : 2013/03/09
閲覧 : 494
サンキュー:

16

ネタバレ

アン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

登場人物
【桃田俊彦】…主人公。30歳。真面目な男。
【上月由香】…ヒロイン。食人鬼の美女。
【桃田一馬】…桃田家の次男。25歳。俊彦の異母弟。
【桃田十蔵】…68歳。人格者。
【柿の木利江】…柿の木刃の妻の連れ子。27歳。
【大葉久太郎】…三羽ガラスの一人。67歳。
【上月春美】…食人鬼の美女。由香の母親。

主題歌
OP【オーヴェール・ブルー】
ED【好き】

感想
絵はあまり好みではありませんでした。
内容は、面白かったです。

投稿 : 2012/09/30
閲覧 : 246
サンキュー:

3

奈悠 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ツメの味って、分かりますか・・・?

公式サイトより
卓越したセンスと独創的なビジュアルで作り上げたオリジナルアニメ
『バイオレンス』と『ラブ・ストーリー』が交錯するハードボイルド

謳っているだけはある。
このセンスは引きつけるだけ魅力ある作品である。
そして独創的なビジュアルは万人には受けないだろう。

しかし魅了されたら最後まで息を飲まずにいられるだろうか。
強力なインパクトはアニメの枠だけでは語れない作品だ。
1話が見れたなら是非とも要約が詰まっている4話までは見てほしい。


性欲にはどんなに精進しても勝てるわけがない。
それは自然の摂理だし自然な事。
それを斬新かつ極自然に情熱的に表現してる。
普通に考えたら食人鬼と化した女を抱けるだろうか?
というか、女の体を保てないのでは?
でも、行為が続行可能と言う事は大事な所は・・・。
変な方向でもまじめに考えてしまった。

上のように考える余裕が持てるのも理由がある。
全体的にかなりエロくバイオレンスな描写が多い。
しかしほのぼのとした描写やコミカルな描写も多々あるからだ。
それぞれが上手く溶け合って緩急の見せ方は本当に素晴らしいの一言。


最後に・・・
だからあのサルは一体何者だったんだと・・・w

投稿 : 2012/08/02
閲覧 : 357
サンキュー:

5

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

エロティックバイオレンスホラーラブコメディ~?とある家族の壮絶な愛の味

2006年8月から11月までWOWOWで有料放送されていたせいで
知名度が低いのか。
あにこれでもレビュー数がとても少ないのが残念でならない。
監督は湯浅政明氏。全13話。70年代によくあったようなOPの演出と
ジャズのビッグバンドっぽい音楽、気性の激しさを感じるフォントがカッコいい。

【愛と欲と哀しみと】

食人鬼を狩るため、いにしえの時代から続く戦闘集団「愧封剣」
「愧封剣」という技は元々、「己の心の中にある鬼を封ずる技=救済でもある」
ということが1話で語られるのだが、この言葉に納得しながらも、
観終えた翌日の今日もまだ、余韻に浸りながらこの意味を考えていたりする。

「愧封剣」の師範代である桃田俊彦は、食人鬼の上月由香と恋に落ち逃亡。
しかし単なる逃亡劇にとどまらず、恋愛だけではない家族愛、親子愛、
そして無償の愛へと話が発展していく壮大さは見応え充分。

食うものと食われるもの、いわば天敵なのだが、見方をガラリと変え
食欲と性欲という密接に繋がった本能を主軸においた場合、
この作品はまさしく「愛と欲望の物語」なのだということに気づく。

しかし、愛や欲望なんて言葉にしてしまうと、ただただ相手の身体をむさぼり
溺れていくイメージが強くつきまとってしまいそうだが、、
それだけではない重みや、複雑な哀しみがこの物語にはあって、
各登場人物たちの過去や心情、事情などが明らかになっていくにつれ、
観れば観るほどに、どんどん惹き込まれていった。


【魅力ある登場人物たち】

ネタバレになるのであまり詳しくは書けないが、
食人鬼のボス的存在の男も、なかなか男気があって魅力的だったし
6話や最終回で見せた異常なほどの大男、”ぼんちゃん”の気の優しさや、
ぼんちゃんのパパで、この物語の大きな鍵を握る大葉氏の狂気も
必要不可欠な存在であり、人間離れしながらも人間的なところは
あまりに哀れすぎて同情してしまうほどだった。
また、本能に素直で正直で、不死身かと思うほどの強靭な身体能力と
精神力の持ち主である俊彦は由香や利江でなくとも、
惚れてしまうセクシーさがあってすごくいい。

でも、俊彦の腹違いの弟で、父亡き後の「愧封剣」のため奔走した一馬や
一馬を支えつつ、許婚だった俊彦への自己犠牲的な深い愛情を示した利江、
そして彼らの父親たちの複雑でせつない想いにも泣けてしまった。
もちろん、由香と俊彦の深い絆と信頼、愛情にも・・・
それを象徴する、最終回のエンディングに登場する一枚の写真には、
「愧封剣」の真の意味を感じ取ることができ、こみ上げるものがあった。 


【印象に強く残った食事風景】

また、9話での老夫婦のエピソードもなかなか良かったし、
塩湖での、つかのまの幸せなひとときはちょっと幻想的で、
心に刻み付けたいシーンだった。 
それだけに、その直後の光景は衝撃大きかったのだけどね。。
ただ、6話の由香の誕生日と9話での老夫婦との食事のシーン、
利江の父親を訪ねていった時に出されたコーヒーなど見るに、
料理や飲み物は、その味そのものはもちろん大事だけど
それ以上に、「美味しいね」と微笑み合える関係と信頼のほうが
重要なんだなとあらためて考えさせられた。


【この作品の魅力】

映画やドラマのパロディも、シーンやセリフの中にちらほらあり、
ギャグとシリアスのメリハリあるバランスが絶妙で、
スパイスの効いたロマンスと辛口なアクションの匙加減にしても、
人間のエゴや愚かさ、本当の悪とは何かを、これでもかというほどに醜く描き
悪夢としか言いようのないグロテスクさとエロの曖昧な境界線までをも
露にしようとした試みにはほんと、飽きさせないなんてもんじゃなく、
恐れ入りましたという感じ。
また、アクションで特に発揮するカメラワーク、音楽の使い方も良い。
特にサンタラの唄うエンディングテーマ『好き』は、この物語のために
書き下ろされたとしか思えない歌詞で、その言葉選びも秀逸。
ちなみに全13話のサブタイトルを見ると、甘い、辛酸、苦味、しょっぱい、
隠し味や蜜の味、などの味覚を表す言葉が含まれているのだけれど、
最終回のタイトルは「味は関係ない」と締めくくっているのも、
いろいろな含みがあって素敵。

どれひとつとっても個性が強くて、おそらく万人受けはしないのだろうけれど、
個人的には今まで観てきたアニメの中のベスト10に入る作品になった。

そして湯浅氏の作品での特徴かなと最近気づいた雨の多用、
激しいアクションシーンで、しかも人の感情の昂ぶりや怒りに比例するがごとく
効果的に使われており、雨の降り方も強弱つけてあって、
そういうさりげなく繊細な部分も好みだ。

つくづく、アニメって総合芸術なんだな、と改めて気づかされたことが
観て良かったなと思ったし、嬉しかった。


最後に、記憶に残ったセリフのひとつ・・・
「気持ちだけで話すな。現実を見ろ!」

自分自身にも時々言い聞かせたい言葉だった。


【観終えたあとに考えていること】

それにしても、人を食べる・・いわゆるカニバリズムとは何だろう?
密林の奥地の人食い族には、どんな秘密と真実があるのだろう?
遭難などして飢餓状態にある時の、生き延びる手段だったり
宗教的なものの他に、確実に太古の昔から存在する事実。
学生時代、この「カニバリズム」について少しだけ探求してみたことが
あっただけに、今回の物語はすごく興味深かったわけなのだけれど、
側面的なことしか、まだ答えが出せていない。
もしかしたら、SMというフィルターを通すと案外、
わかりやすい答えが叩き出せるような気もしている。

究極の自己愛か、本能100%の真の性愛なのか食欲なのか。
冒頭で若い男が「食った(寝た)女の話」を友達に自慢するシーンが
描かれていたが、本当に「食う」のはそんな生ぬるいものじゃないなと
観終えてみてそれだけは今、感じている。

投稿 : 2012/07/29
閲覧 : 1450
サンキュー:

42

tsunacan さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

独特

独特な表現のアニメです。
線の表現が非常にラフで、あまりに思い切っているので何度も観返したくなります。

ハードボイルド、というのでしょうか?
演出、キャラクターが渋い。OPも渋いw

内容は…「ギャグ」ではなく「コメディ」でしょうか?
画面の配色は一見シリアスですが、前編通しておふざけとも言えますw
逆にギャグっぽくみえる回がシリアスな内容だったと記憶しています。

投稿 : 2011/12/05
閲覧 : 278
サンキュー:

2

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

一見ドロッとしてそうで最後はスカッとする面白さ

評価は省略。視聴を終えて大分経ってからの感想。

全体:オリジナルでここまでのものを作る湯浅政明のこれからがとても楽しみ
作画:キャラデが作品の空気作りに成功していた
声優:マッチしていたように思う
キャラ:話が重くなりすぎないように配慮されていた

投稿 : 2011/10/31
閲覧 : 286

さっちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

湯浅監督!

軽く食欲なくなる感じ^^
一気に見たので少し疲れた。

投稿 : 2011/04/08
閲覧 : 453
サンキュー:

0

ある晴れ日曜 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.6
物語 : 1.5 作画 : 1.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

作画はクセあるし、展開の仕方がちょっと・・・

個人的な感想です。

作画が汚くて、1話30秒で見る気をなくしました。けど、我慢して見続けました。中盤はまぁ普通に見れます。けど、話しはあまり膨らんでいかないし、ライバルキャラがご大層に出現しますが、それも膨らまないし・・・。

終盤なんか、「そりゃね~だろっ」「なんでもアリかよ」とつぶやいてしまいそうになるほど、無敵のアイツが出てきます。
感動も、悲しみも、笑いも何も無い心の琴線にまったく触れない作品です。

逆に良いレビューを見たいわ。

投稿 : 2011/02/21
閲覧 : 434
サンキュー:

0

おもり さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/12/22
閲覧 : 13

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/09/01
閲覧 : 23

もっちょん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:途中で断念した

投稿 : 2023/05/14
閲覧 : 15

イシクラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2021/10/07
閲覧 : 27

ルカ☆ルカ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2021/07/03
閲覧 : 9

ぷのすけ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観たい

投稿 : 2021/01/11
閲覧 : 38

clepp49491 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2020/12/24
閲覧 : 63

R さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2020/12/22
閲覧 : 31

ニャンキチ君 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2020/10/23
閲覧 : 29

Gz さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:今観てる

投稿 : 2020/10/05
閲覧 : 32

anikorepon さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2020/09/27
閲覧 : 33

レタスの人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2020/02/17
閲覧 : 63

グルメキング さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2019/08/23
閲覧 : 70

ウンベルトA さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2019/08/22
閲覧 : 65

踏切太郎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2019/07/11
閲覧 : 67
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ケモノヅメのストーリー・あらすじ

食人鬼を狩るため古より続く戦闘集団「愧封剣」。その師範代である桃田俊彦は、事もあろうに愧封剣館長殺害の疑いをかけられた食人鬼の上月由香と恋に落ち逃亡してしまう。俊彦の弟の桃田一馬は、逃げた二人の追跡と愧封剣の館長職を継いで愧封剣の運営に乗り出す。元愧封剣メンバーの大葉久太郎の助力を得て組織の近代化を進める一馬だが、最近の食人鬼の激増による連戦で疲労の頂点にある隊員達と、 これを機に影の存在であった愧封剣を社会にアピールしたい一馬の間で亀裂が生じはじめる。(TVアニメ動画『ケモノヅメ』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2006年夏アニメ
制作会社
マッドハウス
公式サイト
www.wowow.co.jp/anime/kemono/
主題歌
≪OP≫勝手にしやがれ『オーヴェール・ブルー』≪ED≫サンタラ『好き』

声優・キャラクター

木内秀信、椎名へきる、吉野裕行、柿沼紫乃、筈見純、内海賢二

スタッフ

原作:湯浅政明/マッドハウス、 監督:湯浅政明、シリーズ構成:湯浅政明、キャラクターデザイン:伊東伸高、色彩設計:大武恭子、美術監督:河野羚、音響監督:中嶋聡彦、音楽:若草恵

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