ダレイオス さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
推理の過程は丁寧だし、主人公コンビは面白いのはいいね。
いきなりクラシックな曲がかかり哲学的な話を聞かされる開始で
言っていることも、独特の言い回しもあって
そういうモノの考え方もあるかなと視聴者的に考えてしまう部分がありで
開始直後は面白そうなことを言っているなと思いましたね。
作中では出てない私の個人的に例え話で悪いのですが
競走馬がいるじゃないですか
競走馬で人間の言うこときかない気性難の馬は
頭が悪い馬で馬鹿だと言ったりするけど
実は逆じゃねえ?って考え
頭がいいからこそ、楽はしたいから人間の言うことをきかないと
見方を変えれば逆の考えもありと
そんな感じで独特の会話劇が繰り広げられるので
個人的にはナルホドなと思えることが多かった。
そして次に良かったと思うのは主人公で大学生の萌絵という女性ですね。
同じく主人公である大学の教授である創平と会話をするのですが
落ち着いた女性の雰囲気で創平をよく観察して
創平のことをよく見ていなければ言えないことも
ちゃんと見て尚且つ大人の受け答えをするので凄くしっかりした女性に見えました。
本音を混ぜつつも嫌味になっていなく、相手方を持ち上げる感じは中々
そして創平に対して、それなりに男性として興味を持っているのか
男として言われたらそそる発言をさり気なく言ってのけるので
凄くいい女性だなと思いました。
これが色気や、いやらしい表面的なものが強く見られるものだったら
よくあるアニメ的な表現なので真新しさは感じなかったけど
そうではなく独特な部分を感じるキャラクターは良いと思う。
大学生だからなのか時より子供っぽい嫉妬もあったり
感情豊かなキャラクター性も見られるのも良い。
ストーリーはこの萌絵と創平が、とある孤島の研究所に出かけることになるのだけど
最初、何のアニメなのかはわからなかったけど、世界観は独特である。
そこの研究所の博士が14歳で両親を殺す殺人を犯しながら心神喪失で罪には問えなかったとか
何とも無茶苦茶だな思える話で独特の世界観を出していたかな
さすがに心神喪失で博士になるのは無理だと思うので
どうもフィクションの博士は変な人にしなきゃ目立たないので
そうなっているのかもしれません。
そして、とある孤島だけにその孤島には定期便がなかったり
こちらから連絡しないと船は孤島に来ないとか
何となくだけどミステリーの作りですね。
序盤から説明セリフが多いのは気になるものの時間をかけて説明してくれるので
わかりやすくて良かったです。
説明も島に行く途中の風景を写しながらキャラも他に何かしている
その中で自然な感じに流れる会話になっていることが多く個人的には退屈しない作り
島についても、目薬をさしながら会話とか
そんな調子で上手く色々行動しながら退屈しない流れで説明出来ているので良かった。
そんな中で発生する殺人事件で個人的にはミステリーものと気付けましたね。
ここまではミステリーものに出てきそうな職業のメインキャラはいなかったので
殺人事件が起きてミステリーものとわかる作りで驚きはありましたね。
そういう演出は好きです。
さらにあまりミステリーものにいないメインキャラが殺人事件に巻き込まれるのは
探偵や警察がいるわけではないので素人ならではの意見は良かった。
萌絵と創平も殺人事件が起きたにもかかわらず妙に落ち着いた所が
このアニメの独特さを出していました。
推理の過程も丁寧かな、孤島で外部との連絡が取れなくなった理由を
推理したり、殺された人がなぜこんな恰好で殺されたのか推理したり
ミステリーものではお馴染だけど密室である理由も色々考えたり
1つ1つ素人なりに考えて潰していく過程は良かった。
ストーリーが進むと動機の推理や事件の見解まで
哲学的な話が増えてくるので人を選ぶと思いますね。
個人的には、人がどのように考え、どのように生きて
自分なりの生き方を探索するのはいいことだとは思うのですが
それがわがままにあたるので説得力が感じられず
どうもその傾向が感じかな
好き勝手生きたいのはわかるし、自分の思い通りに生きたいのもわかる
でもわがままなのが痛いかな
私ごとですいませんが昔中学生の時の社会の授業で「自由」
が認められるとは、どういうことなのか?と
あったのですが、そこである人が自分達は全然自由ではないと
答えた人がいたのですが理由は、授業中にご飯を食べたら怒られるから自由ではないと
答えたけど、社会のルール的には、それはわがままにあたるそうですね。
だから駄目だそうです。
なんで、それが出来ないからといって自由が侵害されているわけではないとのこと
要するに哲学的だとしても社会のルール上で成り立ってないのがキツかった。
トリック自体は探偵ものお約束の無理があるとは思いました。
冷静に考えると警察がその偽装工作に騙されるとは思えないし
研究所の人が、知らないはずがない問題がありで苦しかった。
ただトリックは伏線があり、あとから見れば完全に後出し
ではなくストーリー上でさりげなく説明されているので
受け入れることは出来ました。
ミステリーものとしては尺があり話数も十分にとられているので
段々謎が解けてくる楽しみもありました。
謎自体も結構考えられたもので、よく思いついたなとは思います。
ストーリー構成は1クール11話を目一杯使うことなく
余裕のある作りだったので、今のテンポの早いアニメが好きな人には向かないだろうけど
視聴者に推理させる余裕があったのは良かった。
最後まで見るとバラバラだった出来事や謎がまとまるので
ストーリー全体を通すとストーリー構成はまとまりがありスッキリしていました。
作画については最近のアニメ的ではなく地味でしたね。
キャラデザインは最近の売れ筋は外していて
創平はメガネ姿で服装もダサいので見た目的には普通なんですが
そこが個人的には良かった。
萌絵は普通の女の子ぽい感じの地味さが良かったかな
出来るだけ萌えアニメ的な要素を排除した作画は
哲学的な世界観には合ってました。
作画自体も地味ながら安定していて安心して見れました。
背景や外の景色は奇麗なので作画クオリティーは地味ながら高かったです。
声優さんについては哲学的な喋りも多い演技力を必要とした作風でしたが
上手かったと思います。
萌絵役の種﨑さんは本来は萌えアニメよりの声質なんだけど
今回は喋りが普通でしっかりとした演技だったのは良かったです。
創平役の加瀬さんは地味ながら上手いと感じる演技でした。
こういう地味なキャラは上手くないと棒演技気味になると思うのだけど
それが無いのは良かった。
哲学的な部分は面白い部分があり
そういう別の見方もあるな的な考えは良かったです。
殺人事件が起きてミステリーものとわかる驚きの作りも良くて
推理の過程が丁寧なのも良かった。
ただ動機の推理や事件の見解まで哲学的になるので
人を選ぶかな、トリック自体は無理があるので、それ自体は微妙なんだけど
よく考えたもので謎が解けてくる楽しみはありました。
キャラは犯人は哲学的すぎるのでミステリーものの犯人としてはよくわからない
まま終わってますね。
このアニメのテーマ的には正しいのだろうけど、社会のルール的には厳しいということですね。
主人公コンビは面白いので結構好きでした。
それがこのアニメの一番の評価点だと思います。
7