じぇりー さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.5
作画 : 2.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 1.0
状態:観終わった
【注意】震災トラウマのある方の視聴は慎重に…
と、表題には書いたものの、私自身も被災経験があるが、冒頭の震災のシーンはそれほど見てて辛くなる…ということはなかった。当然、思うところや感じることは色々あったけれど。
ただ、今のご時世このアニメを見て、何も感じないということは、もうないと思う。
むしろ、私が戦慄を覚えたのは、他国による「復興援助」という大義名分を掲げた事実上の簒奪行為や政治的介入、そして国が2つに分断されてそれぞれ別の政府が立ち上がることにより、もはや別々の国家になってしまうこと、そして台湾への難民となった日本人たちが{netabare}受ける迫害や差別、そしてそれに抗うためにテロリストとなってしまう姿だ。{/netabare}
もちろんこの話はフィクションだけれども、実際に、このアニメのような日本の中枢を壊滅的にさせてしまう災害が起こっても、このような状況には陥らないと、言い切れるだろうか。
「黙示録」という言葉が示す通り、私はこの物語をある種の予言…というか、「首都圏、関西主要都市、中部地区が一気に大災害を被ると恐らくこうなるよ」という「予測」と捉えた。
本アニメは80分程度でそれぞれ「海峡」編と「国境」編の2話構成だ。特に前編の海峡編は、震災のシーンからその後の政治的な動きが非常にリアルに描かれており、この物語の世界観が出来上がるまでの内容を含んでいる。
後編でようやく主人公が動き出し、日本を変えるべく旅立つまでの様子が描かれている。
娯楽作品では全くない。観終わった後の気持ち良さなんてまるでない。
向き合えるかどうか、観ていて試されている気がしたアニメだった。