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「昭和元禄落語心中(TVアニメ動画)」

総合得点
81.2
感想・評価
904
棚に入れた
4161
ランキング
417
★★★★☆ 4.0 (904)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.3
音楽
3.9
キャラ
4.0

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昭和元禄落語心中の感想・評価はどうでしたか?

ka_za_ki さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

引き込ませる渋さ

雲田はるこ先生の漫画原作のアニメです。

正直、最初は落語なんか題材にして面白いのかな?と思ってましたが、いい意味で完全に裏切られました。

何が凄い、とはうまく言葉にできませんがとにかく見ていて引き込まれてしまう作品です。
昭和の泥臭い雰囲気と、その中で生きるキャラクター達がとても魅力的です。
主役二人の山寺宏一と石田彰の落語も一聴の価値があると思います。

個人的には是非一度見てもらいたい作品です。

投稿 : 2016/05/13
閲覧 : 172
サンキュー:

7

つげ義春 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

久しぶりに面白

好きなやつだわ

投稿 : 2016/05/12
閲覧 : 137
サンキュー:

1

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

個人的16年冬クール最高傑作。 賞賛の言葉がうかばないです

漢字のタイトルで落語が内容?
こんな歳より臭くて、地味そうなアニメが面白いわけがない
落語って退屈なイメージありましたじぶん。
正直、まだ落語の魅力はよくわからないです

ただこのアニメの魅力はわかりました!
アニメは物凄い出来栄え!化け物級ですね。

情熱、青春、闘争、恋愛、友情、人情、信念、希望
人生のスパイスが全て物語に含まれている濃密さ
TVアニメの枠を超えて、名作映画すら凌駕する完成度でした。


・魅力について
落語家たちの人生劇場

波乱万丈な人生がドラマチックに表現されています。
落語は物語転換の舞台装置なんですよね
延々と落語を見るアニメなんかじゃなかった。。

映画的だなって感じるのがカメラアングルもそうなんですが
台詞で物語を語るのでなく、絵で語っている点でしょうか
心情を台詞で言わせる野暮はこの作品ではやりません

落語の演目を使って、ストーリーが展開するのですが
なぜ、この演目をやるのか?必然性のつけ方が凄い
演目によって成長したり、転機となったり
落語が人生劇場の一部なんですよね。。
ただ落語をアニメで見せたいナンテ
そんあアニメじゃありゃしません。

人物も非常に魅力的ですよね
美男美女揃いですが容姿だけじゃない
べっぴんな男性陣多くて惚れ惚れするのは事実ですけども

いつも横になってアニメみてるじぶんが
正座してみてしまったほど、緊張感と、惹き付け、味、色気が
あるんですよね。。
1話だけ1時間構成(2話分)なのですが
1話ラストから正座視聴になりました
本気で見ないとダメって気持ちにさせるんですよね。。

1クールが基本2話で一区切りの構成となっていて
2話ごとに展開されるわけですから見ていてテンポがいいですね!
通常良作アニメは3話、スローなアニメで4話進行って書くと
スピード感がお伝えしやすいでしょうか。

演出BGMもお囃子だったり、ジャズだったりと粋でしたね
シリアスシーンで無音にして間をつくるのも好手。
落語中のBGMだけ過剰かなって感はありました。
声優さんの演技だけで充分盛り上がっていました
特に石田さん、山寺さんお二人の演技力を超える方は
俳優を含めてもいらっしゃらないんじゃないでしょうか
じぶん正座になりましたしね。。


男性も女性も間違いなく楽しめる作品ですし
2期製作も発表されています
ぜひ、ご覧いただきお楽しみいただけましたら幸いです。

投稿 : 2016/05/11
閲覧 : 622

まるん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

落語をみてみたくなった

とても楽しめました。

菊比古のキャラも喋り方も声もすてき。
石田さん好きになりました(';')

落語を見たことはないけれど、物語中の語りも面白く
「一度実際にみてみたい」という気持ちにさせられた。

伝統芸能をどう維持するか、どう変容させていくかという課題もみせてくれましたし…。

OPの薄ら氷心中も好き!
椎名林檎っぽさ、全開です。

投稿 : 2016/05/11
閲覧 : 195
サンキュー:

3

ahirunoko さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

素晴らしい!ストーリー・声優さんの仕事は満点以上!

原作漫画。未読。

何も言う事はありません。音楽には気が行かなかったので評価3にしますが。
話は超地味です。
地味だから変な話の進め方をすると一気に視聴意欲を削いでしまいます。
それが・・・次週が気になって気になって!
当然お気に入りに追加です!

あと特筆すべきは声優さん達!ありえないほど良い仕事しています!
CVの依頼来たとき躊躇したと思います。こんな難しい役。
ラジオ小説に近い感じで雰囲気出すとか出来ないと話にならない仕事。
とても頑張ったと思います!

次作もあるという事で・・・期待大!です!

投稿 : 2016/05/09
閲覧 : 262
サンキュー:

17

ネタバレ

フローズン さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

何のごまかしもきかない作り

・原作未読
・開始前の予告映像を見た時点で、声優陣の名前の並びの素晴らしさから、見ざるを得ないと判断し視聴開始。このキャスト陣はずるい
・妙に小奇麗で線の細い顔、キャラデザはあまり好みではなかったが、それ以上にストーリー、役者の演技、雰囲気作りがよくて払拭される
・大人の鑑賞に堪え得る高品質なアニメのひとつだった

・落語、演劇ひとうひとつを丁寧に見せてくれて、何のごまかしもきかない作りで、非常にスタッフ、キャストの覚悟があってそこに感動することが多かった
・ほぼ毎回落語を長尺、もしくは一部分でも本気で見せてくれるのでストーリーをただ追うだけの物足りなさはなく、毎回の「出し物」を楽しみに見れるという期待が回毎にあった
・勿論それをやり遂げる声優の力量は凄まじく、そりゃこのメンツじゃなきゃ成り立たないかもと思う
・助六(山ちゃん)の落語シーンでは、仕方ない事だが山ちゃんそのものの顔が浮かんでくることは多かったが、それでも、圧倒的な才能を持つ破天荒な天才の助六を、天才なんだと十分に納得できる声質、演技でパワーがあった。

・原作未読なので本当に展開が分からず、現代からいきなり過去編に突入し、それがほぼメインという構成にすら驚いたし、そのおかげでこの世界に没入してしまった
・落語や昭和の歴史には全く詳しくないので、事実は知らないが、当時の落語界の閉塞感や昭和の持つあの雰囲気はかなり正確というか、そうなんだと思ってしまうくらい説得力があった
・好きなくだりは、七代目八雲が親子会で倒れ、急逝、その後の菊彦の「死神」。とめどなく流れるストーリーがここでキュッと引き締まり、大きな転換点を大仰ではなく、かつ印象的に見せたこの一連がよかった
・気になったというか、怖かったのが芸者の女、みよ吉。意外となんとかなり救われていく物語の中で一手に暗雲を引き寄せる役目を負っているような気がして、登場するたびにハラハラせざるをえない。
・悪く言えばファクター、コマ感が相当強いキャラだと思うし、前半でも後半のメロドラマチックな流れでも相変わらず線路の置き石のような存在だった
・呪い、呪われの人間関係は十分なほど濃いので、見ごたえは後半に連れ、大盛りになる

・最終話、現代に帰った時は、水泳でやっと息継ぎができたような妙な清清しさがあり、ただ視聴者は座ってみてるだけのアニメで、色々とザワザワしてしまう事が多々あり、よい、こわい作品だった
・2期決定ということで当然視聴していく所存

投稿 : 2016/05/09
閲覧 : 312
サンキュー:

32

ネタバレ

teji さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

全然 期待してなかったけど

めっちゃ おもしろい はまった・・ 

投稿 : 2016/05/05
閲覧 : 240
サンキュー:

4

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

こんなレビューですみません…

えー世の中には偶然ってもんもございやして、そりゃ良い偶然もその反対もあるものです。どこぞの世の中かはアタシは知りませんが、天国でも地獄でも与太話はあるもので、落語とか言った耳慣れない与太話を、アニメとか言う表現で表現するのは、まぁあたしも物好きでありまして、こっちは良い偶然なのかもしれないねぇ。


さて暇を持て余すとろくな話にならない事もありますが、先日嫌いなものは何か?ってな話題が上がりまして、ピーマンだのにんじんだのなんだのって挙がりましたが、あっしは無いと、正直に申したわけでありました。そんなのは許されないわけで、しぶしぶ甘いものと偶然答えたわけでございます。さて、何を思ったのか…奴らに甘いものを偶然沢山食わされまして、偶然胃もたれしてる状態であります。


そんなことはさておきまして、一旦話を最初の方に戻すと、

落語をするまでに落語風な物語をしやがりまして、普段観ているものは当然、話し手の裏事情は知りませんので、そこを話されると困ってしまうものであります。偶然は必然なんてくだらないオチは言いたくありませんが、どれぐらい困ったかと申しますと、泣くわ、わめくわ、笑うわでありまして、そうそう!先程の甘いものとどっちが困ったかと聞かれますと、

うーん、このへんで濃いお茶を一杯。なんつってwいやほんと良い作品でした。

投稿 : 2016/05/05
閲覧 : 241

こうもり さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

おもしろい!

まず声の演技に惹かれました。ここで声優の評価を5.0にしなかったら、いつできる?と思って、思い切って5.0にしました。

タイトルに落語とあるだけに、落語のシーンが多々あるわけですが、噺(はなし)がノッてきた時に流れるジャズっぽいBGMが最高に小気味良かったです。
落語だけでなく物語もかっちりとしていて最後まで飽きませんでした。

人とは存在していること自体が業深きものだと、この作品を観て改めて感じました。でも人は一人では生きていけないんですよねー。
・・と割と色んなアニメにあてはまるような事言っておきました。
でもこの作品は特にそう感じましたね。

詳しくは知りませんが、落語は現在でもしっかり根付いてる印象です。先代の方々の精進の賜物でしょう。

菊比古のしゃべり方、ちょっと真似したくなるのは私だけでしょうか(笑

投稿 : 2016/04/30
閲覧 : 179
サンキュー:

8

ネタバレ

mamiko さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:途中で断念した

成長物語

 師匠の過去の話が中心です。2人の青年が成長する過程で、芽生える思いすれ違う人間関係など深いアニメでした。
 落語はわからないと言う方でもアニメでわかりやすく解説しているので、初心者の私でも楽しめました。

投稿 : 2016/04/29
閲覧 : 241
サンキュー:

5

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

落語ということで…

最初は観ようか迷いましたが観てしまったが最後・・・ハマってしまいました。

続編も決定しているので個人的に物凄く楽しみです。

投稿 : 2016/04/28
閲覧 : 158

獅子虎 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

中々厚みのあるアニメだったかな?

大人のアニメ向けな感じで、人間味のでるアニメだと思います!

ドラマのようなアニメと言ったらいいんでしょうか。

こういうアニメもなかなかいいですよね(*'д'*)

投稿 : 2016/04/26
閲覧 : 122
サンキュー:

4

おぬごん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ストーリーと落語のハーモニー

戦前~戦後の昭和期の落語家たちを描いた同名の漫画が原作

この作品の肝は何と言っても落語のシーンです

落語というのは不思議な芸能で、扇子1本で多少の身振り手振りを加えながら喋るだけ
誰にでもできるはずのスキルで、老若男女誰もを楽しませるという誰にもできないことをやってのけるのです
落語や落語家が尊敬されるのは、何も古典芸能(の継承者)だからではありません
「話だけで何かを伝える」という人間誰しもができるはずなのに上手くできないことを、究極のレベルでやっているのが落語なのです

さてこのアニメでは第1話から1時間枠を使い、これでもかと落語シーンを魅せてくれました
アニメ(絵)では、表情や仕草、滴る汗などで噺家を表現
それだけでは本物の落語の魅力には到底及びませんが、これに命を文字通り吹き込むのが声優陣
元落語研究会の山寺宏一、大の落語ファンの石田彰に小林ゆう、落語家に弟子入りしている関智一(この作品のためだったのかな?)と、名だたる名手たちが見事に「落語」を作り上げていました
もちろん現実の名人たちの落語には及びませんが、それを目指し挑戦した冒険心は素晴らしいと思います

ところで作品内の落語は1席5分~長くても10数分でしたが、現実の落語は1席10~30分ほどで、名人の人情話となると1時間近くに及ぶこともあります
これはアニメの放送時間に合わせ極力「間」を省くように作られていたというのもありますが、
本題が始まる前の導入「枕」をほとんど描いていなかったことによるところが大きいと思います
通常落語ではこの枕と呼ばれる謂わばフリートークでお客さんを暖め、また本題の伏線を張ったり本題に出てくる時代背景や用語の補足をしたりします
ですがこの作品では、その枕がほとんで描かれません
なぜでしょうか…この作品には枕は必要ないからです
というのも、この作品全体が、作品内で描かれる落語の枕となっているからです
10話の死神や、12話の芝浜はそれが顕著でしたね
特に12話の芝浜は、芝浜が始まった瞬間に思わず唸り、最後には涙が溢れていました

落語との絡みを除いても、昭和という時代の中で芸人たちの脆く儚い生き様を描いた物語は非常に秀逸でした
ただ最終13話の、分割2クール目に繋げるためとしか思えない詰め込んだ急展開だけが勿体なかった…
分割2クール目があるのは嬉しいんですけどねw


声優陣の素晴らしさは上で挙げた通りです
キャストだけを見たら10年前の作品みたいですが(小林ゆうがいなかったら20年前でも通用しそうw)、その分実力は申し分なく、話に引き込ませてくれました

音楽も時にノスタルジックで、時にオシャレで、時に艶めかしく…作風に合っていたと思います
OPは林原めぐみと椎名林檎のコラボで、いかにも椎名林檎という感じの曲調ですが、歌詞も妖艶な歌声もみよ吉が歌っているかのようで作品にぴったりでした


この作品で落語に興味を持った方がいましたら、youtubeで、笑点メンバーのような有名な落語家の、「饅頭怖い」のような有名な落語を検索することから始めても構いませんので、是非現実の落語を見て下さい
現実の落語の素晴らしさと、この作品の途方もない努力が窺えると思います

投稿 : 2016/04/25
閲覧 : 184
サンキュー:

20

ネタバレ

もよん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

声優の演技がすごい

石田彰の年齢や落語によって違う演技がほんとにすごい、、、
菊さんはいくつになっても色気があった。
山寺宏一の落語も、林原めぐみのねばっこい話し方もすごかった。
どうすれば菊比古も助六もみよ吉も幸せになれたのかなって切なくなった
助六も実は菊比古に嫉妬していたって知ったときは私も驚いた
嫉妬するものって当たり前だけど才能だけじゃなくて境遇もだよね
なんだか耽美な雰囲気は濃い。
ほんとに素敵なアニメだったので、これは原作も読みたい。

投稿 : 2016/04/24
閲覧 : 245
サンキュー:

7

ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

やっぱり、声

落語と愛憎の人間ドラマ、老獪な噺家の半生と半身を語る追憶編。
原作はずっと前に1巻だけ読んでましたが、この作品はアニメで観てよかった、と心から思う。
主に、きっと大多数の人と同じく、声に魅せられたという意味で。

{netabare}
顔立ちに人生が刻まれる、とか、目は口ほどに(これはちょっと違うか?)、などと同じく、声にも人間が出るよ、と言われたことがあります。
どういう声を使って生きてきたか、今どんな声を発すべき立場か、意識的・無意識的にコントロールされる声には、人格の一端が表出するようで。

この物語は、落語界隈という舞台背景を除けば、おそらくオーソドックスなメロドラマです(私の実体験、読書体験が乏しいので、おそらく、との留保付きで)。
展開面では大仰にタメを作ることなく淡々と時が過ぎてゆくし、人物描写も多くは語らず佇まいで見せるタイプ。
にもかかわらず、「声」がキャラクターに人物に彫りの深さを与え、ドラマとしての圧倒的な厚みを与えている。

特に印象的だったのは、やはり主演の三人でしょう。
菊比古役の石田さんは凄まじかった。
人生に裏打ちされる落語、落語に裏打ちされる人生、その円環を、見事に青年期から壮年期へと転がし続けて見せてくれました。
鹿芝居(こう書くのね)や艶話での香り立つような色香、『死神』での総毛だつ暗い湿度と、落語シーンでの表現力も圧巻。

一方、物語を通して天才肌の快活な演技を貫いた助六役、山寺さん。
その圧倒的な存在感は菊比古の愛憎に説得力を与え、一方で終盤での脆さと懺悔にもハッとさせられました。
そんな二人が小夏の前で演じた『野ざらし』、幸せだったなぁ。
菊比古の『死神』、助六の『芝浜』、師匠の『子別れ』もすごくよかったんだけど、私は(アニメと落語の幸せな出会いとしても)あの11話の感情に溢れる掛け合いを推したい。
助六の印象が強すぎて、与太郎(関さん)が八雲の相手方として力不足になるんじゃ、という疑念は少し……

そしてみよ吉、林原さん。
時代に捨てられ、男に棄てられ、依って立つ自分すら見失ってしまった女性の愛情と悲哀の深さが、一声一声から伝わってくる。
どうしてあんな演技ができてしまうのか、恐ろしさすら感じます。
メンヘラビッチ乙www、では済まされない、怪異に類する美しさを表現していた。
落語も古典・伝統芸能も全く分からないけど、「そういえば娘道成寺もあんな情念を描いてたな」、と、古来より日本で描かれてきた女性像にもっと触れてみたくなったり。
{/netabare}

声優陣の演技ばかり語ってしまったけれど、力負けせずそれを支え、時にはより雄弁に一瞬を美しく飾り上げた作画や演出にも目を見張るものがありました。
でも、その粋を私の貧弱な知識と語彙で語ることは野暮ってェもんでしょう。
「八雲」と「助六」の物語はまだ第二幕。
名跡の上でも関係性の上でも、与太郎が九代目八雲となるか、三代目助六となるか。
“やくもき”しつつ、二期を待ちます。
おあとがよろしいようで。
ようで!(ゴリ押し)

投稿 : 2016/04/23
閲覧 : 404
サンキュー:

35

79 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

これ見て落語好きになりました。

落語。そんなテーマでくるなんて。で見てみたら超面白かったです。途中で出てくる落語も本当はどんなものなのだろう?そう思ってyoutube で調べて見ていたら落語そのものも好きになってしまいました。
話そのものも、なかなか先の読めない展開で興奮しました。
また音楽も話の内容や作品の雰囲気とすごくマッチしていて素敵でした!

投稿 : 2016/04/23
閲覧 : 194
サンキュー:

6

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

時代の移り変わりと・・・名前の大切さを感じる作品・・・

この作品の原作は未読です。正直この作品がアニメ化されると知った時には視聴を迷いました。
これまで落語の世界とはあまりも縁遠い生活をしてきたので、落語の面白さが理解できないと思ったからです。
落語の物語で落語が分からなかったら・・・一体何を見るのだろう^^;?

これまで落語そのものを題材にした作品は見た事がなく、唯一ホンの少し関係すると言ったら「じょしらく」を見た程度・・・
でもあのじょしらくは落語よりも楽屋での会話が殆どでした。もともとじょしらくの位置付けが「女の子の可愛さをお楽しみ頂くため邪魔にならない程度の差し障りのない会話をお楽しみいただくモノ。」という設定なので落語に殆ど軸足を置いていないんですよね^^;
そのため「お後が宜しいようで・・・^^」と言ってそそくさと楽屋に戻る姿しか落語に関するシーンは覚えておりません^^;
まぁ、じょしらくはガールズトークを楽しむ作品だったので思い切り笑わせて貰いましたけれど^^

でもこの作品はジャケットを見る限りギャグではなく、本気で落語に向き合う物語という雰囲気が漂っています。
でも物は試しです・・・「色々考えるくらいなら視聴する」の心情の下、視聴をする事にしました。

この物語の主人公は、刑務所帰りの元チンピラである強次・・・彼は刑務所服役時に八代目有楽亭八雲演じる「死神」の落語を聞いて以来、落語の虜になってしまいました。
出所した強次が真っ先に向かったのは、八代目有楽亭八雲のところでした。
これまで一切弟子を取らなかった八雲は、強次の自分への・・・いえ、それより落語への熱意を感じ取り付き人として八雲の家で住み込みで働く事になったのです。
ところが、八雲の家には住み込みの先輩・・・八雲の養女である小夏が住んでいました。
小夏は早くに亡くなった落語家二代目有楽亭助六の実の娘でもありました。
そこで、強次は八雲師匠以外の落語・・・助六の落語を目の当たりにするのですが、それは同時に八雲と助六の過去を知る事でもありました。
「んじゃ1つ、おまえさん方に話して聞かせてやろうか・・・あの人と私の約束の話を・・・長げぇ夜になりそうだ・・・覚悟しな」
八雲がこう切り出し・・・物語が動いていきます。

菊比古と初太郎・・・これが八雲と助六の二つ目時代の名前です。
二人が同時に先代の7代目八雲に弟子入りするところから物語が始まります。

折り目正しく真面目で几帳面・・・芸に対する努力を怠らないのが菊比古だとすると、初太郎は芸への思い入れを除きすべてが菊比古とは真逆・・・対照的な性格の二人でした。
性格が真逆だと演じる芸もおのずと真逆になる・・・
そしてそれは時として「自分に無いもの」として煌々と輝いて見える時があるのも人間なら仕方の無い事だと思います。
体調や感情だって機械じゃないのだから常に一緒という事はありません。

時にスランプの時に多いと思うのですが、人が羨ましく見えて自分の出来の悪さに愕然とした時・・・無意識のうちに言い訳を探してしまう事ってあると思います。
「Aさんは自らこの世界でやっていきたいと願ってきたからAさんの今があるんだ・・・私は自分から好きでこの世界に入った訳じゃないからAさんとは意気込みが違うし・・・そもそも持っている才のレベルが違う・・・」
自分に対する醜い下手な言い訳・・・
そこで自分を正当化してしまうのはそうしないと平常心が保てないから?

どう自分に言い訳しても、自分の戦う場所から逃げ出しても結局自分に還ってくるだけなのに・・・
言葉にすればとても短くいかにも簡単そうですが・・・気付く事も実践するのも難しい事だと思います。
まして若いうちなら尚更です。

でも菊比古と初太郎・・・弟子入りしたのが二人で良かったと思います。
それは相手がいると目標がより明確になるから・・・
たくさんの紆余曲折を経てきました・・・相手への妬みは燻り続けていたのかもしれません・・・
それでも熱心に落語に打ち込めば打ち込むほど実力が付いていくのもまた事実・・・
気がつけば菊比古と初太郎もあっという間に寄席の人気者になっていました。

長い下積み生活を経て、今じゃ寄席ではなくてはならない人気者・・・
きっとここまでの軌跡を丁寧に描いたら二人の成長物語になると思います。
でも、ここで終わらないのが人生なんですよね^^;

ここで菊比古と初太郎は人生における大きな選択を迫られる事になります。
彼らが何を選択したか・・・そしてその選択の結果は・・・?
気になる方は本編でご確認頂きたいと思いますが、それぞれの性格が良く出た選択をしたと思います・・・どちらにせよ波乱万丈である事に変わりは無いのでしょうけれど^^;

ここまでの波乱万丈は過去完了系・・・ですが、現在においても八雲の周りにおいて新たな波乱万丈が生まれようとしていました・・・というところで物語は2期に繋がっていきます。
新たに芽吹いた蕾がどの様な大輪の花を咲かせるのか・・・続きが気になって仕方ありません^^;

1クール13話の作品でした。
落語の事は正直良く分かりませんでしたが、落語の事を知らなくても堪能できる作品だと思います。
ただ分かったのは、噺家さんが自分の全てを出し切ってお客様に伝えようとする努力や気迫を怠ると、相手には伝わらない、という事です。
菊比古も初太郎も・・・全力で伝えようとしていました。首筋を流れる汗を何度見た事か・・・
でもこれって仕事においても全く同じことが言えると思います。
中途半端じゃなく、やるからには満点を目指して全力投球する・・・そう考えると、いつの時代もどんな職種も根っこの部分は変わらないんですね^^
そう考えると、今以上に親近感を持って2期を視聴できるような気がします^^

投稿 : 2016/04/23
閲覧 : 318
サンキュー:

36

ネタバレ

vFhsw86673 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

いい!

落語に興味がなく、全く分からないまま見始めたが、ストーリーが面白く自然とひきこまれていく。

投稿 : 2016/04/21
閲覧 : 324
サンキュー:

2

ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

昭和の雰囲気が妙に暖かい

原作未読 全13話 1話のみ1時間

昭和の大名人と言われる師匠に弟子入りした主人公与太郎のお話と、その師匠が若かりし戦前・戦後の落語界を性格が対照的な2人を通して描く作品です。

1部・2部となっていて、1部が初回の1時間で昭和30年代のお話、2部が戦前戦後のお話でで2話~13話で語られております。

話数でわかりますが今回は戦前・戦後のお話がメインとなっています。落語に対する苦悩、挫折、栄華、友情、色恋沙汰まで丁寧に描かれていました。{netabare}(みよ吉さんが不憫に思いました。二人が亡くなるシーンは切なかったですね。){/netabare}

また、メインの落語シーン、お話も上手いのですが、身振り手振りをカメラワークなど補っていて飽きさせませんでしたね。演出が見事でした。
{netabare}
落語はきちんと最後まで聞いたことはないのですが、まさかアニメで落語を最初から最後まで聞くことになるとは思いませんでしたw
{/netabare}
落語というお話がメインのこの作品、石田彰さん、山寺宏一さん、関智一さん、林原めぐみさん、そして落語大好きの小林ゆうさんと豪華でベテランの声優さんでしたね。

経験したことのない時代、知ってはいますが詳しく知らない落語と、色々と知らないづくしの作品ですが、かなり引き込まれた作品でした。

2期も決定してますので、続きを楽しみしています^^

OP 林原めぐみさんが歌っています。作詞・作曲が椎名林檎さんということで、艶な感じの曲になってますね。
ED 音楽のみ、トランペットの音が耳に残り何故か懐かしさを感じさせる曲でした。

最後に、この作品の鍵となる落語{netabare}(野ざらし){/netabare}がありました。一度本物の落語家さんから聞いてみたくなりましたね。

投稿 : 2016/04/19
閲覧 : 311
サンキュー:

43

ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

日本の落語家と声優は怪人二十一面相

原作漫画は未読。

【1話感想】

一人で延々と喋り続け、一人で多くの登場人物に化け、
観客を物語世界に引き込み、心をかっさらう。

道を極めし落語家はまさに怪人であり、
それをアニメで声優が表現するなど、一昔前までは考えられないことだった。

だが驚くべきことに本作はそれができている。

恐らく本作は日本のアニメ、特に声優の価値を次の舞台に押し上げる作品になるだろう。

政府は落語家だけでなく、本作の出演者をはじめとした声優にも、
文化勲章を授与する準備を始めるべきだ。

【1クール目感想】

私にとっては2016年冬アニメの中でも次元が違う絶品でした。
次元が違い過ぎて、何か従来のアニメ鑑賞とは別の趣味を楽しんでいる感覚。
すいませんw完全にあっちの世界に行ってしまっていましたね(苦笑)

観ていて今敏監督のアニメ映画『千年女優』を思い出しました。
“探し物”を続ける女優が出演作を通じて、心情を重ねていく半生を
事情を知っている鑑賞者という“特等席”で体感する『千年女優』

本作でもキャラクターの心情に合わせた演目が、物語の要所で展開され、
視聴者をよりキャラクター心理の深い部分へ引き込んでくれました。

ただ本作の声優さんが演じる落語家がスペシャルなのは、
女優は役を通じて何かを探すにも、
監督・スタッフがそういう作品を用意するのを待たなければならない。
対して落語家は自ら心情や意図を加味して選んだ演目を、
自分一人で全ての役を演じ、展開し、観客に届けることができる。

ある意味、一介の俳優より多彩で大きな、
落語家の小宇宙に終始、圧倒されっぱなしでした。


ところで最近、尊氏は、各所に本作のヒロインは菊比古である。
との怪文書をばら撒いて、ヒンシュクを買っておりますがw
困ったことに尊氏は、割と本気でヒロイン菊比古説を支持しておりまして(苦笑)

……いや、ヒロイン菊比古でしょうwみよ吉ではないと思います。
寄席で妖艶な女役に化ける菊比古の落語だけじゃない。
{netabare} 飲み代のツケを抱えて酔い潰れるw
助六の世話を焼く姿なんてホント甲斐甲斐しいですしw
極めつけは助六と落語の“よりを戻す”際の、あの夫婦(めおと)落語(笑){/netabare}

観れば観るほど菊比古がヒロインとの確信が強まっていく一方ですw
論理を飛躍させれば、{netabare} 本作はみよ吉が菊比古を時に女に昇華させる落語に敗れ、
正ヒロインの座を掴み損ねたことによる悲劇。
そう尊氏は拡大解釈していますw{/netabare}


世代の因果が積み重なった上に展開されるであろう、2クール目も楽しみな作品。
……願わくば次のヒロインには{netabare}男でも女でも、是非、幸せになって欲しい。{/netabare}
そんな想いと共に、尊氏も二期開始を正座待機して心待ちにしております♪

投稿 : 2016/04/18
閲覧 : 488
サンキュー:

42

NtQab21351 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

こういうアニメがもっとあれば良いのに!

落語に興味はないから敬遠していたけれど、好評価にひかれて視聴。

1話目はあまりピンとこなくて、迷いながらの2話目以降、ずるずるとはまっていった。

落語を演じる場面など、見せ場にじっくり時間をさくところが良かった。表情、仕草、足の動きまで、実に細かく演出されていた。菊比古が演じるときは、いつも固唾をのんで見いった。

艶っぽい菊比古、豪放磊落な助六、甘ったるい美代吉の声、3人ともよくはまっていたし、落語に詳しくないからあれだけど、さすがプロの声優はすごいと思った。

せっかく物語自体はおもしろい漫画なのに、めちゃくちゃに詰め込んだ無理のあるアニメ構成にがっかりすることが多々あるけれど、このアニメは、どっしり腰を据えて堪能できた。

大人向けのアニメだと思うし、こういうアニメももっとあれば良いのに。
二期が楽しみ。

投稿 : 2016/04/18
閲覧 : 183
サンキュー:

12

sobako777 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

昭和、下町、落語の世界艶やかに!2期も決定!

BL作家さんの作品だからかキャラにほのかにその匂いを感じるが、BL要素は全くなかった(ちょっと残念だが)。細かな言葉遣いを始め、かなり本気で昭和の"粋"や落語の世界が丁寧に描かれている。音楽も映像も格好良い。落語を聞かせなきゃならないわけだから声優さんもめちゃ本気で頑張っている。最初はちょっとタルかった長ったらしい落語も回を追うごとにちゃんと聞けるようになった部分にそれを感じる。回想主流で1期が終わり物足りなさを抱いていたが早々に2期も決まって嬉しい。この高いクオリティのまま楽しませて欲しい。面白い!

投稿 : 2016/04/18
閲覧 : 185
サンキュー:

7

てんてん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

普通

2期決定おめでとうございます。

でも自分には合わなかった。

投稿 : 2016/04/17
閲覧 : 194
サンキュー:

2

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

大人が酔える本物の味わい深さ

第17回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門優­秀賞受賞。
第38回「講談社漫画賞」一般部門受賞。

と、原作漫画が高く評価されているアニメ化作品だが、
これはアニメ化大成功、と言える素晴らしい作品になったと思う。

どうしても、漫画では落語そのものの臨場感や空気感を伝えるのには限界があると思われるが、
(読み手の想像力次第で悪い方向へは行かないと思う)
アニメ化して中途半端なものを作ってしまうと、世界観をぶっ壊してしまう恐れもあるなか、
製作陣の気合いの入りよう、原作へのリスペクトが伝わってくる見事な仕上がりで、
大人だからこそ楽しめる、このような作品が世に出てきたことは非常に喜ばしい。

物語が楽しめるかどうかは、観る人間の年齢や好みによって異なるかもしれないが、
純粋にアニメとしてのクオリティは、全ての要素が高い次元で纏まっているし、
また全13話、1話たりとも退屈しなかった。
これは年に何本もある秀作レベルではなく、素直に傑作と言ってしまっても差し支えない作品だと思う。

自分はこの作品を40代や50代の一般人にも自信を持って薦めることができるが、
大人が観て本当に満足できる「質」と「深み」「味わい」を備えた作品は、
ここ数年の「深夜アニメ」では「蟲師」(続章)以来かも知れないと感じた。
2期で物語が完結するだろうということを考慮すると早計かもしれないが、
いずれにせよ、恐らく原作同様「文化庁メディア芸術祭」のアニメ部門でも認められるだろうと確信している。


☆物語☆

タイトル通り、内容は「落語」そのものも見どころの一つだが、
たとえ落語に興味が無くても(正直自分は落語そのものには大して興味はない)
登場人物たちの深い人間ドラマには非常に引き込まれる。

尺を拡大して放送された1話は現在を描いているものの、
(1話の掴みは今期の作品の中でもベストだと思うし、最終話観てからまた観直すとより感動的)
終盤まで主に八雲の過去の回想がメインに描かれている。

菊比古(八雲)と助六、みよ吉との関係は一言では語れない、様々な感情が渦巻いており、
3人共に人間らしい過ちを犯していて、またそれぞれに同情も出来るものであり、
本当に深く絡み合った人間模様が描かれていると思う。

また一方で、八雲と小夏の間にある因縁、八雲(師匠)と助六、
八雲と与太郎の数奇な運命の巡り合わせ、とは...
これは是非本編をご覧頂きたい。

また、各キャラがここぞという場面で、
非常に含蓄のある言葉を語っているので、そこにも注目して貰いたい。

この作品に関しては、あまりネタバレで、あーだこーだと書いてしまうと無粋な気がするので、
(最初は色々書いてたんだけど)
とにかく登場人物達と落語を巡る「想い」「運命」「宿命」「因縁」を観て、
それぞれの立場と心情を慮ってもらいたいと思う。

物語が完結してないし、点数は4.75、ってのがあると良いんだけど、
まぁそんなに出し惜しみしてもしゃぁないし、物語の作り方、設定にはほぼ不満がないので、5点。


☆声優☆

MBSで放送していた「アニマゲ」の中で、この作品を特集していたのを観たが、
一風変わったオーディションで選ばれた声優さんたちは、結果的に落語に造詣のある面々で、
声優としての実力も折り紙つきの精鋭が揃っていて、演技自体も当然素晴らしい。
そして、驚くべきことに、落語の部分も通常のアフレコで録ってるらしい。。

正直ここまで純粋に声優陣の「技量そのもの」が試された作品というのは、
近年でも、というか、アニメ史上でも稀なんじゃないだろうか。
「質」を求めるアニメファンなら声優陣の演技だけでも、
この作品を観る価値は充分にあると思う。

1話の与太郎、後半10話の菊比古、11話の菊比古と助六のコラボ、
12話の助六の想いの込もった熱演には感銘を受けた。
また、2週目繰り返して観てみると、弟子入りした当初のパッとしない落語から、
上達し味が出てくる落語の変化も巧みに演じ分けられていることに気付く。

初見ではあまり何とも思わなかった回の落語も、2回目の視聴では惹きこまれて観ることが出来た、
というのも不思議な感覚だった。。
落語の部分の演技ばかりに注目しがちだが、5話の芝居の場面の演技も実に艶があり見事。

また、みよ吉演じる林原めぐみさんの、円熟味を感じさせる「女」の演技も実に巧い。
これは声のトーンや表現力も含めて、若手の声優には到底演じれない役回りでしょうね。

一聴して判る小林ゆうさんの低音ハスキーボイスは幼女役でも炸裂しており、
正直こんな声の子供居るかよ笑、と思いつつも実に可愛らしく演じられていた。

脇役的な役どころの八雲(師匠)と松田さんの演技も、実に渋く味わいがある。

点数は文句なしに5点、というか今後なかなか5点を付けにくくなった。。


☆キャラ☆

各キャラクターの心情が非常に丁寧かつ繊細に描かれていて引き込まれる。

八雲(菊比古)と助六の対照的な落語への動機、性格が印象的で、
2人の関係性など、きめ細やかな描かれ方は女性作家ならではだなと感じた。
(BL臭が全くしないと言えば嘘になるが、腐女子を引き込むほどのものではないだろう)

最初に出てきた小夏の出番が少なくもの足りないなと思っていたら、
後半に幼女で登場、これが何とも愛らしい。

また、みよ吉のようなキャラは昨今のアニメでは極めて珍しいが、
ラノベ作家なんかが描くリアリティの欠片もない女性キャラとは違い、
(それはそれで良い面もあるんだが)
女性作家だからこそ描ける、「生身の女性らしさ」、愛憎渦巻く内面が非常に良く伝わってくる。

一見すればどうしようもないアバズレだが、
彼女の置かれた境遇、あの時代の女性の立場を考えると、
過ちを犯していることや性格に問題があるとはいえ、自分は彼女にも同情することが出来る。

また八雲(師匠)の背負った名跡の重圧、助六を巡る因縁や後悔、
昔気質な性格も非常に上手く描かれていると思う。

全てのキャラに言えることだが、やはり声優の演技あってのキャラ、
と言うのはこのアニメに限ったことではないが、本作を観て改めて思い知らされた感がある。

点数は5点。自分はキャラの性格が好きか嫌いか、は点数の判断基準には無くて、
そのキャラの掘り下げ具合、心理面がどれだけきっちりと描かれているか、を見ている。
本作でのキャラの描かれ方は非常に丁寧で、観ているこちら側にまで伝わってくる。


☆作画☆

最近の作品は技術の進歩もあり、
デジタルでも非常に凝った手描きのような質感を持った背景描写のものが増えてきた感があるが、
本作でも昭和の空気感や雰囲気をよく伝えるものとなっており、趣があり味わい深い。

またキャラに関しては、落語を演じている場面や、それ以外でも細やかな表情の変化やしぐさなど、
かなり丁寧に描かれていて、作画力があるからこそ、キャラの内面や落語の魅力が伝わってくるのが実感できる。

派手な動きやCGなどは殆ど無く、純粋な作画枚数的にはそこまで多くはないと思うが、
キャラが全話通して巧く描かれているので、自分は全く不満は感じない。

普段付けてる点数から言うと4.25くらいにしたいところだけど、無いのでおまけで4.5。

※やっぱり付けすぎかな、と思ったので4点に直しました。


☆音楽☆

椎名林檎作編曲、林原めぐみが歌うOPは本作の大人な雰囲気にピッタリで、
ハイセンスで個性溢れる楽曲はいかにも「らしさ」がよく出ていて、改めて凄い才能だなと実感した。。

また、歌詞に着目すると、これはみよ吉の菊比古を想う心の内をこれ以上ない、
と言うほど見事に表現しており(もはや狂気を感じる、女の怖さや情念に心を打たれる)、
これは単なるタイアップ曲を越えたアニソンとして、非常に高く評価されるべきものだろう。

それに対するEDはノスタルジーとロマンを感じる、
まるで映画一本観終わった後のような、味わい深さと余韻に浸れる見事なインスト曲でこちらも絶品。

作中BGMは「生音」への拘りが半端なく感じられ、楽器そのものの魅力が存分に伝わってくるもので、
バリエーション自体も非常に多彩で、クオリティの高さに疑いの余地はない。
これは通常のTVアニメと比べると、かなりの予算が掛かっているだろう。

点数は文句なしに5点。


最終話は回想から時間が現在に戻り(1話より時間は進んでいるが)、
終わり方がちょっとこれで終わるには勿体無いな、と思ったところ、
本編後の最後に2期制作決定が明らかになり、既に続編を作り始めているように見受けられたので、
今後には大いに期待したいと思うし、楽しみが増えた。
(予め2期、というか分割はある程度は既定路線だったのかもしれない)

本作はアニメーター自身が観て楽しめる、
本当に自分達が純粋に作りたいものを作った、そんな情熱と新たな挑戦、拘りが実感できる作品だと思うが、
このような作風のものは、今の時代そうそう売れるものじゃない。

商業的な理由で特定の円盤購入層に受けるような、似たようなアニメばかりが量産される昨今、
敢えて大人が観て楽しめる、この作品を「深夜枠」でアニメ化したスタジオディーンには本当に感謝したいと思う。
(NHK辺りが率先して予算を出し制作してもおかしくない内容だと思う)

同時期にディーン制作の「霊剣山」「このすば」と比較すると、どれに力を入れて作っているか、
は火を見るよりも明らかだが、「霊剣山」が中国でのネット配信権で利益をもたらし、
「このすば」が低予算で円盤売上好調、結果的には本作が円盤売れなくても制作費回収できて2期決定、
という流れだとすれば、これは大いに歓迎すべきことではあるが、
同時にかなりの皮肉だといえるかもしれない。。

投稿 : 2016/04/16
閲覧 : 392
サンキュー:

21

ネタバレ

とーあ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

人間物語

正直なところ落語には興味なく見るつもりもなかったけど面白いと勧められ見ました(*^^*)
助六、菊比古の生い立ちと言えば大袈裟かもしれないけど苦悩や葛藤が描かれたアニメかと思う(*^_^*)
相反する2人だが互いに認め合い、助け合い、必要とし切磋琢磨していくところ面白かった!
そして声優の力がスゴい!!
石田彰、山寺宏一お見事です(≧∇≦)この役はこの2人にしか演じられないでしょう。
またヒロインの林原めぐみ!最高!
少し敷居が高く手を出しにくい作品かもしれないけど落語ってことに構えることなく見てほしいです(^-^)/
助六、菊比古を取り巻く人間物語は圧巻の一言ですから!

投稿 : 2016/04/16
閲覧 : 219
サンキュー:

17

ニャンキチ君 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

時代の波にのってかえていく者と 抗いかわらぬ者

 原作は未読で、落語はあまり詳しくないのですが、故桂枝雀さんの落語はおもしろかったですね。 それと笑点のTVは大好きという程度です。

 さてアニメの方ですが、1話でグッと引き込まれてしまいました。
 
 作画もキャラ達も良くて 登場人物の声優さん達の声の演技はさすがですね。聞き惚れてしまいやした。艶っぽい声にぞくぞくしたり いきよい良く乗った声にこちらも楽しくなったり OPの音楽は毎回 ワクワクさせてくれました。そして ノスタルジーを誘う 穏やかなEDが流れるいいね。  


 他人の人生を垣間見る。まさに人生いろいろ。 でも自分もそこに居合わせているような感覚を与えてくれるアニメでした。2期が楽しみです。



 初老の菊比古さんシブくて素敵です。^^

投稿 : 2016/04/15
閲覧 : 292
サンキュー:

50

ネタバレ

瑞季 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

(・ω・`)

落語を題材とした青春モノ?

まず物語の作り方が上手いと感じた
落語に興味をもった訳でも
作中の落語が面白かった訳でもないんだが
純粋に青春モノとして出来上がってる

そして声優さんすげーと改めて思う

続編楽しみです

投稿 : 2016/04/14
閲覧 : 198
サンキュー:

5

山のかかし さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

声優さんが凄い

今季一番ガツン!と来た作品です。
最初からいい作品の予感はしていたので、最後までとっておきました。好きなモノは最後に食べるタイプです。(^o^)

いや~声優さん頑張ってました。
関智一さん石田彰さん、両名とも好きなベテラン俳優さんですが、あの長い落語のセリフ、セリフって言うから古語そのまま演じてましたね。
素晴らしかった!の一言です。
終盤の石田さん演じる師匠が良かった。
怖かったw

あと小夏を演じた小林ゆうさん、はマリ役ですね。
ゆうさんコメディータッチの何かおちゃらけたゲスっぽい役とかが多いイメージでしたが、このような真面目なストーリー物の役、合ってますね。
第一話だけ1時間スペシャルでしたがあっという間に時間が過ぎて行きました。

もう2話出てますね。
楽しみな番組は自分が集中出来る時間に見れるようとって置くのです。

投稿 : 2016/04/13
閲覧 : 206
サンキュー:

16

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人間ですねぇ

落語なんてどうせ、などと口走っていた自分を恥じます。
この作品、アニメの演出と作風がぴったりで、まるで女性の誘惑のような不思議な魅力があります。
才能や人情や苦悩。
ここまで綺麗に描き出せる技量に感服です。
登場人物たちを見守りたくなるような感じですかね。

衝撃の!ではなかったですが、興味深いストーリー展開でした。
展開展開と無理矢理進まず、じっくり描いたのが好印象です。僕の心理体系とは全く違う登場人物たちだったために、じっくり感は本当に助かりました。
心にひりひりぐーっとくる作品でした。

投稿 : 2016/04/12
閲覧 : 174

ゆふぃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

聞き入った!

落語に全く興味のなかった私ですが…

落語のシーンになると聞き入ってしまいました!

それほどに素晴らしい♪

声優さんって凄いですね…。。。


2期期待してます。

投稿 : 2016/04/11
閲覧 : 200
サンキュー:

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昭和元禄落語心中のストーリー・あらすじ

昭和の落語界を舞台にした噺家の愛おしき素顔と業を描いた作品

師匠と交わした約束を 胸にしまって芸を磨き ついに与太郎、真打に。 射止めた名跡は三代目助六。 八雲師匠の為め、助六の血を継ぐ小夏の為め、 焦がれて手にしたはずなのに、 おのれの落語が揺るぎだす――。 八雲と小夏、二人の中の助六を変える為めの 与太郎の落語とは――!? (TVアニメ動画『昭和元禄落語心中』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2016年冬アニメ
制作会社
スタジオディーン
主題歌
≪OP≫林原めぐみ『薄ら氷心中』≪ED≫澁江夏奈『かは、たれどき』

声優・キャラクター

関智一、石田彰、山寺宏一、小林ゆう、林原めぐみ、家中宏、牛山茂、山口勝平、加瀬康之、須藤翔、茶風林、遊佐浩二、林家しん平

スタッフ

原作:雲田はるこ『昭和元禄落語心中』(講談社『ITAN』連載)、 監督:畠山守、シリーズ構成:熊谷純、キャラクターデザイン:細居美恵子、落語監修:林家しん平、色彩設計:佐野ひとみ、撮影監督:浜尾繁光、音楽:澁江夏奈、音楽制作:スターチャイルドレコード、音響監督:辻谷耕史、音響制作:ダックスプロダクション

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