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「山賊の娘ローニャ(TVアニメ動画)」

総合得点
58.4
感想・評価
116
棚に入れた
494
ランキング
6645
★★★★☆ 3.3 (116)
物語
3.4
作画
3.3
声優
3.3
音楽
3.3
キャラ
3.3

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山賊の娘ローニャの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:途中で断念した

技術は手段であって目的ではない。

普段は人が入り込まないような、深い、深い森の奥。
その森に囲まれた山の頂にある廃墟と化した城を根城にしているのが
マッティス山賊だ。頭のマッティスと仲間たちは谷間を通りかかる
商人たちを襲っては生計を立てていた。
雷鳴がとどろき、鳥女が叫ぶ嵐の夜、激しい雷が落ちて城が真っ二つに
なってしまう。そんな大変な夜に、マッティスに一人娘が生まれた。
名前はローニャ。山賊の娘ローニャ。
(中略)
これは一人の少女の成長をとおして描く、家族の物語。(公式サイトより)

というお話。
かの宮﨑駿大先生のご子息・宮崎吾朗さんが監督を務める
全編フル3DCGのアニメとして大きな注目を集める作品。

いちおう制作はポリゴン・ピクチュアズという会社で、
制作協力がスタジオジブリという形です。

初回は1、2話を放送。
ストーリー自体はもったりもったりと進むので、2話分やらないと
なんだかもう……って感じ。

それより気になったのは、これは懸念されていたことですが、
3DCGにしたことによる表情の乏しさと、会話とかそういう間が
微妙に違和感があることです。
逆に、馬が疾駆する様子などさすが、と思わせるのですが、
なんというか「3DCGすげえだろ、こんなことも出来るんだぜ」と
言わんばかりのシーンが目に付き、物語の進行を妨げている印象を
受けました。

技術というのは、作品を創り出す上での手段であって、それを見せる
ことを目的にしては本末転倒だと思いました。

ま、もう少し様子見ですね。

投稿 : 2015/06/09
閲覧 : 337
サンキュー:

7

ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ビルク…2015年イケメンキャラ暫定トップだわ!ええ、きっと森の誰もがそう思うでしょうよ。

初監督作品では父を殺し、2作目では父はすでに他界していてそこから父親について調べて、今作では父親と和解。
実に興味深いですな。



CG
なんだかんだ不安があったけど、かなり自然に動いていた。
表情や動きがもたついてないし、演技と一致している。誰か喋ってるときに他のキャラは完全硬直してるなんてこともないっぽいし。
絵もDQ8を思い出させるような3Dデザインになっていて個人的に違和感はほぼなし!
信長もこれぐらい自然にキャラクターを動かしてくれればよかったのに…

モブも皆うごく動く!
喋ってないときは時が止まったようにピタリと止まっている、なんてことはなく
後ろの方でもちょこちょこ動いている。
人として自然な動きと豪快なアニメらしい動き 両方見られて良いですね


でも
細かく描かれた背景と違い
小物や頭髪などは質感がいまいち出ていなかった

しかし3Dの良いところ
日の光
ろうそくの明かりなど
光と影による表現
→毛皮の質感が出ていた

髪はさらさらしたリアル寄りにしすぎると
描きたい世界と違ってしまうからなのかもしれない。
児童文学、絵本のような…そんな世界観を大切にしたのだろう。



この作品の魅力である森
自然はとても繊細な描写で美しい
流水もよし。


城の中はホグワーツ城みたいな感じで探検してみたくなる
わくわくする感じ。




穏やかな作風から急転直下!
自然の中でのびのびと四季を過ごすローニャの姿にほのぼのとさせられてきただけに
捕らわれたビルクの姿は衝撃が大きかった!
これまでのゆったりした時間振りは全てここを活かすためだったのだろう。
ついこの間まで 女装姿に大笑いしてた奴らが…!

ショックがデカい…ビルクはついさっきまで元気な姿だったのに(´・ω・`)
私がこれだけショックだったなら、ちっちゃな子供たちはこのシーンを見て泣いてるんじゃないだろうか?

山賊だとわかっていても残酷な描写は少なかったからなー。
次回で解決するのか
山賊稼業について踏み込んだ話になる…?


今まで長きに渡りゆったりした日々が描かれたからこそ映える展開だよね。
もし まどマギが2クールだったらマミさんがマミるのも10〜12話くらいになっていたのかな?


最近は1クールの作品でも
「展開が遅い!」って
数話で観るの辞めちゃってる人見かけるけど、そういう人はここまでたどり着けないだろうな。
アニメは辛抱してまで観るものじゃないけど、さすがに早計すぎるだろう。
ももたろう見てて
猿が仲間になるあたりで
仲間集めに時間かけすぎ、テンポ悪いから切るわって言ってるようなものだし。

もう少しどんと構えていたほうがアニメでも何でも楽しめるでしょう。


果てしない争い後編
人攫いとか山賊の得意技だと思ってたけど、タブーなんだね。
子ども攫いだからかな?


ローニャ跳ぶ!
ビルクと出会ったときの張り合い(奈落ぴょんぴょん)がここに繋がるとはね。
もしも奈落でなく森で出会ってたら、あの時に跳ぶ勇気は出なかったかも?

ずっと好きだった父があんな残酷なことしたらショックだろう
父の顔→山賊頭の顔になってたし

あれだけ仲のよかった二人があの決別…胸が痛んだ。


次回は山賊の砦から家出するっぽい

森で二人暮らし始めるローニャとビルク。
親の教えもあって生活の知恵を得ている二人はけっこうたくましく暮らしていく。
食糧が気になりだした辺りで生活必需品ナイフが無くなり
ケンカになってしまう二人

ローニャが出て行った後、ビルクはナイフを見つけ
本当に大事なものに気づく。

「千のナイフより君のほうがずっと大事だよ」
…メモっとこ


にしても
滝の表現が凄いですね。自然の偉大さ、飲み込まれそう…

ローニャのお母さんはパンを届けさせてくれたのにボルカ一家は干渉なしなのが…ビルクかわいそう



いつの間にか11歳の夏

鳥女のボス登場!
滝に落ちる寸前、身を寄せ合うとこは名シーン

なんとか危機を脱し
ほら穴に戻ってくると
ローニャの母が。

自分の名を呼ばない、娘として見ない父親のいる場所になど戻れない

マッティスは眠った後に娘の名を呼んでいる。苦しそうに…
ムスメが憎い父親なんて居ないよな…あんだけ愛してたんだから自分の愚かさでムスメが居なくなってしまって死ぬほど後悔しただろう。



「今年限りの夏」
ビルクは冬になっても家に戻る気はない
ボルカ一家に戻ったらもう二度とローニャとは会えなくなってしまうだろうから。
そんなのは真っ平御免。
ローニャと共にいられない人生に価値を見出せない。

それほどローニャが大切だから
彼女には生きてほしい


前回から
ビルクが刹那主義のように見えたのは
彼なりの覚悟の上に成り立っていたものだったんだね。

…まったく、なんてイケメンだ!
11歳にしてラブストーリーの主人公になれる資質を兼ね備えている。

しかし、次回予告で氷漬けになってたのは唐突だったので少し笑ってしまった。えっ、イメージ映像だよね?

命はムダにできない
サブタイ的にはテルーの台詞を思い出すけど。
2人の未来はあってほしいな〜。冬将軍さん今年ばかりはお休みしててええんよ?




命は無駄にできない
貴方の命は私の命、私の命は貴方とともに

よかったあああああああああああああああああああああ
氷づけビルクに続いて マッティスとの再会も夢オチなんじゃないかと思ったけど、夢じゃなかった!

これまで考えなしで突っ走ってばかりだったマッティスには
冷静に考えるってことが必要だったんだよね。
感情の抑制ができるようになればより立派な山賊頭になれるはず。

それになによりビルクがマッティスや両親と和解できたのがよかった。ボルカ一族からは何の音沙汰も無くてビルクも寂しかったと思うんですよ。でも、自分の子供が心配じゃない親なんて居ない。
親父さんに抱きしめられたときの驚いた瞳が印象的でした。
ぶっちゃけビルク殴られるんじゃないかと思ったし。

捕まった山賊はそのままかな?
二つの山賊一家が共同で兵士に立ち向かうフラグとどちらが頭領になるかの決闘フラグが立っています

24話
まだ引っ張ります!
未だ決闘は始まりません!
しかし、こののんびりしたペースがなんだか懐かしいというか、この山賊たちの暮らしがまた見れて良かったという感じ。
でも、ローニャが戻り
覇気を取り戻したマッティスの仲間救出劇には惚れたね。あれはかっこよかった。
そんな中、「山賊辞めるのが一番利口じゃん?」と正論ぶつけちゃうローニャは流石です(笑)


25話 問答無用のロッキー
殴り合いと顔芸のオンパレード、これまでの集大成と言わんばかりの回。これまで以上に、柔らかく人間らしい質感や動きが見られた。CG技術の進歩と対照的に目グルグルさせたりひよこピヨピヨさせるダウン描写が古臭くて面白い。
顔芸としては
お頭二人の涙目が可愛く、道化師の真顔が最高に面白かった。
長らくローニャとビルクの子どもサイドの暮らしが描かれていたから久々に山賊たちの馬鹿騒ぎが観れてよかった。ただし、そんな山賊たちは相変わらず畏怖の対象なようで。
二つの山賊団が結集し、スカッレペール爺さんも一安心。
この先、山賊稼業は無くなりそうだけど少なくとも今夜は盛大に騒ぐ。それが山賊。
あああ、次で最終回か…一年やってくれても全く構わないと言うのに

最終回…やはり
スカッレペールの爺さんが亡くなる。回想に登場したマッティスの両親のほうが若そうだったけど、早くに亡くなったのかな。
その後もずっとそばでマッティスを見守ってくれていたのがスカッレペールだったんだね。もう一人の父親みたいなものだったのかもしれない。


途方もない
哀しみにくれても
優しく包んでくれる家族がいて
やがては深い哀しみも暖かい春に融ける


巡る季節と人の生
春の叫びは命の叫び

ええ、作品のテーマに沿った締めくくりでしたね。

全編を通して
それぞれのジブリ作品に影響を与えているんだろうなーという点がちらほら見られ、本当に駿さんのお気に入り作品なんだなと感じた。
それを息子が映像化。しかも、まさかの3D。それは挑戦であり、一種の反抗にも感じた。
普通に2Dでやっていたら余計に父と比べられただろうし。
新たな世代が新たな可能性を探求する。
「コクリコ坂から」を観て監督の成長と作品自体を気に入っていた私は
どうやら不安よりも期待のほうが大きかったようだ。そして、それは間違っていなかった。

私はジブリが好きだから
あの頃は良かった〜声優ガー、なんてことはほとんど感じない。

いつも何度でも私を楽しませてくれるジブリに。
米林さんとゴローさん、新しい風に期待して。
マーニー、ローニャを観て この先もずっと応援していきたいと思った。

投稿 : 2015/04/04
閲覧 : 452
サンキュー:

6

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

山賊 子育て ダイアリー

(総評)
ゆったりずっと続くんじゃないかと思っていた物語も終わりを迎えてしまった。
最終回、見慣れたローニャのあどけない顔がとっても可愛く思えて、まだ観続けたい気持ちでいました。


収まるところに収まり、アットホームさを取り戻し、ローニャとビルクはこどもだけの季節限定冒険マイホームも手にいれ…

男どもの稼業であるいそぎばたらきに、何らかの決着と変化がつくのかと(狩人に転身とか)思っていたのですが、そういう方向転換は、ローニャたちが大人になった時なんでしょうね。お隣のライバルと和解できただけで充分な状態なのでしょう。
大人がモラトリアムな楽しげな集団。いい時代だね。
山に入ってあんな奴らに追い剥ぎにあったらたまったもんじゃないけどね。ほんとにね。

最後まで父ちゃんは動の人、慟哭の人でした。
母ちゃんが立ち働く姿(パン焼いたり、糸紡いだり、織物したり)を観るのが和みました。
母ちゃんに色々習いたいです。



好きだったのは、ローニャとビルクの掛け値なしの友情が育まれるところ。男でも女でもなく兄弟のような友情に、心が潤いました。もう何年かすると変わってしまうんでしょうかね。

ローニャの声優さんの怒鳴り方や真剣な声、結構よかったんじゃないかなーと思います。


(中間評)
ずっと、山奥で暮らすローニャのゆったり過ぎる暮らしぶりを見せてきたんです。
ゆるく観続けて ここにきて ビックリ


ローニャのとおちゃんが児童虐待ですよ

相手は、因縁のライバル・ボルカ山賊の息子ですが、彼はローニャの秘密の遊び相手でもあります。子供達はお父さん達がいがみ合っているから気が引けて、それでも遊びたくて、こっそり会っていたのです。

少年のボッコボコの青あざだらけで縛られた抵抗する気もない姿は強烈でした。
兄弟の誓いをたてた、はじめての友達を傷つけたのは、ずっと大好きだったお父さん。
ローニャの息詰まる気持ちは余りあります。


これまで、山賊ってなに?どういうこと?何をするの?
と疑問に思い、真っ直ぐにお父さんに聞いてもはぐらかされ、腑に落ちてはいなかったローニャ。

信じたくない状況を打開するためにローニャが選んだのは、友達と同じように自分も、相手の陣地で捕虜になること。縄をかけられ顔もあげずにうなだれていた少年が、向こう岸へ跳び渡ったローニャを見つめ返し、お互い無言で全てわかっている様子には、グッとくるものがありました。



ローニャの父ちゃんは、にっくきライバルを思い通りにどうにかしてやりたいと思っていた。そのための手段では、相手の子供なんかただの駒だったし、自分がローニャを愛するようにライバルも子供を想っているなんて想像だにしなかったし、ローニャが自分を拒絶するだなんて、以ての外だった。

ゴロー氏のインタビューに、この父マッティスに惚れこんで、彼を描きたかったという言葉がありました。熱くも想像力の無い父マッティスを、この後どう描いていくのか注目です。




【3DCG使用の印象】
{netabare}「ペンギンズ」を観た後で「山賊の娘ローニャ」を観ると、断然“のっぺり”してるな…と思うんですが、3Dでも手法が違うんでしょうね。
ペンギンズは立体的な写実派ですが、ローニャのほうは、輪郭が先に見えて、質感や自然光の影響をあまり感じさせない。そういうテクスチャを盛り込んで無いってことでしょうか。3Dだけど「絵」の塗りっぽく淡く見せたいのかもしれません。ジブリ的な背景画と不自然に見せないための兼ね合いでしょうか。

人物に、絵だからできる感覚的な色彩表現はあえて排除している気もしますね…。影は動くけど、よっぽど暗闇の中にならない限り、外でも室内でも肌や髪の色質が変化したりしないんです。雰囲気のための視覚の対照差や錯覚とか、CGだからできるエフェクトを利用した演出はない気がします。ただ一点 演技のために3Dを使用している印象です。 {/netabare}



初見
{netabare}宮崎ゴローさんの新たなる挑戦。
私の周囲のライトアニメ層(主婦連)からは
「ゴロー大丈夫なのかい」
「“ローニャが出来るまで”見たけどさぁ、ゴローCGなっちゃってんじゃん、あの絵はどうよ〜」
「いちお録画しといたけど面白いの?」
と怪訝な声が…


いやいやいや、かわいいよ?ローニャ。
そしてコワモテなのに子煩悩な山賊陣の、クスリとさせられる連続技。
走ってるだけでなんだかおかしい父ちゃん。
仕事の最中に居ても立ってもいられんくなるくらいローニャを愛し、時に叫び、そしてすぐ忘れる父。
動の父に対して静の母。
ふがいない男どもをピシャリとしつけ、常に働き、心配事は横顔で語る。

そして音楽が素晴らしいです。
オープニングもきれいですが、劇中の賑やかな民族音楽がとてもいい。 {/netabare}

投稿 : 2015/03/31
閲覧 : 362
ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

宮崎吾朗監督(ジブリ外の)デビュー作。スウェーデンの児童文学原作のCGアニメ

宮崎駿監督の御子息、宮崎吾朗監督のジブリ以外でのデビュー作です。
原作はスウェーデンの作家アストリッド・リンドグレーンの児童文学です。
NHKアニメ。全26話。
中世ヨーロッパ風の世界(鳥女等の怪物存在するので多分童話ファンタジー)を舞台に、山賊の頭の娘ローニャが、元気一杯に森を駆け回ったり、ライバル山賊の頭の息子ビルクとラブコメの波動を感じさせたりするお話。

キャラ作画がフルCGなのが大きな特徴です。
慣れないと異和感ありますが、作画は綺麗です。
ストーリーはスロースターターで序盤~9話くらいまで退屈かも。
全般に良く言えば丁寧、悪く言えばテンポは極めて悪いので、刺激を求める人には決定的に不向き。
通して観れば、名作児童文学らしい面白さや優れたメッセージを感じさせてくれる良作です。
子供に視聴させてあげたい、NHKらしい教育的アニメ。
…あと、意外に「ラブコメの波動を感じる」♪


{netabare}『物語』
昨今の分かり易くテンポ重視の脚本とは根本的に異なり、西洋の児童文学を丁寧かつゆったりと尺を使って描いていく感じ。
主人公のローニャが山賊達から愛されながら天真爛漫、元気一杯に育っていく過程が(ちょっとくどい位に)丁寧に描かれる。
この序盤の展開も結構和むので私は嫌いじゃないのですが…
流石に30分アニメで10話近くまで延々とやられたら…飽きますよねぇ。
特に序盤の3話くらいまで、ひたすらホームビデオ見せられている感じ。
最後まで視聴すると、終盤のカタルシスは序盤の丁寧さが活きている事は分かるのですけど、現代の飽きっぽい視聴者向けには、もう少し序盤のテンポ上げても良かったような。

西洋の中世で、森には鳥女や灰色小人などの異形の存在も沢山いる、童話的な世界観が魅力的。
森は危険もいっぱい、けれど、とても美しくて楽しい一面も見せてくれる。
序盤のスロースターターも、本作の世界観を丁寧に描き出されていたので、私的には悪くは無いと思いました。

10話辺りでライバル山賊の頭の息子ビルクと「きょうだいの絆」結ぶ辺りからが面白くなっていきます。
その前にビルクと出逢い、最初は「やな奴!やな奴!やな奴!」な感じでしたが、段々仲良くなっていくのが微笑ましい。
本作はローニャとビルクのラブコメの波動が一番の見所でした♪
二つの山賊団はライバル関係なので、必然的にローニャとビルクは「ロミオとジュリエット」状態…
それでも無邪気に友好を深めていくのですが。

ローニャの父マッティス率いる山賊団が、ビルクに酷い事した事案をきっかけに、急展開。
…こ、子供向けアニメだよな!?これ子供が観たらトラウマになりそうな暴行なんだが!?
無邪気で牧歌的なアニメかと思いきや、まさかの危険な展開にビックリです。
ローニャの強さと決意、親子関係の危機…

かなりハラハラさせる展開の後、ビルクと共に洞窟で家出生活する事に。
ここから二人の新婚生活が終始ラブコメの波動を感じる!
サバイバルしていく様子も興味深いです。
(NHKアニメだと、無人惑星サヴァイヴっぽいワクワク感)
森で野馬(ニコ動ではクロスアンジュネタでノーマと呼ばれてたw)と追いかけっこしたり、鳥女に狙われて滝壺に落ちそうな恐怖味わったり、楽しい事と怖い事一杯で波乱万丈。
ローニャが大切なナイフ失くしそうになって夫婦ゲンカ→仲直りイベントが割と重要なお話でした。
…楽しい日々。
けれど、次第に冬の足音が迫って来る。
二人に冬を越すすべは無く、冬まで留まれば…命の終わりを意味している。
ロミオとジュリエット状態の二人が、徐々に追い詰められていく展開はジリジリとした焦燥感感じました。

終盤。
なんやかんやで親子和解→両山賊の頭同士で決闘→仲直りして大団円。
ここら辺、グダグタと理屈言わずに、勢いで分かりあえてしまうのが良い。
途中でマッティスが酷く落ち込んでたりする伏線もありますし。
最後はローニャとビルクが一族公認でめでたしめでたし♪
スカッレ・ペールじいさんは寂しいが…
それでも大切なメッセージを残してくれました。

本作の持ち味は「あまり説教くさく無い」点だと思ったです。
本作は別に山賊(略奪)が悪だと断じているワケではない。
ローニャ含む山賊達は、ビックリする位に「謝罪や反省をしない」
ローニャがごめんなさいしたシーン殆ど無いような…
普通なら山賊は悪!とかケンカは悪!で反省しようとなりますが…
作中、決して直接的に悔い改めたシーンが無い。
けれど、ローニャとビルクの仲良しっぷりと、大人達の醜い争いを対比させる事で、言下に「争うより仲良く、奪うより自然の恵み」の方が楽しい♪
と思わせてくれます。
ロビス母さんやスカッレ・ペールじいさんの、控え目だが度々示してきた言葉が、しっかりと伏線になってました。
ある意味分かり難いが、ある意味、とても素直で分かり易いメッセージを感じました。

総じて
非常に丁寧に原作児童文学を再現した
ロミオとジュリエットのラブコメの波動を感じる!
最後まで視聴すれば、安っぽい倫理や正義を超えた、大事なメッセージ伝わる。
…素晴らしい良作なのですが、エンタテイメントとして見ると、序盤のスローテンポが難なのは否めない。
多分序盤でかなり多くの視聴者が脱落している模様なのは残念。
ここら辺は多少構成を工夫して欲しかった気もします。
(物語評価は4.5点級の名作だと思いましたが、若干減点しました)
とはいえ、元々この手のアニメは、じっくりかつ呑気に視聴するタイプ。
こういう良作を、ゆとりを持って楽しむ人が増えれば良いなぁと思います。


『作画』
キャラクターがフルCGなのが特徴なのですが、残念ながら異和感が大きいです。
キャラ作画のCGでは「蒼き鋼のアルペシオ」「シドニアの騎士」等にかなり見劣りします。
表情が固い、若干不気味の谷に掛かってしまった感。
とはいえ、慣れてくれば、問題無く楽しめましたが…
実験的な試みは素晴らしいが、CGならではの利点が少なかった。
…あと、子供がガチでボコられたシーンがかなり生々しい。
子供視聴者にはキツイかも?

背景作画は手描きで、かなり美しいです。
まるで上質な絵本や童話の世界に入り込んだかのよう。
背景作画は素晴らしい…と言いたいところですが。
些か陰影が乏しい気も。
絵画的な美しさはありますが、アニメーションとしては些か硬質な印象。
近い時期には蟲師続章やヤマノススメ2期など、本作より背景に魅力感じる良作少なく無い。
ちょっとイジワルな視点ですが、背景作画も「抜きん出て優れている」とまではいかないと見ております。

…いやまあ、色々と難癖は付けましたが。
欧州の童話的世界観を魅力的に表現した作画は、十分良かったです。
慣れればローニャも可愛いし♪


『声優』
主人公ローニャを演じたのは白石晴香さん。
戦国コレクションの大谷吉継を演じた若手声優さんの模様です。
ローニャの、通常のアニメヒロインには居ないタイプの元気さ(というより野蛮さ)を存分に発揮した熱演でした。
特に叫び声は素晴らしい♪
宇山玲加さんは本作のビルクが初主演の模様。
ビルクの飄々としたイケメンっぷりを如何なく発揮した好演でした。

全般に俳優業中心のベテラン陣多かった模様。
本作自体がまるで原文を直訳したかのような独特の言い回し多くて、普通のアニメらしくない喋り方多かった。
ビルクはちょっと芝居掛かった感じが気になるが、まあ本作の持ち味ですかね。
声優陣は優秀な仕事されていたのですが、通常アニメ基準だと若干異和感ある点を考慮。

『音楽』
吾朗監督本人が作詞したOP「春のさけび」が中々良OP。
EDも良い余韻残します。
BGMや、自然の音響も中々美しい。

『キャラ』
ロビス母さんとスカッレ・ペールじいさんとビルク以外は、ほぼ全員脳筋でしたw
引かぬ!媚びぬ!省みぬ!
特に父マッティス、あんたが一番子供かw
愉快な一方で、平然と略奪したり、子供をボコボコにして大笑いしたりと、悪党っぷりも。
この点本作は別に勧善懲悪では無いので、陽気さも粗暴さも素直に描いている印象。
本作は短絡的に善悪度外視して、とっても人間的な明るさに満ちている。

ローニャは普通のアニメヒロインにはまず居ないタイプ、そのアグレッシブさに終始驚かされました。
滅多に謝罪や反省はしないけど、心優しく聡明な少女でした。
そして旦那ポジのビルクがイケメン過ぎる!
なんという人間力!ニコ動では「流石ビルク!」「さすビル」と称賛されてましたw
芝居掛かった哲学じみたセリフや詩的な表現もステキ。
何気に2014年度でも指折りのイケメンですよビルクさん!
ローニャとビルクのラブコメの波動がスバラシイ♪

キャラ層はそんなに厚くは無いのですが、一人一人が本当に飾らずに魅力的に描かれました。
あと、鳥女や灰色小人たちも、不気味&可愛かった。{/netabare}

投稿 : 2015/03/30
閲覧 : 376
サンキュー:

24

ネタバレ

37111 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 3.5 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:途中で断念した

あかーーん

何が楽しいのかわからん。。。
CGももうちょっと何とかしろよ。
幼稚園児向け?

5話目で視聴終了

谷山浩子好きなのに。。。

投稿 : 2014/11/18
閲覧 : 362
サンキュー:

1

ゅず さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/02/19
閲覧 : 63

ドウ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2023/04/21
閲覧 : 13

いさ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2020/11/28
閲覧 : 38

vzyXN69958 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:途中で断念した

投稿 : 2020/06/30
閲覧 : 38

▲猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2019/12/31
閲覧 : 46

守守守 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2019/11/13
閲覧 : 45

ウンベルトA さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

投稿 : 2019/08/22
閲覧 : 39

うみチャン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2019/08/06
閲覧 : 45

vblandy さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2018/10/12
閲覧 : 53

音乗りじょにー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2018/02/21
閲覧 : 53

uryu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:途中で断念した

投稿 : 2018/01/19
閲覧 : 49

真由子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2018/01/02
閲覧 : 57

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3
物語 : 2.5 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

投稿 : 2017/11/26
閲覧 : 49

真のsuke さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2017/07/04
閲覧 : 65

戦場の牝犬 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2017/06/06
閲覧 : 66

ラ ム ネ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2017/02/24
閲覧 : 46

ふわふわマショマル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2017/02/07
閲覧 : 48

3mei さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2017/02/04
閲覧 : 54

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2017/01/04
閲覧 : 48

satoshi さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2016/10/02
閲覧 : 49

しろニャ・η・ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2016/10/01
閲覧 : 62

tmiyo4 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2016/09/24
閲覧 : 52

まるU^p^U さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2016/08/06
閲覧 : 51

大三元 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2016/07/17
閲覧 : 57

メキシコ人だ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 2.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2016/06/28
閲覧 : 56
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山賊の娘ローニャのストーリー・あらすじ

物語の舞台は、中世ヨーロッパ風の世界に広がる雄大な森。 主人公の少女・ローニャは、その森の巨大な古城に暮らす山賊マッティスの一人娘として生まれます。父、母、そして山賊仲間たちの愛情を一身に受けながらすくすくと成長したローニャは、ある日、一人で森に出ることを許されます。
初めて足を踏み入れた森には、不可思議な生き物たちが棲んでいました。自分の力で、時には両親の助けを借りながら徐々に森で生きる術を学んでいくローニャ。
そして、ビルクという名の少年との運命的な出会い・・・
子どもたちの未知なるものへの憧れと成長の喜び、子の成長を願う親の愛情、親子の葛藤と和解・・・ 本作では、ローニャという一人の少女の成長をとおして、家族の物語を描きます。(TVアニメ動画『山賊の娘ローニャ』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
TVアニメ動画
放送時期
2014年秋アニメ
制作会社
ポリゴン・ピクチュアズ
主題歌
≪OP≫手嶌葵『春のさけび』≪ED≫夏木マリ『Player』

声優・キャラクター

白石晴香、宇山玲加、関貴昭、野沢由香里、佐々木梅治、赤星昇一郎、西凜太朗、小川剛生、杉村憲司、島田岳洋、手塚祐介、姫野惠二、谷昌樹、土井美加、加藤沙織、遠藤ふき子

スタッフ

原作:アストリッド・リンドグレーン『山賊のむすめローニャ』(大塚勇三 訳)、 監督:宮崎吾朗、シリーズ構成・脚本:川崎ヒロユキ、題字:鈴木敏夫、キャラクターデザイン:近藤勝也、音楽:武部聡志、アニメーションプロデューサー:小林毅/高久美知子、制作統括:有吉伸人/柏木敦子/土橋圭介/太田豊紀、プロデューサー:川上量生、制作協力:スタジオジブリ、制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK/ドワンゴ

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