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「心が叫びたがってるんだ。(アニメ映画)」

総合得点
78.4
感想・評価
1202
棚に入れた
6295
ランキング
556
★★★★☆ 4.0 (1202)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
3.9

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心が叫びたがってるんだ。の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

みつき さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

「スクランブルエッグだ」で笑ってしまった

口は災いの元だけど、声に出さないと思いは伝わらない。言葉には相手を傷つける力と幸せにする力がある。そんな大きな力を使うということに私たちは細心の注意を払うべきだし、また逆にその力が及ぼす影響に怯えず勇気を出すべきだ。そんな事をこの作品から受け取った。

{netabare}玉子と王子の声優が同じことから玉子=王子、王子は主人公にとって助けてくれる存在だけど、玉子の中身は結局自分。つまり王子=主人公だった。主人公は自分で自分を助けた。つまり王子だと思っていた彼は王子ではなかった。だから結ばれずに振られたのかな。知らんけど{/netabare}

投稿 : 2024/10/16
閲覧 : 44
サンキュー:

4

ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」との類似性に困惑してます。

 最近押見修造氏の「志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2012年)」を読んで、あまりにもこの作品(2015年)とそっくりでびっくりしました。安易にパクリと糾弾するつもりはないです。
 押見氏は群馬県桐生市が出身で山に囲まれた閉塞感が名作「惡の華」につながったのと同様、本作も秩父市という閉鎖空間ですので似たような話が偶然できたのかもしれません。読み込んで、見比べれば全然違うかもしれません。

 が、現状では非常に憂鬱です。せっかくいい映画だと思っていたのに…いや、それは今の印象でしかないので、すこし頭を整理してから見比べるかもしれませんが、一旦評価は「評価せず」の意味でのオール3にしておきます。あるいは本作、この作品はそのままにして忘れた方がいいかもしれません。




以下 22年1月 レビュー

音楽(拓実)+歌(成瀬)=ミュージカル(救済)じゃないの? ちょっと追記

 ストーリーは結構単純です。あるイベントを通じてメインキャラ達が、それぞれ自分の言いたい事を言うという話です。面白かったですが、不満はあります。

 スタートが結構強烈で掴みはすごかったですね。これが言葉を失うという端的なキャラ設定で本作の言いたい事を明確に提示できたのは良かったと思います。玉子と王子をひっかけたのも面白いですが、殻を破るというメタファでもありました。ここはオカルトではなく成瀬の内面なんでしょうね。

 テーマはわかりやすく題名の通りですね。家族の崩壊やSNS時代ならではの、本当のコミュニケーションについてが言いたいことでしょう。ただ、部活の先輩後輩問題とかクラスの無気力とかちょっとゼロ年代の雰囲気もありましたね。そういえばガラケーを使ってましたし。

 ストーリーは110分くらいはあると思いますが、それほど長く感じないくらい良くできていました。若干前半間延び感はありましたかね。
「痛い」場面も結構ありますが、そもそもこの題名のアニメを見ようと思う人は受け入れられると思います。

 大人たちのクズッぷりとか、音楽の先生もクラスメイトもステレオタイプ過ぎとか文句はありますが、全体的に幹になる成瀬と拓実の家族、菜月拓実の過去の事、大輝の野球部、実行委員の奮闘とエピソードの積み重ねで、それぞれなかなかいい話でした。

 で、結論ですね。{netabare} ストーリーとしてあそこで逃げる展開というのは別にいいと思います。テーマ的にも本当の本当に言いたい事を言わせないといけないのはわかります。

 ただ、成瀬が拓実とくっつくという結論を避けた意味ですよね。菜月の言いたい事を表現するにはそうなんでしょうし、大樹が成瀬のことを好きになるというのも、彼の性格的に改心したきっかけから考えて良いと思うんですけど…どっちがいいんでしょう
 はっきり言えば私は拓実が成瀬を選ばなかったのは、心情的な不満もありますが、音楽+歌=ミュージカルによる救済の構造が崩れたような気がしました。
{/netabare}

 ここから先は、まあ、愚痴です。ちなみに評価は4ですが、心情的には60点と言いたいところです。私が幼稚な見方しかできなかったせいなんですけどね。この結末の意図は分からなくはないです。
 ただ、せっかくのミュージカルの意味がどこかに行ってしまった気がしました。


{netabare} この4人恋愛だけでなく、物語を通じて拓実以外は結構キャラ造形というか性格が結構共感できるんです。ただ、拓実ですよね。彼の考えていること、家族問題の中身が薄い気がしました。

 ミュージカル=音楽を通じて成瀬が心を開き卵の殻を打ち破れたわけです。音楽が拓実側のアイデンティティとしたら、歌が成瀬のアイデンティティです。
 弾けなくなったピアノを使わせる気になったのは成瀬の歌だったはずです。この音楽+歌=ミュージカルという構造で、ミュージカルのイベントを通じて4人が救済されるはずなのにこの構造が壊れてしまう気がしました。

 拓実が離れるということは成瀬の救済がないという意味になると思います。ここの辻褄を合わせるために大樹を使ったように見えました。そして、成瀬エンドでない場合、拓実の救済はどこだったんでしょう?

 こう考えたとき拓実の家族問題が取って付けたような、一番上滑なエピソードな気がして、更にいうと拓実のキャラ自体が見えなくなってしまいました。恋愛の行方は青春なので仕方がありませんが、拓実とは誰だったのか、というモヤモヤが残りました。
{/netabare}



直後の追記 少し冷静になってからです。さっき60点と言いましたが、やっぱり78点ですね。

 レビュー書いたのが、さっき見終えたばかりでダーっと書いたので、感情丸出しでした。まあ本当はわかってたんですけどね。ミュージカルの歌詞の時点で首を斬られて初めて言いたい事が流れ出るという感じでしたので。

{netabare}  救済が恋愛ではなく「言いたい事を声にだして言う」にするために、2人をくっつけてはいけなかったんでしょう。あの廃墟のラブホでの成瀬のセリフが本作のやりたい事だったんでしょうね。城=ラブホは呪われた場所ですもんね。王子は救済じゃないよ。きっかけだよ、と。
 それに、初めから成瀬は大樹に対して一生懸命叫んでましたし。成瀬が拓実とくっつくと、それは成瀬の逃げ場というか依存になりそうですし。

 ただ、だったら拓実と菜月はくっつかないほうが良かったかなあと。お互いが過去を反省して解り合って、それぞれの道のほうがスッキリする気がします。 {/netabare}

投稿 : 2024/09/14
閲覧 : 282
サンキュー:

17

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

愛おしい世界。アニメキャラアニメキャラしてないデザインでも素晴らしい

最高だ!、と叫びたくなる傑作。


まず、作画のレベルが段違いに凄い。ド派手なシーンはないけど、命無き絵に命を与えるというアニメーションの快楽を見事に成し遂げている。このトリオの作品はテレビの時点で素晴らしかったが、劇場版だけあってより凄い。


主要メンバーだけでなく、脇役たちも味があって良かったが、特に細谷さん演じる田崎君が本当にツボだった。ラストのみんなの合唱に合わせて、今まで舞台になった場所が次々に映るところでもうジーンときてしまった。愛おしいキャラ、愛おしい世界、あ~テレビとかでもっとじっくり見てぇ~!。

投稿 : 2024/07/01
閲覧 : 558
サンキュー:

31

ネタバレ

シボ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

言葉は時に人を傷つけるし、時に人を救います!

幼き頃の山の上のホテルでの出来事。

想像力豊かだった少女は、父親の出ていく時の言葉の刃で
きっと必要以上に心を傷つけられてしまったのでしょう。

そんな心に傷を負ったままの高校生少女成瀬順が、
ある日「地域ふれあい交流会」の
実行委員会に
坂上拓実、仁藤菜月、田崎大樹の3人と共に選ばれることから
動き出す青春物語です。

実行委員会のメンバーは
それぞれが悩みや葛藤を抱えていて序盤は他の人に気持ちを思いやる
余裕なんてありません。

時に心の声を爆発させてひた向きに頑張る順の姿が徐々に
周りの空気感を変えていきます。

言葉を発せないけど、携帯での高速タッチによって溢れ出る思いを
ぶつける順に対して
言葉を発せない彼女を色眼鏡で見ることなくそのちょっと面倒な
やり取りにも真摯に
付き合う優しい拓実は、順の苦しかった心の傷を知って寄り添う
うちに無自覚だった自分の傷も少しずつ意識し、癒されていきます。

そんな二人の関係がとても素敵でした!

付き合っていたのにメアドさえ知らなかった菜月とはうまくいかなくて
当たり前だし、菜月が順に嫉妬するのもわかります。

すぐ熱くなるけど間違っていることを認めることが出来て、
後輩にでさへ実直に謝ることの出来る田崎。
拓実への想いがありつつも実行委員として頑張る菜月。

何気に凄いのはこのメンバーを選び、やんわりと
導いていく先生なんですけどね~。

そして一生懸命な姿にほだされて、クラスがミュージカルの成功と
いう目標へ向ってまとまっていく姿がなんだか熱くて、眩しくて
観てて気持ちが良かったです。

そしてクラスで作り上げたミュージカルが素敵なんです!!
ミュージカルってセリフがそのまま歌になったり、
突然踊り出すキャストに意味がわからないって苦手な人も多いと
思いますけど、
自分は歌やダンスが元々好きだったり、わりと
とんでも設定も受け入れられるせいなのか大好きなんです。

順が実体験をもとに考えるオリジナル作品。
舞台ならではの空気感や臨場感、手作り感が伝わるこの子達の
一生懸命の発表シーンは、もし現場の体育館で観てたら感動した
だろうな~って思える暖かさがありました。

自分を救い出してくれると信じて恋心を抱いていた拓実の気持ちを
知ってしまい本番直前に逃げ出してしまった順。

山の上のホテルでの順と拓実の言葉を尽くしてのぶつかり合い。
「しゃべったりするから不幸になった」
自分のおしゃべりのせいと苦しむ順に拓実は
 「傷ついても良いから本当の言葉を聞きたいんだ」
順に心の声を叫ばせます。
そしてそれは自然と涙する拓実の心も開きます。

「私・・言いたい事、もう一つあった。 私坂上君が好き!」
順のむき出しの気持ちに正直に答えるしかない拓実
「ありがとう、でも俺、好きなやついるんだ!」
  「うん、知ってたよ」

順が埋もれてた心の声を思いっきり叫ぶのに対して
拓実が本当に優しく落ち着いた相槌で返すこのシーンはとても
素敵でした。

それなのに、失恋しちゃう順の姿に泣けちゃったよ~~。
本当の心を伝えるって素晴らしいけど切なくもありますよね。


終盤、舞台への順の登場シーンは
ハプニングもミュージカルに奇跡は付き物って言っちゃう
先生の言じゃないけど
ピンチを最高の演出にしちゃう展開に感動させられちゃいました><!
(娘の辛い気持ちに気づいて母親が涙する最中
後方から歌いながら歩んでくる順の姿、歌声がとても堂々としていて
伸びやかで、あ~~いつの間にか涙溢れて止まらないよっ・・)

そしてベートーヴェン「悲愴」
 オズの魔法使いの「Over The Rainbow」二つの楽曲が絶妙に
絡み合う順と菜月のハーモニーから全員での合唱でのフィナーレ。

こんな暖かくて心のこもった合唱は涙止まりません・・・。

舞台終了後の高揚感、達成感もあってか
直球勝負の田崎の順への告白に驚いたもののなんか微笑んじゃいました。
(こんなにも感情豊かで熱い情熱をもって一生懸命に殻を破ろうと
頑張る順を好きになっちゃう田崎君は分かってます。
驚いて顔を赤くして動揺する順がやっぱり可愛い~~!!)

そして拓実と菜月、真っすぐ向き合いやり直そうって姿に
やっぱり青春いいな~って思えるラストでした。

乃木坂の曲でのエンドロールは、
若くてキラキラした青春を感じる華やかな楽曲で意外と良かった。

本音をぶつけられる素晴らしさ、行動する若さの素晴らしさ
爽やかな余韻が残る素敵な作品でした。

投稿 : 2023/06/26
閲覧 : 334
サンキュー:

31

ネタバレ

ハル さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 1.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ミュージカル

ミュージカルに本気で取り組む青春ラブコメ。キャラの設定が良く最後まで観ましたが…エンディングで、はっ?てなりました。フラグ立てまくっておいてコレ? 

投稿 : 2023/01/12
閲覧 : 206
サンキュー:

1

ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

たまには心で叫ぼう!

世界観:6
ストーリー:7
リアリティ:7
キャラクター:7
情感:6
合計:33

幼い頃、何気なく発した言葉によって、
家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。

そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。
 高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月。彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。
(公式サイトより)

近くのレンタル屋で目に入り、以前に話題になっていたことを思い出して視聴することにしました。

1周したときの感想は、「TARI TARIの心情描写を少し丁寧にした感じ」というものでした(あの花の制作スタッフの作品ですが)。音楽系の出し物に取り組む青春劇という点や、終盤の強引さにちょっと惜しいと感じてしまったという点で想起するものがあったからだと思います。評価点もTARI TARIと同程度となっています。

リアリティ重視派として見て、2時間のうちの1時間半までは大きな違和感はなかったです。例えば、{netabare}クラスの出し物に対する生徒の冷ややかな反応とか、途中から変わりましたけど、最初の田崎が先生相手でも悪ぶった態度{/netabare}とか。心情描写がしっかりしていて、背景の作画もさすが映画そしてA-1 Pictures、と思いました。

世界観は現実に即しており、物語は{netabare}、冒頭のお城のくだりは面食らいましたけど、うまくまとまっています。タマゴの設定を成瀬の空想だとしたのも好感ですし、リアリティは下落要因ですが成瀬を捜しにいくシーンと劇をシンクロさせており巧みでした。恋愛部分をうやむやにしなかったことも{/netabare}評価。

リアリティは、最後の30分で評価が下がったのですが、これは{netabare}成瀬がいなくなってしまったところからです。いなくなってしまったこと自体にも共感はできませんが、成瀬にとって自分の王子様がいなくなってしまったショックは大きかったでしょうし、純粋な恋愛感情の表現として理解できます。問題はその抜けた穴を、直前で代役を立てたところです。さらに、途中から成瀬が合流。段取りは先生が手腕を振るいましたが、現場は混乱してしまいますよね。それから、坂上が成瀬を簡単に探し当てるところは、お城の話を聞いていたことも伏線としては弱いような気がします(お城を隠れ家にしていたなどの描写があればわかりますが…)。{/netabare}
なお、2周目では、突っ込みたくなるところも一応は説明しようとする描写があるなど、最低限は配慮されていることに気が付きました。

ミュージカルは、{netabare}ヒロインが2人になった所から観客はついていけなくなるように思われ、最後の歌も、両サイドで違う歌詞を歌うと、致命的に聞き取りができなくなりました。まあ、クラスの出し物ですので、これはこれで良いと思いますけどね。{/netabare}

キャラクターは、デザインは並ですが(坂上はあの花のじんたんを思い出しました)、心情描写は一部(成瀬)を除けば理解できますし、言葉の重要性をテーマにした作品ですので、所々でぐっと来ます(あの花程、うるうるとはなりませんでしたが)。

{netabare}言葉は時に人を傷つけますが、傷つけたことによって自身も傷つく諸刃の剣ですよね。だから、そういう鋭利な言葉は自分のためにもできるだけ使わないように心掛けています。しかし、それに慣れるのもどうなのか。逃げないで切り込んで自分も傷ついて打開しなければならない場面もあるはずですので、逃げるだけの人間にならないように気を付けたいです。それを確認できたのは良かったですね。たまには心で言いたいことを叫ぶ訓練をするのも良いかもしれません。{/netabare}

今回は声優も気が付きました。成瀬はレムの水瀬いのりさん、先生(城嶋)役はココロコネクトの先生(後藤)役でもあった藤原啓治さんですね。

2時間で良作を見たいと思う方にオススメの作品です。

<2022.8追記>
泣けてはいないので、情感を6点に変更しました。

(2016.9視聴、2017.2、2017.6、2022.8調整)

投稿 : 2022/08/26
閲覧 : 432
サンキュー:

49

まめ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

なんか喉が………

主人公に感情移入してなんだか喉が苦しくなりました。
とても見応えのある作品です。
ストレスを溜め込みがちな人はきっと泣いてしまうでしょう………。

投稿 : 2022/07/25
閲覧 : 165
サンキュー:

1

tinzei さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

ミスキャスト

登場人物の悪い意味で人間らしい部分まで描くのは『あの花』っぽい。


声が重要な順役に水瀬いのりを起用したのは分かるけど、順の次に歌う坂上役に内山を起用したのは納得いかない。作中で歌下手設定があるなら分かるけど、順が感動するシーンもあるくらいだからある程度上手い設定なんだろうし、歌の上手くない内山を起用したのはミスキャストだと思う。

投稿 : 2022/06/27
閲覧 : 156
サンキュー:

1

ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

心を開いて

とてもおしゃべりで、
夢見がちな女の子がいた。
成瀬順、おしゃべりが大好きなかわいい子。

幼い頃、何でも言葉にする、
{netabare}彼女のせいで事件が起き、両親は離婚。
深く傷ついては、自分のせいだと塞ぎ込み、
その事が原因で、彼女は言葉を封印する。
静かな生活を送り、周囲からは浮いた存在となる。{/netabare}
色んな気持ちを心に閉じ込めて生きいている。
そんな経験を持つ彼女を中心とした青春群像劇。

人を傷つける言葉がある。
でも人を救う言葉もある。

想いを声(言葉)にすることの、
大切さと難しさがここでは語られている。
話し言葉でもいい、歌でもいい。
きちんと伝えることが大事なんですよね。

勇気を持って心を開けば、
きっと素敵な物語が始まるのです。

大きく心は動きませんでしたが、
晴れ晴れとした気持ちになれました。

投稿 : 2022/06/13
閲覧 : 1017
サンキュー:

88

ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「そして生まれたこの世界は、思ったより綺麗なんだ。」

2015年に公開されたアニメ。

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のメインスタッフが再集結して製作され、

「空の青さを知る人よ」と合わせて、
今は“秩父三部作”と呼ばれる作品の1つです。

120分ほどの作品です。


● ストーリー
小学生の成瀬順(なるせ じゅん)は、
山の上のお城に憧れているおしゃべりな女の子。

お城(ラブホテル)から知らない女の人と一緒に出てきた父親を見て、
お父さんは王子様だと嬉しくなり、母親にそのことを話す。

結果、両親は離婚してしまう。

おしゃべりがこれからも苦難を持ってくるのだと、目の前にいきなり現れた“玉子”に言われ、順は自分の“おしゃべり”を封印してしまう。

高校2年生になった順。
喋ると腹痛が起こるため、クラスで一言も発さない。

ある日、担任によって坂上拓実(さかがみ たくみ)、仁藤菜月(にとう なつき)、田崎大樹(たさき だいき)と共に「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。


順も抱えているものがありますが、
他の3人も抱えているものがあって。

心のどこかにこのままでいいのかと悩みながらも変わろうとしなかった若者たちが、外部から与えられたきっかけで変わっていくストーリーです。

クラスの誰もやる気のなかった地域ふれあい交流会(ふれ交)。

それを引っ張る実行委員は、
立候補がないからという理由で担任の独断指名でしたが、

これがちぐはぐなようで、クラス全体をイベントに積極的に参加させるためには完璧な人選なんだよなあ。

男子全体を引っ張れるのは田崎だし、
逆に田崎がリーダーじゃないと彼をクラスイベントに引き込めないだろうし、

女子からの信頼が厚く、
優等生な仁藤がいれば全体の進行は安心。

そしてクラスイベントに仲間入りしにくそうなオタク男子チームからは、一見やる気がなさそうだけどちゃんとできる坂上が適任、
(音楽のことも担任は知っていたかもだしね)

あとはクラスで一人浮いてる成瀬。
彼女をクラスイベントに参加させるには彼女自身が実行委員になればいいという大胆な判断。

結果、この人選がクラスを変えていくわけで、
大成功です。

最初はみんな面倒に思っていたけど、
本気で何かをするって気持ちがいいものだからなあ。

一度腰を上げてしまえば、
案外楽しいものなのよね^^

坂上との出会いで変わっていく順。
しゃべることはできないけど一生懸命な順に周りも影響されていく。
そしてクラス一体となって作り上げるミュージカル。

ストーリーはきれいにまとまっていました。

恋も絡んできます。
恋の結末は残念に思うところもあったけれど、
今はこれでよかったんじゃないかなと思っています。

{netabare} 心を閉ざしている自分に優しく声をかけてくれる異性がいたとしても、それが恋としてうまくいくかは別問題だからその気になったらいかんぞという忠告にも受け取れましたw {/netabare}


《 言葉 》

この作品のテーマである“言葉”については、
いろいろな角度からのメッセージがあったように思います。

【①自分の気持ちを伝えること】

私もこれがものすごく苦手で。

文章とか、時間をかけて何を話そうかなと考えた時には、
あれこれと伝えたい言葉が浮かんでくるんだけれど、

その場で考えて話そうとすると、
頭の中が真っ白になって何も思いつかない。

一生懸命話しても、
「違う、自分が伝えたいのはこういうことじゃない」と、
うまく言えなくてもどかしくなったり。

家族とか、親しい間柄でケンカになったときには、
面倒になって自分の気持ちを伝えることをあきらめてしまったり。

相手ともめた時の一番楽な解決策は、
相手の言い分をすべて受け止めて自分の言い分は押し殺すことだったり。
(受け入れはしない。状況によって必要なことは伝える。でも押し通すことはしない。)

そんな自分だから、
順にも拓実にも、共感できるところがありました。

ただ順と私が違うのは、
順は根本的にはおしゃべりな性格であるところかな。

ほんとはおしゃべりな子だから、
私のような口下手な人間とはまた違うんだよね。

だから話すことが苦手な子が彼女のように変われるかと言われると、
彼女とあなたは違うよと理解しなければなりません。

順は、ただ声が出ないだけの人だからなあ。


【②ポロリとこぼれる本音】

ふれ交の話し合いの時とか、
本番直前の順の行動に対してとか、

クラスのモブからポロリと聞こえる言葉は、
決して心地よいものではない。

だけど、誰の心にもありうるネガティブで、
そして、聞く人が傷つく言葉です。

温かくて優しい人を描きたいのならば、
つぶやかれることのない言葉。

実際に見ていてこれらの言葉を聞くと、
心がちくちくしましたし。

だけど、そんな言葉を隠さないのは、
この作品の良さでもあると思いました。

言葉は人を傷付ける。
それはつまり、世界は優しい言葉だけじゃできていないってこと。

誰もが持ってる本音は、
気持ちのいいものばかりじゃない。

それでも、そういう言葉も含めて、
私たちは伝え合うことで関係を築く。

ネガティブなものも、
相手の気持ちを理解するためには必要な言葉である。

いいものも悪いものも、
自分たちの世界を豊かにするんだと信じて。

…でも嫌な言葉って傷つくから嫌だけどね。難しい。笑


● キャラクター
坂上がイケメンだった。

初めて話すクラスメイトの言いたいことを
最後までしっかり聞いてくれて、
やりたいことを応援してくれて、

どんだけ性格イケメンなんだ…。
これは惚れないほうがおかしい。

声が内山昂輝さんなのがまた、
イケメン度をぐいっと上昇させますよね。笑


仁藤さんはいい子だった。

頭が良くてよく気が付く子だから、
全部わかっちゃう。

それでも八つ当たりをしないのは、いい子です。

{netabare} いきなりの代役主人公を最初から最後までやり切るなんて… {/netabare}ポテンシャル最強すぎません?笑


田崎は最初はもちろん嫌いでしたけど、
野球部らしい礼儀正しさは好きでしたw


メインキャラ4人を中心に、
声優さんはとてもよかったです。

水瀬いのりさん演じる順の声が、可愛かった(*´ω`*)


● 音楽
【 主題歌「今、話したい誰かがいる」/ 乃木坂46 】

この曲が微妙でした。
良くもなく悪くもなく、とにかく普通。

感動的なラストでこの曲かあ…
ありきたりすぎて、微妙な曲調でした。


ちなみに作中ではミュージカルをするということで、
有名既存曲にオリジナルの歌詞をつけて歌っています。

これがいい感じなのよね…!

それぞれのエピソードを把握したうえで、
ミュージカル曲聞くと、ちゃんとしてて、すげーってなります。

中でも「心が叫びだす」「あなたの名前を呼ぶよ」は、ベートーヴェン「ピアノソナタ第8番 悲愴」とハロルド・アーレン「Over the Rainbow」の2曲を同時に歌うというもの。

これは私の中では新しかった!
そしてものすごくよかった!

主題歌が好きになれなくて音楽の☆は4止まりなのが、
非常にもったいないところです。


● まとめ
まとまりがよく、
安心して楽しめる作品でした^^

これにて私の「秩父三部作」視聴完了です。
(順番は違ったけれど。笑)

私はこの「ここさけ」が一番好みだったかも。

彼女たちのその後を考えると、
また一波乱ありそうで、それはそれで気になるところ…。
(特に恋関係)

精一杯の気持ちを言葉に乗せることは勇気もいるし気力もいるけれど、
その先に待っているのは案外綺麗な世界なのかもですね。

そうだといいなという希望も込めて。

投稿 : 2022/05/15
閲覧 : 319
サンキュー:

25

うぐいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ボリュームやらテンポやらがちょうど良い

両親が離婚した理由が自分のおしゃべりだと思い、しゃべるとお腹が痛くなる主人公のクラスでミュージカルをやることになるお話。

「伝えたい」が強すぎて台詞や言葉が多くなったり、登場人物の誰かが生け贄になったり、時間がないから台詞が説明文になっていたり、逆に重要な説明を省略したり、「言葉が少ない=格好良い」みたいな作画と音のみシーンがやたら多かったりと色んなアニメ映画があるなかで、これほどバランスが良いのもめずらしい。

見終わった後のスッキリした感じは起承転結が分かりやすかったのだろうと思う。

話の中身が特段すごいわけでもなく、素晴らしいキャラクターが出てくるわけでもないのに、尺長くするだけはある。

声優にキャラの声で歌わせたのも良かった。
主題歌が乃木坂なので-1にしたが、じゃあ誰って言われると思い浮かばない。インストでも十分な気もするし。あえて言うならスピッツとか。

個人的に音楽が好きだから高得点なのもあるかも。

投稿 : 2022/04/19
閲覧 : 171
サンキュー:

6

ちあき さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

衝撃のスタート!

どんな話なんだろうと見ていたら、はじまりが衝撃的だった。
その後の展開はある程度予想できるような感じではありますが、うまくできてます。私にとって観てよかったと思える作品でした。

投稿 : 2021/10/26
閲覧 : 336
サンキュー:

8

ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

始まりの言葉

言葉は誰かを傷つける。

このフレーズによって
すでに私たちは作品の世界に引き込まれている。

純粋で、ストレートであるがゆえに
傷つきやすい思春期の心の
その傷や痛みさえも美しく見せるものが青春だとすれば
青春という特権的な時間の中にのみ現れる
尖鋭化された、純粋な言葉へと
すでに定位はなされている。
言語一般に解消するのは誤りであると思う。

この作品で言葉は、テーマというよりはむしろ
もっと具体的な、マクロ的な機能を担って現れているようだ。
特に注目したいのは、ストーリーの展開の軸となる次の二つ、
「傷つける言葉」と「本当の言葉」。
これらを物語の展開に即して辿っていきたい。
そこには当然、この作品の主題も絡んでくるはずである。



{netabare}
「傷つける言葉」が現れるのは、物語の発端。
それが、ヒロインの成瀬順と田崎大樹とを結ぶ接点となる。

この二人は、反転させた相似図形のように
順は、メンタルな傷によるフィジカルな痛みを
田崎は、フィジカルな傷によるメンタルな痛みを抱えて
自分の殻に閉じこもって周囲から孤立している。

田崎は無神経かつ暴力的な言葉で順を傷つける。
その彼が、後輩の言葉で逆に傷つけられた時
「言葉は人を傷つける」ことを順が言語化する。
田崎にとってそれは、世界が一変するほどの衝撃だった。

田崎の「謝罪」から物語は動き出す。
彼の変化は、「傷つける言葉」を経験して
他者というものの存在を初めて意識したことによる。
はじめは拓実の苗字さえ知らなかった彼が
クラスの一人一人の個性に共感を示せるほど
今では周囲との関係の中に融和しているのである。

言葉を前景として展開されていく
この作品の中心主題とは、「関係の危機と回復」
そう捉えてよいのではないだろうか。
関係の危機に際して二人がとった対照的な態度が
このあとの展開の鍵となっているように思う。

順の場合、原因となった言葉を封印することで
不幸を回避しようとして、結果的に関係を遠ざける。
このネガティブな論法を、田崎はポジティブな行動で打ち破る。
彼は、言葉による関係の回復を証明してみせた。
それが彼の「謝罪」の意味である。

最初に田崎が殻を破り、関係の世界に踏み出した。
だから、本番直前に失踪という形でクラスの仲間を裏切り
順がふたたび関係の危機に陥った時、彼女のために
再起へのチャンスを懇願し、的確に方向性を示して
クラスの空気を一瞬で変えることができた。
田崎は先に進み、順が自分に追いつくのを待っている。



「本当の言葉」が現れるのは、物語の最終盤
順と坂上拓実との間に交わされる対話の中である。

拓実が失踪した順を探し当てた場所は
「すべての事のはじまり」の場所である
今は廃墟となった、山の上のお城(ラブホテル)だった。
不幸が繰り返された結果、原点に回帰して
すべての根源を断ち切りたいという無意識の願望が
おそらく順をここに誘ったのだろう。

二人の間に交わされる対話は、物語の最重要場面だが
短い時間の中に内面の動きが極度に凝縮されているため
観る側の解釈による補足がどうしても必要になる。
例えば、関係という補助線を引きつつ
二人の言葉を糸口に、経過を注視していくと
順と拓実との間で「本当の言葉」が交わされ、連鎖的に
二人の心に劇的な変化が生じてゆく過程が見えてくる。


まず、順から拓実へ。

無残な廃墟と化したホテルの部屋は
順の心の内部を象徴するものだろう。
童話風なステンドグラスの窓は、はじめは薄暗く
対話が進行するにつれて、徐々に明るい光が差し込んでくる。
宗教的な空間を想起させるこの場所で
彼女の魂の再生が行われることを暗示している。

絶望に駆られ、すべてを呪詛する順に
拓実は、「本当の言葉」を聞かせてくれ、とせまる。
順が怒りに任せて叩きつけた罵倒の言葉は
確かに「本当の言葉」だったかも知れないが
あっという間に種切れになった。
物語の少女とは違い、現実の彼女は
言葉で誰かを傷つけたことは一度もなかったからだ。

自分のおしゃべりが原因で家族が崩壊したという
あまりにも不幸な体験が再現しないよう
痛みを伴う強烈な自己暗示をかけて言葉を封印した。
その際、誰かを傷つけてしまうから、という
単純化した論理を用いて自分を戒めてきたのだろう。

その順を「傷つける言葉」へ誘導することで
意図せずして拓実が行ったことは
対話によって患者をトラウマの根源に導いていく
精神分析の治療法を想起させるものだ。
ただし、治癒は一方的なものではなく、相互的に進行する。
先に変化が生じたのは、拓実の方だった。


拓実から順へ。

順は、拓実の名前を繰り返して三度、呼んだ。
その時、思いがけず拓実の目から涙がこぼれ落ちた。
この呼びかけが、彼の心の一番奥深くにまで届いたのは
それが順の「本当の言葉」だったからだろう。

彼が順に打ち明けたのは、心に澱んだ虚しさだった。
自分には誰かに伝えたいことが失われてしまっている。
伝えたいことがない、という空虚感は
裏返せば、他者との関係の希薄さを意味している。
つまり、彼もまた順と同じように
心の殻に閉じこもってしまっていた。

伝えたいことで満ちあふれる順の心の躍動に触れ
何より、関係を諦めない順を通して
自分が渇望していたものを知ることができた。
本当の言葉を伝えることとは、言葉を介して相手を受け入れ
自らも相手に受け入れられようとする、関係への願いである。

いま、それが実現していた。
猛烈な勢いで罵倒されてもうれしかった。
名前を呼ばれた時には
空虚だった自分の存在が満たされる気がした。
そして彼の中に、伝えるべき本当の言葉が生まれた。
お前に会えてよかった、という感謝。
これが、ようやく拓実が伝えられた「本当の言葉」だった。


ふたたび、順から拓実へ。

拓実のストレートな心情の吐露が
すべての原点にまで遡って、順の中の固定観念を
転倒させることに成功する。

私のおかげ? 私のせいじゃなくて?

この時、順のトラウマの原因が、父親の言い放った
「お前のせいだ」という言葉だったことが明らかになり
自らにかけてきた、卵の呪縛から解き放たれる。
殻が破れた瞬間に見えてきたものはやはり
これまで育んできた仲間たちとの関係だった。
だから、彼女の中に感謝と後悔が自然に湧いてくる。
「みんな」が待っている場所へ行く。その決意とともに
物語は一気にフィナーレへと加速する。

その前にあと一つ、伝えなければならない
「本当の言葉」が順には残されていた。
それを伝え終えたあとの表情には、傷心よりもむしろ
自分に対して一つの決着をつけられた清々しさが勝っていて
順が生まれ変わったことを強く印象づける。
失恋は終わりではなく始まりとなった。
彼女は新しい世界へ踏み出していく。



フィナーレでは「言葉」は前景から退き
代わって「歌」が、順が踏み出した新しい「世界」の
メッセージを高らかに歌い上げる。

ここに、雀犬氏のレビューから一文を引用させて頂こう。

「この映画で最後に見せたかったものは
 自分の殻を破り外の世界に飛び出した成瀬順に対する
「新しい世界からの祝福」だと思われる。」

これは、ラストの田崎の告白に関してのご指摘だが
この卓見はフィナーレの全体にまで敷衍することができる。


思い返せば、ミュージカルの発端にあったものは
順がケータイで紡いだ物語と、拓実のピアノとの二つ。
そのいずれもが、閉ざされた内部に封印されてきた想いを
外の世界へ向けて解き放とうとするものだった。
それが周囲の多種多様な心を取り込んで、膨れ上がり
一つの作品にまで結晶する。

ラストの全員合唱のシーンにオーバーラップする
日常の片隅の、さりげない情景の数々。
日々繰り返される、何気ない
そしてかけがえのない「日常」の愛おしさ。
彼らの過ごしてきた日々が集約されている
誰もいない教室を写した一カットにはいつも胸を打たれる。

明らかにここには、「世界」の意味するものが
具体的なイメージとして重ねられている。それは
一人一人の内面の「小さな世界」を包みながら
同心円状に、クラス、学園、地域へと広がっていく
コミュニティと呼ばれる、古くて新しい私たちの「世界」だ。

集団のエネルギーの総和である、ミュージカル。
無数の関係の集積として成立する、コミュニティ。
アナロジーで結ばれたその二つの場が向かい合い
同一の空間を形成するのが、この作品のクライマックスである。
そして、物語の最大の焦点であった順と母の和解は
二人がそれぞれ、一方の場所からお互いを見出し
言葉を介さずに理解しあうという、象徴的な描き方がなされている。

個々人の葛藤が、共同性の中に止揚されるこの図式は
祝祭というものの本質的な機能に即している。したがってそれは
個と集団との対立のない、調和的な世界であって
甘さとして指摘できる部分だが、こうした批評的な掘り下げは
本作にはあまり似つかわしくないようにも思う。
「あの花」とは異なる、これがこの作品の独自性なのである。

青春のリアルな感触を伴った本作の魅力は
逆説的だが、一種のユートピア性にあるのではないだろうか。
同じ印象をかつて自分は、「耳をすませば」から受けた。
私たちの日常と隣り合った、いわば親密なユートピア。
アニメーションはこれを志向し、私たちもそれを憧憬する。
アニメがもたらす幸福感の源の一つが、確かにここにはある。
{/netabare}



言葉は誰かを傷つける。

そのことにまた傷つき、立ち止まり、それでもなお
「本当の言葉」を交わしあいながら、彼らは前へ進んでいく。

危機に瀕した関係を回復する「謝罪」も
相手を肯定し、関係を深化させる「感謝」も
新たな関係への願いである「告白」も
彼らの言葉は、ありったけの真情をこめた叫びのように
未知の可能性に向かって発せられる。

だから、青春の言葉はいつでも
「始まりの言葉」なのだ。


(初投稿 : 2020/08/02)

投稿 : 2021/10/05
閲覧 : 2070
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にゃん^^ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

にゃんが見た「心が叫びたがってるんだ。」ってこんな童話

人魚姫のあらすじ(ウィキペディアから)
{netabare}
人魚の王の6人の娘たちの内、末の姫は15歳の誕生日に昇っていった海の上で、船の上にいる美しい人間の王子を目にする。嵐に遭い難破した船から溺死寸前の王子を救い出した人魚姫は、王子に恋心を抱く。その後偶然浜を通りがかった娘が王子を見つけて介抱した為、人魚姫は出る幕が無くなってしまう。人魚は人間の前に姿を現してはいけない決まりなのだ。だが彼女はどうしても自分が王子を救ったと伝えたかった。
人魚姫は海の魔女の家を訪れ、声と引き換えに尻尾を人間の足に変える飲み薬を貰う。その時に、「もし王子が他の娘と結婚すれば、姫は海の泡となって消えてしまう」と警告を受ける。更に人間の足だと歩く度にナイフで抉られるような痛みを感じるとも。王子と一緒に御殿で暮らせるようになった人魚姫であったが、声を失った人魚姫は王子を救った出来事を話せず、王子は人魚姫が命の恩人だと気付かない。
そのうちに事実は捻じ曲がり、王子は偶然浜を通りかかった娘を命の恩人と勘違いしてしまう。
やがて王子と娘との結婚が決まり、悲嘆に暮れる人魚姫の前に現れた姫の姉たちが、髪と引き換えに海の魔女に貰った短剣を差し出し、王子の流した血で人魚の姿に戻れるという魔女の伝言を伝える。人魚姫は愛する王子を殺せずに死を選び、海に身を投げて泡に姿を変えた。そして、人魚姫は空気の精となり天国へ昇っていったが、王子や他の人々はその事に気付く事はなかった。
{/netabare}

*・。.♦♫♦♫.。・*゜*・。.♦♫♦♫.。・*゜*・。.♦♫♦♫.。・*゜*・。.♦♫♦♫.。・*゜*・。.♦♫♦♫


ハンプティ・ダンプティのなぞなぞ詩(ウィキペディアから)
{netabare}
ハンプティ・ダンプティが塀に座った
ハンプティ・ダンプティが落っこちた
王様の馬と家来の全部がかかっても
ハンプティを元に戻せなかった
{/netabare}

答え。。ハンプティは玉子のこと(割れたら元に戻らないから)


*・。.♦♫♦♫.。・*゜*・。.♦♫♦♫.。・*゜*・。.♦♫♦♫.。・*゜*・。.♦♫♦♫.。・*゜*・。.♦♫♦♫


岡田麿里さんって童話とか好きみたい

「凪のあすから」は「人魚姫」に出てきそうな世界で
海の人と陸の人の恋のおはなし書いたけど
こんどのおはなしは
{netabare}「人魚姫」のおはなしに「ハンプティ・ダンプティ」を足して{/netabare}
ふつうの高校生のふつうの恋のおはなしにしたみたいだった^^


でもちがうのは最後

磨里さんってハッピーエンドが好きで
{netabare}凪の明日からでも失恋しちゃった美海のこと好きな男子がいたけど
今度もやっぱり♪{/netabare}


*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚¨゚・*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚¨゚゚


ワンス・アポン・ア・タイム

{netabare}
玉子姫は子どものころある出来事がきっかけで
心にひびが入ってしまいました


そんな姫の前に妖精ハンプティがあらわれて
チャックでカラの割れたところををふさいでくれました


でも
それから言葉を話そうってチャックを開けると
中のものまでいっしょに出そうなくらいおなかが痛くなって
姫は声が出せなくなっちゃったんです



高校生になったとき姫は
いっしょに「地域ふれあい交流会」実行委員になって
自分の心の声をスマホで読んで分かってくれた王子に恋をしました。。


でも王子も本当は姫と似たきっかけで
音楽とかからはなれてて死にかけてたんです


そんな王子だったけど
言葉が話せなくってもがんばって委員のお仕事する姫を見て
生きる力をもらって助かったんだ

だけど。。王子には好きな子がいたの。。



いっしょにお仕事しながら王子と楽しく過ごしてたある日

姫は王子が元カノに
「姫に恋なんかしてない」って言ってるの聞いちゃって

それでとうとう割れかけてた心が
チャックで止められないくらいバラバラになりかけて
山の上のお城に逃げてしまいました。。


自分を助けてくれた姫なのに
知らないうちに塀の上から落としちゃった王子は
もうダメ!って思ってた姫をやっと見つけて
姫に心の玉子の中身を全部出すようにって言ったの!



すると不思議
姫が中にあったわるい言葉をぜーんぶ出し終わったら
中から新しい姫が生まれてきたのです☆



助けてくれた王子は元カノのところに行っちゃったけど
生まれ変わった姫を
白馬に乗ったおとなりの国の王子様がむかえに来たのでした☆
{/netabare}

ハッピリー・エバー・アフター♡


磨里さんの恋の童話よかった☆

投稿 : 2021/08/31
閲覧 : 914
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やまげん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

(ストーリーから)心が離れたがっているんだ。

脚本家の岡田麿里氏の作品は、自分にとって合うときと合わないときの落差が激しいのだが、今回は全然合わなかった。

{netabare}物語冒頭で、不倫した父が成瀬に「全部お前のせいじゃないか」といった部分は、いやどう考えても不倫したお前のせいやろ、と突っ込まずにはいられなかった。

言葉の持つ影響は、この作品のひとつのテーマだとは思うのだが、↑のくだりでは成瀬は何も悪くないので、これをきっかけに話がスタートする時点で、もう自分の心が作品から離れていくのを感じた。

また、成瀬が中学生というのならまだ話はわかるのだが、高校2年生まで引きずるというのも、ちょっとないんじゃないかと思った。

ところで、本職の声優を多数起用しておきながら、どうして成瀬の母親だけ吉田羊にしたのだろうか。

それなりに重要な役なのに、演技が他のキャラの演技とマッチしておらず、完全に浮いていた。全部プロにするか、全部プロ以外にするかに統一して欲しかった。{/netabare}

投稿 : 2021/08/15
閲覧 : 230
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ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

若く明るい歌声で雪崩は消えるのかもー

劇場版オリジナルアニメ


監督:長井龍雪、脚本:岡田麿里、キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀。そして制作はA-1 Picturesさん。
と『あのはな』メンバーが再結集し、秩父を舞台に青春群像劇を作りましたとの前情報が視聴動機になりますよね?自分もそうです。

きっかけは岡田麿里さん。『あのはな』地上波再放送中。2019年夏期『荒ぶる季節の乙女どもよ。』でシリーズ構成担当中。新作映画『空の青さを知る人よ』も控えてる。氏の作品の露出が多くなってる最中で手を出してみました。


『あのはな』よりは演出控えめで『あのはな』より秩父のスポットが出ていたんじゃないか、な作品。
聖地巡礼ならこっちのほうが捗りそうな気がします。
共通するのは高校生の青春群像劇。味付けは彼らのトラウマであります。
主要キャストは2019年現在も一線で活躍されているこの方々↓

成瀬順(CV水瀬いのり)、坂上拓実(CV内山昴輝)、仁藤菜月(CV雨宮天)、田崎 大樹(CV細谷佳正)

劇場版ならではの作画と安心できる声優さんで占められており手堅さのようなものを感じます。客寄せ用の本業俳優(女優)さんは主要な役どころながらセリフ少なめの安心配置という配慮も見受けられます。
大筋の脚本や演出も飛び道具が出てくるわけでもなく全体としては以下の通り手堅い組み立てでした。手堅いのは良いことです。

 1.主役のトラウマ提示
 2.克服のためのあれやこれや
 3.実はみんなも何かしら抱えてるからの
 4.カタルシス的なもの

もちろん目を引く演出{netabare}(冒頭とミュージカル){/netabare}はあります。が、シンプルに “ ほろ苦い青春もの ” が好みであれば手を出して損はないでしょう。
・・・と、私がごちゃごちゃ言うよりも制作陣のメンツ買いでよろしいんじゃないでしょうか?



あらすじは省略。
なにげない一言が取り返しのつかない事態を招き、それ以来心を閉ざす。言葉は相手を傷つけもするし救いもするという題材を上手く調理していることに異論はありません。
だがしかし、若干違和感も。

 {netabare}母親が離婚後に娘のフォローしとけば一発解決じゃない?
 少なくともこの子と二人で生きていくと決めたのならば。{/netabare}

違和感をあげつらって叩きたいわけではありません。時間はかかりましたが前向きな結末を用意しているため不問にしたいところ。
むしろ、{netabare}「そんなこと思ってないのに(順の母)」{/netabare}言葉というキーワードに視点を向けさせながらもう少し深みを持たせるための必要な設定だったと捉えてます。

・言わないで伝わらないこと
・言わなくても伝わること
・言っても伝わらないこと
・言ったから伝わること

想いを伝えることの難しさや素晴らしさを、そして人との関わりを諦めちゃあいかんよということを、若さゆえの青臭さを交えながら訴えてくるものがあるのであって、そのさじ加減が抜群に上手いです。
私からはそんな青臭さに良い意味で震えた印象的な箇所を何個かご紹介。


■青臭さ4コンボ ※ネタバレです

{netabare}◆田崎の変わり身

ついさっきまで真逆だったじゃん?の田崎くんであります。
考え変わったら即実行。謝ったらノーカン。大人であれば段階的措置を踏みそうなものをそうはしません。自分が根に持たないから相手もそうだろうと思ってる節があるところがむず痒く感じます。若さの表れですね。{/netabare}


{netabare}◆成瀬の逃亡

実際の私の話ですがバイトをばっくれたことがあります。責任の所在云々は非難もあるでしょう。
オーバーフローを起こしたがきんちょの行動なんて似たり寄ったりでは?と思いながら眺めてました。
他人との関係を自ら断ってコミュニケーション能力を磨く訓練を怠ってきた娘さんです。かつ幼い頃夢見た “ 王子様が迎えに来てお城に連れてってくれる ” が原点の娘さんでもあります。 それが儚くも砕け散った直後の行動。極めて狭い世界が全てだった高二の娘ならやりかねんと思った次第です。
しかも、前の晩の出来事もはっきりと言ってたわけではない。先走って落ち込むなんてこれまた若さの表れでしょう。{/netabare}


{netabare}◆普段スカしていざとなればアツい

地域ふれあい交流会(ふれ交)でミュージカルをやると決めた瞬間がよい。推進役はモブたちであります。
・係を押し付けといて言いたい放題言ってる罪悪感めいたものがちょっぴりある
 →後ろめたさがあるのでもっともらしい「やらない理由」を言いつらう
・あの成瀬順が表舞台に立つということに好奇心も見え隠れしている
 →提案に乗ることは善行なんじゃないかという潜在意識あり
そこを突破したモブくん(誰だっけ?)たちがエライ! 坂上たちだけだったら対立構図あるまま成し得なかったことをフォロワー役が背中を押すわけです。流れが出来てから一気に固まる勢いもこれまた若さの表れですわな。
予算をチラ見させて誘導する担任の“しまっちょ”城嶋 一基(CV 藤原啓治)も策士だなあと。大人はこういう役回りで良いのです。{/netabare}


{netabare}◆ついでに

順の告白も田崎の告白も菜月の告白(未遂)もタイプの違う勢い余って系告白でした。

・順:言わなきゃあたしダメになる、の視野狭窄な告白
・田崎:共有する時間が長かったからという理由での勘違い告白
・菜月:相手がフリーと安心しきってたのにからの焦りで告白(・・・めいたもの)

身にあたることばかりです(汗){/netabare}



ネームバリューで釣られ、その期待通りの手堅い面白さがあり、しかと描かれた若さに目を細める。清々しい余韻の残る素敵な119分でした。

乃木坂も悪くなかったんじゃないかなあ。。。



視聴時期:2019年9月

-----

2019.09.13 初稿
2020.03.18 タイトル修正
2021.08.14 修正

投稿 : 2021/08/14
閲覧 : 1018
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81

ネタバレ

コタロー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

口は災いのもと?彼女は悪いのか?暗示?呪い?戒めなのか

お涙頂戴で期待していたのだが・・

事の始まりが、最悪の親父の存在。
事もあろうに”お城”で不倫
少女は純粋にお城での社交界を美化しているから
事の結末を知ったとき心はズタズタになったであろう

ストーリ的には青春もの
喋れない娘の勇気を皆で助ける
フレンドものだ!!
こんな関係は気持ちがいいね!

皆で支える美しさ
最後皆で劇を達成させる一体感

涙は期待しないで!!
でも、綺麗に纏めているよ。

投稿 : 2021/07/03
閲覧 : 217
サンキュー:

4

アイラ☆ので さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

初日に見てきた!感動!!

キャラクターの感情表現が上手だった。
結構ストーリーの中の歌もハイレベルですごい吸い込まれそうになったし感動したよ!
ぜひたくさんの人にみて欲しいと思うような良作でした。

投稿 : 2021/06/14
閲覧 : 402
サンキュー:

12

コーヒー豆 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

もう一度観たくなる映画。普通に楽しめました。

岡田麿里さん脚本。岡田さんと言えば、とらドラ!を手掛けた方ですが、本作品もよかったです。

とある事をきっかけに声を出すとお腹が痛くなってしまう主人公の順。後半では、彼女の心の叫びがしっかりと表現されていてグッときました。

2時間という枠の中でうまくまとまって、笑いやラブや感動部分があったと思います。青春の最中で、キャラも皆印象的でした。楽しい2時間映画でした♪

投稿 : 2021/05/25
閲覧 : 455
サンキュー:

23

ネタバレ

あ~にゃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

感情移入してしまった。

私も離婚を経験し、子供達に深い傷を負わせてしまったので、この作品を見てとても心を打たれました。

ストーリーは子供達が悩み苦しみ成長して行く姿を描いているので、とても感動しました。

ただ一つ気になる点は…
{netabare} 主人公の成瀬が最後の本番をバックれた理由が恋愛絡みだった事です。
この作品は恋愛メインのストーリーではないと思うので、その理由でバックれたのは腑に落ちなかったです。
{/netabare}

投稿 : 2021/05/07
閲覧 : 200
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3

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

うっせいわ!ってことかな

(2021.3)
巷では「うっせいわ」という歌が流行ってるんですよ。自分はサビの部分しか知りませんが、ティーン女子の心の叫びみたいな感じでしょうか。まぁ子供がマネして困るとか何やかんやネットでは場外戦の様相を呈しており話題になったりしてます。
自分達の10代の叫びと言えば「尾崎豊」さんだったりしたわけですが、自分は全く共感する事がなく(やっぱバイク盗んだり、学校のガラス割ってはいけないと思います。でも歌は嫌いじゃないですけどね)、ましてや尾崎さんも結婚して子供生まれて歳を重ねます。そんな中「15の心」とか歌うわけですが同世代のファンの中には尾崎さんは変わったとか言う人もいるわけです。失望したとかね。
そんなもん当たり前じゃないかと。またそんな事を言う人達だって変わっているくせに・・・おおーっと何の話だ?
どうなんでしょうね?ネットの普及により良くも悪くも匿名で憂さ晴らしができる事によって感情の爆発は抑えれるようになったんでしょうか?勿論標的にされる側はたまったもんじゃないですが・・・。
えーーと、配役は実力派揃いというか人気度高目ですね。

私のツボ:どこで田崎君はそうなったわけ?

投稿 : 2021/03/21
閲覧 : 267
サンキュー:

6

ヒロト さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 2.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

複雑な心情描写

 よくありがちな学園恋愛物語ですが、私が知っている学園系作品の中では伏線が非常に多い方で、奥深い作品だと思います。自分の感情を口に出してみること、これは悲劇を呼ぶこともあれば奇跡を起こす可能性だってある。本当にそうだと思います。
 卵という閉ざされた世界からなかなか上手く抜け出せず葛藤を抱え続ける成瀬。けがにより部員と軋轢が生じる田崎。中学以来ぎくしゃくした関係になっている坂上と仁藤。一言では片づけられない彼らの心情の動きを、セリフだけでなく表情や視線などを巧みに使い、緻密に描写できていたのではないかなと思います。ここは大きな高評価ポイントです。(坂上の担当声優が内山さんだったのも個人的には高評価ポイントです)。また、担任の荒川先生がかっこいいと思いました。
 ところで疑問に思ったことが一つあります。この作品は、①「起こりうる奇跡を信じて、自分の気持ちをありのままに表現してみよう」ということと、②「口に出したことで生まれる喜びとか、あるいは目の当たりにする辛い現実とか、全部まるめて強く生きていこう」ということと、どっちをより伝えたかったのでしょうか?どっちの解釈も十分可能だと思うのですが、いずれにせよ、感情を何もかも自分で押し殺してしまうのは良くない点は共通していると思います。ストーリー展開だけでなく、各キャラの気持ちになって鑑賞してみると面白さが倍増すると思います。

投稿 : 2021/03/07
閲覧 : 205
サンキュー:

7

御宅忍者 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

タイトルなし

可もなく不可もない感じだが、暇だなと感じたのは確か。
ちょっと演出が暑苦しくて退屈だった。

投稿 : 2021/02/14
閲覧 : 211
サンキュー:

1

ネタバレ

きりがくれ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人間の根源に触れる感じの作品

(以下長文・ネタバレありです)初回投稿2021/1/26(なかなか書ききれず,ちょこっとずつ更新中)
私は初見から引きこまれ,レンタルディスクで10回以上視聴しました(その後BD購入)。最初に教室のHRで順が立ち上がって言葉を絞り出そうと苦しむシーンで心が一気に持って行かれました。初回は私も終盤で「あれれ?」となりましたが,繰り返し見るうちに心になじんできました。その後このサイトでいろいろな方のレビューを拝見して,とても参考になりました。下記のメモは,先行してレビューしてくださった方々の影響も受けていることをお断りしておきます。


1)この作品にもしテーマ性をみるなら,その根底の考え(世界観,哲学)は,
-----------------------
人間は言語表現をもつ
人間は親子やコミュニティなど社会を背景に生きる
言語表現の原初形態は感情である
感情の根源のひとつに性的感情がある(否定的意味でなく)
-----------------------
の4点かなと。


2)その考えの上で本作の筋書きを要約すると
「社会と病的に距離をとることになった人が,恋愛体験(性的衝動の一環)と音楽を契機に,殻を破って社会に復帰する(再生する)話」
です。

この「主人公の再生」という「幹」以外の部分は,各人物像・設定・進行につき,冷静に考えるとほぼ全篇,かなりの無理スジを含むので,それらを「テーマを描くためのファンタジー」と割り切れない方には向かないかなと思います。(学園描写とかがやけにリアルなところもあるだけにそのまぜまぜ感が違和感になるようであれば)


3)本作の表現には象徴的おぜん立てが多い
・ラブホがエピソードの始まりと終わりに出現して物語の円環をなす。ラブホを出てミュージカルの輪に入るのは,その「闇の円環」から最終的に抜け出たこと(再生したこと)の表現。
・最後の大樹の告白は,「順の人生の新しいフェーズの開始」のダメ押し的な示唆。(ただし,急すぎて違和感を持つ人多数。私も。そのダメ押しは「母との和解シーン」でもよかったかもだが,あえて最後まで男女関係から逸れないことが作者のこだわり)
・ラブホの廃墟にベッドがあるのは性的衝動の暗喩。
・ラブホの廃墟にステンドグラスと光なのは救済の暗喩。
・教室風景からの→ミュージカル は,社会の縮図。

恋愛感情・性的衝動は(否応なく)人の人生に影響する,というモチーフは,ラブホというあけすけな象徴だけでなく,最初のほうのDTM研の小ネタでも何度か控えめにちりばめられています。伊勢佐木町ブルース,声優さんの水着写真集,告白ぅ?w,二次元ハーレム... これと対称をなすチア部のほうでも,陽子と樹の関係性を示す小ネタがやはり4,5か所... 坂上君の登場シーンでさえ,おっちゃんの「いい女と...」というあられもないセリフで味付けされていることも,ワクドナルド前での「気があるんじゃぁ?」のセリフも...

順だけが,容姿・しぐさ・発声・持ち物,すべての点で1人だけ子供っぽく描かれているのは,テーマの強調のため,1人だけ浮かせるため,なのでしょうが,違和感のある人はいるでしょう。全校生徒のなかで一人だけスクバじゃない,って相当にヘンではありますよ。(ピンクのリュックに教科書ぜんぶ入りそうもないし...)


4)主人公は4人いるようでいて,順以外は,「順に感化を受ける役」という意味で同列です。


■■以下,終盤のヤマ場以降の各シーンについて...■■

5)順がしゃべれるようになった転換が起こったのは,公演前夜に学校を飛びだした時です。渡り廊下の会話を偶然立ち聞きしたことで,それまでは社会に露出させていなかった順の恋愛感情が,自分の意思ではなくとも「三角関係」という社会的構図のなかにすでに投ぜられていることをつきつけられました。自分の感情を抑えておけばいいという状況ではなくなったことが,順を次のステージに押し出すのです。

ここで順の心が乱れたのは,「自分は明示的にしゃべってはいないのに,菜月に自分の感情を悟られていたこと。そして,それゆえに菜月を傷つけていた(かもしれない)こと」を知ったから,でしょう。「成瀬って,しゃべらなくても考えてることまるわかりだよなぁ」が伏線でした。その線で考えると,「拓実にその気がないことがわかったこと」は,副次的な問題だと思います。ただ,演出は,こちらのほうがキッカケになるように見せているのが違和感ですが,わかりやすさ,のために妥協したのか... なお,順は菜月が拓実を好きなことには気づいていました(6人で集まったときの視線の動きで表現)。※あとのヤマ場の最初で「王子様がいなくなったからもう歌えない」と語るのは,菜月に嫉妬心を起こさせたことに言及したくなかったあらわれと見ます。

そこにタマゴ妖精があらわれて語る場面は,私には難しく感じていましたが,順の気持ちを上記のように読むと,わりとすんなり受け入れられます。妖精の発言は,「今のおまえは(自分は),しゃべらなくても心は知らず知らず周囲に伝わっていて,もう殻は割れ(殻を割り)かけている。だから痛いのはおなか(しゃべるしゃべらない)じゃなくて,胸(恋心や罪悪感や)なのだろう?。本心をもっとさらけだすのは,これまでの抑圧状態から見れば「混沌」で(スクランブルエッグで)自分も傷つくだろう。けれど,そこ(世間)に身を投じれるかどうか=殻をとり去れるかどうかは自分次第だよ。」という順への”応援の言葉”と受け止めました。

ですが,このシーンの演出は一見そうとは思えないような(脅かすような)味付けになっています。これは,「いったん追い詰めておいて,次の救済の場面をより劇的にする&公演から逃げ出すという極端な行動の動機付けを強化する」という作法なのでしょうが,なんとなく私は製作者たちの「持ち味」が変化球的なのかな,とも感じた次第です。この,「ヤマ場の始まり」の場面が,もうちょっとすっと入ってくる設計だとよかったかな。。。


6)そしてその次に賛否両論の,というより多くの人が悪評するヤマ場シーンが来ます。たしかにこれを現実に起こりうるかもしれない線で考えたら,まさかの逃亡も,行く先があそこなことも,拓実が建物の奥の奥で割と難なく見つけることも(つけたしに足跡の描写はあるけれど),拓実を見ても順が驚きもしないことも,すべてヘン,というか無理スジですよね。私もそう思います。

なので,私は拓実が自転車で学校を出てから順を乗せて戻るまでが「ストーリーが盛り上がった果てのファンタジー」なのだ,と思うことにしました。あそこでは,作者の「こうあってほしい(ラブホの円環でないと言いたいことが言えない)」という意思が,リアリズムよりも重要だっていう判断なのだなぁと。。。「精神が再生する(こともある)というテーマのほうが,さわやかっぽい青春ドラマを描くことよりも優先した結果」というか。たぶん,ここの設定をあえて非現実的にして,ミュージカルと廃墟との「ダブル劇中劇」みたいな効果を狙ったような気がします。変化球ですね・・・


7)とはいえ,ヤマ場シーンのセリフのシークエンスは,話せなかった主人公がこれまでの葛藤を言葉でぐいぐい回収していく,緩急つけたたたみかけが,とてもいいと思います。「玉子がいないとっ...こまるのっ!」というひとことの吐露が(多少説明的だが)それまでの長い苦悩の突破口を凝縮し,そこがカタルシスの始まり。そこから,ミュージカル終曲の(ありきたりな歌詞ではあっても,すばらしい原曲と合っていて,やはりぐっとくる)現世肯定の光明まで,ざくざく階段を登るようなテンポ感。

この流れを「急ぎすぎ」と感じる方もおられるでしょうが,シーンの切り替えがうまく,ミュージカル曲のほとんどは思い切って刈り込んで,密度が濃い流れになっていると私は感じます。

会話の最初のほうで順が繰り出す罵詈雑言は,拓実と菜月に対する感謝の気持ちをわざと真逆の表現で吐き出していて,心にくい脚本です(※私はこれを別サイトのある方のレビューで教わり,同感しました。ありがとうございます)。これは順の未熟さ・成長途中の不器用さ,の表現でしょう(私はこれをかわいく感じます)。そこからいろいろ言葉を交わした末も末に,落ち着いた声での「うん。......知ってたよ。」にすっと着地する流れは,音楽(劇伴もミュージカルも)の非常に効果的な使い方もあって,あーなんか,いいもん見たわー,となります。

「知ってたよ」にかぶせての手を差し出し,手を引かれようとするほんの短いシーンが,最高のシーンです。拓実と互いに承認しあったことの象徴。その後は,公演中の母の涙の微笑や,同級生たちにしゃべれるようになったことがわかる流れでの,「社会からの承認」のイベントがさりげなく続き,からの大団円。(たしかに,急ぎすぎかも,ではありましょうが,冗長であるよりは,行間を読ませる感じが,いいかなと)


8)ミュージカルシーンが終わってからのエンディング,順・大樹,菜月・拓実の2ペアがそれぞれに告白がらみの言葉をかわす。この作者は本当に「対称性」にこだわるみたいですね。。。いかにも演劇っぽく感じます。ただ,大樹がここで告るのは普通の感覚からして唐突すぎて,急に「あれれっ」となりますわ。リアルさよりも対称性の維持を優先したのか。。。

んでもこれじゃ,せっかく「良い人キャラ」になってた大ちゃんが,「ヘンな人」認定されやしませんか・・・ ミュージカルをごり押ししたのも当日頭を下げてチャンスをくれと懇願したのも,良い人だからじゃなくて恋愛感情があったから,という方向に行ってしまいかねないのは,なんか大樹がかわいそうでは...

素人考えですが,大樹が「告白」でなくて,「おれちょっと成瀬にミュージカル成功しておめでとうって言ってくるわ。あいつにはいろいろ自分も思うところあったし。今ちょっと2人で話してみてえんだ。(赤面)」くらいにして今後を暗示,ならリアルさは保てたかも。


9)ということで,本作は基本は順の一人物語であって,しかも象徴的に極端な設定・進行が急所に据えられ,受け取り方が難しい(コツがいる?)セリフもあり,それがリアルすぎる普通の学園描写のなかにハメこまれているので,途中までで「普通の人の普通の展開」を期待して見てしまった人には,極端すぎて理解してもらえない。例えば順は,「ありえない幼さ,ありえない逃亡,ひどい自分勝手」認定されてしまい,周囲の生徒たちは「ありえない優しさ」になり,大樹のは「ありえない告白」に見えてしまう。

本作は,リアル指向に見えてリアル指向ではない,「1,2か月の間で起こった恋のめざめ,という設定に凝縮された精神のファンタジー」なのですね。なもんで,絵づら・言葉づらを額面通りに受け取りたい人にはきびしく,ファンタジー的解釈も許容する人(私を含む)には受け入れられる,のかな。

ある意味,見た目と違って,とてもわかりにくい作品かも。逆に言うと,見るほどに味が出る,とも。

セリフ・発声・間合い・しぐさ・表情・背景・音楽・カット割り,すべてが繊細すぎる(かもしれない)ほどいきとどいた繊細な演出にいったん気が付くと,ただただ感心しかありません。

公演当日の朝の淡雪から,鈍色の曇り空がだんだん晴れて,一度も日光が射しこむことはないけれど,ラストの順と大樹のシーンでの夕焼け直前の初冬のひやっとした夕空の質感に至る,こまやかな背景と光線ぐあいとか....


(まとめ)
全体をおおくくりに見ると,本作の内容の構造は重層的で,表面的な方から順に,
------------------
◇表 層:苦みも甘さもの学園青春ドラマ(青春てすばらしい&ほろにがい)
◇第1層:言いたいことがあるならはっきり言えばいいの。という「メッセージ」
◇第2層:人は救済される(ことがある)。という「希望」
◇第3層:人を動かす原動力のひとつは性的衝動。という「原理」
------------------
のようになっていると感じます。この作品を見てどの層が自分に届きそうか,によって,見方は変わるのでしょう。

私も視聴3,4回目くらいまでは,「恋愛要素をもっと減らせばいいのに」と思って観てましたが,その後,作者が描きたい核心は上記の第2,第3であって,表層はおろか第1層でさえも(極言すればですが)「核心を描くための素材にすぎない」のかもな,という気がしてきました。そうでないと,えぐいオープニングも,高2女子が一人であの廃墟の奥深くに入り込んで好きな男子と廃ベッドの前で対峙する,というぶっとんだ設定も,あちこちにこれでもかと散りばめられた恋愛がらみの小ネタも,とても説明がつかないかな,という気が今はしています。

一般受けするだろう表層を上手に整然と語ることを曲げても,それが成功してもしなくても,主張したいことを盛り込むことを優先した(だろう)ことに,作者の根性(クセ,とも言えそうか)をわたしは感じます。


●音楽は神。サウンドトラックCD買いました。そのあとで順バージョンのミュージカル曲が特典CDに入っている限定版BDも買いました。

●声優さんたちはとにかくうまい。芝居を聞く醍醐味あります。絵がきれい。表情・しぐさの演出もこまやかで目が離せません。

●タイトルバックの文字にからむ四枚の木の葉(右下の一枚だけタマゴ妖精のシルエットつき)は,ラストシーンで空に舞う四枚の葉として再現。遅れて昇った一枚がタマゴ妖精の帽子(本体はもう消えて,無い)に変わって消えていく。このギミックは好き。

●ED曲は,私はパスだな・・・


(追記)
この感想文をひととおり書いてから,また見直ししました。前夜の順の失踪から先は,最後の最後まで(物語的には)「ずっとカオス」ですね。スクランブルエッグ。通常はありえない展開の連続。あの順が転んだポイントから先,「さぁファンタジータイムが始まったぞ」という自分のスイッチを入れてみると面白いです。

拓実が,「おれに,探しにいかせてくれないか。」と言ったときのほかのみんなの「はぁっ?!」という常識的には当然の反応が,「いまやカオスの部品となった登場人物たちが,いきなり真顔で反応してみせる。これってメタ視点じゃね?」と見えてしまって苦笑です。(へんかな...)

投稿 : 2021/02/10
閲覧 : 338
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16

みどりーぬ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

学生なんてそんなもん

最後は ん?って感じだったけど
まぁ、学生なんてそんなもん。
もっと失敗して大きくなれ。って言いたくなりました。
個人的に平バ系で1番好き。

投稿 : 2021/02/09
閲覧 : 195
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2

ネタバレ

遊微々 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

本音を隠す優しさよりも、本音を受け止める優しさを

劇場公開の時以来なので5年ぶりの再視聴になりますかね。
うんうん、あの時の感動そのままに楽しめました。不器用ながらもひたむきな順ちゃん可愛い!

今作の登場人物は主人公の成瀬順をはじめとして皆自分の本音を打ち明けられないキャラクターばかり。
というか現実でも大抵の人が本音隠して生きてますよね。まあこういうのって大体口にしたら誰か傷つけたりするという気持ちと、自分が傷つきたくないという気持ちが合わさることで行ってしまうことだと思います。
でもちゃんと全部受け止めてくれるような人になら、互いに本音をぶつけ合えますよね。大事なのは自身の本音を伝えること以上に、誰かの本音を受け止めてあげられる優しさと信頼を持つことが重要なのではないでしょうか。
今作では成瀬順と坂上拓実の二人が最終的にそのような関係に至れたため、順も拓実も自分の中に閉じ込めてた想いに向き合うことが出来たんだと思いますし、それが出来たのは拓実が順の信頼を勝ち取ったからだと思います。
まあ普段愚痴を聞くのもこぼすのも大っ嫌いな私が何偉そうに言ってんだって話なんですけどねー。クズですいません・・・

それにしても公開当時は気づかなかった、というか多分知らなかったんだと思いますが、順のお母さんって吉田羊さんが演じられてたんですね。今作が声優初挑戦とのことらしいですが、流石は演技派女優、上手い。娘に対して上手く接することができない母親役を見事に演じられていたんじゃないでしょうか?
クラスメイトのモブキャストも今見ると中々な面子が揃ってて驚きました。

あと乃木坂の主題歌が批判されがちですが、自分はそんなに嫌いじゃないです。というかアニメファンの坂系アイドルに対する偏見というか嫌悪感はちょっと極端過ぎるように思いますね。私も大して興味は無いですが、別にそこまで嫌いってわけでもないです。正直アニメにもアイドルにも興味ない人からすれば同じ穴の狢でしょうし、歌に関してはぶっちゃけその辺の声優ユニットとそこまで大差ないでしょうよ。うーん、ここさけじゃなかったらここまで言われてないのかな?

アオハル系映画として非常によくできた作品なので、未視聴の方は是非見てみてくださいね。
ちなみに公開当時、YouTubeの広告で存在知ってたんですが、既に公開から2か月経ってて焦って劇場に直行しましたww

投稿 : 2020/12/20
閲覧 : 318
サンキュー:

21

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

タイトルなし

物語
テーマ性を強く感じる物語でした。
言葉で人を傷つけたと感じたことは誰にでもある経験ではないでしょうか。だからこそ順のトラウマに共感出来るし、応援したくなるそんな話でした。

お母さんの『そんな事望んで無い』と震えるシーン
今迄の順に対する接し方にハッと気づいた場面がこの作品の一番の泣き所はここではないかと思います。
しかし、順は『一度言ってしまった言葉は取り消せない』と言っていたけれど、それは一面に過ぎないと思いました。
順と母親の場合、言葉に出さなくても醸し出してしまう剣幕が順を喋らせなくなってしまった原因ではないでしょうか。
後半のラブホでのシーンではあんなに順が坂上を罵倒していたのに坂上は傷つくことはありませんでした。言葉には出ていなくても、順は傷ついている、強がっているとわかるからこそ坂上は傷つかずにいられたのでしょう。
語らない事こそが相手とのコミュニケーションに最も必要なものだと私は思います。

岡田麿里氏の脚本なので、泣ける泣けない談議は多いと思います。
私も感動はしましたが、余韻に浸っている間に登場する田崎のおもしろ顏のおかげで泣くには至りませんでした。

恋愛要素については…いらないかなあ…と思いました。

キャラ
ヒロインの順ちゃんが可愛いです。
かなり自己中心的な部分もあるのですが、不思議と嫌にならないのは、あどけなさが残っているからでしょうか。
妹にしたい可愛さですね。

作画
ミュージカルで踊るシーンはロトスコープを使っているそうで、かなり厚みのある動きになっていたと思います。

音楽
ミュージカルを題材にしている作品ですから凄いのは当たり前かもしれませんが…それでも、凄かったです!
調も素敵なのですが、劇中歌の歌詞がまた味わいがあって良いです。

主題歌は最初、乃木坂と聞いた時はアイドルのゴリ押しかあ…とげんなりしていましたが、歌声はなかなか。曲もまあまあ…歌詞以外の違和感はありませんでした。

投稿 : 2020/09/27
閲覧 : 412
サンキュー:

38

ネタバレ

USB_DAC さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

言葉は心の使い

★物語
・監督 : 長井 龍雪
・脚本 : 岡田 麿里
・原作 : 超平和バスターズ

劇場版「あの花」に続き、再び埼玉県秩父市を舞台に制作された超平和
バスターズ二作目の劇場映画。前作同様普遍的社会問題を物語の背景に、
それが切っ掛けで言葉を封印してしまったある少女の回復までを描く。

登場人物の多くが大小様々なストレスを抱える為、序盤から中盤にかけ
ては不快な言動やギスギスした空気が比較的多め。また交流会本番直前
のヒロインの行動が多くに唐突と捉えられ、賛否を呼んだ作品でもある。


★作画
・作画監督 : 田中 将賀
・美術監督 : 中村  隆

一目見て分かる田中さんが描くキャラたち。その作画クオリティは前作
にも増して高水準で表情の豊かさもまた同様。背景のリアルさ、透明感
は劇場版として見ても相当なレベルだと思います。


★声優
・成瀬  順 : 水瀬 いのり
・坂上 拓実 : 内山 昂輝
・仁藤 菜月 : 雨宮  天
・田崎 大樹 : 細谷 佳正

その声質の為か、成瀬順の性格を知りかなりプレッシャーを感じていた
という水瀬さん。極力自然体を心掛け、周囲との違和感を無くすために
とても苦労したといいます。その努力の甲斐もあってか、聴き手に充分
思いが伝わる妙演。第25回JMCA新人声優賞受賞も納得の演技です。
そして他の主役三人、それ以外の人物もまた然り。個々の特徴をしっか
りと把握され、またその掛け合いはとても自然で素晴らしいものでした。


★音楽
・主題歌 :「今、話したい誰かがいる」/ 乃木坂46
・挿入歌 :「Harmonia」/ コトリンゴ
・音 楽 : ミト(クラムボン)、横山 克

ミュージカルのエンディングで合唱するマッシュアップが全く違和感な
い出来栄えで本当に驚きました。青春の哀傷感を表す「悲愴」、そして
夢見がちな少女が歌う「虹の彼方に」。トリを飾るに相応しい選曲だと
思います。主題歌も爽やかさがあって決して悪くない印象でした。


★キャラ
・キャラクターデザイン : 田中 将賀

ヒロインも勿論良かったと思いますが、やはり拓実の好青年ぶりが特に
印象的。内山昂輝さんの上手さも手伝って、とても好感度の高い高校生
に仕上がっていたと思います。


[感想]

「全部・・・お前のせいじゃないか」・・・・・?

離婚の責任を子供に押し付ける親が本当に居るなんて思いたくもないで
すが、年間二十数万にも及ぶ離婚数を鑑みれば似た様なケースは実際に
あるのかも知れません。大切な家族がありながら浮気する者の本性など、
程度の違いこそあれ恐らくこんな感じなのでしょう。それにしても冒頭
に描かれる父親は全く救いようの無い下衆。そりゃ年端も行かぬ幼子が
親からあんな酷い仕打ちを受けたら心が壊れるに決まってます。それを
真面に受け取り、長い間一人で抱え込んだ順が本当に不憫でなりません。

そして被害者である母親が周囲に一切相談せず、体裁から嘘偽りを語り、
慣れない仕事や生活に疲れ果てて娘に優しい一言さえ掛けられなくなる。
そんな孤独で鬱な姿を見ているのも大変辛いものでした。

ストレスや心的外傷などから突然声を失う「心因性発声障害(失語症と
は違う)」は年齢に関係はなく、また比較的若い女性に多く見られその
克服は困難だと聞きます。治療に於いてもカウンセリングは勿論、作中
で描かれる様に良き理解者が側にいること、周囲の心温かいサポートが
非常に重要であるとのこと。その意味では理解者である拓実達と、舞台
に向けて協力し合ったクラスの変化は、彼女にとってとても大事なもの
だったと言えます。逆に言えばそういった状況無しではこの障害を克服
することは難しいのかも知れません。


彼女に為にもと奮起し、クラスメートが必至で準備したミュージカルを
ボイコットしてしまった順。その行為を咎める声が多いのも分かります。
しかし拓実と菜月の関係を知らずに彼に恋をしてしまったことへの恥ず
かしさ、自分は調子に乗っていたという思いから現実逃避し、受罰の為
に廃墟のホテルへと足を運んだ。そこで言葉の封印から更に感情さえも
封印しようとスクランブルエッグ(形が壊れた状態=クラスメートから
の拒絶=罰を受ける)を敢えて作り上げようとする。そんな彼女の自罰
的な切ない気持ちも良く理解出来るのです。そして拓実との真剣な心の
投げ合いで漸く殻を破ることが出来、玉子の呪いを心の内から解放した。

もしあのまま何事もなくミュージカルを終えたとしても、少女と王子様
という二人の関係は変わらないのですから、ただ伝えたい想いを披露し
ただけで(親子の関係は多少改善した可能性はありますが)彼女自身は
何も変わらなかったはずです。むしろこの展開があったからこそ彼女は
無事にこの障害を乗り越えることが出来たのではないでしょうか。

〈廃墟での主なやり取り〉
{netabare}
・順の罵倒を素直に受け止める拓実
・逆に罵倒に感謝することで「言葉は人を傷付ける」呪縛から解放
・結果、自責の念と玉子の存在を完全に消し去ることが出来た
・名前を呼び合ったのは王子と少女という妄想上の二人を否定する為
{/netabare}

ただ変更前のシナリオでは少女は処刑されるとあったので、流れ的には
内心ちょっと怖かったのも事実です。そんな展開じゃストーリーが破綻
するのは重々分かっちゃいましたけど。(笑)

本作の主題にも繋がるミュージカル「青春の向こう脛」。全8幕からな
るその終盤は見事に物語とリンクしながら進行していきます。内容はか
なりシリアスですが、敢えてコミカルで学芸会的な稚拙さにすることで
重い本編とのバランスを上手く保っていたと思います。そして順の母を
引き留める拓実の祖父母、舞台裏でのクラスメートとのやり取りは実に
感動的。儚げな順の愛らしさ、周囲の優しさが目に沁みる素晴らしい演
出でした。あと田崎の酷い玉子面を見て拓実が吹き出すシーンは、思い
返す度に笑ってしまいます。

田崎の告白を唐突だとする向きも多いですが、自分は決してそうは感じ
ませんでした。確かに彼女を蔑むような序盤のあの台詞は見ていて非常
に気分が悪くなりましたし、罵った相手に告白なんて状況は普通なら考
えもしない。しかし根は優しく真直ぐな彼は謝罪の後、常に順の成り行
きを気に掛けていました。逃亡が明るみになった本番当日の拓実に言い
放った一言がそれを物語っています。そして懸命に気持ちを伝える順を
見て、腐りかけていた自分を変えることが出来た。そのことへの感謝と
同時に好意を抱いたとしても何ら不思議ではありません。タイミングと
しては少々早い気もしましたが、若さ故の勢いあまっての告白と見れば
それも悪くありません。しかしフられて間もない当の順が、それを素直
に受け入れるかどうかは全く分かりませんけど。(笑)ただその告白に
よって、新たな現実世界が彼女の目の前に広がったことは確か。そして
それは彼女にとって最大の救いだったと僕は思っています。

それにしてもファミレスや廃墟のホテルで感じた順の気の強さは相当な
もの。拓実や山路の反撃にたじろぐ田崎を見ていると、尻に敷かれる姿
を何となく想像してしまいます。個人的にはお似合いの凸凹カップルだ
と思うんですが・・・・どうでしょうね。(笑)


不用意な言葉は相手を傷付けてしまうもの。しかし過ちを修復するのも
また言葉。人はそれを繰り返しながら向き合い方を学び、また優しさに
触れ感謝し、一歩一歩成長していく。

そして思いを言葉にする勇気。他愛もなく当り前に思えてなかなか出来
ないそれは、人と触れ合いながら生きていく上でとても大切なことなの
だと、この作品を通して我々に伝えているような、そんな気がします。




以上、拙い長文をお読み頂きありがとうございました。

投稿 : 2020/09/03
閲覧 : 262
サンキュー:

18

ネタバレ

junloft さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 2.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:----

おもしろ・・・い?

見始めはそうでもなかったのが、見続けている内にどんどん引き込まれて行き「これは良作??」と思ったのだが・・・

ラスト15分で「ナンジャコリャ・・・」
ラストで話は整ったものの途中までの期待感を色々と覆されました。

ただ音楽は素晴らしい

投稿 : 2020/08/28
閲覧 : 191
サンキュー:

2

ネタバレ

はく さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ラストが

失恋してすぐに恋愛対象が変わってええっ・・・って思った

投稿 : 2020/07/30
閲覧 : 278
サンキュー:

2

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心が叫びたがってるんだ。のストーリー・あらすじ

監督 長井龍雪
脚本 岡田麿里
キャラクターデザイン 田中将賀
制作 A-1 Pictures
青春群像劇 第2弾 劇場版完全新作オリジナルアニメーション 

幼い頃、何気なく発した言葉によって、家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。
そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月。彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。(アニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2015年9月19日
制作会社
A-1 Pictures
主題歌
≪主題歌≫乃木坂46『今、話したい誰かがいる』

声優・キャラクター

水瀬いのり、内山昂輝、雨宮天、細谷佳正、藤原啓治、吉田羊

スタッフ

原作:超平和バスターズ、 監督:長井龍雪、脚本:岡田麿里、キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀、音楽:ミト(クラムボン)、演出:吉岡忍、美術監督:中村隆、プロップデザイン:岡真里子、色彩設計:中島和子、撮影・CG監督:森山博幸、編集:西山茂、音響監督:明田川仁、企画・プロデュース:清水博之/岩田幹宏、プロデューサー:斎藤俊輔、アニメーションプロデューサー:賀部匠美、製作代表:夏目公一朗/植田益朗/清水賢治/中村理一郎/久保雅一/落越友則/坂本健

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