タケ坊 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ノスタルジー&ラブロマンス&ユーモアの調和
☆物語&感想☆
-90年台アーケードラブコメディ-
「あの頃、僕らの青春はゲームと共にあった」と作品HPにありましたが、
自分の過去を振り返ってみると、確かにゲームは青春の1ページと言えるかもしれないくらい、
物語の時代的に殆どリアルタイム世代な自分には、
春雄が熱中して熱く語るゲームの数々が、もう本当に懐かしすぎて胸が熱くなりっぱなしでした。
80年代、ファミコンの登場によって当時の子供の遊びは劇的に変化しましたが、
特に初期から90年くらいまでの作品は友人間の貸し借りによって、
リリースされた作品はかなりのプレイ率だったと思います。
それこそ狂ったようにゲームに費やした時間を他の何かに傾けていれば、
何かしらある程度のモノになったかもしれない...と思えるほど。
何度も親にファミコンを隠されたのも今となってはいい思い出笑
でも、当時はアーケードゲームも名作が数多く出ており、
ファミコンでプレイできないものも多かったので、
春雄同様自分も地元の駄菓子屋に併設されていたゲームコーナーでよく遊んだものでした。
(最初の方に「源平討魔伝」や「ファイナルファイト」「魔界村」が出てきた時には涙しそうでしたよ)
小学生当時は地元で1ゲーム確か2,30円でプレイ出来たんですよね驚
まぁその後は50円100円と時代が進むにつれて値段も上がり、
家庭用ゲーム機メインで遊ぶようになってからはゲーセンヘ行くことも少なくなり、
現在では殆どゲーム自体やらなくなってしまっていましたが、
この作品を観たのを機会に、また昔のゲームが無性にやりたくなってます。
今のゲームはグラフィックなどの情報量が昔とは比べ物にならないレベルになってますが、
ゲームの面白さの本質って、そこだけじゃないと思うんですよね。
今となってはゲーセンを取り巻く環境も大きく変わってしまい、
スト2を始めとする対戦ゲーム人気に火が付いた当時は、
ゲーセンには多くの人だかりができて、順番待ちが出来たり盛り上がっていたものですが、
インターネットが普及した現代に於いては、もはや過去のもの。。
ゲーセンはメダルゲームやUFOキャッチャー、プリクラなどがメインになって、
かつての面影は殆ど無くなってしまいました。
そんな失われた古き良き時代のアーケードを舞台にした本作の内容は、
ゲーム内容のあるあるネタなんかも含めて、否が応でもノスタルジックな感傷に浸らせるもので、
原作者のゲーム、とりわけアーケードへの想いが春雄を通じてとても良く伝わってきました。
(たぶん自分がこの作品と同じ時代を生きてきたという事も共感できる要素として大きいとは思います)
かつ小学生~高校生の甘酸っぱい恋、三角関係にギャグアニメの要素も混ぜ込んだラブコメは、
自分のようなリアルタイム世代でなくても充分に楽しめるものでしょう。
各ゲーム会社の惜しみない協力が無ければ成り立たなかった作品ではあると思いますが、
作中CMで各メーカーのソフトを紹介するなど、コラボ具合も違和感なく、
とても上手い具合に作ってましたね。
そういや、この作品の円盤のCMで、ファミコンウォーズのCMのパロディには思わず吹き出しましたよ笑
当時はほんとインパクトあるCMでしたもんねぇ。
最終話まで来て良いところで終わるなぁ、と少し残念ですが、続編はRound13~15まであるとのこと。
残り原作内容がどれくらいあるのか知りませんが、出来れば最後までやってほしい、
と思えるくらい楽しませてもらいました。
☆声優☆
晶役の声優さん台詞なさ過ぎ...逆に難しいでしょう。
いったいどうやって選んだんでしょうね。。
新井里美演じる春雄の母なみえはドンズバのハマり役だと思いました。
作中ゲーム、ストⅡのガイルやベガ、
ちょい役にさりげなく人気&実力のある声優を配役する辺りはなかなか心憎いですね。
☆キャラ☆
春雄はゲーム以外には眼中に無い性格ながら、
晶や小春へのさりげない優しさも有り、宮尾はなかなか鋭い観察眼を持ってましたね。
殆ど台詞のないヒロイン晶に対して、心の声~台詞量も多い小春との対比が素晴らしい。
視聴者的には勿論正妻の晶に好感を持って応援したくなる人が多いとは思われますが、
自分は小春のようなキャラにも同情する部分が多いかな。
「ホワイトアルバム2」のかずさとセツナを連想したのは自分だけ!?
留学で海外に行っちゃう展開とか...
神ゲーとして名高い「ホワイトアルバム2」を原作者がプレイしていると考えるなら、
影響を受けてるのはむしろ自然かもしれませんね。
その他のキャラはギャグアニメ的な要素も多く笑わせてもらいました。
この辺りはギャグ系が得意なJ.C.STAFF、良い仕事してましたね。
☆作画☆
3DCGを採用したのは作品内容から鑑みても妥当、むしろその方が適していると思えるほど。
技術の進歩&視聴者の3DCGへの慣れによって、ほぼ違和感は無くなったと感じますし、
実際殆ど台詞のない晶の表情などは、むしろ非常に巧く表現できていたと思います。
また、背景はさほど凝ってないながらも、キャラが浮かない3DCGとの馴染みの良さも実感しました。
ゲームそのものの画面を随所に挟み込んでましたが、なかなか目新しく、
よくこれだけ業界の協力を得られたなと感心。
☆音楽☆
OPのイントロからのインパクトは充分で歌詞&曲調共に作品の内容に沿ったものでしたが、
EDも同様に曲調や歌詞から、晶の心情を表してるとも受け取れ、
こちらもアニソンとして高く評価できますね。
作中ゲームの実際のBGMが時代を感じさせて胸熱でした。
劇伴は何とストⅡの音楽を担当された方なんだとか、凄い拘りようですね。