dbman さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
はじめてですよ…ここまで私を魅了したおデブさんは……
「アニメーション業界の今が、ここにある」をキャッチコピーに、アニメ制作現場で起きる様々な苦悩などリアルな奮闘をクローズアップしている物語。
友人からの薦めや評価が高かったこともあり1年ほど前に視聴したところ、登場人物の多さに加え、苦笑いしかできない合言葉「ドンドンドーナツなんたらかんたら」や、いきなりの道路交通法違反(頭文字Dのパロディなのかな)など観るに耐えられず断念してしまいました。感情移入できるようなキャラや、お気に入りになりえるキャラがひとりもいなかった事も大きな要因。
しかしながら先日もう一度視聴に挑戦したところ、7話目くらいから「次週はよ!」と止まらくなっていました。私は思ってしまったのです。「あれ? この物語の主人公って、実はこのデブおっさん監督じゃね?」と! 目の前の現実からすぐ逃げちゃったりとその行動や言動は、ただの我ままなガキもとい見た目どおり“大きな子供”だが、お茶目で可愛くちょいちょい笑わせてくれます。一方で作品にかける情熱スイッチが入ったときの熱さは面倒くさいけれどカッコイイのです。とある宇宙人の言葉を借りるなら…
「はじめてですよ…、ここまで私を魅了したおデブさんは………」
このおデブさんこと木下誠一の声優・檜山修之さんって、『げんしけん』{netabare}でもその儚く人間味溢れ愛さずにはいられない様相で主人公を食っちゃっていた{/netabare}キャラ・斑目も演じているのよね。あの独特な声も素敵です。
それからは曇っていた空が一気に晴天へと晴れ渡ったかのように、物語が楽しくて仕方ありませんでした。相変わらず主要人物である5人の女子たちの名前すらもまともに覚えられない状態でしたが、女の子たち以上にヤロウども、特におっさんらが光るシーンが多く夢中になってみてしまったw
第22話でのベテランおじいちゃんアニメーター杉江さんのセリフ {netabare}「才能っていうのは、何よりまずチャンスを掴む握力と失敗から学ぶ冷静さだと思う」の“握力”という言い回しには痺れたw {/netabare}
もちろんおっさんたちだけでなく、心に残った場面のひとつに声優を目指すしずちゃんこと坂木しずかの{netabare}フラグが回収されたシーンは、思わずもらい泣きさせられましたよ。おいちゃんこと宮森あおいの台本で顔を隠しながらの号泣っぷりはグっときてしまうこと請け合い;;{/netabare}
ちなみに唯一の私的萌えキャラとしては、いつも絵麻ちゃんの陰に隠れている極度のコミュ症娘・久乃木ちゃんが可愛いくて「頑張れー! 頑張れー!」と応援せずにはいられなかった。絵麻ちゃんと井口っちゃんによる屋上での謎ダンスも萌えたけれどw
とまあ、私のように物語早々に見切ってしまった方も少なからずいると思うので、7、8話くらいまでは観てみてほしい。きっとその辺りから面白くなってくることと思われますので。