二足歩行したくない さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
胸ん中の剣が重要なんだよ!
細田守監督作品。細田守監督のオリジナル作品としては3作目ですね。
『おおかみこどもの雨と雪』から細田守が原作・脚本も担当しているためか、それから知る範囲で『未来のミライ』までは、氏の性癖爆発な作品が続きます。
ケモナー三部作と呼んでも過言ではなく、ケモショタ、オスケモ好きな諸氏にはたまらない、ある意味、人気脚本家の地位を不動のものにしたと思っています。
そんな趣味をあっぴろげにしながらも、ニッチな界隈ではなく一般的に認知されているのがすごい。
一方で、海外のあれな方々には本作も人気らしく、"分かる人にはわかる"の代表作と言える一作です。
そんな作品に何も知らず声優で出演している、一般芸能人の方々が不憫な気がしないでもないですね。
舞台は渋谷、両親が離婚し、その後、母が他界、父は葬儀の場にも現れず、親戚に引き取られようとしている少年・蓮が主人公です。
彼は自分勝手な親戚たちに嫌気が差して逃げ出し、夜の渋谷の街をさまよい歩いていたところ、バケモノの一人・熊徹と出会います。
その後、秘密の通路を通ってバケモノの国「渋天街」に迷い込んだ蓮は、熊徹の弟子となり九太という名前を与えられ、共に生活を始める、という展開です。
バケモノの長老である「宗師」は引退を考えており、その後継者選びが行われている真っ只中となります。
後継者の候補は2人おり、熊徹はそのうちの一人なのですが、粗暴で手前勝手な熊徹に期待をする声は少ないです。
熊徹は名前の通り、熊のような風体をしていて、体格の良い"おやじ"風のバケモノ、一方の九太は、生意気で文句が多く、この二人は常にぶつかっています。
そんな二人がいがみ合いながらも、お互いを認め合って共に成長する姿が描かれているのが、見どころのひとつなのかなと思います。
基本的に良かったのですが、中盤より九太と同年代の人間の少女・楓が登場、九太と絡み始めます。
九太が人間世界をする媒介となっているのはわかるのですが、それ以外は見せ場がないです。
それどころか、ラスボス戦にもしゃしゃり出て蓮の足手まといになり、敵に対して唐突な自分語りをして挑発するという煽りスキルMAXぷりを発揮します。
「あなたの気持ちはわかる!私だってこんなことがあって~」と、誰も聞いてもいないのに語りだすその空気読めなさは、元・某掲示板の管理人もびっくりです。
あと、相変わらず声優が残念ですね。
特に、幼少期の九太は宮崎あおいのかわいらしい声なのですが、成長したとたんに声がきっったなくなります。
隠しもしない芸能界ゴリ押しが行われており、これなら成長後も宮崎あおいにしたら良かったんじゃないかと思いました。
細田守氏的には、あんなにかわいいショタが、アニメなのに時の流れが残酷ムーブかますの、どう感じたのかが知りたいです。
宗師の跡取りを決めるため、ガチムチのケモノがぶつかり合うシーンは、そういう趣味でなくてもかなりぐっと来ました。
クマ親父がショタとぶつかりながら成長する様も美しく感じましたが、九太が成長して以降、楓が登場してからは一気に残念になった気がします。
ぶっちゃけたところ猪王山の弟子の美形と友情の育み合いをしたらいいのにと思ったのは私だけではないのではと思ったり。